今回からポジションの横の()内に、野手であれば入る打席を、投手であれば投げる腕、投法を記載します。
より読みやすいように改良できていれば幸いです。
追記、感想でとてもよいことを教えてもらったので、試しにやってみようと思います。
ウグイス嬢が青道のオーダーを読み上げる。
1 藤堂 センター (右)
2 柳 レフト (左)
3 江藤 ショート (右)
4 植松 ファースト (左)
5 倉田 ライト (右)
6 西 セカンド (左)
7 東 サード (右)
8 中山 キャッチャー (右)
9 川口 ピッチャー (左投げ、サイドスロー)
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先攻 稲城実業 、後攻 青道
1回表、稲城実業の1番打者が左打席に入ると、ルーティーンで左肩を軽く回す。守備位置を確認して、ファーストとサードが、偵察映像より、1歩ほど前に出ているのを確認すると、昨年覇者という肩書きに奢らず、しっかりこちらを研究していると感心する。
事前の2回戦、4回戦の偵察映像から、相手ピッチャーは、コントロールはまずまず、球速は120キロ後半から130キロ前半、変化球にスライダー、シンカーがあるという情報を得ている。
ただ投球回数が少ないことから、他の球種がある可能性も視野に入れるようにと、チームで共有している。
監督からの指示は球数を稼げ、できれば出塁しろ。
初球のアウトコースのストレートが外れて1ボール、インコースのストレートが高めに浮いて2ボール。相手ピッチャーがロージンを手に取り間を取る。
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2球入れるはずだったストレートが、共に外れたため、落ち着くためにロージンを手に取る。後ろからは内野陣の声が大きく、観客の応援で一部かき消されるが、外野陣の声も聞こえる。
ベンチの方向にチラッと目線だけ向け、バッターに集中する。
伊藤の顔を見たことで、落ち着き、腹をくくる。
得意球のスライダーを投げると、アウトコースの際どいところに収まり、1ストライク2ボール。
打者がタイムを取り、打席から出て何度か素振りをして戻ってくる。
そして、すぐにインコースの低めギリギリに、130キロ前半のストレートを投げ2ストライク、2ボールとなった。
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横から見ていると、かつての姿に戻ったように思える、いい顔つきになったと思う。インコースのゾーンから、打者に向かっていくシンカーで空振りをとる。川口が躍動し雄叫びをあげるのを、伊藤はベンチで座って、目に涙を浮かべながら見ていた。
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前評判で、投手陣に信頼できるピッチャーが糸原のみだが、有力な1年生が加わり、打撃力は全国区とされていた前回覇者の青道と、ここまで中堅校とすら当たらず、くじ運に恵まれただけで、安定感はあるが、打線も、投手陣にも今年は強みがないとされていた稲城実業との戦いは、青道圧勝の下馬評を裏切り、投手戦の様相を見せていた。
春まで勝てていないだけであった稲城実業には、成長した3年生エースと盛り立てる野手陣、そして将来大学生で2球団競合の末、ドラフト1位でプロ入りすることになる、2年生の天才、天海 賢治が才能を開花させつつあった。
そして、5回表にその天海が、川口からソロホームランを放つ。しかし、川口が踏ん張り後続を抑える。
続く5回の裏に、先頭打者の西が6番打者として、チャンスメイクとして出塁するが、東、中山、川口と凡打に倒れる。
相手エースを攻めあぐねる打線に、片岡監督が低めの変化球を捨てろと、指示を出すも、逆手に取られて変化球攻めをされ、三者凡退で6回の攻撃を終える。1失点で抑えていた、久々に本気でボールを投げることができ、息のあがっていた川口にかわり、エースの糸原が7回表のマウンドに登る。