プロローグ★
9月に入るとすぐにレギュラーの発表があり、背番号が発表された。
1 川口 2年生
2 蜂須賀 2年生
3 伊藤 2年生
4 角田 2年生
5 東 1年生
6 西 1年生
7 柳 1年生
8 藤堂 2年生
9 佐々木 2年生
ここまでがレギュラー
10 坂井 2年生 ピッチャー
11 武藤 1年生 ピッチャー
12 小宮山 2年生 ピッチャー
13 加山 2年生 サード
14 田中 2年生 セカンド
15 神田 1年生 外野手
16 栃谷 1年生 ファースト
17 山崎 1年生 ショート
18 玉森 1年生 外野手
19 岸谷 1年生 キャッチャー
20 井手 1年生 ピッチャー
例年、この時期の1年生はまだまだ成長段階であり、去年はレギュラーに伊藤、藤堂の二人で、ベンチに入っていたのも川口、佐々木、角田くらいであったが、今年は2年生が1年生の激しい突き上げを食らう形となっていた。
エースこそは気まぐれに稲城実業に行ったものの、城南シニアから、神田、栃谷、玉森といった素材型の選手が入部しており、その3選手を中心として、メキメキと夏の大会中も力を付け、数多くの1年生がベンチ入りしている。
全国でも、今年の1年生は、既に主力級の選手が各地で活躍していることから、怪物世代と呼ばれている。
大阪桐生のピッチャー 兵藤
市大三高のショート 北川
白龍高校の センター 蒲生
西邦のキャッチャー 飯岡
各々が中学3年生時にU-15に選ばれ、活躍した選手達。甲子園へ行けなかった高校のなかにも、西東京の稲城実業の南野や、青道の柳、東、西など、ほとんどの各ポジションに傑出した選手が揃っていた。
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片岡は、実際にチームを組んでみると、1年生が丁度半分を占めることに驚きを隠せないが、納得もする。U-15の、それも4番と5番の2人が揃って入学する高校、その影響はかなり大きかった。西に引っ付いてきた神田、栃谷、玉森もそうだが、他にもシニアで活躍した選手が多く入ってきており、この世代が育つのを楽しみにしていた。
現2年生は一部の者達が、藤堂達に引っ張られて成長したのに対して、1年生は各々が意識を持って、シニアの延長として、2年生以上に真剣に野球をしている。既にほとんどの燻っていた2年生が、ベンチに入れない状況となっていた。
ノックをしても去年との違いを感じる。1年生にシニアで全国を経験したものが多いからか、こちらから逐一指導をしなくても、当たり前のように駆け足で動き、規律正しく練習を行う。恐らく最初は城南シニアの子供達から始まったであろう、強豪校らしい雰囲気が既に1年生達から滲み出ていた。
6月時点では1年生は下の存在に感じていた、そんな2年生たちは既に追い込まれ、追い越されつつある。
そんなチーム状況を整理しながら、今日発表された秋季大会の組み合わせを思い出す。
同じブロックに強豪高校はいない。そのためたくさんの選手を試すことができる。
背番号は渡してあるが、本戦でのレギュラーは代わるかもしれない。暗くなった空を見上げながら1人、煙草を吸うのであった。
片岡監督メモ
小宮山 大樹 2年生 ピッチャー
右投げ右打ち オーバースロー
130キロ前半のストレートと、カーブ、スローカーブ、カットボールが持ち玉。球筋が素直であること、変化球を投げるときとストレートを投げるときを比べると、フォームのバラつきがあるため、痛打されやすいのが欠点か。
加山 宗次 2年生 サード
右投げ右打ち
パンチ力のある打撃が持ち味だが、優柔不断なところがあり、上手くバットを振りきれないときがある。守備に関してはとても良く、東が来るまでは守備固めとしてベンチ入りしていたこともある。
田中 栄太郎 2年生 セカンド
右投げ右打ち
夏の大会中に向上した打撃は及第点だが、角田と同じく守備範囲が狭い。青道ピッチャーの経験が全体的に浅いため、比較的守備の良い角田が、レギュラーとしては妥当だろうと判断された。
神田 陽一郎 1年生 外野手 城南シニア出身
右投げ左打ち
足の速い走塁のスペシャリスト。優しい性格で、頼まれると断れないのが悪い癖か。技術はかなり高いが、強豪校でやっていくには体は発達しきってはいないため、無理をさせず大事に育てたい。
経験を積むためにベンチ入り。
栃谷 薫 1年生 ファースト 城南シニア出身
右投げ右打ち
打力に関しては高水準であり、守備も問題ない。2年生に伊藤がいるため、別の守備位置を試すことも話しているが、それは冬合宿で徹底的にしようと本人と話している。今回は代打の切り札となるだろう。
山崎 恭兵 1年生 ショート
右投げ右打ち
圧倒的なレギュラーである西がいるなか、腐らずに努力する。まだ体は出来上がっていないが、素質はある。
玉森 孝太 1年生 外野手 城南シニア出身
右投げ右打ち
佐々木には劣るものの、打撃、守備、走塁に穴はない。外野手の層が厚いため、レギュラーではないが期待の1年生。
岸谷 琉斗 1年生 キャッチャー
右投げ右打ち
肩は強いものの、ブロッキングに難がある。リードも不安定だが経験を積むためにベンチ入りした。他のキャッチャーと比べるとマシではあるのだが‥
井手 勇太 1年生 ピッチャー
左投げ左打ち オーバースロー
ストレートは120キロ後半しか出ないものの、コントロールが非常に良く、ツーシーム、スライダー、シュートと変化球を持っており、ある程度は試合を作ることができる。
経験を積ませて戦力としていきたい。
青道偵察班メモ(夏の甲子園)
兵藤 浩平 1年生 ピッチャー 大阪桐生
右投げ右打ち
140キロ前半のストレートに、ドロップカーブ、SFF、フォーク、縦スライダーという縦方向に特化した変化球を操る。
ピンチでも堂々とした姿は、高校野球ファンを惹き付けた。
蒲生 久英 1年生 センター 白龍高校
右投げ左打ち
圧倒的な加速力を武器に縦横無尽に外野を守る天才守備職人。打撃技術が怪物世代でも西と比肩するほどであり、U-15では不動の1番を担っていた。本塁打を放つ力も備えており、危険なバッターである。
飯岡 奏 1年生 キャッチャー 西邦
右投げ右打ち
圧倒的な肩、巧みなフレームワーク、リードを武器とする。打撃は勝負強く、長打も打てる。だが1番怖いのは、相手捕手のリードを読む力と、三振をしないミート力でピッチャーのスタミナをガンガン削ってくる執念であろうか。甲子園大会の1回戦では相手のエースから17球粘り、四球を獲得している。