[実況]
春の甲子園大会準決勝の第一試合、青道と西邦の試合が今、始まろうとしています。先に攻めます、青道のオーダーはテレビ画面下に映っているものとなっています。
1 玉森 ライト (右)
2 伊藤 ファースト (右)
3 柳 センター (左)
4 東 サード (右)
5 西 ショート (左)
6 栃谷 レフト (右)
7 角田 セカンド (右)
8 蜂須賀 キャッチャー (左)
9 坂井 ピッチャー (右投げ右打ち、オーバースロー)
1回戦から変わらぬ打順で、西邦の斉藤に挑みます。今大会では今のところ、全試合で二桁得点を記録していますが、この打線を昨年夏の甲子園優勝投手、斉藤がどう抑えていくか、高校野球ファンが非常に注目しています。
初回、1年生の玉森くんが右打席に入ります。こうして改めて見ると、強打の青道打線、1年生が5人スタメンに入っている若い打線であります。若さゆえに怖いものなしか!
さぁ、斉藤、初球インコースの低めにビシッと決めて1ストライク。打席の玉森は思わず後ろのキャッチャーミットを見ます。斉藤の魂の籠ったキレのある146キロのストレートに、ここまで高打率を記録している玉森も手が出ません。
2球目もインコースの低めにストレートを入れてきて2ストライク!一度玉森、打席を外して自身のスイングを確認します。
斉藤の外のアウトコースへ逃げていくスライダーに、玉森は三球三振!先頭打者を切ってとりました!
次に打席に向かうのは2年生の伊藤 叶。5番を打つ1年生の西と共に、今大会ではいまだ三振を記録していません。
おぉ!打ちました。初球のアウトコース低めの、恐らくフォークでしょうか、うまくバットにのせてライト前へ運んでいきました。唯一上位打線に入る2年生の意地を見せつけたか!
3番の柳はここまでの試合で2本のホームランを放っています。長打力もそうですが、このバッターも打率が高い。6番までは5割を越える打率を誇るバッターが続いていますから、さすがの斉藤も厳しいかもしれません。
この柳、追い込まれてから4球粘っています。斉藤の投球になんとか食らいついていく。ここでスライダー!空振り三振!三振した柳は斉藤を少し見つめたあと、ベンチに走って戻ります。
ここで現在の青道を象徴するホームランバッター!4番東が右打席に入ります。ここまで全試合でホームランを放ち、4本のホームランを記録しています。恵まれた体格に、高校生離れした圧倒的なパワーが魅力の強打者です。
打った!これはでかい!入るか?入るか?入ったーーー!
斉藤の様子見に投げたであろう初球!アウトコースのストレートを!逆らわずにライトスタンドへと運んでいきました!ツーランホームラン!これがまだ高校1年生のパワーなのか!ベースを丁寧に踏んで、悠々とベンチへと戻っていきます。
キャッチャーの飯岡、マウンドの斉藤に声をかけ、落ち着かせます。
青道打線はここからも怖いだぁああーっと!これはどうしたことか!伸びる!伸びる!またまた入ったぁー!東に続いて西もホームランを打ちました!
キャッチャー飯岡のリードを読んだのか、初球、恐らく落ち着かせるために確実に決めにきた、斉藤の自信のある球のスライダーを引っ張ってレフトスタンドへ。これでクリーンナップあわせると今大会10本目のホームランとなります。
これにはたまらず西邦はタイムをとる。立ち上がりはそう悪くないはずの斉藤、さすがにこの状況は予想外か。ここから斉藤は立て直せるのでしょうか。
▽
4月から西邦に入学する佐野 修造は、イヤホンから流れてくる実況を聞きながら、スタンドで試合を見ていた。監督の経験が足りない。その一点で周りの有力選手が青道に行かないというのは知っていたが、これを見ると、本当にそうなのかと疑問を抱く。
斉藤さんと対戦させてもらったことはあるが、自分ではあんな風に自身のスイングを貫くことはできなかったと思い出す。
闘志剥き出しに打者を食い破らんとする、攻めるピッチングをしてくる斉藤さんを初回から果敢に攻めていく。このような思いきったことを、自チームの打線を信じてやってくる。普通なら柳さんにバントをさせて、ランナーを2アウトでもいいから2塁に進めるだろうが、それでもバッターを信じて打たせる。実力もあるだろうが、青道の監督と選手の信頼関係を羨ましいと思う。
しかし、自分が入るのは西邦。確実に西邦よりも実力の高い打線の青道が魅力的に映るが、じわじわと点をとって、最終的には、投手力の差でなんとか競り勝った、西邦のナインが喜ぶ姿を見て、球場を後にした。
選抜春の甲子園大会
準決勝第一試合
青道vs西邦 11-13
坂井 5回4失点
武藤 2回3失点
川口 1回4失点
井手 2/3回2失点
ホームラン 柳、東2、西、角田
高校編、3年生世代で、はじめての視点主はまさかの佐野