夏の大会における背番号を、片岡監督は発表する。
1 坂井 3年生
2 蜂須賀 3年生
3 伊藤 3年生
4 角田 3年生
5 東 2年生
6 西 2年生
「背番号7、2年生 柳 圭司」
「はい!」
ここで全体にざわめきが起こる。
「柳がレフト?」
「え?センターじゃなくて?」
「背番号8、3年生 藤堂 航」
「っ!はい!」
一瞬理解できていなかった藤堂は、なんとか返事をする。
「紅白戦での気迫、見させてもらった。外野のリーダーとして頼んだぞ」
右拳を握りしめ
「はいっ!このチームで甲子園へ行きます!」
そう宣言してきた。
「背番号9、2年生 玉森 孝太」
「はい!」
玉森が駆け足で、片岡監督の元へ行くのを見届け、栃谷は静かに上を向いて目を瞑った。
10 武藤 2年生 ピッチャー
11 川口 3年生 ピッチャー
12 加賀谷 3年生 ファースト
13 加山 3年生 サード
14 岸谷 2年生 キャッチャー
15 栃谷 2年生 外野手、ファースト
16 神田 2年生 外野手、セカンド
17 山崎 2年生 ショート
18 佐々木 3年生 外野手
19 滝川 1年生 キャッチャー
20 結城 1年生 ファースト
▽
時は流れ抽選会の日の夜、片岡監督、太田部長、高島副部長はトーナメント表から当たるであろう高校を精査していた。
太田部長は
「1回戦はシード、2,3回戦は問題無さそうですが、4回戦では仙泉学園、5回戦は市大三高。そして、準決勝では稲城実業、決勝で成孔と、でしょうかね。」
と予想した。
「順当にいけばそうでしょうね」
と高島副部長は応え、お茶を飲む。
「そのなかでも、エース今井擁する仙泉学園、4番 北川擁する市大三高。そして、エース南野と4番の天海を擁する稲城実業。この3チームは、甲子園に出てきてもおかしくない強豪です。」
片岡監督はお茶を飲み干し、
「現チームの打線なら相手を打ち崩すことはできるでしょう。しかし、勝つためには、ピッチャーがある程度抑えてくれること。勝敗はこれにつきます。これがうちの基本のオーダーとします」
1 藤堂 センター
2 玉森 ライト
3 柳 レフト
4 東 サード
5 西 ショート
6 伊藤 ファースト
7 角田 セカンド
8 滝川 キャッチャー
9 ピッチャー
「滝川をレギュラーにするんですか?」
「背番号は負担を考えて、19にしていますが、実力的にはレギュラーでも問題ありません。来年のことも考えると、できるだけ1年生でレギュラーとしてやっていける素材を、育てておきたいということもあります。なので、2,3回戦まではこれで、4回戦からは蜂須賀、岸谷のスタメンを考えています」
「なるほど」
おそらく青道史上最強打線
弱点のない高いレベルの打撃、走塁をする1番 藤堂
変幻自在の打撃が持ち味の2番 玉森
超高校級の技術を持つ3番 柳
世代トップの長打力に勝負強さを持つ4番 東
チャンスをものにし、チャンスメイクもする5番 西
バットコントロールはチーム随一の6番 伊藤
東にも匹敵するパワーの持ち主の7番 角田
来年、2年生が更なる成長を遂げるかもしれないが、片岡監督自身、ここまで充実した打線は見たことがない。これで甲子園へ行けないことがあれば、校長、教頭から何かしらアクションがあるだろうと、頭の片隅にそんな考えがよぎった。