至高の一打   作:もぐもぐファンタ爺

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先攻 青道オーダー

1 藤堂 センター (右)
2 玉森 ライト (右)
3 柳 レフト (左)
4 東 サード (右)
5 西 ショート (左)
6 伊藤 ファースト (右)
7 角田 セカンド (右) ○
8 蜂須賀 キャッチャー (左)
9 川口 ピッチャー (左、左サイドスロー)



後攻 仙泉学園オーダー

1 江島 センター (左)
2 高田 セカンド (左)
3 三宅 ファースト (右)
4 二階堂 キャッチャー (右)
5 平山 レフト (右)
6 渡辺 ライト (右)
7 寺田 ショート (右)
8 石垣 サード (右) ○
9 今井 ピッチャー (右、右オーバースロー)

5回表 0-0
ノーアウトランナーなし
打者:角田


仙泉学園戦 part3

[ここまで膠着状態が続いております、夏の都大会4回戦、青道vs仙泉学園。早くも5回表、青道の攻撃となっております。先頭打者は7番角田、パワーは全国区、気合いでボールに食いついていくようなバッターです。鮫島さんはこのバッター、どう思いますか?]

 

〈何と言っても、気持ちが乗ったスイングを毎回しています。技術的にはクリーンナップに、及ばない部分はありますが、3年生、最後の重みと言いますか、気合いが他とは違いますね〉

 

[青道はここでチャンスを作り、先制点を取ることができるのでしょうか?初球、インコースのカットボールを見逃して1ストライク。角田、全く反応を見せません]

 

角田は打席から、冷静にマウンド上の今井を見ている。

 

[2球目のアウトコース、低めのストレートが外れて1-1の平行カウントに。ここでも角田は反応を見せません]

 

〈ボールがしっかり見えているのか、それとも狙い球を絞っているのか〉

 

[あーっと、今井、力が入ってしまったか!ボールは2バウンドでキャッチャーの元へ!]

 

〈角田が反応を示さないことで、力んでしまいましたね。前の2打席でかなり飛ばしそうなスイングをしてましたから、狙い球を絞られている、それがプレッシャーとして今井に襲いかかってるのでしょうか〉

 

[かなり投げにくそうにしていますね。あーっと!これも外に外れて1ストライク3ボール!どうした今井!ストライクゾーンにボールが入りません!続けて縦のスライダーが低めに外れてフォアボール!ノーアウトでランナーが出てしまいました]

 

〈これは青道チャンスになりましたね!バッターは蜂須賀、打撃もだんだん期待できるようにはなっていますが、どうでしょうか〉

 

[ここで青道、代走が送られます。角田に変わって2年生の神田が出てきました]

 

〈青道では1番足が早いそうですが、どう攻めてくるでしょうか!期待して見ていきましょう〉

 

[1球、2球と牽制をします、マウンド上の今井、かなりランナーを警戒していますね]

 

〈同じシニアだったとのことですから、かなり警戒しているのでしょう〉

 

[神田が走っ!っと1塁に戻りました、ストレートは外れて1ボール。2球目もはずしてきます、仙泉バッテリー]

 

〈ランナーに気を取られて、フォアボールにならなければいいのですが〉

 

[3球目走った!セーフ!キャッチャーの二階堂の、2塁への送球も良かったですが、神田の足が勝りました!先程のインコースのフロントドアとなるカーブが、僅かに外れており、ノーストライク3ボールとなっています。続く4球目を、蜂須賀は確実にバントで送ってきて、1アウト3塁になりました]

 

〈仙泉はまたもやピンチになりましたね〉

 

[おっと、ここで‥‥]

 

 

 

 

 

 

「代打 背番号20 結城 哲也くん」

 

自分の名前がウグイス嬢にコールされ、打席へと向かう。

 

「自分のスイングをしてこいよ!」

「おらぁぁぉぁ!俺だったらうぅぅぅつ!」

 

ベンチやスタンドからの声を聞きながら、一礼して右打席に入る。

 

「お願いします」

 

地面をしっかりとならして、バットを構え、相手ピッチャー、仙泉学園エースの今井さんを観察する。

 

主軸はアウトコースのストレート。それにインコース、アウトコースを交互に直球、変化球を混ぜてくるリードが主で、それは5回表の現在でも変わりはない。球数は100球を越えており、仙泉学園の監督の采配パターンだと、そろそろ投手を代えてくる頃合いだそうだ。俺はそこまで考えられないが、そう言われたから、たぶんそうなんだろう。

 

「ここで確実に先制点が欲しい、頼んだぞ」

 

今までは単に成長を見守るように、試合で使ってもらっていた。だが、今回はチームとして、この場面で活躍して欲しいから、点を取るための起用。吹奏楽部のルパン三世の楽曲がサビに入る。

 

あくまで自然体で、力の程よく抜けたフォーム。結城の目には、相手エースしか映らない。アウトコースの様子見として投げられた、ストレートをしっかりと振りきる!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ファール!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥ふぅー‥‥」

 

しっかりと息を吐き、集中力を更に研ぎ澄ませていく。

 

「てっちゃんは来た球に反応して打てばええよ。何がなんでも食らいつきな。」

 

柳さんの言葉を思いだし、余計なことを考えず、相手エースを極限まで観察していく。2球目、インコース低めのカットボールを見逃して、1ストライク1ボール。

 

3球目の縦スライダーを、しっかり見切って低めに外れるのを見送る。4球目のアウトコース低め、ギリギリに入るカットボールを、見送り2-2の平行カウントに。

 

相手の今井さんはロージンを手に取り、こちらを睨み付けてくる。

 

そして、インコース低めの高速スライダーを、体勢を崩しながらもライト方向へ弾き返した。

 

 

 

 

 

 

[前進していたセカンド高田が!ゴロを捕球をしてホームへ!投げれない!1塁へ送球しバッターはアウトー!青道!先制!代打、1年生結城の執念の1打!3塁ランナー、神田の好走塁で、仙泉学園エースから1点をもぎとりました!]

 

〈外の直球を見せた後の内の変化球、確かに効果的ではあるのですが、もう少し強気でいっても良かったかもしれないですね〉

 

[先制点が入りましたが、試合がうごぁぁあっと!藤堂!バックスクリーン一直線!ソロホームラン!青道、すぐに追加点をあげました!]

 

〈先制点が入ってからの初球を、思いっきり振り抜きましたね。1年生に点を取られてダメージがあるなか、これは厳しいですね〉

 

[ここで仙泉学園は、エース今井をライトに下げます]

 

〈昨秋の都大会で、そのまま崩れたというデータがありますから、一度頭を冷やす意味でもいいかもしれないですね〉

 

[2アウトですが2番の玉森ですから、代わったピッチャーも、気を引き締めないといけません]

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