1 神宮寺 セカンド (右)
2 町田 レフト (右)
3 遠山 センター (左)
4 北川 ショート (右)
5 根岸 キャッチャー (右)
6 大前 サード (右)
7 岡本 ファースト (右)
8 石川 ライト (左)
9 田崎 ピッチャー (右)
後攻 青道オーダー スタメン
1 藤堂 センター (右)
2 玉森 ライト (右)
3 柳 レフト (左)
4 東 サード (右)
5 西 ショート (左)
6 伊藤 ファースト (右)
7 角田 セカンド (右)
8 岸谷 キャッチャー (左)
9 坂井 ピッチャー (右、右オーバースロー)
試合の前日、市大三高の1年生 大前は、全国一と呼ばれる、青道野手陣と戦うのに緊張していた。軽く素振りをしても余計な力がはいり、思うようなスイングにならない。
「おい!大前!1年のくせに余計なこと考えてんじゃねぇ!目の前の投手を打つ!きたボールを捌く!それだけ考えてろや!」
「はいっ!」
北川さんに注意をされ、しっかりバットを振り続ける。
「振りきれてねぇぞ!そんなへなちょこで打てんのか?納得できんのか?振り切れ!」
「っ!」
「おし、今のはいいぞ!少し休憩とれ」
その場に座り込み、北川さんを見上げる。
ブォン!
北川さんのスイングを見て、1年後に自分がそれをできるようになってる姿が浮かんでこない。それほど実力が隔絶していた。
「俺のスイングはまだまだだぞ」
「いや、そんなことは」
「ある!青道の西はこんなもんじゃない。今は周りに合わせてセーブしてやがるが、去年のエース、田辺さんとの対戦と今大会の差を見て確信したぜ。あいつは自分の本来のスタイルを無理矢理、精神力で抑えつけて、チームとしての戦いを優先しやがる」
「‥‥チームのためなら‥‥いいのでは?」
北川さんがこちらを睨んでくる。
「それで実力を半分も発揮できてなかったら意味ないだろうが。あいつは本当なら1人で試合を支配して、1人で勝利をもたらすことのできる選手だ。現状に満足した無能に率いられてるのが問題よな」
「現状に‥‥ですか?‥‥」
「リトル時代から西を知ってるならわかるかもな。行った先が強豪であったが故に、城南シニアでチームプレイを教え込まれて、それを青道でも実践してる。少しマシにはなってきてるけど、まだ本来の自分を出せてないんだよ」
北川さんはため息をつく。
「あいつは決して何でもできる、便利屋程度の男じゃねぇ。本質は野球を純粋に楽しんで、チームの和なんか関係なく、敵味方まとめて力で圧倒するようなやつだよ」
「あいつがチームの調整役として振る舞う限りは、チームとしては強いかもしれないが、本領など発揮しようがない。自身のことよりチームを優先してしまう。監督がすべきことを全部グラウンドで西がこなすから、監督には順調に見えるだろうが、西が抜けたら青道はどうなるんだろうな」
オーバーワークそうなのも気になるしよと、若干イライラしたように、北川さんは地面をスパイクで削り出す。空気をかえるために
「西さんの本来のスタイルって、北川さんみたいなんですね」
と言うと、北川さんはそっぽを向いて
「そう見えるかよ」
と言って、さっきまでの悪い雰囲気が嘘だったかのように
「飯いくぞ!」
と食堂へと向かっていったので、慌ててついていくのだった。
▽
カキーン!
[打ったー!4番!北川のツーランホームラン!北川!青道ベンチを睨み付ける!これでこの試合、2本目のホームランです!青道有利とされていた夏の都大会 5回戦!8回表の時点で、7-4と市大三高が青道に対して、3点リードしています]
〈いやぁ、乱打戦は予想してはいましたが、青道が打ち負けているのは予想しませんでしたね〉
[昨秋の都大会では21-14で青道の勝利でしたが、今回はどう違うのでしょうか?]
〈市大三高の2,3年生がとても鍛えられているのに加えて、1年生の大前が2安打と活躍していますから、田原監督が1人1人のケアをしっかりしているんでしょうね。それに加えて王様、北川 小虎がチームをプレーで引っ張っています。秋大と比べてチームの完成度が上がってきてますね〉
[青道は3回表、坂井が打線に捕まって4失点、西が登板してからは安定していましたが、7回表、1アウトを取ったときに、マウンドで突如右肩を抑えて、負傷退場しましたから、そこからの流れが悪いですね]
〈最速148キロのストレート、それにスライダー、カーブ、シュートを織り混ぜるピッチングで、市大三高打線を無失点に抑え続け、同点まで追い付いただけに、非常に残念でした。川口くんに変わってからは既に3失点していますが、青道はここからどうするのか〉
後攻 青道オーダー 8回表 1アウトランナーなし時点
1 藤堂 センター (右)
2 玉森 ライト (右)
3 柳 レフト (左)
4 東 サード (右)
5 川口 ピッチャー (左、左サイドスロー)
6 伊藤 ファースト (右)
7 角田 セカンド (右)
8 岸谷 キャッチャー (左)
9 山崎 ショート (右)
北川の直感からの一部情報を開示しました