至高の一打   作:もぐもぐファンタ爺

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紅白戦

神宮大会を準優勝で終えた青道では、片岡監督ら首脳陣が話し合っていた。

 

「初戦と準決勝は武藤くんが投げきって、9回1失点と9回2失点で相手を抑えることができました。しかし、準々決勝では先発の遊佐くんが4回3失点、槙原くんが2回4失点、井手くんが3回1失点。決勝では先発の遊佐くんが2回5失点、丹波くんが3回4失点、井手くんが4回無失点。投手陣は、武藤くんと井手くん以外の計算が難しそうですね」

 

高島副部長はそう言うと、ため息をつく。

 

「エースの武藤は昔の監督を思わせる投げっぷりがいいですし、井手はコントロールがとてもいい!いっそこの二枚看板でいきましょうよ!」

 

と太田部長は捲し立てる。片岡監督はじっと聞いていて、なにも返さない。すると落合コーチが

 

「いっそのこと紅白戦で競わせてはどうでしょう?1軍の遊佐、丹波、槙原と2軍の後藤、伊佐敷の計5人を。後藤は最近安定しているようですし、伊佐敷もコントロールが改善しつつありますし、正直5人とも同じくらいのレベルでしょう。でしたら試合で結果を残せる投手を使うべきかと」

 

「ここで過去の結果を考えるより、よほど建設的ですね。冬合宿を終えた新年に、1軍のベンチ陣と2軍で紅白戦をしましょうか。このオフに成長を遂げる選手もいますから」

 

片岡監督はそう返して、お茶を飲む。つづけて

 

「野手陣も現レギュラーがほぼ2年生である現状、2軍の1年生の状態も確認したい。結果によっては1年生を1軍にあげることにしましょう」

 

そう言う片岡監督の頭には、居残り練習を続ける1年生メンバーの顔が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

1月になり、紅白戦のスタメンを見て、落合コーチは考える。

 

(野手をごちゃ混ぜにして戦力を一部以外均等化したのか。果たしてどの選手がアピールするのか)

 

 

 

紅チーム 先攻

 

1 石橋 センター (左)

2 小湊 セカンド (左)

3 城之内 ライト (左)

4 道川 ファースト (右)

5 藤谷 キャッチャー (右)

6 栗山 ショート (右)

7 佐川 サード (右)

8 木村 レフト (右)

9 後藤 ピッチャー (右、右オーバースロー)

 

 

 

白チーム 後攻

 

1 清水 センター (右)

2 坂井 ライト (右)

3 会田 ファースト (右)

4 西 ショート (左)

5 増子 サード (右)

6 坂本 セカンド (左)

7 宮内 キャッチャー (右)

8 門田 レフト (右)

9 遊佐 ピッチャー (右、右オーバースロー)

 

 

 

(白チームは野手の半分が1年生。選ばれた1年生は全員、残って素振りなどをしているメンバーだが、こいつらがどうチームに貢献するか、見定める必要があるな)

 

果たしてチームとしての突き上げはあるのか、それを見ていきたい。

 

(それにしても、小湊が紅チームか‥‥片岡監督は坂本よりも評価しているのか?‥‥)

 

試合が始まり、選手がどう動いているか、光るものがあるかをチェックしてメモをする。外野は2年生の石橋、城之内がやはりいいな。惜しむらくは柳、玉森、栃谷といった全国クラスが揃っているから、出る場所がないといったところか。

 

内野はセカンドの小湊の守備に光るものがある。負けん気が強く、球際に強いのは魅力的だな。ミートも上手くなってきている。新チームでは主力をはれるか?

 

増子も大味なところはあるが、長打力に関しては光るものがあるな。守備で気が抜けるところがあるのが難点か。

 

宮内はもっと体を鍛えて、太くしていかないとな。

 

西は別格だが、この道川のバッティングもいいな。紅海大相良の新チームにこいつがいたらクリーンナップだろうな。藤谷はリードをどうにかした方がいいな。

 

 

 

(ん?あれは)

 

「こんにちは!まだ中学生なんですけど見学に来ちゃいました!」

「‥‥こんにちは‥‥」

 

(いきなりヤンチャそうな中坊に話しかけられたナウ)

 

「いやぁ、兄貴が出るって聞いてたんで見に来たんですよー!元気そうにまた野球できてるの見れてよかった!うん!満足した!シニアはわざと違うとこに行ってたんですけど、明後日青道の一般入試受けるので、受かったらよろしくお願いしますね!では!」

 

(一方的に話しかけられてどっか行ってしまったな。しかし今のやつ、見たことあるような気もしないでもないが、血の繋がりのありそうなのいたか?)

 

少し疑問に思うが、首を振って再び紅白戦を見ていくことにした。

 

 

 

……

 

 

 

紅白戦が行われた夜、青道の首脳陣は誰を18枠に選ぶか意見を交換していた。

 

そして現在当確なのが

 

投手

 

武藤、井手、丹波

 

 

 

捕手

 

滝川、岸谷

 

 

 

内野

 

結城、神田、西、東、道川、山崎

 

 

 

外野

 

栃谷、柳、玉森、城之内、石橋

 

 

 

計16名が決まり、残り2枠でヒートアップしていた。片岡監督が

 

「トーナメントであるから、投手をもう1人入れておくべきだろう。遊佐、後藤、伊佐敷、槙原の4人のうち1人を挙げるなら伊佐敷がいいと思うが、みなさんはどう考えますか?」

 

「伊佐敷に経験を積ませるのは大事だと思いますよ。次のチームの柱にするために」

 

うんうんと頷きながら落合コーチは答える。

 

「経験ということなら、守備が比較的しっかりしている小湊はどうですか?」

 

「たしかに上手かったですね!賛成ですよ!」

 

と太田部長は答え、特に反対意見もなかったので、春の甲子園のメンバーがこれで決定した。

 

背番号としては

 

1 武藤

2 滝川

3 結城

4 神田

5 東

6 西

7 栃谷

8 柳

9 玉森

 

10 井手

11 丹波

12 岸谷

13 道川

14 山崎

15 城之内

16 石橋

17 伊佐敷

18 小湊

 

となった。

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