[春の東京都大会 準決勝をお送りしていきます。東東京の強豪と西東京の強豪の対決となります。先攻は帝東、後攻は春の甲子園覇者の青道。共に今年の夏、甲子園に出場する可能性の高いチーム同士の争いとなります]
〈得点力が圧倒的に青道に分がありますから、下手すると一方的な展開になりかねないですね〉
[青道はこれまでスタメンを毎回変えてきていますね。1年生、2年生を3年生に混ぜて、確実に経験を積ませてきています]
〈実に強豪らしい起用でここまできてますね〉
[はい、青道のスターティングオーダーはこちらになります]
青道オーダー
1 神田 セカンド (左)
2 西 晴之 ショート (左)
3 柳 センター (左)
4 東 サード (右)
5 栃谷 レフト (右)
6 結城 ファースト (右)
7 玉森 ライト (右)
8 滝川 キャッチャー (右)
9 井手 ピッチャー (左、左スリークォーター)
[青道、帝東共にベストメンバーで挑みます。甲子園で桁違いの得点力で覇者となった青道と、安定感のある投手陣、全国に通用するであろう野手陣を擁する帝東。どちらが関東大会への切符を手にするのでしょうか?]
〈帝東のエース 松尾は右のオーバースロー、最速145キロの直球に、スライダー、カットボール、フォーク、シュートを織り混ぜた投球をしてきます。松尾がどれだけ粘れるか、これに限りますね〉
[松尾の好投に期待しましょう]
……
[これから4回裏、青道の攻撃がはじまります。現在、帝東が1点リードしております。これまで松尾は青道打線からランナーを1人も許していませんが、これはどうしたことでしょう]
〈松尾は1人1人に対して、高い集中力をもって、バッターとの勝負に臨んでいますね。普段よりも丁寧に投げている印象がありますよ、失投がほとんどないですね〉
[球数は3回を終えて既に60球を越えていまして、かなり打線に粘られてますから、なかなか厳しいようには思えますが、どうでしょうか?]
〈青道打線は抑えられていますが、しっかりチームとして松尾を攻略しようとしてますね。各々ができることをして、消耗させていますよ〉
[おっとここで、先頭打者の神田がフォアボールで塁に出ます。次に迎えるバッターは、ドラフト上位指名が期待されている好打者 西 晴之!キャッチャーが松尾の元へ向かいます]
〈1番塁に出したくないランナーと、1番相手にしたくないバッターですから、帝東バッテリーは慎重に慎重を重ねていくでしょうね〉
[インコース高めのストレート!帝東バッテリー!青道打線に真っ向勝負だ!]
〈中途半端になるよりは、しっかり強気にきていますから、とてもいいと思いますよ〉
[コンパクトー!軽く振って、簡単にライト前へのヒットとなりました!神田はすかさず3塁へ!セーフ!]
〈カットボールやシュートで芯を外されるケースが多かったですから、大振りをせずに軽く当てるようなスイングで対応してきましたね〉
[豪快なイメージの強い打線ですが、こう、なんと言いますか、柔らかいバッティングができるのも強みですね]
〈今日スタメンの神田、西、柳、栃谷、玉森がそういった対応が上手そうですよね。高校野球のチームで、このレベルで1つのチームにそういったことができる選手がいることは、今までも、そしてこれからもないでしょうが〉
[そうですね!次のバッターは今名前のでた柳ですが、ノーアウト1,3塁の場面、どういった攻撃を見せてくれるのか。おっと!ここでスクイズです!帝東の対応が遅れている!ホームイン!1塁も!間に合わないー!まさかと言ったところでしょうか、あの青道がスクイズをしてきました]
〈今までの傾向を見ると打ってくると思ったのですが、まさかスクイズですか。いえ、通常であれば、相手エースを崩すためにスクイズは考えられるのですが、青道は、はい、えぇ、そうですねぇ。すいません、ちょっと水を飲みます‥‥失礼しました‥‥スクイズは考えて当然の場面でしたが、イメージがなくて完全に欺かれましたね〉
[いやぁ、私もスクイズがくるとは、あーっと!4番東のタイムリーヒット!強烈な打球がレフトフェンスへ突き刺さる!あー!レフトがクッションボールをお手玉!1塁ランナーもホームへ!これで青道3点目!主砲の強烈な一撃で、青道は勝ち越し!1-3と2点リード!エラーの間に東は2塁へ進塁しています]
〈さすがの松尾も動揺したのでしょうか、少し甘くなったカットボールをしっかり捉えられましたね。打つ直前に反応してうまく打ってますね。もしストレートだったらスタンドまで運ばれていたかもしれません〉
[続くバッターは5番栃谷、この選手も高校通算で、ホームランを30本以上打っていますから、警戒していきたいですね。]
〈本来ならこの栃谷も、甲子園に出てくるチームに、4番で出てきてもおかしくない選手ですからね。期待値は高いですよ〉
[サード正面!5球目のスライダーを振り抜きましたが、惜しくもサードライナーとなりました。捕った方が驚いていますか?これは]
〈なんか入ってた!そう言いたげな感じですね〉
[6番の結城も粘りますが、セカンドへのゴロとなりました。東はその間に進塁して3塁へ]
〈3年生の攻撃を常に間近で見てきた、結城くんらしい進塁打でしたね。詰まるとわかった瞬間に力を抜いて、セカンド方向に流しました。普通はできませんよ〉
[あれは咄嗟に狙ったんですね。偶然かと思いましたが。7番の玉森はショートへのライナーで3アウト。4回裏、青道は帝東エース 松尾から3点をとり、逆転をしています]