GWの連戦を全勝で終えた青道では、片岡監督ら首脳陣が、監督室に集合していた。
落合コーチがまとめた、2軍に所属する1,2年生で、新チームにおいて1軍に上がってきそうなメンバーを、ピックアップした資料を見る。
2年生
増子 透 サード
右投げ右打ち
率はまだ悪いが、パワーに魅力を感じる。直球への対応は及第点、変化球への対応が課題。その一方で守備の意識が低いところが欠点か。時折凡ミスをする。食事量の調整が下手で、体重過多の傾向あり。本人の意識改善が必要か。
宮内 啓介 キャッチャー
右投げ右打ち
身体をはったブロッキングで、他の捕手と比べると後ろにそらすことが少ない。リード、打撃は平凡か。
坂井 一郎 外野手
右投げ右打ち
全体的にバランスがとれているが、1軍と比べると物足りなさがある。特筆すべき点は特にない。
門田 将明 外野手
右投げ右打ち
守備に関しては坂井より安定している。打撃面はあまり期待できなさそう。
楠木 文哉 ショート
右投げ右打ち
守備に関しては期待できそう。打撃に関しては小技に頼るところがあり、あまり期待はできなさそう。
槙原 勇太 ピッチャー
右投げ右打ち
最速132キロの直球、持ち球はカーブ、フォーク。コントロールはそこそこで、中堅校に対してはいい勝負をするかもしれない。
1年生
真木 洋介 ピッチャー
右投げ右打ち オーバースロー
身長は既に180センチを越えている。高いだけでなく、身体はできあがっており、パワーもある。
入学時から更に成長し、最速137キロの直球、持ち球はスライダー、カーブ、フォーク。安定感で言えば丹波、伊佐敷を越えているだろうか。現在は2軍で試合に登板させ経験を積ませている。身体のケアなど、基本的な事柄を教え込んでおり、関東大会以降に1軍デビューをさせて良いのではないかと思わせる逸材。無理はさせず将来のエースとして、基本からしっかり育成すべし。
秋以降は外野を守らせて、打撃を活かすのもありか。
川上 憲史 ピッチャー
右投げ右打ち サイドスロー
最速128キロの直球、持ち球はスライダー、シンカー。コントロールは比較的良い印象。内気でインコースに投げきれないところが、課題ではあるか。これからの成長に期待したい。
白州 健二朗 外野手
右投げ左打ち
身体能力はかなり高いものがある。ここから高校球児としてのスタミナ等がつけばレギュラーとして、将来的に活躍できそうな期待感がある。
樋笠 昭二 サード
右投げ右打ち
そこそこの打撃と、そこそこの守備。「しゅしゅしゅ~、はいや~」とうるさくはあるが許容範囲。
倉持 洋一 ショート
右投げ両打ち
俊足堅守で運動神経は、西 影次、真木を除けば1年生随一か。1軍のショートの選手層が厚くて、2軍にいるが、秋以降は確実に1軍にレギュラー格として食い込むだろう。両打ちにする意味はわからないが、2軍で結果をだしているため、少し様子を見ることにする。
全員が見たことを確認して、落合コーチは
「現3年生と比べること自体がおかしいですが、戦力として秋以降は、大幅にダウンすることは避けられません。むしろ今年が異常なだけだと思っていてください」
片岡監督、太田部長、高島副部長は頷く。
「このメンバーに2年生の丹波、伊佐敷、結城、滝川、小湊。1年生の西 影次、御幸が加わって、秋以降戦うことになるでしょうな」
そう言って顎をかく。
「丹波、伊佐敷、真木の3本柱に、滝川、結城、西のクリーンナップに、倉持、小湊が1,2番ですかな?既にこのような構想ができるのはとてもいい。この戦力に何人か伸びてくれれば、秋以降も強いチームになるでしょうな」
落合コーチはそう締めくくった。
「その3本柱に、コントロールのいい川上が加われば、言うことなしですね!」
と太田部長は満面の笑みで言う。
片岡監督はもう一度資料を見た後に
「かなり本音に近く書いていただいているので、現状がとてもわかりやすい。秋以降に想定されるチームで打線を組んで、3年生チームと紅白戦をさせてみよう」
「ふむ、相手としては3年生の1軍の控え組主体がよいですな。やってみましょう」
「落合コーチには、3年生チームをお願いしてもいいですか?」
落合コーチはチラッと片岡監督を見て
「わかりました。私好みの選手が何人かいますから、色々させてみましょう」
「ありがとうございます」
こうして、秋以降を想定したチームと3年生チームの紅白戦が決定した。
▽
紅白戦当日になると、3年生達は1,2年生に対して、本気の威圧感を向けていた。
「なぁ、倉持」
「んだよ、御幸」
「先輩らやばくね?」
「あぁ、ただ事じゃねーよな、単なる紅白戦で」
その言葉に反応して、白チーム 4番サードの道川さんが、こちらを睨み付けてくる。
「お前ら、覚悟してろよ」
そう言い捨てて、自軍ベンチへと入って行った。
「「なぁ、俺ら地雷踏んだ?」」