青道 紅白戦
先攻 紅チーム(1,2年生)
1 倉持 ショート (両)
2 小湊 セカンド (左)
3 西 影次 センター (右)
4 結城 ファースト (右)
5 滝川 キャッチャー (右)
6 増子 サード (右)
7 坂井 レフト (右)
8 門田 ライト (右)
9 丹波 ピッチャー (右、右オーバースロー)
後攻 白チーム(3年生)
1 石橋 センター (左)
2 山崎 ショート (右)
3 城之内 レフト (左)
4 道川 サード (右)
5 会田 ファースト (右)
6 藤谷 キャッチャー (右)
7 坂本 セカンド (左)
8 木村 ライト (右)
9 後藤 ピッチャー (右、右オーバースロー)
片岡監督は、困惑している紅チームの1年生達を見て
「2年生は薄々分かっていると思うが、今日の紅白戦での活躍を、1軍と2軍の入れ換えの判断材料にしていく。3年生は夏の大会が最後。本気でお前達を倒しにくるだろう。」
その言葉に1年生達は息を呑む。
「白チームの3年生を控えと思って侮るなよ。メンバーの中には甲子園でホームランを打った者、大学から既に声がかかっている者もいる。スタメン1番~5番打者は、甲子園に出る高校でもレギュラーをとれる人材だ。必死に食らいつけ!」
「「「はいっ!」」」
「うむ、いい返事だ。1軍に合流するメンバーが、1,2年生から更に増えることを期待している。各自準備運動をしておけ!以上だ」
各々グループになって、準備運動をしていく。
▽
倉持は左打席に立つと、いきなり内野陣がグッと前に押し出してきて、圧迫感を感じる。
(やっべぇ、なんだこれ。2軍の試合ではなかった緊張感がある)
初球、いきなりのインコースのボールにのけ反る。
「ストライク!」
「くっ!」
(初球、フロントドアのシュートかよ)
パァン!
(遠い?)
「ストライク!」
まずいと思って打席を外す。落ち着くために素振りを一回して、打席に戻る。
(三振はいけない!なんとか食らいついていかねぇと!)
(あれ?ボールがこない?)
「ストライク!バッターアウト!」
アウトコースのチェンジアップに、タイミングを完全に崩されて簡単にアウトになる。
「よし!1アウトー!予定どおりー!いいよー!」
キャッチャーの藤谷さんが、見せつけるようにボール回しをしてくる。
(くそっ!)
ベンチに戻ると、御幸の隣に座る。
「倉持、先輩達本気できてんな」
「あぁ、正直実際に打席に立つまで舐めてたわ。なんで1軍に行けないのかって不満だったけど、あのプレッシャーとか感じると全然ちげえわ」
「へへっ、俺はそれくらいやべーって知ってたけどな」
御幸のからかうような笑顔に殴りたくなってくる。
「うるせー、ベンチ野郎が。次は打ってきてやるよ」
「ほー!言ったな?まぁ見ててやるよ。途中から俺も出ることになってるし頼むぜ」
「おぅ」
キィン!
その音で、グラウンドを見ると、影次が打った打球を、ショートの山崎さんがダイビングキャッチをして、ショートライナーで紅チームの攻撃が終わったところであった。
(三者凡退か‥‥まぁうちのチームの先発も1軍の先輩だし、なんとかなるか‥‥)
そう思いながらショートの守備につく。
白チームの1番打者は、センターの石橋さん。丹波さんの投げるボールを、簡単にファールにして粘り、フォアボールで出塁する。
「走った!」
すかさず2塁への盗塁を企画してくる。滝川さんの送球がそれてワンバンになるが、なんとか捕球してタッチしにいく。
「セーフ!」
「すまん!握りが甘かった!」
滝川さんは謝罪して、ホームへと戻っていく。3球目のストレートを滝川さんが捕ると、2塁へと牽制するが、セーフとなる。
(さっきは変な送球だったけど、今回はドンピシャ!)
さすが1軍の正捕手だと感心する。
2番打者の山崎さんは、軽く右方向に打って、セカンドゴロとなるが、その間に石橋さんは3塁に進塁する。
「1アウトー!打球くるぞー!足動かしていけ!」
ファーストの結城さんが声を出し、チームを盛り上げていく。3番の城之内さんは、5球目のアウトコースのストレートを、しっかりと踏み込んで振り切り、サード増子さんの頭上を越える、レフト線付近のタイムリーツーベースヒットを放った。
「よっしゃー!城之内ー!さすが点取り屋!」
「控えだけど甲子園でも活躍してたからな」
観客からも多くの声が聞こえる。そして
「おぉぉぉぉぉ!」
「青道の代打の切り札ー!がんばれー!」
「道川ー!ホームランいったれー!」
白チームの4番 道川さんが打席に入ると、グラウンド全体の空気感が変わる。ピリッとした、まるでこれが公式戦とでも言わんばかりの圧力がのし掛かってくる。
(この感じはまずい)
すると、滝川さんが立ち上がって
「1アウトー!しっかり1つずつな!」
「倉持!周りに2年生がいるからな!気負うなよ!」
「っ!ウスッ!」
(あぶねー、助かった)
エラーをするだろう、そんな予感が消え、身体がいつもどおり動くようになる。その初球
カキィィン!
右腕を突き上げ、ゆっくりとベースを踏んでいく道川さんの姿を見て、ホームランを打たれたことを遅れて認識する。そして、2塁付近にきた道川さんを見ると、こちらを睨みボソッと
「浮わついた雰囲気は消えたな。頑張れよ」
そう言って3塁方向へと、駆け足で向かっていった。
三日坊主で終わるかと思ってたら、気づいたら1ヶ月以上書いてたんですね。自分が1番ビックリしています。