至高の一打   作:もぐもぐファンタ爺

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青道 紅白戦 9回裏時点

先攻 紅チーム(1,2年生)

1 倉持 ショート (両)
2 小湊 セカンド (左)
3 西 影次 センター (右)
4 結城 ファースト (右)
5 御幸 キャッチャー (左) 7回裏から
6 増子 サード (右)
7 坂井 レフト (右)
8 門田 ライト (右)
9 真木 ピッチャー (右、右オーバースロー)



後攻 白チーム(3年生)

1 石橋 センター (左)
2 山崎 ショート (右)
3 城之内 レフト (左)
4 道川 サード (右)
5 会田 ファースト (右)
6 岸谷 キャッチャー (右) 7回表から
7 坂本 セカンド (左)
8 木村 ライト (右)
9 井手 ピッチャー (左、左スリークォーター)


紅白戦(1年生&2年生vs3年生) part4

御幸は、門田さん、真木、倉持が井手さんに簡単に打ち取られたのを見て

 

(チェンジアップを覚えてから、更に投球の幅が広がって、手がつけられなくなってきたな。武藤さんもスローカーブはいいぞって言ってたし、落合コーチの言うとおり、緩急をうまく使われるとやべーな)

 

(岸谷さんの無駄球を使わないリードも参考になる。コントロールがいいからゾーンで勝負して、たまにボールゾーンへ逃げる球で誘う。自分も攻めのリードをと心がけているけど、参考になるわ)

 

そう思いながら9回裏、マウンド上の真木に話しかけにいく。

 

「よっす!確認だけど、ストレート、スライダー、カーブ、フォークでいいよな?サインはこれでいいか?」

「それで大丈夫だよ」

「オッケー、じゃあ先輩達を抑えていきますかね」

 

そう言って真木に笑いかける。すると真木が

 

「落合コーチ、片岡監督からは、君のリードにまずは従うようにと指示を受けてる。この回は首を振らないから、1番から始まる好打順。どういうリードをするか見させてもらうよ」

 

と挑戦的な言葉を投げ掛けてきた。

 

「はっ!上等!お前を使いこなしてやるよ」

 

味方ではあるが、実力を示さねば信頼は得られない。ホームへと戻りながら、御幸はバッターの情報、投球前練習のボールの質を整理し、どうリードしていくか考えていく。

 

初球をインコースに構え、ストレートを要求すると、真木が少し笑みを浮かべた気がした。

 

(偉そうに言うんだから投げ込んでこいよ)

 

 

 

ドズン!

 

 

 

「ストライク!」

 

(っ!あいつ!投球前練習で手加減してやがった!)

 

球質の重たいストレートが、ミットで暴れる。丹波さんにも、伊佐敷さんにもない、威力のある直球に心が躍る。

 

「ナイスボール!」

 

そう声をかけて真木に返球する。

 

しかし、その直球に変化球を混ぜても、簡単には白チームを打ち取れない。1番の石橋さんは7球粘ってセカンドゴロ、2番の山崎さんは6球目のカーブを捉えるが、打球が上がらずにファーストライナーで、2アウトとなった。

 

(このレベルのピッチャーに対して、初見でこうも粘ってくるのやばいな。しかもここから3番か)

 

左打席に城之内さんが入る。この城之内さんと道川さん、会田さんのクリーンナップは、他の強豪校であれば、そのままスタメンレギュラーのクリーンナップとして、存在してもおかしくない。

 

アウトコースのストレートが、わずかに外れて初球はボールとなる。

 

(微動だにしないか‥‥内側はどうだ?‥‥)

 

インコース低め、ギリギリにフォークが決まるが、城之内さんは反応を示さない。

 

(くっそ!前の打席もそうだが、全然読めない!)

 

その後、際どいボールはカットされてフルカウントになる。そして、8球目のストレートを投げると

 

 

ガキィ!

 

 

詰まりながらもセンター前に運ばれてしまう。ここでバッターは4番の道川さん。真木の様子を窺うと、萎縮するどころか目が輝き、勝負を今か今かと楽しみにしている雰囲気であった。

 

真木の元へと向かう。

 

「ランナー出たってのに楽しそうだな?」

「甲子園に出てたメンバーとの対戦だからな。そりゃ楽しいさ。というかそろそろ一人相撲やめたらどうだ?」

「はっ?なんのことだよ」

 

真木はため息をついて

 

「リードを見せてもらうってのは言葉どおりだけど、バッテリー組むの初めてなんだから、どういう配球するのか興味が湧くのは当然だろ?何が使いこなしてやるだよ」

「うぐっ」

「分かってはいると思うけど、ピッチャーはキャッチャーの操り人形じゃないよ。僕にも投げたい球とか、今はこれは危なそうとか考えがあるから、それを聞いてほしいな」

 

そう言って軽く笑いかけてくる。

 

(舞い上がってたのは俺の方だったか?)

 

「首振ってもいいから、道川さん抑えようぜ」

「あの人打ちそうだから、それは約束できないかな」

「なんだそれ」

 

お互いに笑みを浮かべて離れる。

 

「2アウトー!バッター打ってきますよー!内外野よろしくお願いしまーす!」

 

大きい声を出して、一旦落ち着く。

 

初球、インコースの低めに外れるカーブに、道川さんは反応を見せるがスイングしない。2球目はインコース高めにストレートを要求し、1-1の平行カウントとなる。

 

3球目はアウトコースへのスライダーを要求すると

 

 

 

カキィン!

 

 

 

ライトポールの右側へ切れていく、特大のファールとなる。

 

(あっぶねー!狙われてたか?アウトコースを続けるか、インコースに攻めにいくか。2ストライク1ボールだしボール球使うか)

 

真木は首を二回振り、球種が決まる。アウトコースの外へはずれるカーブを、道川さんは見送る。そして

 

 

 

キィン!

 

 

 

道川さんは、インコースのストレートを、上手く腕を畳んで左中間へと弾き返す。

 

「ストップ!」

 

3塁ランナーコーチャーが城之内さんをとめ、2アウトランナー2,3塁となる。続く5番の会田さんを変化球攻めして、2-2の平行カウントになる。

 

 

 

ドズン!

 

 

 

「ストライク!バッターアウト!」

 

会田さんのフルスイングしたバットの上をいく、渾身のストレートが御幸のミットに収まった。

ふと、今後どこまで書くかなと思ったのでアンケートを1つ。よろしくお願いします。

  • 東世代の卒業まで
  • 結城世代の卒業まで
  • 御幸世代の卒業まで
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