至高の一打   作:もぐもぐファンタ爺

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時間の進みが遅くなりますが、イベントを省かずにいくようにしてみますね。さっそく省略しようとしてたものをどうぞ。


次世代のエース part2

青道は選手を入れ換えながら、結城、小湊、伊佐敷、真木、西 影次、御幸に経験を積ませ、圧倒的な力で関東大会のトーナメントをかけ上っていく。

 

そんななか、丹波は2軍ブルペンで落合コーチの指導を受けていた。

 

「丹波、正直なことを直球で聞くか、オブラートに包んで伝えてほしいか、どっちだ?」

 

丹波は唾を飲み

 

「えぇっと、しょ、正直な方でおねがいします!」

 

声を裏返らせながら答えた。落合コーチは首をかしげながら、ふむ、と顎をさすり

 

「まずは球種についてだが、直球とカーブだな。それ以外は?」

「ま、まずは今あるものを磨こうと思っていまして!あの、その2つだけ‥‥です‥‥はい」

「うむ、それだと当然レギュラー野手陣から、アウトを取るのは無理よな」

 

落合コーチはため息をつく。

 

「同学年の伊佐敷はスライダー、フォーク。槙原はカーブ、フォーク、シュートと2種類以上の試合で使える変化球を持っている。直球とカーブだけで、紅白戦を4回投げきることができた。これは評価したい。十分その2つは甲子園でも通じる球だろう。だがその2択しかない、その前情報があれば話は別だ。関東大会前のレギュラー陣みたいに、ガンガン打たれるだろうな」

「はぃ‥‥すいません‥‥」

「目指す方向性がずれている。直球とカーブの質はいいのにもったいないぞ。他に覚えてみようと思った変化球はないのか?」

 

落合コーチは若干呆れたように聞く。

 

「や、やるのであればフォークを覚えようかなって、思っています」

「他には?候補はあるのか?」

「えぇっと、フォークも咄嗟に浮かんだもので、実はまだ何も」

 

はぁーと落合コーチはため息をつき、丹波はビクビクする。

 

「直球とカーブである程度の緩急になる。フォークで一息つくのもいいだろう。タイミング外しができるなら、あとは詰まらせるボール、または空振りを奪えるボールを覚えるべきだ。」

 

ふんふんと丹波は頷く。

 

「それでだ。お前が咄嗟に思い浮かべた縦に落ちる球、フォークではなくて武藤の使ってるSFFを、エースから受け継いでみないか?」

 

丹波はその言葉に固まる。

 

「覚える気があんのか?どうなんだ?」

 

後ろから武藤さんがやってきて、肩に手を置いてくる。

 

「それとも何か?バレバレの球種で、全国の打者に通じると思うほどお前はすごいのか?」

「いや、そんなことは、あの」

「目指すものがあるのはいい。市大三高の真中だったか?でもここでは、青道ではあの程度のレベルでとどまってもらっては困る。」

 

丹波は目を見開いて武藤さんを見る。

 

「バッターの反応をみる限り、球質は既にお前の方が上だろう。なぜカーブに拘るのかは知らないが、使えるものはなんだって使う。それくらいの気概がないと、お前はこれから完全に真木の後塵を拝することになる」

「そ、それでも、かっちゃんは俺の憧れです!俺はあいつみたいにチームのエースになりたいんです!あいつは高速スライダーを磨いてエースになった!俺はカーブで!っっ!」

 

じっと武藤さんが真剣な目で見てくる。

 

「‥‥わかった‥‥熱意を認めるよ。カーブを好きなだけ投げればいい。落合コーチ、すみません、先に1軍ブルペンに戻りますね」

 

そう言うと、武藤さんはこちらの方を見向きもせずに、立ち去っていった。落合コーチは何故か残念そうな顔で

 

「意志は固いか。丹波、今ある武器をしっかり磨くために、せっかく2軍にきたんだ。まだお前は線が細いから体重を増やし、身体をもっと作っていくぞ。下半身を主に強化して直球とカーブの球速を底上げしていこう」

「はいっ!がんばります!」

 

そう言うと丹波はランニングをしに、グラウンドへと走り出した。冷めた目をした落合コーチを残して。

 

 

 

 

 

 

武藤は丹波の言葉に覆せない、いや、覆してはいけないものを感じ、説得を諦めた。1軍ブルペンに戻ると、井手、伊佐敷、真木が各々調整メニューをこなしていた。伊佐敷がこっちに気づくと手を振ってくる。

 

「武藤さーん!用事ってなんだったんスか?」

「少し落合コーチに呼ばれてたんだ。もう少ししたら落合コーチもここに来ると思うよ」

「おぉー!マジっすか!今チェンジアップがいい感じになってるんで、確認してもらうように頼むのと、新球種なにか面白いのないか相談したかったんスよね!井手さんにチェンジアップ合格もらったんスよ!ね!井手さん!」

 

井手は汗を拭いてこちらを向くと

 

「及第点レベルだ。1軍レギュラーには通用しない。ボールが高い」

「うぇぇ!そりゃないっスよー!あんなに誉めてたじゃないっスかぁぁ!」

 

と伊佐敷が泣きつく。

 

「うるさい、離せ」

「伊佐敷さん、みっともないですよ?」

 

ひょいっと伊佐敷を真木が持ち上げる。

 

「やめろぉぉぉ!真木!小人扱いしてんじゃねぇ!」

「僕から見たら部員の半分小人ですから。御幸とかちっちゃいちっちゃい」

「ブッ!」

 

あぁ、冷静な井手のツボに‥‥あいつクールなのにいつもすぐ笑うんだよな‥‥

 

「練習やってるか?」

 

落合コーチが1軍ブルペンに入ってくる。

 

「少し話をしていました。先程の件についてはみんなに話しても?」

「いや、今はあのままでしょうがないだろう。話す時期としてはもう少し後の方がいい」

「わかりました」

 

落合コーチは4人を真剣な目で見る。

 

「おそらく夏の大会は、この4人の投手陣で乗り切ることになる。武藤、井手は今ある力を十全に発揮するように。伊佐敷は次へ向けてチェンジアップの精度を高め、投球の幅を増やす。真木は現在のボールをしっかりとコントロールできるような、下半身を安定させるメニューを優先させていく。緩急に関しては夏の大会が終わってからの課題にしよう」

「「はいっ!」」

「各自!1つ1つのレベルアップを図る、明確な目標を設定するように!野球ノートで片岡監督に考えていることをしっかり伝えてくれ。では練習に戻るように」

 

伊佐敷以外はすぐに、練習に戻る。

 

「コーチ!チェンジアップ見てください!今日のはいけるッス!」

「昨日も同じことを言っていたな阿呆が」

「言ってましたっけ?」

 

落合コーチは頭をかき

 

「見てやるからしっかり投げろよ」

「ウスッ!」

 

目を輝かして伊佐敷は、低めにしっかりとコントロールされた、チェンジアップを一発で投げた。

ふと、今後どこまで書くかなと思ったのでアンケートを1つ。よろしくお願いします。

  • 東世代の卒業まで
  • 結城世代の卒業まで
  • 御幸世代の卒業まで
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