Fate Grand Order 超越不定空間 ゼラード・クアル 活動中止 作:(´・ω・`)しょんぼりくん
人はさまざまな夢を見る、良い夢、驚きの夢、悲しい夢、怯える夢、人は自分が置かれている環境によって様々な夢を見る、何故そんな物を見るのかはわからない、ただ人は必ずと言っていいほど眠る時にその謎の世界に行ってしまう、現実ではないとわかっている、それが空想に終わると理解している、だが何故かそれを見続けるのは何故なのだろうか
人はそれが何なのかはわからない
『んあ?』
ふと気づくと目の前に美しい光景が広がっていた、辺り一面綺麗なピンクの花が咲きほこりそれがかなり遠くまで続いている、風に煽られその花が散り風と共にまっていく姿はまさしく心が安らぐ光景だ、だが男、佐藤和也は大きな欠伸をしながらその光景を眺めていた
『夢の中でも欠伸かい?』
そう上から声がした、そちらの方向に振り向くとそこには絶世の美女がいた、白髪の長髪でその瞳から見える綺麗な宝石のようなピンク色の目、服は綺麗な白い中世の着物を着ており手には杖のような物を持っている、ふわふわと浮いていた女性がゆっくりと隣に降りてきた
『体だけではなく心も疲れているよ、もっと休みを取りたまえ』
『うるせぇよ、自分の夢ぐらい見させてくれよマーリン』
マーリンと呼ばれた女性は優しく笑いながら返答をする
『いいじゃないか、減る物ではない』
『んなわけねぇだろこちとら毎日が苦行の毎日で大変なんだぞ、夢の時ぐらいゆっくりさせてくれ』
『いやだよ、夢の中じゃないと君の楽しい話が聞けないじゃないか』
『楽しくねぇよちゃんと聞いてたのかバカ』
『うぅ酷い、お母さんはかなしい』
『さらっと嘘つくな、誰が母さんだ』
そうワザとらしく悲しい演技をしながら涙目を浮かべ地面に倒れている彼女に対しそれをあきれながら見下ろす彼、何度目かと心の中で思いながら彼はゆっくり綺麗な花が咲く地面に腰を下ろした
『ほら、聞かせてやるから』
『それを早く言っておくれよ』
さっきの演技は即座に消え失せ四つん這いでこちらに近寄って来た、人を惑わすほど綺麗な美貌がニコニコしながら近づいて来る、それを見て思わず子供見たいだなと苦笑してしまうが取り敢えずその女性が求める物を出す事にした
『んじゃ話すぞ、最初はいつも通りまた飛ばされて、んでついたの幻獣が普通に暮らしていた場所だったな』
『おおいいじゃないか、聞かせてくれ』
『わかったわかった、んなはしゃぐなよ』
自分が行った世界でどんな事をしたのか、マーリンは地面に膝をつき腕枕をしながらそれを楽しそうに聞いていた
『んでだ、その怪我してた奴を直して旅を再開しようとした途端、また飛ばされたんだ』
『も~何で君はそこで飛ばされるんだい?良いとこだったのに』
『仕方ないだろ?勝手に飛ばされるんだから』
そう腕を組みそれを頭の後ろにやった状態でそれを枕にしながら寝っ転がり旅の話を続けていた、マーリンはいつもなにか姿勢を変えて和也の近くで座り彼を見下ろしながら聞いていた
『不思議な者だね、自分の意思ではなく勝手に飛ばされる何て』
『ホント参るよ、どこのどいつがやってんのかわかったら〆てやる』
『残念ながらこれは私にもわからないな、特に君の体からは何も感じられないしそれに別の時代どころか異空間に転送させる何てそんなの出来る人何か恐らくいないよ』
そもそも時空を超えて転送をする等の芸当など恐らく指で数えるぐらいしかいない、アヴァロンで世界を見続けたマーリンでもその答えは知らなかった
『あのマーリンさんでもお手上げか』
それを聞いたマーリンは頬を膨らませいじけながら見下ろしていた
『そんな事言わなくてもいいじゃないか、わからない物はわからないんだからさ』
『魔術の事は俺も使えるがよくは知らない、だからお前に聞いたのにこの駄女ときたら…』
そう冷たい目線を送る和也、マーリンの方は両手を上げてやれやれと首を振っている
『酷い言いぐさだな~、私が使えるのは無害な花を作るだけの綺麗なお姉さんさ』
『そうだな、確かに綺麗だ、散った花と相まって正直見惚れるよ』
地面いっぱいに咲き誇る綺麗なピンクの花、風に煽られその幻想的な空間にこんな美女が立つだけで絵になるものだ、それを聞いたマーリンも嬉しそうに笑みを浮かべた
『おや?さっきと言ってる事が違うけど?』
『何だよ素直な感想を言っただけだろ?性格はまあ、問題あるけどそれを入れても綺麗だよ』
『それはよかった』
そう言うとマーリンは彼に寄り添いその頬を撫でる、優しそうな眼をしながらザラザラした髪が手に当たるが柔らかい頬だけは触りごごちが良い、彼もその手を優しく自分の手で掴み目を閉じた
『あったけぇな、それに何だか安心する』
『そうなのかい?よく皆は不気味がるんだけどね』
『そりゃやってきた事が事だし』
正直性格は良いとは言えないし今もそう思っている、けど何でだか嫌いになれない、ずっと一人で旅をしてきたためだろうか?上半身を起こし彼女と額をくっ付ける
『なぁ、いつお前に会えるんだ?』
『私には一生会えないよ、ここはそういう場所だからね』
アヴァロン、マーリンが住むこの場所は普通の人間では辿り着けない場所にある、ここに来る方法はマーリンのような魔術師かマーリンが夢から語り掛けるのを待つしかない、和也は夢で会える事もうれしいがどうしても直接でもいいから会いたかった
『俺は直に会いたいのにな…お前は?』
『私はまあどっちでもいいかな、夢で会うのも現実で会うのも私には何ら変わらない、前にも言ったろ?私は君の話を聞くのが好きなだけな、ただの客なんだから』
彼女はただ見る事が好きなのんびり屋、本の物語のキャラになりたいわけでもないただそれを見るのが楽しいだけなのだ、それを聞いた和也は少し目を伏せたが直ぐに戻しマーリンの方を向いた
『俺は…会いたい』
『…夢で会えるさ』
その言葉と一緒に前がボヤケ始めた、それと同時に前が真っ白になっていく、戻ってしまう当てのない旅、次は一人なのだろうか?それとも藤丸とまた会ったりするのか、よくわからない当てのない旅
でも彼女に会えたのは嬉しかった
「…ン、マーリン!」
「ん?」
その声に釣られ意識が戻った、最初に見えたのは雪景色、一面が真っ白世界が広がっており空模様も曇りそこから出た雪が延々と降り続けている、その光景を施設の窓から見ていたうちに昔の事を思いだしていたようだ、そして声を掛けられた方を見てみるとそこには契約者の藤丸が不思議そうにマーリンを見ていた
「どうしたの?何だかボーとしてたみたいだけど」
「何でもないよマスター、ただ昔の事をちょっと、ね」
そう大した事がないと手を振りながら流す、ただそれでも藤丸の顔は晴れる事はなく直ぐに聞き返す
「何か悩み事なら聞きたい、マーリンがそんな顔をするのは珍しいから」
「はは、まあ見透かされるよね」
そう笑いながら流す、ガラにも無く隠し事を露呈してしまった、こうなった彼は意地でも聞こうとするからたちが悪いので折れる事にする
「何、ちょっと昔の事を思い出してただけさ」
「それってキャメロットの事?」
「いや違うよ、私とよく夢で会っていた男の話はしたかな」
「佐藤さんの事?」
佐藤和也、目的が無くかと言って自分でやったわけでもない旅を続けていた謎の人物、藤丸もその人の事は特異点で何度か会っているため認知はしており旅の仲間として一緒に戦った時もあった
「少しね…今どうしているのかなって」
「ソロモン以降僕も会ってないからよくわからないな、元気にしているといいけど」
「だと、いいんだがね」
アヴァロンにいた頃は彼の夢に入る事は出来たのだがここに召喚されて以降彼の夢どころかどこにいるのかもわからなくなってしまった、その日からずっと探しているのだがどうしても見つからずにいる
「大丈夫だよ、多分大丈夫」
「どうしてそんな事が言えるんだい?」
「だってあの人が死ぬ光景何か思いつかないから」
それを聞いたマーリンは思わず頷いてしまった、マーリンはよく彼の話を聞いていたのだがよく生きているなと思う程の話を聞かせてくる時があった、龍と戦ったりはてや何故か幻獣と戦ったり等色々あるがどれも話の内容は多彩で面白かったと言う記憶だけはあった
「佐藤さんは僕よりもしっかりしているから大丈夫だよ、魔術の幅も広いし戦闘経験も僕よりもあった、引き際もいいしきっとどこかで生きているんじゃないかな?」
確かにっと一瞬思ったマーリンだがその後ため息を吐き呆れた目線を当てながら藤丸に返した
「それはそうだけどね、あまり自分の事を過小評価するのはよくないよマスター、君は立派な事を成し遂げているのだから」
「ははは、ごめん」
マーリンからそう指摘された藤丸も笑いながら流していた、それが彼らしい答えだったのだろうかマーリンは肩をすくめている
『あ~、藤丸君、これが聞こえていたらちょっとミーティングルームに来てくれ、なるべく急いでね』
そんなやり取りをしているとカルデアの通路にあるマイクから馴染みの声が聞こえてきた、この様子だとまた何か問題が起こったようだ
「ダ・ヴィンチちゃんが呼んでるから、僕は行くよ」
「待ちたまえ、私も行くとしよう、せっかくだしね」
「ありがとう、それじゃいこっか」
マーリンはそれに頷き藤丸と一緒に歩きだした、マーリンのヒールが当たる音が通路に響きそれが一定のリズムを刻んでいる、藤丸はそれに気にせず歩きミーティングルーム前に着くとその入口のドアが開いた、そこにはダ・ヴィンチの他にも数人集まっており全員が藤丸の顔を見ると早速声を掛けてきた
「来たね藤丸君…おや?マーリンも来たのかい?」
「たまたま近くにいてね、ついてきたのさ」
そう元気よく両手を広げる、最初に来た時は少し不思議な目線を送られていたが今ではもうなれたのか笑みを浮かべて返されている
「よしよしそれじゃ二人ともこっちに来てくれ…話を始めるよ」
二人は前へ進み皆が囲っている台の前に立つ、そしてダ・ヴィンチが台を操作し始めるとその台の上にホログラムが現れた
「集まってもらったのは他でもない、今日またカルデアスが特異点を発見した、場所は冬木市だ」
「冬木か…」
一番最初に攻略した特異点、すべての始まりの場所だ、藤丸たちが和也にあったのもその日だった
「そして気になる年号なのだが…表示された数字は2014を示していた」
「え?そんな年に?」
それを聞いたダ・ヴィンチは大きく頷いた
「そうこの年だ、だが新宿等と同じようにそこまで大きな問題はこの時代には起こっていない、特異点の力も弱くなったり強くなったりして他のと比べて不気味何だ」
「つまり不安定と言うところか」
「そんなのいつもの事でしょう、逆に今までまともだった特異点など聞いた事もない」
そう返す白い鎧で身を固めた男と体の赤い模様が入り金の装飾品を付けた女性がそう溢した、白い方はあのアーサー王で金色の方は英雄王ギルガメッシュ、二人とも世に知れたビックネームだ
「一応わかる範囲ではこれくらいかな、微小特異点でもないし特にこれと言った原因も考えられない」
「それじゃ現地に行って解決するしかないか」
一応ここからでも調べられるが限度があるため詳細な情報はどうしても手に入らない、それを手に入れるためにはどうしても現地に行って探す必要があった
「そうなる…いつもすまないね」
「大丈夫ですよ」
申し訳なさそうな顔をした顔をするダ・ヴィンチだがそれを優しそうな笑みで返す藤丸、そこにいたサーヴァントたちはやれやれと呆れている
「それじゃ連れて行くメンバーはここにる三人にとマシュにしよう、丁度いいしね」
「よしわかった、それじゃ準備が出来たら来るように、こっちも準備をして待ってるよ」
「わかった」
その後藤丸は準備を終えカルデアスの方に向かった、メンバーはギルガメッシュ、アーサー、マーリン、マシュの四人、レイシフトの方は特に問題もなく進み無事冬木に飛ばされたのだが藤丸たちは目の前に入ってきた光景に少し驚かされた
「えっと…」
「これは…どういう事でしょうか?」
藤丸たちがまず見たのは綺麗な街だった、到着地点が山の中と言う事もあってかよく全貌が見えており人影も確認できている、空は真っ青な色が広がりそこには太陽もありよく見てみると飛行機も飛んでいる所が見える、至って変わらない普通の街に驚く方が不思議なのだが藤丸たちにとってそう取られるのも仕方がなかった
「どういう事?皆平和に過ごしているようにしか見えないのだけど?」
「強制された平和でもなくかと言って統制された平和でもない、ただの人間社会にしか見えません」
『だね、こちらも以上は感知してないし生命反応は多いがそれも街の人たちの反応だろう』
「特にこれと言った魔力もない…マーリン、幻術と言う類の物は?」
「いや確認できない、幻覚も見せられていなければ精神的な攻撃をされてるわけでもなさそうだよ、至って普通としか言いようがないね」
サーヴァントたちは分析を始めているがこれと言った例は挙げられていなし進んでいく道中にもそれといった脅威には出会わなかった、一応注意しながら進んでいくが別に問題なく街の近くにまで辿りついたがここで別の問題が発生する
「やっぱり人が多いな、しかも普通の恰好だし、これじゃ皆目立っちゃうんじゃないかな?」
今まで人気がなかったり古い時代のために今まで問題なかったが、恐らくこのまま入ると目立つ恐れがある、藤丸以外はどう考えても浮きだってしまう
「霊体化が使えれば問題ないのだが…まあ無理だろうな」
「うっ」
そう冷たい目線を送るギル、藤丸はお世辞にも優秀な魔術師ではないためサーヴァントを霊体化させる事ができない、そのため本来隠れる事ができるサーヴァントはそれができず実体化したまま行動するしかないのだ
「まあそこはマーリンの幻覚でどうにか出来るだろう、どうだマーリン?」
「任せたまえ、そんなのちょちょいのちょいだよ」
そう元気よく彼女が杖を振ると全員の体が一瞬光ると服装が変わった、ギルとアーサーは黒いスーツで身を固めておりマーリンの方は白いブラウスにプリーツスカートだった、そして藤丸はマシュの方を確認しおうと目を向けるとそこには驚くべき光景が写っている、そう、まさしくあのハロウィンの…
「!」
マシュはどうしても見せまいと体を縮め手を使って隠している、そしてこうした元凶であるマーリンの方を向いた、マーリンの方は面白そうな顔をしていたがマシュが目を向けた途端表情を変えキョトンとしている
「マーリンさん!な、なな何でこの衣装、何ですか!?」
その言葉に釣られて全員がマーリンの方を向く、アーサーはやれやれとため息をつきギルの方は笑い藤丸にいたっては目の前の事が刺激的過ぎてずっとマシュの方を向いている
「なにって、可愛いだろう?」
そう何故か首をかしげるマーリン、取り敢えずこのろくでなしは一度〆た方がいいだろう、そして案の定そんな答えで納得できないマシュが反論する
「こ、これは可愛いとかできめる物ではありません!周囲に溶け込むための必要な事なんです!それなのにこんな格好ではもっと目立ってしまいます!」
まさしくその通りであった、健全な男子には目が痛すぎる光景だし何よりこんな衣装を着て街に出る等マシュにとっては自殺行為だ、そしてここで首を元の位置に戻したマーリンが一言
「でも、幻覚だろう?」
「元の状態より目立ってしまっては意味がありません!改善を要求します!」
さらに首を傾げたマーリンにマシュは思いっきり反対する、ギルの方はもう笑いが止まらずアーサーの方は流石に止めるべきと判断したのかマーリンの頭を軽く叩いた
「ふざけすぎだマーリン」
「もう、我が王はノリが悪い」
そう杖をもう一振りするとマシュの体が光いつもカルデアで着ている服装になった、それを確認したマシュはほっと息を吐き藤丸の方も正気に戻った、ギルの方はまだ笑っているが
『ほらほら仲良しごっこするのもいいけど仕事をしてくれ』
「あ、は、はい!」
その言葉を聞いて正気に戻ったのか藤丸が返事を返した、そして藤丸の声のもと全員が街の中に入っていった、ここは住宅街なのだろうか一軒家が目立ち複数の公園もある、歩道にある植木には木が綺麗に並べて生えておりそれが多少なり自然の雰囲気を醸し出している
「前来た時は火の海だったけどそうなる前はこんなに綺麗だったんだ」
前は特異点の発生もあってここ一帯が火の海と化していたがそうなる前は綺麗な街のようでこの住宅街の雰囲気は何だか懐かしさも感じた
「ふむ…いささか直線的で変わり映えがないが、まあ凡人にしては上出来だろう」
そう手を顎に当てながら今ある景色の評価をしていたギル、スーツの事も相まってクール系女性にピッタリの絵が出来上がっていた
「でも、何だか心が安らぎます」
そう自然の景色を見ながらマシュも感想を述べた、今思えばこうやって現代に近い街をみるのは久しぶりでもあるのでどうしてもなつかしさが勝り雰囲気を見てしまう、家や塀にただ真っすぐなだけの道路、公園の砂広場とそれを囲うように出来上がった木の囲い、どれも懐かしかった
「ホントにこんな場所に特異点が?」
『ああ間違いないよ、今さっきこっちで反応があった、そこから真っ直ぐにある繁華街で何かの霊気反応を確認したが直ぐに消えたよ』
「となると繁華街で問題が起こっているってこと?」
『確証はないが、恐らくそうだろうね』
そうと決まれば話が早い、急いでその繁華街に向かい原因を解決しようと思い歩き出すがふとある事を藤丸は思い出した
「そうだ、電車とか使えば早く着くんじゃ…」
「それは良い提案だけどマスター、お金は今あるのかい?」
そうアーサーの言葉を聞いて思わず自分のポケットに手を入れて探るがそんな物は何処にもなかった、いつもは金何て使う機会など皆無と言っていいほどなので所持している訳がなかった、久々に乗れると思っていたのかガクリと首を落とし大人しく歩いていく事にした
繫華街に着くと少し見て回りたかったがそうも言ってられず反応があった場所に向かったがやはり何も残っていなかった、そのためそれぞれお分断して探す事にした、ギル、アーサーとマーリン、マシュと藤丸と言った感じで別れ捜索をし始めた、昼のためか人込みが多く少し移動しづらいがなるべく裏路地や人気のない場所、直接人から聞く等探りながら続けるが、これといった物はなかった
「見つからないね」
「はい、特に異常と見える物は何処にもありません」
『こっちもだよ、マーリンの探知にも反応はない』
『私の方もだ、これと言って目立つ物はない』
収穫無し、やはり特異点ではあるためそんなに甘くはなく簡単には見つからない、表通りの方を歩きながら思考を巡らす
「やっぱりあっちが動きださないと無理なのかな?」
「それが一番早いですが何故反応が一瞬だけしたのかが少し気にかかります」
どう思考を巡らしても手詰まりだった、いつもなら問題があっちからやってくるのに今回は一向にやってこない、もしかしたら夜になって起こるかもしれないけどそれまで待っている間に人が犠牲になるのは耐えられない
「取り敢えず色々探してみよう、何か見落としているのかもしれないし」
「はい」
そう決意を顔に表しそれにマシュが賛成の声を上げる、まだ探し始めてそんなに経っていないんだ、なら動けなくなる限界まで探そう、そうすれば何か見つかるかもしれない
『貴様のそう言う所、嫌いではないぞ』
「ありがとうアーチャー」
『それもそうだね、それじゃ少し範囲を…』
アーサーが喋っていると急にノイズが走った、それに思わず顔をしかめ手を耳に当てしばらくその場で固まってしまう、それを見たマシュが思わず声を掛ける
「マスター!大丈夫ですか!?」
「あぁ大丈夫だよマシュ…皆聞こえる?」
マシュの方に無事を伝え再び念話で話そうとするが雑音が酷く何も聞こえない、マシュの方はいつでも盾を出せるように身構え藤丸の近くで待機している、そしてしばらく経つと多少なりとも雑音が収まってきて誰かからの回線が開いた
『藤丸君!今すぐそこから離れて!!』
「っ!マシュ!」
だが聞こえてきたのは良い言葉ではなかった、すぐさまマシュの方に声をかけこの場から立ち去ろうとしたが遅かった、藤丸がいるその真横で急に音が鳴ったと思ったら虹色の穴が空き轟音とともに風が起こり周りの物を吸い込み始めた、思わずそれに体が浮き吸い込まれそうになるがマシュが盾を召喚しそれを地面に突き立てると直ぐに藤丸の腕を掴み阻止した
「うぅ!」
だがそれで安心する訳には行かなかった、その穴はどんどん広がっていくとともに強くなり人だけじゃく車や街灯等も吸い込み始めた、しかも穴の直ぐ近くにいるため藤丸の方に物が飛んでくる形で迫ってくる、ある程度は盾が何とかしてくれるがそれが盾の前でどんどん積み重なっていきこのままでは盾で引っ掛かった物と一緒に吸い込まれてしまう、どうしようかと必死に模索していると自分の体に金色の鎖が巻かれた
「アーチャー!」
「遅くなったなマスターよ、随分面白い事になっているではいか」
そう余裕の笑みを浮かべるギルガメッシュ、そして程なくして一つの影が藤丸たちと少し離れた正面に立つと剣を穴に向ける
「風よ!」
その声とともにその剣から風が吹き荒れ穴の風とぶつかり合い相殺し始めた、そのおかげか浮いていたからだが地面につきそれと同時にその場からマシュと一緒に引っ張りだされた
「大丈夫かい?」
そして着地した場所にはマーリンが杖を持ちこちらに安否の確認をする、金色の鎖は消え自由になったので立ち上がる
「大丈夫、マシュは?」
「私も大丈夫です」
「それはよかった、我が王がうまくやってくれているがそろそろ限界だろう、早急にこの場から離れる事を提案するよ」
それにはこちらも大賛成だ、直ぐにマーリンについて行きその場から離れる、それを確認したマーリンは花を出現させるとその花が穴に吸い込まれていく、それを見たアーサーは直ぐにその場を離れると風の勢いが戻り吸引を再開し始めた、そしてアーサーの方は藤丸たちの方に向かうが直ぐにまた異変が起こった、次は藤丸たちの真下に大きな穴が出現したのだ
「え?」
思わず藤丸が変な声を上げてしまう、アーチャーもセイバーも直ぐに向かおうとするが遅かった、轟音とともに穴に三人とも吸い込まれていった、アーチャーは鎖を出現させ穴に入れ藤丸たちを捕まえようとするが次はアーチャーの後ろに穴が出現した
「なに?」
「アーチャー!」
セイバーが声を上げるもこちらも遅かったようだ、武器を出現させ地面に突き立てていたがそれでも吸い込まれていき穴の中に入ってしまった、それを見ていたセイバーだがそう唖然としていられない、あちこちに穴が出現し始め近くにある物を吸い込み始めたのだ、しかも発生度が高くもう見渡す限り穴がだらけだ、しかもそれが時間が経つと同時に大きくなっていく
「仕方ないか!」
こうなっては恐らく自分がここから逃げ出すのは難しいだろう、ならいっその事藤丸たちが落ちていった穴に入って合流するのにかけるしかない、そう決めたセイバーは穴の方に向かい自分からその中に入っていった
はいと言う訳でこれが第一章です、え?何でギルが女なのかって?自分の趣味です(もしかしたら女ギルの作品作るかもしれないからそれの練習)、マーリンはどっちもクソ野郎だから別にいいんですけどね