Fate Grand Order 超越不定空間 ゼラード・クアル 活動中止 作:(´・ω・`)しょんぼりくん
「皆さん!私の後ろに!」
そう虹色に包まれている光景の中で一緒に落下しているマシュが声を上げた、それに応じた藤丸とマーリンは何とか彼女の後ろに行く、前や後ろからは一緒に入って来た瓦礫が宙を舞い不思議な軌道を描きながら迫ってきた
「キャスター!」
「任せたまえ」
マーリンに指示を出す、そしてマーリンは杖の先端を瓦礫に向けるとその先端から光弾が飛び出しその瓦礫に直撃する、するとその瓦礫は綺麗なピンクの花に変わりそれが藤丸たちを覆った、マシュがもしもの時のために宝具を展開できるようにしマーリンはなるべくそれが無いように瓦礫を花に変え続けた、そしていると落ちていくとその虹色の景色が一変した
「な、なんだこれ?」
その光景に思わず驚いてしまった、下の方にはまるで浮島のような物が浮かんでおり周りの風景も少しだけ月明かりが強いような明るさだった、島の大きさは小さかったり、はてはかなり大きな物も存在していた、その島には自然が生い茂る自然や山のような物が存在するが真下にある島には冬木の残骸であろう物が積み重なっており今まさにその瓦礫の山に突っ込もうとしていた
「マシュ!」
「はい!オルテナウス、疑似リンク開始!」
そしてマシュは前に向けていた盾を大きく自分の頭上に掲げた
真名、凍結展開
これは多くの道、多くの願いを受けた幻想の城
ゆっくりと目を閉じ大きく息を吐く、二人はマシュの後ろに回りしっかりと彼女の体を掴む、花がその周りを包み不思議に浮かぶ浮島、そんな幻想的な世界の中でマシュはゆっくり瞳を開きその名を口にした
「呼応せよ!
そして盾を前に勢いよく下ろした、目の前にあった浮島からは大きな城が現れた、だがその城には違和感がありまるでノイズが走っているような光景が広がっており見た目は立派な城なのだがノイズのせいで不気味な空想城が出来上がっていた、藤丸たちはその城に向かって落ちていくが流石に彼女の宝具だけでは落下の勢いは殺しきれない、そのため最後はマーリンの魔術で落下地点にあった瓦礫を花に変えクッションにして最後まで殺しきった、そのまま花に突っ込み一面がピンク色に包まれ落下地点は花の飛沫が上がっていた、そして一緒に落ちてきた瓦礫は城に阻まれているので中には入らず城の外に落ち藤丸はその花の中から落ちてくる瓦礫の奥にある穴の事を見ていた、だがやがてその穴が小さくなっていき最後には閉じ薄暗い光景が空に広がっている
「…落ちちゃったね」
「油断していたとはいえまさか自分たちの真下に穴が空くなんてね」
花の中に埋もれながらマーリンとの会話を続けた、いきなりの事で頭が追いついていないせいか少しボーとしておりしばらく埋もれたまま固まっていた、そして少し経つと瓦礫も落ちてこなくなり周りも静かになるとマシュが不思議そうな顔をして花に埋もれている藤丸の顔を覗き込みながら声を掛けた
「大丈夫ですかマスター?」
「あぁ大丈夫、ちょっとびっくりしてただけだから」
流石にこのまま花に埋もれた状態を続ける訳にもいかないのでまずその状態から抜け出した、その場から立ち上がり体についた花をはたき落としながらマシュと一緒に周辺を見渡す、マーリンは何故か楽しそうに花の中に埋もれていた
「何だか不思議な場所だね」
「そうですね、よく見たら浮いている島は自然が広がっている物だけじゃないですね」
落ち着いて見て見ると自然が広がっている小島だけじゃない、ここのように瓦礫が積もっている島やあるいは何もないただ茶色の地面が広がっている小島もある、しかも大きさもちぐはぐだらけ島の周りには島の破片と思わしき物が漂っておりうまく伝って行けば違う島の方に乗り移れそうだ
「重力とかどうなってるんだろう?島は漂ってるのに島に落ちなかった瓦礫はそのまま落ちていったけど」
「無重力、と言う訳でもなさそうですね、ジャンプしてもちゃんと地面に着地します」
瓦礫の山から離れ少し草が生えた地面に立つとマシュはその場で軽く何回か飛んだ、体はそのまま浮かずに下にある地面に吸い込まれ無事着地した、藤丸の方はダ・ヴィンチと会話をしようとしているが一向に繋がらずにいるようだ、マーリンの方はいつの間にか花から出てきて周囲を観察している
「上には雲、下にも雲、確かに随分不思議な場所だ、重力は島が発生させていて島の外に出ると真っ逆さま、大きな島程重力が強くなっているっと言ったところかな」
「こんな場所に生き物はいるのでしょうか?」
「見える範囲では見えないけど、だいたいこういう時って…」
そう会話をしていると瓦礫の方から何かが崩れ落ちてきた、それに釣られ三人ともそちらの方を向くとその瓦礫の上にそれはいた、体長は四メートルは超えているであろう毛並みが白い狼が四体ほど三人を睨みつけておりそれを見たマーリンはため息をついていた
「まあいるよね、いつもの」
「二人とも!」
その声とともに二人は武器を構えマシュが前にマーリンはその後ろに回るとその狼たちが駆けだした、一匹の狼がマシュに飛びつくと同時にマシュががら空きの腹に向かって盾を振った、それは直撃し吹っ飛ばされるかと思ったが狼は前足の爪をたてそれを盾に引っ掛けるとそのまま乗り越え口を開きマシュに襲い掛かった
「え!?」
「おや?」
マシュは急いで盾を軸にしてその狼を蹴り飛ばすが狼は姿勢を立て直して直ぐにマシュに襲いかかった、マーリンがそれを援護しマシュを囲んでいる他の狼が飛び掛からないようにしその間にマシュはその飛び掛かって来た狼を叩き落とし盾えお突き立て止めをさした、その間にマーリンはこちらに迫ってくる狼に向かって魔法弾を放つがそれを回避したりあるいは直撃しても数発当てなければ倒せなかった
(魔法に偉い耐性が強いね、これは私じゃ相性悪いかも)
飛び掛かって来た狼に対しては剣を出現させ首を落としも右からきたのは剣で受け流して宙に浮かせた後火力を上げた魔法弾で迎撃した、最後の一匹の方はマシュの方に行き盾のない方から飛び掛かるが蹴りでその勢いを無くした後盾を回転させ勢いをつけ殴り飛ばす、狼は瓦礫の山に突っ込み体制を立て直す前にマーリンの魔法弾が直撃し倒された
「終わりじゃないよ、瓦礫の奥にまだいる」
マーリンの警告と同時に七体の狼が出現しマシュたちの方に向かってくる、二人はなるべく藤丸の前に立ち武器を構えマーリンは魔法弾で牽制を行う、そして狼たちがその場からジャンプしこちらに飛びかかろうとした時突如風が吹き起りその狼たちを吹き飛ばした、その風がきた場所に顔を向けるとそこには剣を構えたセイバーの姿があった
「セイバー!」
「遅くなってすまない」
そしてセイバーはその場から駆け出し狼たちの方に向かった、狼たちはそのままセイバーの方に向かって襲い掛かるがセイバーはそれを巧みに剣を扱い次々に狼たちを倒していく、それを見たマシュとマーリンは援護に周った、そして最後の狼をセイバーの剣で倒した
「…敵影の姿、認められません」
「生命反応も無し、終わったね」
一応武器を出現させたまま周辺を警戒しながら藤丸の方に集まった
「皆大丈夫?」
「はい、怪我はしていませんがさっきの敵、予想よりもかなり頑丈でした」
「そうだね、ケチってたとはいえ私の魔法弾数発当てないと倒せなかったからね」
「確かに切った時の感触も少し重かった、見た目は普通の狼ぽかったが」
見た目はただの狼を大きくしたような姿で特に見た目には変化がなかった、ただその体は鋼のように固く俊敏性も高かった、マシュの盾の攻撃も受けて何ともなかったしマーリンの魔法弾も火力を絞っていたとはいえ数発当てないと倒せなかった、それにセイバーの方の話も聞いてみると少し切りにくかったと言う話だしこの先敵に会う事になったら気を付けないといけないかもしれない
『…丸…!藤丸君!』
「だ、ダ・ヴィンチちゃん!?」
どうやら通信が復活したようでダ・ヴィンチが藤丸の安否を確認してきた、あの後向こうの方でも通信が繋がらず焦っていたらしく何度も試していたようだ、藤丸の方もその声を聞いて安心し安否の報告をする
「こっちは大丈夫だよ、それよりそっちから僕たちが見てる様子って見れる?」
『それは私たちの方でも確認できているけど…すごい光景だねこれ』
「うん、僕たちも少し驚いてる…いつもの事だけどね」
摩訶不思議な場所に飛ばされるのはいつもの事だが今回は少しだけ違う、最初に飛ばされたのが現代の人間社会だったが変な穴が出現した先がこの場所だ、まだ周辺を見ただけだが建物らしい物は見えず浮島のがあっちこっち浮かび破片も漂っているよくわからない空間だった
「浮島について何かあるかな?よくファンタジーな世界ではありそうだけど」
『例として挙げるのならホメロスの叙事詩『オデュッセイア』かな?その話には浮島アイオリアと言う物があるのだがこの様子からするとその可能性は低いな、まあ色々探してみるよ』
「お願い、こっちは少し周りを探索してみるから何か見つけたら教えるよ」
『はいよ、気を付けてね』
そう通信を切り周りにいる皆と少し相談し探索をする事にした、この浮島もそこそこ大きく小さな町位の大きさではあるが目新しい物はなかった、そのため他の浮島に行く事にし取り敢えず少し危険だが破片を渡りながら移動する事にした
「マスター気を付けてください、ここの重力も少し安定してませんでゆっくり渡りましょう」
「う、うん」
今浮かんでいる破片で渡っている所なのだが渡る時にジャンプすると何故か無重力のようなジャンプになっておりしかも破片の平面が横に向いていたり下に向いていたりしていてそれがそこら中に浮いているのでジャンプするのが少し怖い、一応横を向いている所にジャンプをすると吸い込まれたようにそこの平面に着地は出来るのだがそのせいで視界が右往左往するので何処にジャンプする予定だったのかわからなくなってしまう
「ホントに変な場所だね空間も重力も安定してない、一応上にある破片にわたる事も出来そうだけど試したくはないね」
「だが意外と密集している、マスターも気を付けていれば簡単にわたる事が出来るようだ」
マーリンは藤丸の後ろにおりセイバーは先行し偵察を行っている、マシュの方は藤丸の隣で落ちないようにサポートしておりゆっくりだが次に目指している浮島に向かっている、その浮島は建物や車などの瓦礫が目立つがそこには自然が広がっており大きな山も幾つか見えるので最初に見えた浮島よりかなりの大きさのようだ
「アーチャーは大丈夫かな?」
「僕が最後に見た時は別の穴に吸い込まれていった、簡単には死ぬわけないから無事だと思うよ」
『一応サーヴァント反応はこの先にある島から出ているよ、恐らくアーチャーの物だろうね』
「なら早く合流しよっか」
ゆっくりであるが前にある浮島には近づきつつあった、藤丸たちも移動には慣れたのか少しペースが上がっており浮島の姿が大きくなっていく、後もう少しでつくと言う所で通信が入った
『藤丸君!君から見て右の方から生命反応あり、約50キロでそっちに近づいてる!』
それを聞いた4人は直ぐに前にある浮島に乗り移るため破片から跳躍する、藤丸の方はマシュに運んでもらい飛んでもらい浮島に到着し臨戦態勢に移る、すると藤丸たちから見て左の破片の方から何か動く物が見えた、その影が破片を伝いながら移動しこちらに近づいてくると最後の破片を蹴とばし大きく跳躍する、そのまま藤丸たちを飛び越える藤丸から数mはなれた場所に着地した、そこには紫色の配色をした鎧のような姿をした人の形をしている者がそこに立っている
「…おや?」
ゆっくりと上げられた何かの角を付けた兜越しに見えた水色の瞳がこちらを見ている、セイバーはそちらの方に剣を向け警戒をしている、マシュの方もセイバーの隣に立ちマーリンの方もその後ろについている
「ほー、あんな高さから落ちて無事な奴もいるもんだ」
ゆっくりと立ち上がり手に鉈のような物を出現させそれを下げたままこちらをずっと見ている
「けど恰好が変だな、現代人の恰好はこんな感じなのか?」
すると相手が腕を前に出すとその手首についている装飾品の一部を取る、するとそれが形を変え肥大化していき紫色の鉈になった、だが古風な鉈ではなく少し未来的な感じがする鉈で相手はそれを持ち上げそれを手で刃先を撫でながらその場を軽く回りながら歩く
(投影…ではないね、かと言って複製とも違う、私でもわからないな~あれ)
マーリンの方はさっき行った事の分析をしているようだ、相手の方はマーリンの視線には気にせずまるでこちらを品定めるように視線を外さずセイバーはその言葉に返事を返す
「貴様は何者だ?」
「俺?…あ~色々あるな」
それを聞いた相手は頭を捻りながら止まっている、まるで考えるように顎にも手を当てまた軽く歩きだし少し経つと止まりセイバーの方を向く
「色々あるけど…リーバスって呼ばれてる」
「リーバス…聞いた事がありません」
『こっちも特にそんな名前は該当がない』
「まあ知らないよな」
そう落胆したようにため息を吐くリーバス、セイバーの方は直観が働いて嫌な予感が外れないのか油断なくリーバスを見つめ続け他の二人も警戒を続けている、そして顔を上げたままのリーバスがチラリと藤丸の方を見た瞬間、その場から消えた、それを察知したマシュが殺気が来る場所に向かい盾を構えたと同時に凄まじい衝撃と音が響いた
「いいねぇ」
兜の頬の部分が歪みまるで軽い笑みを浮かべている形に見えた、その後リーバスは鉈を器用に持ち替え連続でマシュの方を攻撃それをマシュは盾を前に出し防いでいるとその間にセイバーが間に入りそこから切り合いが始まる、サーヴァントの中で最優と呼ばれるセイバーを相手に一歩も引かずむしろ楽しそうに切り合いを続けているとその間にマシュが入り二人係で攻めるが少し不利と感じたのか一度リーバスが下がる、それを見たマーリンが魔法弾を放つが相手はそれに向けて鉈を振るとそこから斬撃が飛び魔法弾を切り裂きながらマーリンに迫るがそれをマシュが盾で防いだ
「何かあんたら普通と違うと思ったら、そこにいる猿以外は全員英霊…だけど何か盾だけ何か違うな、まあいいか」
「猿?」
そう鉈を藤丸の方に向けそう言ったがマシュの方を見て首を捻った、どうやら戦っていると同時にこちらの分析も行っていたそうだ、鉈を軽く回し持ち替えるとそれを肩に置き間を保ちながら四人がいる場所を周りながらこちらを見続ける
「にしても最近の猿は英霊を使うのか、いつも落ちてきた奴は死んでたから知らなかったな」
「あの穴をあけたのは貴様か?」
「そうだよ」
そう軽く笑いながら周のをやめその場に止まった、セイバーはそれを聞くとリーバスを睨み始めその理由を問う
「何故こんな事をする」
「理由?…特に、無いな」
「なに?」
セイバーの目つきがつり上がり表情からは怒りとともに魔力が解放されその波動が放たれそれが地面の塵を巻き込み広がった、マーリンの方は別段変わり映えがないがマシュと藤丸の方は困惑の表情が現れている、出来ればそれが嘘であってほしいのだが相手の表情からそんな感じがしなかったのだ
「無いんだよ、俺はただ好きな事をして好きなように生きるんだ、あいや待ってよあった、ここには何にもないから適当に穴開けて遊ぶものを持ってくるんだ」
そう今思いだしたように人差し指を上げ答えた、セイバーはそれを聞いた途端我慢できなくなったのかそれに異議を唱える
「ふざけるな!!そのせいで何人死んでると思ってるんだ!」
「だって仕方ないだろ?ホントに何もないんだから、だけど今は最高だね、あんたらがいるししかももしかしたら外に出られるかもしれないからな」
そう顔を反らしながら笑う、紫色とその読めない行動が相まって不気味さを感じさせる、そしてゆっくりと鉈を回し持ち替えると姿勢を落とした
「マスター、来ます!!」
マシュの声とともにリバースが前に駆け出し鉈を振り上げる、セイバーが前に出てそれを押し止め切り合いが始まった、受け止めた鉈を流し返しに剣を振るが相手は鉈を逆手に持ちその剣を防ぐと逆の手で貫手を放ちセイバーはそれを避ける、セイバーは剣を巧みに使い一方相手の方は独自で磨いた我流に体術を加えており少しセイバーが押され気味だがマシュが盾を振りながら入る、体勢を崩されたセイバーを追撃されないように盾で防ぎ終えると盾を持ち替え相手に振り下ろすが鉈で弾かれるがその間に立て直したセイバーがその隙に反撃する
「私がいる事を忘れないで欲しいな」
そして二人と相手の間が少しでも空くとマーリンの魔法弾が放たれる、相手は二人により姿勢を崩された後だったのかそれが直撃するがそれを気にせずリバースは舞った塵を鉈で切り払うと共に斬撃波を発生させそれがマーリンに迫るがマシュが盾がそれを防いだ
「はぁ!!」
そしてセイバーが相手に近づき大きく剣を振り上げ振り下ろす、相手は急いで鉈でそれを防ぐがそのまま吹き飛ばされ近くにあった岩に当たり舞った塵と一緒に貫きながらも脚と鉈を使いながら姿勢を安定させる、そして複数の斬撃波を放つがセイバーとマシュがそれを防いだ
「器用な奴」
鉈を一度マシュの方に投げセイバーの方に接近する、回転しながら迫るそれをマシュは弾き飛ばそうと考え盾を大きく振りかぶりその鉈を叩き弾き飛ばすが予想より威力があったのか少し姿勢が後ろに傾いてしまった、その間にリーバスは自身の鋭い爪から繰り出す手刀でセイバーと対峙していた
「来い」
その声とともに遠くに飛ばされていた鉈がブーメランのような軌道を描きながらリーバスの方に戻って来た、セイバーは鉈が来る前に仕留めようとしマシュは急いで姿勢を立て直しその鉈を防ごうと盾を伸ばす、どうやらマシュの動きの方が早く鉈を防いだ
「もっらい」
だが相手は腕についている装飾品の一部を取るとそれが大きな返しがついたナイフになりそれを後ろにいるマシュの方に投げた
「しま!」
「マシュ!!」
藤丸が声を上げる、不気味な紫色をしたナイフがマシュに迫る、マーリンは急いで速度を上げた魔法弾でそれを打ったがその弾をものともせずナイフがマシュの脇腹に突き刺さった
「前は見なくていいの?」
「っ!!」
相手のその挑発じみた声につられマシュは前を見ると鉈が回転しながら迫っていた、急いで顔を背けその鉈が接近戦をしている二人の方に向かって行く、リーバスは少しセイバーとの間を空けると後ろの方に手を向け受け取ろうとする、それをさせまいとセイバーが距離を縮める、だが
(いや違う!)
セイバーの直感が働き下げていた剣を前に出した、いつもは走る時は剣を下げ速さを意識するのだが今回は防ぐ事を優先した、すると相手の方は後ろから来る鉈を取らなかった、鉈がセイバーの方に向かいそれに続くように腕にある装飾品を三つほど取りそれを投げるとそれがナイフになりそれに続くようにリーバスが駆けだす、セイバーはまず最初に来る鉈を姿勢を下げるように避けそれを予測したように投げられたナイフが迫ってくる、それを体を捻りながらジャンプしそのナイフが下を通り過ぎると今度はリーバスの手から繰り出された突きが迫る、セイバーにはもはや防ぐしかなくそれを剣を盾にして防いだがそのせいで着地が出来ず体が空中で静止してしまった
「これで二人目」
その不気味な微笑みとともに零れた声が背筋を凍らせた、リーバスはこの事を予測してナイフを避けた時点で最初に投げた鉈をこちらに呼び戻していた、だがセイバーは防いだためそのための硬直が生まれてしまい後ろにせまるそれを防ぐ事ができない、剣を後ろに回して盾代わりにしても今度は前にリーバスからの攻撃が来る、万事休すかと思っていた時マーリンがセイバーの後ろに立ち剣を取り出してそれを叩き落とした
「接近戦は本業じゃないんだけどね」
リーバスに魔力弾を放ち直撃させると詰め寄り数回ほど切りつける、相手は手でそれを防ぐが杖から繰り出される魔法弾だけは至近距離で放たれたため避けられず直撃してしまう、その隙に立て直したセイバーが剣で数回切りつけ最後に風とともに吹き飛ばしそれに追撃するようにマーリンの魔法弾が当たりそのまま地面に叩きつけられた
「マシュ!大丈夫!?」
「はいマスター、すいません油断してしまって」
マシュは脇に刺さったナイフを無理に抜きそれをその場に捨てる、藤丸は軽めの魔術を施し回復を促進させる
『ひどい、ナイフ一本でこの出血量に直りが少し遅い、ただの武器ではなさそうだ』
体もそうだが来ている礼装も治っていない、本来なら応急処置でも直ぐに治るものなのだが治りがかなり遅かった、藤丸は相手の方を警戒しながらマシュの方を治療しているとそばに捨ててあったナイフがリーバスの飛んで行った場所に飛んで行った、それだけじゃなく突き刺さったナイフと落ちていた鉈が飛んで行った、その方向を見て見るとリーバスがまった塵を祓いながら出てきた、そして飛んできた武器を掴むとそれが元の装飾品に戻っていく
「いってぇ俺の装甲が切り裂かれる何てどんな剣だよ」
そう背中を擦り装飾品を元の場所に戻していく、そして体についた塵を手で叩きながら落としていく
「性格に合わず器用な奴だ、切られる寸前に重心をずらすとは」
「ああだから切りにくかったんだね」
「でもかなり切られちまった、いってぇな」
気の抜けた声を出しているが二人は特に手は出さず藤丸たちの前に立ち警戒する、それが誘いだとわかっていた上に意外と奇怪な作戦を仕掛けてくるので下手には動かず藤丸たちの傍にいた方がいいと判断したのだ、相手は叩き終えると鉈を出現させ構える、マシュの方も立ち上がり四人は警戒するように警戒する
「■■■■■■■ーーー!!!」
「!?」
「ありゃ」
綺麗に少し響く低い鳴き声のようなものが聞こえた、その声を聞いたリーバスは鉈を戻しその場から離れようと飛び上がった
「貴様!何処に行く!!」
「ごめんな~戦いはまた今度な~」
その声を置いていくようにリーバスは離れ近くにあった山の方に消えていった
「あの引きざま…さっきの声から逃げている?」
『藤丸君!!そこから南西二キロ離れた場所から高密度のエネルギー反応が出現!!それが君のほうに超高速で接近中!!この速さじゃ後少ししたら接触する!!』
「皆!急いでここを離れよう!」
その声に釣られ全員が藤丸と同じ方向に駆けだす、セイバーが藤丸を抱えて駆け出し急いでその場から離れた、するとダ・ヴィンチが言った方向の空に一つの光が出現した、そしてその光が強くなっていくと藤丸たちがいた場所に一筋の細い光が当たると強烈な光とともに爆音と爆風が響き半径一キロ程の光る半球体が現れた
「うわ!?」
『すごい威力だ、君たちがいた半径二キロ半が焼け焦げている』
「あぶなかった」
「■■■■■■■ーーー!!!」
その声はとても近くで聞こえた、藤丸たちはその声の方向を向いた、その上空にはとても奇妙な存在がいた、大きさ十数メートルの大きさのドラゴンだった、翼が生え尻尾もあり形状からしてドラゴンのようにも見えるが普通のドラゴンとは姿がまるで違う、体には小さな鱗で覆われている訳ではなくまるで鎧のような形状をしており顔の方は龍のように長い顎をしているようだが尖った鎧に覆われているため中がよく見えなかった、しかも手の方もおかしく生き物らしい指のような物はなく鋭く尖った大きな槍のような形状をしており頭の方も大きな角のような物がある、見えたのは全身を覆う白い鎧のような装甲とその下から覗かせていた黄色に輝く瞳だけたった
『ドラゴン…のように見えるけど姿ちょっと生物らしくない、何なんだいあれは』
「■■■■■■■ーーー!!!」
龍は口を開いた、以外にも口の中はこっちの世界で言う生き物らしい形をしておりピンク色の綺麗な舌に綺麗に並んだ牙がある、だがその口の中心にある光だけは別だった
『口の中から超高エネルギー反応を検知!!しかも完全にこっちを狙ってないかい!?』
「狙ってるも何も他に誰もいないだろう!」
セイバーたちがその場から飛び上がる、すると龍はこちらにその光を向け顔を少し後ろにのけぞったあと勢いよく前に出した、するとその光が一筋の光になりセイバーたちの方に向かって行く、セイバーたちはそれを回避するがその光は後を追うように後ろから迫る
『あの熱量を照射し続けている!まともに当たったら無事じゃすまないよ!!』
マシュは一応セイバーの隣につきマーリンの方は魔法弾を龍に向けて放っている、だがそれが当たっても気にせずにこちらを上空で追いかけながら照射し続けている、セイバーたちは取り敢えず山の近くにある森の方まで走り続け中に入った、すると龍は照射をやめ下に降り森の木々をその角や爪でなぎ倒しながら藤丸たちに迫る
「森は大事にって言われなかったの!?」
『取り敢えず走って!!さっきよりも早くなってるよ!!』
藤丸の弱気な声を無視し前の方に突き進んでいくとまたもや龍が口開け光を収束し始めた、それを見たマーリンが魔法弾をその光に向けて放った、だがその魔法弾は光と接触するとかき消された
(もう収束が終わっている…ちょっとやばいかも)
本来収束中のエネルギーが何らかの強い衝撃を受けた場合、そのエネルギーは拡散して消えるかあるいは魔法弾に引火して爆発を起こすかなのだが収束を終えた物はそうはいかない、収束中は不安定な状態なのでそれを狙ったのだが思ったよりも終えるのが早かったため間に合わなかったようだ、そしてその光が一筋の光となって襲ってきた
「避けて!!」
藤丸の声とともに藤丸たちとマーリンが散開する、その中心に眩い光が現れ木々を焼き払った、そして相手は藤丸たちが散開したのを見ると口を閉じると大きく後ろに頭を下げると勢いよく前に出すとその一つの光が複数に増えて藤丸たちを襲った
『あの収束を複数に拡散出来るのかい!?』
「皆さん気を付けて!!」
その複数に拡散した光をうまく避けながら移動していく、相手の方も攻撃しながら移動しているのでさっきより速度が落ちている上に移動しながら撃っているため狙いが甘いから避けるのは容易い、マシュが後方を警戒しながらセイバーが移動していくがこのままではじり貧だ、取り敢えずあの龍をどうにかまく必要がある
「皆!こっち!!」
その声に釣られた方向を向くとそこにはマーリンがいてその後ろには少し大きめの穴が空いている、どうやら走って行くうちに山の方についたようだ
「ここから入ればこの山の向かい側にある穴から出られる!!探知もして生物はいないし罠もないから安全だよ!」
「流石はマーリン!セイバー!!」
「心得た!」
その声に応じセイバーたちがマーリンの方に方向を変えた、龍の方もセイバーの方を追いかけていたのでそれに釣られるように一度口を閉じ方向を変えた、方向を変えるのが向こうの方が早かったのか少し追いつかれ気味になり大きく開いた口がセイバーたちに迫っていく
「マーリン!!」
「はい、我がマスターよ」
その声に応じてマーリンが事前に設置してあった罠を起動した、木々の根が出現しそれが龍の口の前に現れる、すると口を開いていたためそれが引っ掛かり大きく減速してしまった、その隙にセイバーたちは穴の中に入りそれに続くようにマーリンも穴の中に入っていった
「た、助かった~」
「危なかったですね、マーリンさんがこの穴を見つけてくれて助かりました」
「そうだろうそうだろう、もっと褒めてくれたまえ」
「こら調子に乗るなマーリン、まだ助かったと決まったわけじゃない、早く先に行こう」
軽いやり取りを行いながら洞窟の中を歩いていく、中は5~7程の大きさでその土の中には光る鉱石のような物が埋まっておりあまり問題なく中を移動できる、マーリンが言うにはもう少ししたら抜ける事が出来るようだ
「あの龍、一体何だったんだろう?」
『異様な姿だった、普通我々の世界で言う龍とかドラゴンは本来固い小さな鱗で覆われており伝承ではあるがちゃんと自然の生き物に基づいた姿をしている、だがさっきの奴は違う、鱗と言うより鎧、爪と言うよりまるで大きな槍、全身が少し鋭く角ついている事を見て速さに物を言わせた突撃とあのバカげた火力が特徴か、炎じゃなくてビームが飛んできたのはびっくりしたけどね』
ドラゴンと言うのはヨーロッパ文化圏で共有されてき伝承や神話における伝説上の生物、その姿はトカゲあるいはヘビに似ており大抵がダ・ヴィンチの言う通り全身が鱗で覆われており恐竜のような鋭い爪、鳥のような翼、鰐のような長い顔にその頭部から角が生えており蛇を思わせる尻尾をしているなどのキメラと同じように数体の生物を配合したような姿をしている、だがあれに該当するのは口の中と若干ドラゴンに似た姿だけだった
「何か、自然の生き物ぽくなかった」
「だね、あれは生命の樹で成り立った姿をしていない、何かの外的要因によってあんな姿になったのかもね」
『恐らくそうだろうね、その事を知ってそうなのはさっき君たちを襲った奴だ、姿が割と似ていた』
「そうだろうな、あの声がした途端引いたのをみると何か知っているのは確かだ」
そうセイバーが返す、と言ってもそのリーバスは何処かへ消えてしまった、探そうにしても外に出ないといけないのであのドラゴンの事を視野に入れて探さなければならない、あの火力と速度を考えると次に追われたら終わりかもしれない
「取り敢えず今はアーチャーと合流しよう」
「そうですね、ギルガメッシュさんなら何か打開策を持っているかもしれません」
ギルガメッシュがもつ
「んじゃ早くこの洞窟を抜けよう、それから外の様子を見て空を警戒しながら…」
『藤丸君!』
「ど、どうしたのダ・ヴィンチちゃん?」
『さっき君たちが入った洞窟の入口付近に高エネルギー反応!!さっきのドラゴンがその洞窟に何かしようとしてる!』
「皆急いで!!」
その声とともに全員が駆けだした、その時ドラゴンの方は入口の前で口に何かを溜め込んでいる、龍の口から火が漏れており一度大きく息を吸い込んだその時、大きくその口を洞窟に向け炎が放たれた、その勢いはすさまじく勢いで洞窟の中を覆いつくしていき入りきらなかった炎は山の方に昇っていくか後ろにある森を焼き尽くしながら広がっていく
『あいつなんでもできるな!?』
「ダ・ヴィンチちゃんが変な事を言うから!」
「この威力じゃ恐らく王でも私でも止められない!早く出た方がいい!!」
その声を聞き全員が急いで前方にある光に向けて走り出す、後ろからは赤い光が熱を肌に伝えながらこちらに迫ってきている、息が苦しく脚が重くなっていき前に脚を出すのが辛くなっていく、それを見たセイバーが藤丸を担ぎ駆けだしていった、そして洞窟から出た途端セイバーたちは急いで洞窟から見て横に飛んだ瞬間、その洞窟から凄まじい勢いのもと出てきた、その炎は洞窟周辺の地面を焦がしながら広がっていくが勢いが強すぎたのか横にはあまり拡散せずセイバーたちの方には来なかった
「あ、危なかった」
「縦に逃げないでよかったですね」
「凄まじい勢いで来たからな、横に逃げていてよかった」
そう藤丸たちは腰を下ろしたがセイバーの方は立って周辺の警戒を行っていた、空は相駆らわず朝なのか夜なのかわからず何一つ変わっていない不思議な色が広がっている、そしてセイバーたちの先にはまだ少し大きめの山が幾つかあるが少し気にかかる物が目に入った
「あれは…街か?」
セイバーの視線の前には山の近くにあった廃墟の街が見えた、建物は中世時代の石積みやレンガなどでできた城壁がありそれが風化して崩れ中の様子が見える
「ホントだ、結構大きいね」
「確かにそうですね、けど見るかぎり廃墟のようですが…」
「ほら皆早くあそこに隠れようよ、あいつがこっちに来て見つかっても知らないよ?」
『そうだね、藤丸君そこを調べるついでに隠れさせてもらおう、なるべく急ぐんだよ?』
「けどアーチャーは…」
『それは心配ないだろう、さっきアーチャーに通信を送ってその街で合流できるよ』
ここはさっきの場所と違って木々がないただ草が少し生えている程度でその影響か城壁や家にはコケや草木が生えている、草が生えているここより街跡に入った方がよさそうだ、四人はなるべく空を見ながら草木が生い茂る廃墟の方に向かった
いつもの初対決が訳のわからない奴らなのは安定…ん?リーバスが使う技がどっかで見たことがあるって?……気のせいだよ気のせい