勇者の花、桔梗の花 大満開の章   作:水甲

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後半の友奈同士の会話が本当に泣ける


15 二人の友奈

海side

 

若葉さんが残した勇者御記を読み終えた。

聞いていたとは言え、やはり辛いものが多いな…………

 

「それで……それでどうなったのよ?」

 

「これでこの代の戦いは終わり……」

 

「この若葉って子が生き残ったの?」

 

「えぇ、そして天の神の怒りを鎮めるために奉火祭を検討……決行……巫女たちは捧げられ、当代の勇者が出撃することはなかった……」

 

「奉火祭って……つまりは時間稼ぎのことよね?」

 

「三百年ものね」

 

「三百年……園子さんのご先祖が守ってくだされなかったら……私たち……生まれてこなかったんだ。世界を守るってこう言うこと?」

 

「託されちゃってるんだね~次の代へと託すのも終わらせるのも勇者次第」

 

「不吉な言わない」

 

「だけど僕らは戦いを終わらせた」

 

「そうだね~きょうくんの活躍と天の神が許したいと思ってくれたからだけどね~」

 

まぁ僕の世界では終わってないけどな……そんなこと言ったら色々とあれだし言わないでおこう

 

「あの……海くん」

 

「ん?」

 

東郷が心配そうに見ていたけど、なんだ?

 

「海くんは満開だけじゃなく、この初代勇者たちが使っていた切り札も」

 

『!?』

 

「あぁ使えるよ」

 

「そ、それって……」

 

「僕の場合はみんなとは違うから、散華も一日で治るし、切り札の後遺症も負担が少なくなっている」

 

まぁ切り札のことを知れば、みんなが心配するのも無理もないか

 

「海は大丈夫だと思う……こいつは無茶なことは……多分しない」

 

「多分って……」

 

「あんた、満開と切り札の同時使用とかやってないわよね?」

 

「……してないよ」

 

顔を背けながら言う僕。うん、一回だけしてる。かなり負担が大きかった……

 

「あれ?これ……」

 

そのっちが見つけたのは白い布に包まれた……鍬だった。

 

「鍬?」

 

「大切なものみたいですけど」

 

そのっちは白い布を取ると、うんやっぱり鍬だ。この鍬……もしかして……いやもしかしてじゃないよな

 

「鍬だ」

 

「鍬ね」

 

「鍬よね」

 

「鍬ですね」

 

「秘密兵器かな?」

 

そのっちは友奈の方を見ながら言うけど、いや友奈が分かるのか?

 

「それは若葉さ……初代勇者の大切な親友の物だよ」

 

「いや、何であんたがわかるのよ」

 

「僕もまた上里の人間だからね。そう言う文献は残されてるから」

 

まぁ実際は本人に聞いたからだけどな

 

「…………」

 

それにしても友奈……大丈夫か?

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、友奈が心配で部屋を訪れたけど、ベッドに入っているところだった

 

「悪い、寝るところか」

 

「あ……海くん……」

 

起き上がる友奈……涙の跡があるけど……

 

「泣いてたのか?」

 

「あ……これは……うん、そのちゃんの御記……塗りつぶされてたから……私のもきっと……」

 

「そうはさせないよ」

 

「え?」

 

「お前を絶対に助ける……そう誓ったんだから……」

 

そうだよ……僕はどんな世界でも友奈を助けると誓ったんだ

だから早く呪いを解く方法を探さないと

 

「寝るのが怖いなら……お前が寝るまでいようか?」

 

「……それは…………出来たら手を握ってくれたら……」

 

「分かった」

 

僕は友奈の手を握ると友奈は安心したのか……すぐに眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

友奈side

 

気がつくとそこは教室だった。

私は直ぐに刻まれた刻印を見ると、ここは夢だと気がついた

 

『おーい』

 

すると扉越しに声が聞こえた

扉が開くとそこには私そっくりの子がいた

 

「友奈ちゃーん」

 

「え?」

 

「私だよ!ほら、もう知ってる」

 

「え……あ!?高嶋……さん?」

 

「そうだよ!わーそっくりだね~」

 

「ご先祖なんですか?私の?」

 

「うーん、そう言うのじゃないみたいだけどそうだよ」

 

どう言うことだろう?それよりも……

 

「あの夢ですよね?」

 

夢なのに……どうしてこの人が?

 

「えっと私も説明が難しいからそれでいいよ」

 

思わずポカンとしてしまった。それでいいんだ……

 

「私は高嶋友奈、貴方は結城友奈……」

 

「う、うん」

 

「固いよ~まぁしょうがないよ。祟りのせいだ」

 

ダメ……その事を知ったら祟りが……

 

「私になら話しても大丈夫」

 

 

 

 

 

 

 

気がついたら、私と高嶋さんは木ノ上で神樹様を見ながら色々と話していた

祟られてしまったこと、高嶋さんが神樹様の一部になったこと……

自分は魂みたいな存在…………

何だか高嶋さんと話していると落ち着く……

 

「こうして私と話せるのは今日が特別な日だからなのと、手を繋いでくれている子のお陰なんだよね」

 

「海くんの?」

 

「あの子も良く分からないけど……神様の力を持ってるからかな?お陰で繋がりやすくなってる」

 

海くんは精霊の影響で祟りが全く通じないみたいだけど…………こんなことも出来るんだ

 

「それで今日来た理由だけど……祟り……私が引き受けようか?」

 

「えっ?」

 

それって……

 

「神様は怖くて気紛れ。でも同時にぼんやりしてるんだ」

 

「ぼんやり……」

 

「私と友奈ちゃんは大体同一人物なの。神様ぐらいの視点から見ればね」

 

「そうなの!?」

 

「友奈ちゃんは充分苦しんだ。私なら変われるよ」

 

「そうしたら友奈ちゃんはどうなるの?」

 

友奈ちゃんはただ微笑んでいた……

 

「未来を生きる友奈ちゃんが苦しむ必要はない」

 

友奈ちゃんの言葉は勇気を……力をくれる…………

 

「ありがとう……めちゃめちゃ嬉しいよ」

 

でもこれは…………

 

「でもね……誰かに押し付けた方がめちゃめちゃ苦しいよ」

 

「やっぱり私なんだね。他の誰かが苦しむことが」

 

「辛いよ……」

 

「うん、分かる。これから頑張れる?」

 

「頑張れないと思う」

 

「分かる……」

 

「でもこうするしかできないよ。私……」

 

「出来ないよね」

 

「祟りのこと……桔梗くんや海くん以外と話せて良かった……」

 

「来て良かった……泣く?」

 

「泣く……」

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚まし、夢のことはうっすらとしか覚えてなかった。ベッドの横には海くんがいてくれた

 

「海くん……ありがとう……ごめんね」

 

これ以上は海くんに……迷惑はかけられないよね

 




のわゆがカットしていたのって、勇者部組が御記を読んでいた話だからなのか?
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