桔梗side
学校に行くが、海の姿はなかった。何かあったのか?色々と話したいことがあったのに…………
「と言うか美森はなんで放心してるんだ?」
「えっと……」
「桔梗、友奈が神樹様と結婚するんだって……」
イラつきながら答える夏凛。と言うか結婚って…………
「話を聞く必要があるな……」
この事は海は……多分知ってるだろうな。だからこそ学校に来ていない可能性がある。
部室で友奈から神婚の話を聞かされた僕ら。なんだよ……それ……
「いや怪しいでしょ!何引き受けようとしてんの!」
「違うと思います!」
「今の皆の反応で分かるでしょ?友奈ちゃんの考え方が間違ってる事が」
「東郷さん……」
「友奈、僕もそれは間違っている。そんなことで僕らが……皆が喜ぶと思っているのか……」
「それにしても大赦め…!!友奈!私達もついていってあげるから、ばしっと断りなさい!」
「場所は私が教えるよ」
「もう我慢ならない…」
「行くわよ!一度潰した方が良い組織になるかもね…」
今回ばかりは止める気にはなれなかった。こんな事で世界を救ってほしくない。海が言っていた誰も犠牲を出したくないって思いが今になって分かってきた。
「待って!!私は…神婚を引き受けるって……」
「その必要はないんだって!」
「だって、死ぬんでしょ…?」
「訳分からない!生贄と変わらないじゃない!」
こういう時……何で海がいないんだ?何だかあいつはやることが出来たって言ってたな……
「神樹様と共に生きるって何なのかな…」
「とても幸せな事だとは思えないわ」
「でも!私が神婚しないと、神樹様の寿命が来て世界が終わっちゃうんだよ!?」
「神樹様の寿命は分かるけど、でも、だからって友奈が行く必要はないでしょ!」
友奈は必死に胸を抑えていた。今の友奈は少しおかしい。焦っている……それだったら呪いの方を急がないとな。
「勇者部は人の為になる事を勇んで行う部活、でしたよね?これも勇者部だと思うんです…誰も悪くない。世界を守る為に他に選択肢がないなら…それしかないなら…私は勇者だから…」
「ゆーゆ、それしかないって考えはやめよう?神樹様の寿命がなくなるまでの間に、もっと考えれば良いんだよ…」
「だめなんだよ…考えるって言っても…私にも、もう時間がなくて…はっ!?」
友奈は何かに驚いていた。もしかして呪いの影響が僕らの胸に出てきているのか?
「私達知ってるわ。友奈ちゃんが天の神からの祟りで、体が弱っている事を」
「天の神の祟りか……」
「桔梗くん?」
「まだ確証は得てないけど……今は呪いのことだ」
「その件はもう大丈夫だよ。カイくんの知り合いのおかげで……」
「……それは聞いてます。だけど呪いが解けても世界が……それだったら私は……」
「大体おかしいです!なんで友奈さん一人がこんな目に遭わなきゃいけないんですか!」
「でもね樹ちゃん。私は嫌なんだ…誰かが傷付く事、辛い思いをする事が…それが今回は、私一人が頑張れば…」
「だめよ!友奈ちゃんが死んだら、ここにいる皆がどれだけ傷付いて辛い思いをすると思っているの!!私…想像してみたけど…後を追って、腹を切っているかもしれない!!」
「で、でも…東郷さんだって…皆を守る為に火の海に行ったでしょ…」
「そうよ!でも壁を壊した私の自業自得でもあるのよ!友奈ちゃんは悪くないじゃない!反対よ!腹を切るわよ!」
「桔梗くんだって……」
「僕は皆を救いたいって思ったから、あの時皆の記憶から僕を消してもらった。後々皆に怒られたけど……お前はそれが出来なくなるんだぞ……」
「う…みくんだって……」
「カイくんはそうすることしか思い付かなかったって言ってたよ。ただ結果的にカイくんの世界の私たちに沢山怒られたって」
こんな誰かが犠牲になることを望むなんて……だけど今の友奈には言葉が届いていない。
「友奈さんが言うように、勇者は皆を幸せにする為に頑張らないといけないと思うんです」
「そうだよ。だから私頑張ってるよ…」
「皆って言うのは、自分自身もそこに含まれているのよ!友奈!」
「ゆ、勇者部五カ条なるべく諦めない!私は皆が助かる可能性に懸けているんだよ!」
「あんたが生きる事を諦めているじゃない!」
「勇者部五カ条なせば大抵何とかなる!!成さないと何にもならない!」
「友奈!五カ条をそういう風に使わない!」
「私は、私の時間がある内に…私の出来る事をしたいんです!だからこうして皆にきちんと相談しました!」
「これじゃ報告だよゆーゆ…相談しなきゃ…」
「相談してるよ!!」
「友奈…その…とにかく、無理すんな…」
「無理してないよ!!勇者らしく、私らしくしてるよ!」
「友奈!皆がここまで言ってまだ分からないの!!」
「だから!他の方法がないからこうなっているんです!!」
友奈の言葉を聞いた瞬間、僕の中で何かが切れた。いい加減にしろ……他に方法がない?探してすらないだろ
「友奈!!いい加減に……」
「やめてください!!」
僕は友奈の胸ぐらをつかみ、殴ろうとした瞬間、樹が止めた。
「なんで…なんでこんな…喧嘩なんて…」
「樹……すまない」
「ゆーゆ、呪いを解こう。そしたら今度は世界を救う方法を考えよう」
「それに一度頭を冷やしなさい。ここに海がいないって言うことは、海と揉めたんだから……ちゃんと謝りなさい」
「友奈ちゃん……」
「私は………ただ……」
突然友奈は何かに気が付き、部室を出ていった。まさか痣が今までよりも濃くなっているのか?
僕と園子、美森の三人で友奈を追いかけていくのであった。
「その前に海に連絡を……」
友奈を追いながら海に連絡すると…
『もしもし?』
「友奈が……」
『神婚の話を聞いたんですね』
やっぱり知っていたのか…………
『僕は僕のやるべき事を……見つけたから……そっちはお願いします』
「…………友奈を救えるのか?」
『友奈だけじゃない……世界も全てを…………』
海が何をしようとしているのか分からないけど……今は友奈だな。後は……
『名草、もしかしたらかなりヤバイことが起きようとしている。どうするかは芽吹に判断をしてもらえ』
そうメッセージを送るのであった