勇者の花、桔梗の花 大満開の章   作:水甲

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最終回はリアタイして見ます!どうなるか!


19 念には念を!

海side

 

大赦から連絡を受け、みんなには先に大赦へと行って欲しいと言おうとしたが…………

 

「…………」

 

「どうしたんだよ?海」

 

「ちょっと色々と対策をしておきたいと思って…………」

 

エリスさんがいるからこっちからでもあっちに連絡出来るはずだから…………

僕はある人物に連絡をした。

 

『やっほ~海くん~色々と大変みたいだね』

 

「あの人から聞いたのか」

 

『まぁね。機嫌がいいからさ。それで?なにか用?』

 

「手伝ってほしいんだ…………お前の力が必要なんだ」

 

『……ふーん、私の力が必要なんだね』

 

「打てる手は打っておきたいからな」

 

『分かった。手伝うけど……結城友奈ちゃんに代わってもらっていい?』

 

言われるまま友奈に代わり、友奈は物凄く思い詰めた顔をしたが……

 

「分かったよ」

 

そう言って僕に端末を返した

 

『それじゃ私はどうしたらいい?』

 

「カズマさんたちと合流して、大赦に行ってもらえばいい。多分やることはわかると思う」

 

『りょーかい』

 

電話を切るとカズマさんは相手が誰なのか気になっていた

 

「誰に電話してたんだ?」

 

「……赤嶺に」

 

「はぁ!?マジかよ!」

 

「いいのか?何か変な要求とかは……」

 

「……してきたね」

 

友奈も珍しく呆れていた。と言うか何を要求されたんだ?

 

「海くんとデート……」

 

「…………すまん」

 

「ウミはユウナキラーですから仕方ないですね」

 

「頼むから言わないでくれ……と言うか誰がそんな言葉を教えた!あーもう!とりあえず先に呼び出されたところに行ってくる!」

 

 

 

 

 

 

 

英霊碑に行き、みんなを待つなか、僕は赤嶺と出会った頃を思い出していた。

 

 

あれは友奈と結婚してから数日後の夜中、何かの重みに気がつき、目を覚ますとそこには妖艶の表情の友奈がいた

 

「海くん……」

 

「友奈……」

 

なんだ?友奈がこんなことをするはずないし、屋敷にいるときに例の店で頼んだりしてないのに…………これは…………

 

「ふふ、聞いていた通りに子だね」

 

そっと僕の頬に触れる友奈?何とか逃げ出そうとするが動けないでいた

 

「あぁ動こうとしても無駄だよ。私の場合は勇者の力の他に……魔法も使えるから」

 

早く何とかしないと…………身体がうまく動かせないけど…………

僕は樹の武器を使って、部屋の物を落とした

 

「あぁ勇者の武器を全部使えるんだっけ?」

 

「海くん、凄い音が…………えっ?」

 

物音に気がつき、様子を見に来た友奈……いや、個人的には友奈じゃない方が…………

 

「あれ?結城友奈ちゃんが来ちゃったか。まぁここは逃げようかな?」

 

友奈?はそう言って窓を破って逃げ出した。それと同時に僕は動けるようになったけど…………

 

「えっと浮気?」

 

悲しそうな顔をする友奈。いや、頼むから誤解しないでほしい

 

「違うから!襲撃を受けてたの!」

 

「え?襲撃?」

 

とりあえずみんなで追うことになるのであった

 

それから何度も襲撃と言う名の遊びに来る赤嶺。色々と大変な目に合いつつも今回の戦いに関しては力になってくれるはず…………

 

「そろそろ来るな」

 

英霊碑、僕もここには一度来たことがある。何せ銀の魂が眠っているからだ。とはいえ、銀は天の世界の住人になっているから眠っていると言うべきか……

そして石碑の前には一人の大赦神官が待っていた。そしてそこには海、友海、牡丹も来ていた。

 

「勇者様に最大限の敬意を」

 

「やめて下さい」

 

「ここは歴代の勇者と巫女が祀られている場所」

 

「私達は友奈ちゃんに会いに来たんです!」

 

「友奈さんはどこにいるんですか!?」

 

「今は大赦におられます」

 

この神官、何だか聞き覚えのある声だった。どこかで会ったことがあるはずだ……いつだ?

 

「じゃあ大赦に乗り込むわよ!!」

 

「友奈様から話を聞かれたかと世界を救う方法は神婚しか残されていません。寿命も残り僅か」

 

「いや、呪いは解呪できる。ここにいる未来の勇者たちのお陰で見つけたんだ」

 

「そうだよ。これでママが死ぬことはないんだよ」

 

海と友海がそう言うと牡丹が辛そうな表情で神官を見つめていた。

 

「私達の世界の大赦はこんな風に誰かを犠牲にしたりしません。どうして世界が違うだけで……こんなに違うんですか」

 

牡丹は世界の違いに戸惑っていた。そうだよな。牡丹からしてみれば優しい組織だったのに……

 

「世界が違うからこそ、同じようには行きません。上里様、貴方もどう思いますか?」

 

神官はそう言った瞬間、石碑の裏から巫女の海が出てきた。こんな所に大赦のトップの巫女がいていいのかよ

 

「世界が違う……それだったら別の方法を考えればいい。こちらでは見つからなくても、あちら側の海様の世界で……」

 

「……貴方は最後まで神婚の儀を反対していましたね」

 

「こんなの間違っています」

 

「もう時間がないのです。友奈様はこれより神婚の儀に入られます」

 

「ふざけるな!!止めてやる!!」

 

「歴代の勇者様の多くは、お役目の中で命を落とされました。2年前には人類を守る為に、三ノ輪銀様が落命。銀様は人類を守ろうと懸命に戦い、見事にお役目を果たされ英霊になられました」

 

「私は別に英霊になんかなってないよ」

 

なにもない所から声が聞こえた瞬間、眩い光とともにコートを羽織った銀が現れた。

 

「私はただの勇者だよ。それに人類のためとか言って戦っていたけどさ。あの時は須美と園子を守るために戦っただけだよ」

 

「銀……」

 

「ミノさん……」

 

「………300年前の勇者達もこんな事になるとは思ってないだろうな」

 

海はゆっくりと神官を見つめ、石碑の周りにあったモニュメントを見つめた。

 

「乃木若葉……高嶋友奈……郡千景、伊予島杏、土居珠子……白鳥歌野……あの人達は未来で誰かが犠牲になることを望んで戦っていない。お役目とかそんなの関係なしに戦ってきた」

 

「……貴方に彼女たちの何がわかるんですか?」

 

「分かるさ……僕らとそう変わらない歳だった……」

 

海だからこそ言えることだな。あいつはあの世界で若葉たちと一緒に戦ってきたんだから

 

「ちょっと待ちなさい。それってここにある墓全部……私達と変わらない子たちが……いつだって子供達を犠牲にして生き延びてきたって事じゃない…そんな歪な世界ってあるの!?」

 

「全てを生かす為にはやむを得ないのです。それが、この時代における人の在り方」

 

「………変わったね。安芸先生」

 

銀の言葉を聞いた瞬間、僕と美森は驚きを隠せないでいた。安芸先生って確か美森達が小学校の頃、勇者のサポートをしていた……僕も一度だけ会ったことがある。

 

「ピーマンが嫌い…だったよね。すっごく厳しいけど、ふとした時に見せるチャーミングな所が私は好きだったよ…でも今は、昔の安芸先生じゃないんだね…」

 

「銀の時、一緒に悲しんでくれたのに…その辛さを知っているなら…もう一人も犠牲なんて!!」

 

「そうだよ。というより何でこんな事になっているのに天の世界に頼まないんだよ。こっちだって手助けはできるように……」

 

「三ノ輪銀……大赦の中には未だに天の神を信じられていない人間がいます」

 

今まで敵対してきて、協力するようになっても信じられないような人がいるのはわかっている。だから大赦は天の世界に神樹様のことを頼まなかったのか。

 

「あなた達のクラスメイトは、その友達は、家族は、もうすぐ来る春を待ち遠しく思いながら、家でうどんを食べて、温かい布団で寝て、今日も平和な日常生活を送っている。少々の犠牲…このやり方で大部分の人達が幸せに暮らしているのです」

 

「それなら…それなら、あなた達が人柱になれば良いのに!!」

 

「出来るものなら、そうしています…だが、私達では神樹様が受け入れない」

 

「………先生。あんたはどうしたいんだ?」

 

僕は先生の前に出て、胸ぐらをつかんだ。海と巫女海は咄嗟に止めようとしたがすぐにやめた。

 

「あんたの言葉はただ大赦から言わされている言葉……アンタ自身の心の声をきかせろ!!」

 

「…………私は……」

 

先生が何かを言おうとした瞬間、突然僕らの端末からアラームが鳴り響いた。そしてアラームは歪な音ともに地震が起きた。

 

「どうやら間に合わなかったみたいだね」

 

更には空から穴が開き、一人の少女が姿を現した。彼女は天の神……戻ってきたのか?

 

「天ちゃん……これって……」

 

「大赦は大きな過ちを……いや過ちだと気づいて神婚をやろうとしているのか」

 

「天の神……どういう事だ?一体何が起きているんだ?」

 

「結城友奈の呪いは私が古に作ったシステム。そしてこれもまた人が神の眷属になろうとした時に目覚めるように設定したシステム……世界は滅びる」

 

天の神がそう告げた瞬間、空が暗くなり、無数の穴が開いた。そして穴から巨大な何かが姿を現した。

 

「人の身でありながら、神に近づこうとしたからこそ世界は滅びる。もう私には止められない」

 

「いいえ、神婚が成立すれば人はもう神の一族。人でなければ襲われない。これで皆は神樹様と共に平穏を得ます。これが最後のお役目。敵の攻撃を神婚成立まで防ぎきりなさい」

 

最後の最後にこんなことになるなんて……やるしかないのか……

 

「……悪いけど神婚成立は叶わないよ」

 

突然海がそう言い、勇者に変身した。そして天の神にあることを聞いた。

 

「あのシステム。アレに友奈に呪いをかけたシステムが組み込まれたりとかは?」

 

「えぇ、しているわ。まさかと思うけど、アレを倒す気?あなた達だけで……」

 

「あぁ、僕はそうするつもりだ」

 

「海……」

 

「待って、海くん。神婚成立は叶わないってどういう事?友奈ちゃんを助けて、古のシステムを破壊しても……神樹様を助ける方法は……」

 

「そうだよ。カイくん。まだ見つかって……」

 

「いいや、見つけている。こんなこと僕しか思いつかなかった。天の神、今すぐある二人を連れて、この世界の女神の所に向かってくれ」

 

「女神の所に?それにある二人って……なるほど」

 

天の神は何かを理解し、姿を消した。海にしか思いつかない方法って……

 

「人のためなら生贄を求めたりしない。世界を滅ぼしたりしない。僕が知っている神様はそういう人たちだった」

 

「海……お前まさか……」

 

「みんな、神樹様のことは何とか出来る。今はアレを何とかしよう」

 

それにきっとあっちではカズマさんたちが動いてくれているはず!

後は事前に聞いていた防人たちは……どう動くか……




次回は防人組中心です
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