ハンター×ブリーチ×アカデミア   作:オミ

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親視点


幕間1

 「大丈夫」

 

 そういって綺麗に笑う顔が恥ずかしくて言えないが、好きだ。

 

 

 お互いプロヒーローとして活躍していたのはもう4年も前。

 私は基本的にサイドキックもいないソロで、君は引く手数多のヒーローだった。

 

 もともと接点なんてものはなかったが、ソロで活躍しているから友人や知り合いに頼んで情報をもらっていた。特定の事務所に入らないのは煩わしいからだ。

 

 中には気取っているなんて言葉を言う奴もいるが、そう言う人と一緒になりたくないからソロなんだ。

 それにヒーローと言っときながら、他人と競争している時点でおかしい事になぜ疑問を持たないのか不思議だった。

 

 

 士傑を卒業後2年ほどして君のうわさを聞くようになり、初めて会ったのはケガ人の治療をしている時、こちらに気付くと腕から流れている血を見て「大丈夫」と言って笑った顔に、思わず目が離せなかった。

 

 

 自分が硬派な人間だ!なんて思わないが、人からは良く言われる。

 そのせいなのか子供人気よりも密かに女性に人気だと、友人に教えてもらい少し嬉しかった。

 

 「あれ?嬉しいの?いっが~い」

 

 とからかわれて殴ったのは仕方ないだろう。

 

 

 ヒーロー生活を続けて10年程立った時に、初めてオールマイトと会った。

 別にあこがれているヒーローがいるわけではなかったが、初めて会った彼は別格だと思った。佇まいから考え方、勿論強さもどれをとっても勝てる気がしなかった。

 ただ彼は「君ほど強い人は見たことないよ」とお世辞を言ってくれた。

 

 

 別に悪い気はしなかった。

 

 

 だから油断していたのか、いつの間にか腹部に穴が開いていた。それも特大のだ。拳ほどだったのならば、個性でどうにかなったのかもしれないが、これは無理だ。

 血を吐き出して倒れる私に、忍び寄る影は戻って来たオールマイトに倒された。

 

 

 

 なんてことはない、本当に油断していたんだ。特に私の個性は【集中】集中している時こそ相当な力だが、逆にしていなければ無個性に近い。

 まぁそれを言ったら友人からは

 

 「は?無個性?お前のそれは無個性がもう個性として成っている」

 

 なんてことを言われたが、事実傷を負って倒れているのは私だ。

 

 

 できる事なら子供に私の技を技術を、教えて逝きたかった。

 

 なんて考えていると血相を変えて君が駆けてくるのが見えた。

 

 

 「ダメ!絶対にダメ!」

 

 

 修道服の様なヒーローコスチュームを血だらけにしながら、必死に叫ぶ君を見てまだ死ぬときじゃないんじゃないかとふと思った。

 ただ自分の体は自分が良くわかる、これはもう助からないだろうと悟っていたんだ。

 

 

 すると何を思ったのか自らの腕にナイフを刺して、私のお腹へ自分の血を垂れ流している。この時の顔は涙でぐちゃぐちゃになりながらも、何も諦めていない顔だった。

 

 

 周囲は騒然とした、かくいう私もこんな状態なのに驚いていた。

 それはそうだ、彼女の個性【飽和】にこんな使い方は知られていないからだ。

 

 

 

 飽和に対していいイメージを持つものはいないだろう。なんせ飽きるという漢字が入っているからな。

 だが彼女の個性【飽和】は自らが満たされている状態を、他人に分け与えるという個性だ、普通に考えたら外れもいい所だ、なんせ満たされる事なんてそうそうに無いから。

 

 ただ彼女は違った、本当に小さい事でも幸せそうに笑い、助けた命に対して満ち足りた顔をする。ヒーローとは彼女の様な人の事を言うんだと皆が口をそろえて言っていた。

 

 

 

 どれほどの時間が経ったのだろう、いや然程時間は立っていないだろう、なんせ私は死んでいないのだから。ただお腹が温かく満たされていくように感じる。

 

 いつの間にか閉じていた目を開けると、君はいまだに血濡れの手を私の上に置き、必死な顔で個性を使っていた。

 

 

 遅々としてだが目に見えるスピードで穴がふさがっていくのが感覚で分かった。

 

 

 そうだ今はまだ死ぬ時ではないのだ、そう思ってから自分の個性【集中】を使い、身体の修復へ意識を向けた。

 

 

 

 するとどうだろう、先ほどよりも治るスピードが上がりものの10分程で穴がふさがったのがわかった。ただすぐに動けるように完治したわけではないが。

 

 

 

 周囲からは歓声が上がった

 それと同時に君は私の上へ倒れ込んで来た。

 

 

 正直痛いから嬉しさと半々の感情だったがそれはすぐに霧散した

 彼女が倒れたのは安堵からではなく、多分だが限界以上の個性の使用で気絶したからだった。

 

 

 それからは2人して病院へ運ばれた

 

 

 幸い私は彼女の治療を受けたので、1週間ほどの入院で日常生活に支障がない程度には回復できたが、彼女は半年もの間目を覚まさなかった。

 

 

 「君には伝えていない言葉がある」

 

 

 彼女の病室で君を見ながらつぶやく

 

 

 「………」

 

 

 「目を覚ましてくれないと困るんだ」

 

 

 

 彼女は目を覚まさない

 

 

 

 「……伝えたい言葉ってなに?」

 

 

 

 目を見開いて君を見ると、目を閉じたまま静かに同じセリフを吐いた

 

 「…伝えたい言葉ってなに?」

 

 「…命を掛けて助けてくれてありがとう」

 

 

 そう感謝の言葉を口にすると、また眠ったように静かになる、彼女の求めている言葉とは違うんだと理解し

 

 

 「君が好きだ、大丈夫と笑う君が」

 

 

 目を開けて、いつもより大きく顔にしわを作って笑う君は今まで見た、君より綺麗だった。

 

 

 

 

 

 




あれ?なんかすごい長くなっちゃった。
長いので分けます。
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