仮面ライダーセイバー Eternal Promise   作:かなん

1 / 16
これは『仮面ライダーセイバー』の39章と40章の間に生まれた新たな物語である。
39章まで読んでいない者はこの本を閉じることをお薦めする。


不吉な予感、始まる物語。

《尾上亮》

 

ここはかがり高校。この俺、尾上亮の母校であり様々な体験をした場所だ。

ここでとある教師と出会い、土豪剣激土を引き継いで仮面ライダーバスターとなったし、妻の晴香とも付き合うことができた。

 

今日来たのは別に用があるからじゃない。隣にいる小説家、神山飛羽真が俺の過去を知りたいって言い始めたから息子のそらの迎えがてらコイツと出会う前の話をたっぷり聞かせて、そしてたまたま高校の前を通りかかったわけだ。

懐かしいな。校舎も体育館も何も変わってない。まるであの時に戻ったみたいだ。

 

「尾上さん。俺、炎の剣士の後継者としてしっかり戦えているんでしょうか・・・」

 

小説家は珍しく悩んでいるみたいだな。俺達がサウザンベースに行った時、お前は迷わずまっすぐ自分の道を進んだ。だから今ソードオブロゴスの真実を暴いてこうして一緒に戦うことができているんだ。

だから悩む必要なんてないだろ。お前はお前のままでいい。

 

「何言ってんだ。お前はしっかりできてるじゃねぇか。だから上條さんみたいに世界の崩壊も止められるさ」

 

上條大地。かつての炎の剣士であり闇の剣士でもある。

一人孤独でソードオブロゴス、組織の裏にある真実を探し続けた。友である富加宮隼人さんのために。結局上條さんはマスターロゴスの素性を暴くことなくいなくなっちまったが、小説家がその役目を継いだ。

あの頃はまさかマスターロゴスが裏で暗躍していたなんて思ってもみなかったぜ。

 

俺がかけた言葉に小説家はホッとしたのかいつもの笑顔に戻る。

 

「さっさとマスターロゴスぶっ倒して平和な世界を取り戻そうぜ!ハハハハ!」

 

はい!と小説家が元気に返事をした。

ちょっぴり暗い雰囲気だったこの場をいつものテンションで暖かな雰囲気に変える。そういえばこうやって賢人にも励ました時もあったな。あの時は親父さんの隼人さんのことで頭がいっぱいだったんだろう。俺も先代剣士が裏切ったと知ってショックを受けていたし。ま、結局カリバーの正体は隼人さんじゃなくて上條さんだったが。

賢人の時のように蓮のことも励ましてやれるだろうか。今、アイツは停滞している。ただマスターロゴスを倒しても昔みたいには戻れないだろう。

 

高校を見つめる俺達の横を学校終わりの学生が通った。髪の長い、黒髪のまさに大和撫子と言ってもいいくらいの美麗な女の子だ。背中には矢筒を背負っているから弓道部だろう。そんな彼女を追って来た茶髪のショートヘアーの女の子は全力ダッシュで俺達の間を通り抜けた。その風で小説家の帽子は宙に舞い、慌てて追う。茶髪の女の子は大和撫子に追いつくとぜえぜえと息を荒げる。

 

「待って神彗神彗(しすい)ちゃん!」

「暦ちゃん。一緒に帰る?」

「うん!」

 

その二人のやり取りはまさに青春だ。

 

「さて、俺たちも帰るか!賢人の復活祝いでもしてやらないとな!」

 

カリバーとなった賢人は小説家の必死の説得で未来に希望を持ち、ノーザンベースに戻ってきた。そのことを祝うパーティーを開く予定だ。流しそうめんでもするかぁ。

ブックゲートを開いて帰ろうとしたとき、俺の目にあり得ない人物が移し出されていた。

 

「亀・・・セン・・・!?」

 

 

亀巳川寿和。俺の恩師であり先代バスターだ。だが何故ここにいる?亀センは死んだはず。ついに見えちゃいけないものが見えるようになっちまったのか。足はついてるから幽霊じゃねぇはず・・・

 

「久しぶりだね。突然で悪いが君を倒しに蘇ったんだ」

 

亀センは状況を理解できないでいる小説家には目もくれずにただ俺だけを見る。俺は困惑していた。だが亀センが土豪剣と玄武神話ワンダーライドブックを取り出したことでますますわからなくなる。もはや困惑というより混乱だ。

 

『かつて、四聖獣の一角を担う強靭な鎧の神獣がいた・・・』

 

ライドブックを閉じ土豪剣のスロット『ゲキドシェルフ』に装填する。そしてトリガーを引いてブックが自動展開!

 

『玄武神話!』

 

「変身」

 

『一刀両断!ブッた斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!

激土重版!絶対装甲の大剣が、北方より大いなる一撃を叩き込む!』

 

亀センの体は岩のような装甲を纏い、仮面ライダーバスターへ変身する。カッコいい。だが亀センが持っている土豪剣は確かに俺の背中にある。土豪剣が二つ。つまりアイツは本物じゃなく亀センの姿をした何かだ。

 

俺は自分のライドブックを取り出して土豪剣に装填。状況を理解できてない小説家も我に返り続けてエレンメタルドラゴンとプリミティブドラゴンのライドブックを取り出す。

そして互いに息を合わせる。

 

「「変身!」」

 

『ブッた斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『エレメンタル!ドラゴン!』

 

俺と小説家は同時に亀センを斬りにかかるが流石は師匠。軽々と受け止めやがった。思わず「何だと!」と声が漏れた。

 

「僕は本気だよ」

 

ヤバい。あの声のトーンはマジだ。デカイ一撃が来る。

 

『会心の激土乱読撃!ドゴーン!』

 

予想通りライドブックを速読器シンガンリーダーに読み込ませ、必殺技を発動する。

土豪剣が巨大化し、俺と小説家を吹っ飛ばす。俺はそのまま学校の体育館の壁に叩きつけられた。小説家は辺りに駐車されていた車と一緒に宙を舞っている。だが車の燃料タンクに衝撃が加わったせいで爆発を起こし、次々と誘爆して小説家も爆発に巻き込まれてしまった。

 

俺はなんとかめり込んだ状態から抜け出して地面に落下した小説家の生死を確認する。ただ気を失っているだけのようだ。

気づけば亀センは姿を消していた。一体何だったんだ・・・

 


 

《ストリウス》

学校の屋上。そこで私は土の剣士と神山飛羽真が死人にやられている姿を見ていました。実に愚かだ。人間というのはあり得ない出来事が起こると困惑するもの。しかし、私は違った。これも全て全知全能の書に書かれていたこと。全て知っているのです。今から起こる出来事は全て人間達を試す為のもの。

 

「魔剣は目覚めました。暁の剣士が現れるのも時間の問題でしょう」

 

「あぁ・・・そうだな」

 

魔剣、(あかつき)の剣。そして私の隣にいる男子高校生、須佐賀美乃緒(すさがみのお)が持っている魔喰剣(まくうけん)。この三つの剣が目覚めたことにより先代土の剣士は蘇りました。いや、正確には魂が実体化したというのが正しいでしょう。もうじき世界は混沌に包まれる。しかし、そんなことに興味がない須佐賀美乃緒は淡々と次の目的を語る。

 

「暁の剣士は見つけている。あとは任せろ」

 

果たして人間達はこの物語を変えられるでしょうか。さぁ、物語の始まりです。楽しみですねぇ。




一応テレビ本編に合わせて書いていますが『萬画 仮面ライダーバスター』や『剣士列伝』は都合上未読&未視聴なので噛み合わない箇所があったらすみません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。