仮面ライダーセイバー Eternal Promise   作:かなん

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父の最期、明かされる謎。

《富加宮賢人》

 

作戦は順調だ。凌牙さんと奪われた聖剣を取り戻す為に俺と父さんが練った計画。全身火傷で動けないはずの玲花さんが一人で救出に向かったのは想定外だったが。

まず刃王剣十聖刃で闇黒剣を複製する。それを使って父さんがサウザンベースに行き、兄妹をこのノーザンベースへ連れてくる作戦だ。

しかしブリンガーと兄妹が争っていてブリンガーとの戦闘は避けられない状況だった。だから父さんは隙をついてジャアクドラゴンのブックを回収しカリバーに変身。足止めをしている間に聖剣とブックと兄妹をここに連れて帰る計画に変えた。

 

「お兄様も妹ちゃんも無事だったか!」

 

「無事で何よりだ」

 

万が一に備えノーザンベースでは尾上さん、大秦寺さんに待機してもらっていた。

 

「すまない、助かった。だが聖剣とワンダーライドブックは回収できなかった」

 

凌牙さんは頭を下げた。自分の命が危うかったのに聖剣とブックの心配をするなんてとんでもない。二人が無事なことが何よりだ。

 

「それなら大丈夫。父さんが回収してくれる」

 

闇黒剣が生成した空間はまだ閉じていない。その空間からカリバーとブリンガーが顔を出した。ブリンガーが無理やり追いかけてきたのだろう。まぁそんなこともあろうかと準備していたわけだ。この雷鳴剣黄雷とランプドアランジーナのブックを。

 

『黄雷抜刀!ランプドアランジーナ!黄雷一冊!ランプの精と雷鳴剣黄雷が交わる時、稲妻の剣が光り輝く!』

 

変身、という掛け声で仮面ライダーエスパーダとなった。カリバーに助太刀し、ブリンガーに挑む。父さんと一緒に戦うなんて今まで考えたこともなかった。でも流石は俺の父だ。俺の攻撃に合わせて連携してくる。俺のことを良く知っている父だからこそできる技だ。

 

「お前達、これを使え!」

 

父さんは暗闇空間から奪われていた聖剣とブックを乱雑にばらまいた。

 

「これを待ってたんだ、隼人さんよ!」

 

「音銃剣錫音の喜ぶ声が聞こえる・・・!」

 

「玲花はじっとしていろ、その傷では戦えない」

 

「いえ、こんな火傷、お兄様に対する熱に比べたら小さなものです」

 

なんだか玲花さんの発言がおかしいような気がするが気にしないでおこう。

彼らはブックを聖剣に装填した。

 

「させるか!」

 

彼らが変身する直前、ブリンガーは魔剣の力を使って聖剣を操った。そしてそれぞれバスター、スラッシュ、デュランダル、サーベラが出現した。

 

「俺達の変身が!?」

 

尾上さんらは生身のまま自身の変身後と戦うことに。剣士ながら剣がない彼らはただ攻撃を避けることしかできない。

 

「父さん、ブリンガーを頼んだ!」

 

「あぁ、行け、賢人!」

 

俺は回収したニードルヘッジホッグとトライケルベロスのブックを使ってゴールデンアランジーナとなり立ち向かった。閃光の如く素早い動きで敵の攻撃を避け確実に一撃を喰らわせていく。

しかしさすがに四人を相手するのは無謀。わかってはいたが、一度バランスを崩せば相手のペースに巻き込まれてしまう。スラッシュの遠距離攻撃、バスターの強烈な一撃、デュランダルの界時抹消、サーベラの煙攻撃、ただでさえ一つ一つが強いのにそれがまとめて攻撃してきたら一溜まりもない。

 

「まだだ・・・トルエノ・デル・ソル!」

 

『必殺読破!黄雷抜刀!ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!三冊斬り!サ・サ・サ・サンダー!』

 

渾身の雷撃はデュランダルとバスターにかき消された。

お返しとばかりにスラッシュの銃撃とサーベラの剣に貫かれた。あまりなダメージ量に聖剣が力を失い変身が解かれてしまった。

 

「賢人!」

 

父さんはブリンガーを押し退けた。が、突然体が生身に戻ってしまった。父さんの持っている闇黒剣は複製品。長時間の使用に耐えられず消滅してしまったのだ。ブリンガーは父さんを斬った。倒れた父さんは俺を見つめていた。

 

「すまない賢人・・・もう少し一緒にいたかったがお別れのようだ・・・」

 

「父さん!」

 

「デュランダル、やれ」

 

 

俺の目の前で最後にデュランダルの時国剣を刺された父さんは光となって消えていった。今、俺の中で怒りと悲しみが渦巻いている。怒りのままに雷鳴剣を構えブリンガーに迫った。奇しくも奴は動かなかった。雷鳴剣があと少しで奴を斬るというところでバスターが割り込み俺を吹っ飛ばした。

 

「雷鳴剣を回収。あと少しだ・・・炎の剣士に伝えろ、水、光の剣士と共にサウザンベースに来いと」

 

ブリンガーはサーベラの煙と共に消えた。

 


 

《須藤芽依》

 

昨日、ノーザンベースが襲撃されて賢人達が重症を負ったってことをソフィアさんから聞いた。賢人のお父さんはブリンガーに殺されたって・・・せっかく生き返ったばっかりだったのに。ソフィアさんは私達にそのことを伝えるとノーザンベースに来ないよう忠告してくれた。また襲撃されて残りの聖剣を奪われたら大変だからね。

 

「じゃあ神彗ちゃんも美乃緒くんも仲間になったことだし、聖剣を取り返しに行こう」

 

今戦えるのは無茶なことを言う飛羽真と、キングライオン大戦記にしか変身できない倫太郎、ユーリと神彗ちゃんと美乃緒くんの五人。賢人、尾上さん、哲雄、神代兄妹は重症で治療中、蓮は相変わらず行方不明だし。

ってかユーリに治療任せればいいじゃん。ウチ冴えてるかも!

 

「ユーリなら賢人達治療できるでしょ?そうすれば戦力増えるし!」

 

「いや無理だな」

 

即答。めちゃくちゃムカつくんですけど!?せめてためらったりとか申し訳なさそうにしなさいよ!

 

「多人数を治療するのにかなりの体力を使う。それに治したところで聖剣が無いからまともに戦えるとは思えん」

 

「確かにユーリの言うとおりだ。今はこのメンバーで何とかしよう」

 

ということでこの五人+私でサウザンベースに行くことに。

それにしても魔剣士ブリンガーは何がしたいんだろう?上條さんとマスターロゴスは聖剣とワンダーライドブックを集めて全知全能の書を手に入れる儀式をしたわけだけど、魔剣士は聖剣しか集めてないし。ブックはあくまでオマケとしてしか見てなかったよね。

 

『生と死を司る聖剣と魔力が交わりし時、世界は混沌を迎える。その三つを加えた全ての聖剣が集いし時、全知全能を越えた究極の力が誕生する』

 

玲花さんから聞いたこの伝承が目的なら納得だけど、その力を手に入れてどうするんだろう?世界を壊すのが目的なら全知全能の書で十分だし、逆に全知全能の書から世界を救うのが目的だったら私達に協力してくれるはず。

あとメギドやマスターロゴスが静かなのが不気味。普通だったらマスターロゴスが狂気染みた顔して乱入してきそうだけど。

 

「・・・何かおかしくありませんか?」

 

倫太郎が口を開いた。同じこと思ってたみたい。

 

「ブリンガーは『水、光の剣士と共にサウザンベースに来い』と言いました。でも神彗さんと美乃緒くんは含まれていなかった」

 

「それは奴に俺達が仲間になったのを知られてなかったからじゃないのか?」

 

確かに。でも聖剣狙ってるんだったら見張りとかしてるんじゃないかな。それとも・・・

 

「無理やり奪わなくても手に入るから・・・とか」

 

考えたくないけどもし神彗ちゃんと美乃緒くんがブリンガーの仲間で実はスパイでしたってことだったら・・・いやいやきっとない。ないよ絶対。

 

「芽依ちゃんの言ってることが正解だよ」

 

うつむいたままの飛羽真が答えた。つまり二人はスパイ・・・!

 

「奪わなくてもいい。その場にいれば」

 

「ですが二人はブリンガーの発言に含まれていませんでしたよ?」

 

「二人を俺達とは別の手段で呼び出すつもりだったんだ」

 

その時、私の頭の中で稲妻が走った。繋がったよ!飛羽真が言った意味がわかった!

 

「二人を騙して呼び出す、つまり二人と面識がある人間!それは・・・」

 

「ブリンガーは戦闘で左腕を怪我していた。そして芽依ちゃんと一緒に神彗ちゃんを探しているときに出会った華読ちゃんという子。あの子は左腕に包帯を巻いていた」

 

信じたくない。あんな良い子がブリンガーだったなんて。その思いはみんな同じ、特に幼なじみの神彗ちゃんと美乃緒くんは尚更だよね。

 

「例え誰であってもこの世界を守るためなら私は戦います」

 

神彗ちゃんの目は覚悟を決めた眼差しだった。美乃緒くんもサウザンベースに行く準備を始めている。

 

「よし!じゃあ行こうか!」

 

飛羽真の掛け声で剣士と私はブックゲートをくぐった。

 

 




本編での隼人(クロスセイバー誕生~)は人間として生きていたのか魂だけの存在なのかがよくわからなかったので一応生きていたことにしました。最終決戦で上條と共にソフィアに力を貸していたとなると魂だけのような気がしますが・・・
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