GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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リポート18 月面決戦
その1


 

リポート18 月面決戦 その1

 

~小竜姫視点~

 

アスモデウスの手によって私達は元いた拠点に戻る事が出来たが、私を含めて全員の顔色は決して良い物ではなかった。

 

「現支配体制による反逆と神魔の軋轢……ね。ま、名目としては良い名目じゃないか?」

 

メドーサ自身も神魔の軋轢で過去に魔族、犯罪者として追われた経緯がある。悪に仕立てられた側としてはガープの掲げる正義はメドーサにとっては良く分かるのだろう。

 

「メドーサ様よ、そんなに神魔って仲悪いのか?」

 

「仲が悪いって言うよりも概念だね。人間がこの神はこうであるって定義しちゃうとね、少しは影響があるんだよ。な、ブリュンヒルデ」

 

「ええ、そうですね。私も元々は神ですが、宗教や伝説、人間の解釈によって魔族にされましたし、良いも悪いも人間の影響を受けやすいのが神魔なんですよ」

 

この神魔は仲が悪い、この神魔は仲が良い、この神魔は敵対している……そんな人間の解釈が神魔に影響を及ぼすのだ。

 

「英霊に酷似していますが、歴史がある分影響が大きいと」

 

「そういうことです。長い歴史、伝説のある神魔ほどその影響は大きく、そしてかつて神だったものが魔族に落ちると……」

 

「過去の神の記憶と今の魔族の自分の現状に板ばさみになる訳ですね」

 

私の言葉を蛍さんが引き継いで今の神魔が抱えている問題を口にする。

 

「でもこれで謎が解けたわね、ガープの強襲が成功してるのも、敗残兵なのにこれだけの設備をそろえるのも、その思想に共感してる神魔が一定数居るって事なのね」

 

今の神魔のとしての自分のあり方、そして表向きは平和なデタントの裏で抑圧されている事への不満……それらが現状の最高指導者への不満となり、現政権を引っくり返そうとしているガープ達への内密な協力体制につながっているようだ。

 

(これは簡単には解決しない問題ですね)

 

いや、間違いなく解決する問題ではなく、ガープ達が言う通り新しい秩序、神がいなければ変わらないというの紛れもない事実だと思う。

 

「ガープが言ってましたけど、本当に人間が神魔になんてなれるんですか?しかも俺を」

 

「お前を神にするって言ってたのか?ガープ」

 

「おう」

 

「……無理じゃないか?」

 

「ああ、俺も無理だと思う」

 

「だよな」

 

雪之丞さん達は横島さんが神になるのは不可能だと考えているようだが、私達は違っている。横島さんは神になれる条件を少しずつ満たしている。

 

「……横島。お前は神になる条件を満たしている、いや、これは……ガープによって満たされているというべきか」

 

「え?どういうこと?」

 

横島さんと雪之丞さんと陰念さんは嘘だろと言う顔をしていますが、私達の中では横島さんの神化はかなり現実味のあるないようだ。

 

【……タマモと暮らし妖の力で魂魄が強化され、1度瀕死になった所をくえすによって助けられ魔族の因子を、そして小竜姫様やメドーサの眼魂を使う事で神の因子を、そして……】

 

「……心眼や私と共に暮す事で龍の因子が混じった。そしてダイダラボッチなどの神殺し、隕石落としの阻止で知名度を上げた。そして平安時代では狂神石を投与された。それらは英霊になる条件ではあり、厳密に言えば神になる条件ではない」

 

「じゃあ俺が神になるのは不可能なんじゃ?」

 

英霊になる条件で神になる条件ではないというシズクさんの言葉に横島さんは安堵した表情で人間が神になるのは無理なんだと受け取りましたが、そうではないのです。

 

「英霊は神魔にも至れます。ですが魂魄の強度が足りないので神魔へ至れないのです。なら魂魄の強度を補えばどうですか?」

 

英霊はその多くが元が人間霊だ。人間霊が精霊へと至るだけでもかなりの月日と信仰が必要になり、神魔になればそれは精霊へと変異するための比ではない月日と信仰が必要だ。正規の方法ならば横島さんを神にするのは不可能と私も言える……だが。

 

「そういう事ですか……」

 

「最初からそういう計画だったのね」

 

「え、え?美神さんとくえすは分かったんですか!?ど、どういう事なんですか」

 

「わ、私みたいに1度死んで蘇るって事なんでしょうか?」

 

霊的な知識が足りない横島さんとおキヌさんは分かっていない様子ですが、霊的な知識がある美神さん達は既にガープがどんな方法で横島さんを神にしようとしているのかを理解した様子だ。

 

「横島。普通は霊力枯渇をすれば霊能者が死ぬって言うのは説明したわよね?」

 

「お、おう。覚えてるぞ?」

 

「じゃあ何回したか覚えてる?」

 

蛍さんの問いかけに横島さんは指折りするが、途中で首をかしげた。

 

「ありすぎて思い出せねぇ」

 

「そこがまずおかしいんですわ、普通なら死んでる。でも横島、貴方は生きている。霊力枯渇を繰り返し、魂魄が強化され、眼魂を使い、更に横島の魂魄は強度増加と拡張を繰り返されました。

 

「そして狂神石を投与されて魂の強度は格段に強くなった……ガープが今まで起こしてきた事件はその全てが横島君、貴方の魂魄を強化する為の物で、今回の月の魔力砲も間違いなくその為のものだわ」

 

少しずつ、少しずつガープは横島さんの魂へ負荷を与えて、眼魂を使わせてきた。それらを繰り返すうちに横島さんの魂魄は人間とは思えないほどに強化されてしまった。

 

「今はまだ無理だとしても、何れ横島さんは神霊を完全に受け入れるだけの魂魄強度になる。もう眼魂を使っても使わなくても、恐らくこれは確定した未来でしょう」

 

もう横島さんの魂魄の成長は止められない、そして神霊眼魂を使わせればそれは爆発的に加速する。神魔を完全に受け入れる器になる……それ即ち……横島さんの魔人化が確定したといっても過言ではないのですという私の言葉に部屋の中から音が消え去った……。

 

 

 

~心眼視点~

 

小竜姫様の言葉で横島の心に動揺が広がるのを私は感じ取っていた。だが私は横島をフォローする言葉が出てこなかった……何故ならば。

 

(私はそれを知っていた)

 

何度も何度も霊力枯渇を繰り返して自然体の横島の魂魄が尋常じゃないレベルで強化されていることを知っていた。眼魂を用いて変身するたびに魂が混ざっていくのを知っていた、そしてシズク達が横島の家に集まり異界化していることも知っていた……だがそれを私は全て黙っていた。

 

【確かに横島は神になれる条件を満たしているだろう。だが横島は神にはなれない】

 

「何故ですか心眼?貴方が1番分かっている筈でしょう?」

 

くえすの嘘を許さないという視線が向けられ、横島が身を竦める。それには悪いと思ったが、少しだけ我慢してくれと想いながら私は横島が神になれない理由を話し始めた。

 

【確かに魂という面では横島は神にいたる条件をクリアしている。それは認めざるを得ないだろう】

 

まだ魂の出力が足りていないが今のままで順調に育てば横島は確実に神に匹敵する力を得るのは間違いない。

 

【だが横島は魔族にはなれても、神にはなれない。余りにも欲が強いからだ】

 

「……それどういう意味?」

 

美神が私の言いたい事を理解出来ないのか詳しく説明してくれと声を掛けてくる。

 

【横島は基本的には欲が無い。だが1度懐に入れた相手にはかなり執着する気がある、守りたい、助けてあげたいとな。チビや、アリスを見ていれば分かる筈だ】

 

チビやアリスと触れ合う間に煩悩が子煩悩へと変わったが、それもまた決して悪い結果ではないのだ。横島の魂に柔軟性と拡張性が加わった、そしてその方向性を定める事ができれば問題は解決する。

 

【言い方は悪いが横島はチビ達やアリス達に執着している。その執着がある限りは神の条件は満たせない、魔族の条件は満たせたとしてもだ】

 

執着という言い方は正直よろしくは無いが、アリス達が楔になっているのは間違いない。それにここでドロドロとした恋愛になっても困るので言う事は無かったが、蛍達も間違いなく横島の楔となっているのは間違いない。

 

「じゃあ、心眼。俺が神になるのはやっぱり無理って事で良いのか?」

 

横島の声が明るくなるが、この勘違いは訂正しなければならない。

 

「横島だけでは神になれないとしても神に至る器が出来ればそれは又別問題……そうですわね?」

 

【……そうだ】

 

横島が神に至るには問題が幾つもあるが、横島が神に至る条件を満たせばその段階でガープは勝利条件をほぼ満たしたといっても良いだろう。

 

「……どういうこと?」

 

「ちょっと分からないんですけど」

 

混乱している横島とおキヌに向かってブリュンヒルデとメドーサが手を叩いて、自分達に注目を集める。

 

「つまりは横島さんが神になる条件……簡単に言うと今の状態から数百万ほどマイトを上昇させて、それを扱えるだけの魂魄強度を得る。これが第一の条件で、これをクリアすれば後は……」

 

「神の魂を直接ぶち込んじまえば良い。普通はそんな事は出来ないが……生憎お前は普通じゃないだろ?」

 

「……眼魂」

 

【そうだ。眼魂に高位の神魔の魂……アスモデウスでも、ガープでも良い。それらの眼魂を使って無理矢理にでも変身させれば条件は全て揃う。レイもそうだが……トール、スルトの眼魂は恐らくその為の実験だ】

 

恐らくレイと仮面ライダーレブナントも最初から実験台だったのだ。特異点であり、文珠使いである横島を神へ至らせ、そしてそれを操る事で全てを支配する……ガープは、いやアスモデウスにしてもそうだが何度も横島達を殺す機会はあったが、それをしなかった。確かに本気では戦っていただろうが、どこか横島達の成長を促すような雰囲気もあった……それらの疑問は全てガープとの会談によって解決した。

 

【自分達の目的を成し遂げる為に、横島達を育てていた。今までの全てはお前達の成長を促すための物だった可能性が極めて高い】

 

横島達が抗えない、それは即ち神に至る器ではないと考えたかもしれないが、横島達は今まで全てのガープの策を潰してきた。そして横島はガープが望むように成長を続けた。ガープが本格的な攻勢に出たのではない、収穫の時が来た、あるいは最後の追い上げとして、あるいは横島が自分達の望む領域に来たか確かめるためだけに横島達が動かざるを得ない状況を作った。それがこの月の事件の限りなく正解に近い私の予測なのだった……。

 

 

 

~美神視点~

 

蛍ちゃんとおキヌちゃん、そしてくえすに横島君の様子を見るように頼んだ……というよりかは押し付けた形になってしまったが、これが1番正解だった私は思っている。横島君には楔が必要というのを心眼の言葉で改めて自覚したからだ、別に性交渉しろと言っているわけでは無いが……今の横島君には寄り添ってくれる相手が必要だ。シズクにも話し合いには参加して欲しかったが、シズクも横島君の方に行ってしまったが、メドーサとブリュンヒルデと小竜姫様がいてくれば、私の聞きたい事は十分に聞ける。

 

「メドーサ、小竜姫様。正直な所ガープの話って何処まで信用できると思う?」

 

「あたしは6割だと思うよ。そもそもあいつが全部本当の話を言うメリットなんかないだろうし」

 

「じゃあデタントについてはどう思う?」

 

小竜姫様とブリュンヒルデが居るがあえてメドーサに問いかける。

 

「まぁ虐げられた側とすれば、耳障りの良い言葉としか思えないね」

 

「それはあくまで一側面ですよ」

 

「そんな事は分かってるわよ。小竜姫様」

 

色んな見方があるのは分かっている。別にデタントが良い悪いという訳ではない……当然ながら穿った見方もあるのは言うまでもないが……。

 

「建前だったとしてもガープにはガープの大義名分があるって事よ。これは厄介なことよ」

 

大義名分と分かっていても、ガープには表向きの正義がある……これが厄介なのだ。

 

「少なくともガープに賭けて見たいと思う神魔が居るのは間違いないですね」

 

「でも……」

 

「言ったら悪いけど、小竜姫様は善性を信じすぎだと思うわ」

 

表向きはガープと敵対しても、裏ではガープと協力しても良いと思っている神魔は間違いなくいる――。

 

「報告を……」

 

「止めといたほうがいいわよ。何も変わらないわ」

 

ガープの言葉では無いが、それで変わるというのならばとっくの昔に神魔のあり方は変わっている。

 

「信じて信じて、何も変わらなくて、落胆して……ガープに組してもいいと考える者はいると思うわ。例えば……古き神々とかね」

 

今の神魔の情勢に落胆し、別の世界に隠遁している神々には最高指導者よりもずっと強い神魔だっている。

 

「……それは確かにそうですけど」

 

「デタントに逆らい、デタントの為に力を抑えるのを拒んだ神々か……有名所が多いね。例えば……ロキ」

 

ロキの名前に小竜姫様の眉が動いた。ロキ眼魂をレイは使っていた……私は最初はロキの魂の欠片の一部、例えばロキが使っていた鎧や杖剣を元にロキの眼魂を作り出したことを考えていたが……その前提がまず間違っていたのかもしれない。

 

「ガープは既に古き神の世界へ足を踏み入れている可能性があるということですね」

 

「多分私はそうだと思っているわよ。スルトとトールはかなり際どい所だと思うけどね」

 

スルトとトールは古き神に分類されると私は思っているのだが……。

 

「実際の所スルトとトールはどっち?」

 

「ギリギリ今の神魔まで神格を落としてくれていますが……ここ数日は天界で確認されていないそうです」

 

「やられたか、それともガープに協力したか……どっちにせよ、不味い状況だね。流石にガープに2つ返事で協力する神魔はいないだろうけどね」

 

古き神の多くは今の神魔よりも遥かに強力と聞くけど……実際はどうなのだろうか。

 

「小竜姫様達もやろうと神格は上げれるんでしょ?」

 

デタントの為に神魔の力を抑制し、天界と魔界で神魔の数をある程度揃えているって話は聞いた事があるけど……実際はどうなのかと尋ねる。

 

「そうですね、良い所私は中級から上級の下位までは行けると思いますけど……かなり誓約を課せられることになると思いますよ」

 

「あたしもだね、その点ブリュンヒルデは違うけど」

 

「確かに私は上級から最上級まではいけますが……過激派神魔を刺激する事になりますよ」

 

神格制限はデタントだけではなく、人間界の魔力と神通力のバランスを取るという意味合いもある。過激派も穏健派も神格解放すれば間違いなく割り込んでくるし、そうなれば小竜姫様達が人間界から遠ざけれ、変わりの神魔が人間界駐在神魔になれば状況も戦況も著しく変わるだろう。

 

「面倒ね……ちなみにこれは確認だけどガープ達は神格解放をしてるのかしら?」

 

「……いえ、ガープ達は神格開放していません。もししていれば……その被害は今までの比ではないでしょう」

 

「……でしょうね、一応これは確認しただけよ」

 

ガープやアスモデウスの逸話を考えればそれも当然か。

 

「ガープの権限は記憶や技能を奪うこと、神格解放すれば凄まじい被害が起こるのは目に見えていますからね……反逆、反乱をしても超えてはいけないラインを超えていないのか……それとも……」

 

眼魂には霊力や神通力を取り込む性質があることを考えれば……もう1つの可能性が浮上してくる。

 

「仮に神格解放をしてその神格を眼魂に移せば……権限のいくつかを残したままに出来るんじゃないかしら?」

 

ガープとアスモデウスクラスが神格解放すれば幾らなんでも天界・魔界・人間界のその全てのバランスを大きく乱す事になる筈だ。そうなればガープ達が身を隠したとしても見つかるに決まっているが……気になってることもある。

 

「神格制限を受けていたとしても小竜姫様達とそこまで差がある物なの?」

 

神格制限を受けて弱体化しているのは小竜姫様も同じだ。確かに下級、最上級の差があるとしても余りにも差がありすぎると思うのは私が神魔に関して無知なだけかもしれないが……ガープと小竜姫様達にはそこまで埋められない差がある物なのかと思うのだ。

 

「確かに階級の差はあると思いますが……最上級の中でもガープ達は異質な力があるのは間違いないと思います。でもそれが神格解放をして、眼魂に力を移しているとしても時期が合わないと思うんです」

 

「でもその可能性は捨て切れないと私は思うわよ。確かに辻褄が合わないとしても、元々ガープ達が眼魂に通じるものを研究していた可能性もあるわよ」

 

眼魂に似た物を研究していたから、眼魂をすぐに実用段階に持っていけた可能性は十分にあると思う。

 

「確かにその可能性はあるね。それに……あたし達が知らない何かが横島にあるのかもしれない」

 

「うん。私はその線を疑ってる。古い陰陽術は高島から受け継いだとしても、眼魂と文珠は余りにも説明が付かないし、特異点って言うのは分からないけど、過去改変をしても修正力が発揮しない希少すぎる能力って事よね。そんなの普通の人間が会得できる能力かしら?」

 

横島君の特異な能力から目を背けて来たが……その力の根底の踏み込む時が来たのかもしれない。

 

「……美神さんが何を考えてるか当てて見ましょうか?横島さんは魔族の先祖返りではなく、神の先祖返り……そう思っているのではないですか?」

 

「少し違うわ。私は横島君が神の転生者の線を疑ってる」

 

元々人間が英霊に匹敵するクラスまで霊核を上げる事が異常なのだ。魔族の先祖返りならあり得ない話では無いが……普通の人間ならまず不可能だ。それに……。

 

「1000年の間も転生していないのがおかしいって事ですね?」

 

「ええ。転生のサイクルにしても長すぎるし、高島自身も神の転生者かもしれないってわたしは思ってる。そう考えれば辻褄が合う部分も出てくるわ」

 

神の転生者ならば稀有な権限を多数持っていたとしてもおかしくはない筈だ。

 

「流石にそれは無理があるよ。神の転生者なんて事案は滅多な事じゃない、そもそもあったとしても天界が把握してない訳が無い」

 

「でも神魔も完璧じゃないわ。全部を把握出来てるわけじゃないでしょう?それに神魔の中でも既存の神魔の情勢に組み込まれていない神魔はいるだろうし……古き神って言う線も捨て切れないんじゃないの?別に横島君を神の転生者に仕立てたいわけじゃないわ。でもガープを見ていると最初から全部あいつの手の内だったような気がするのよ」

 

最初は人間風情に殴られたという事でガープが横島君に目を付けていたと思っていた。だけど前提が間違っていた、最初から横島君を利用する為に因縁を作り上げたのではないか?もっと言えば……。

 

「横島君についてガープは私達の知らない何かを知っているんじゃないかしら?」

 

私達が知りえない何かをガープは知っているのではないか?それを知っているからこそガープは横島君を自分の計画の柱に据えたのではないだろうか?長年潜伏し、念入りに組んだであろう計画に人間を組み込んだのではない、最初から横島君ありきで計画していたのではないかと私は思わずにはいられなかった。小竜姫様達が考えすぎという顔をしているが、私はこれは限りなく真に近いという確信があるのだった……。

 

 

 

~ガープ視点~

 

レクス・ローから渡された仮面ライダークロニクルガシャットによって私が作ろうとしていた究極の眼魂の1つ……いや、横島を神にするための眼魂はここに完成した。

 

「素晴らしい、素晴らしい力だ……惜しむらくは……使えんということだけか」

 

「レイに渡して実験すればいいのではないでしょうか?」

 

「蘆屋。これは使えんのだ」

 

完成したクロノス眼魂を芦屋に投げ渡し、芦屋がそれに触れようとした瞬間。蘆屋の腕が消し炭になった……。

 

「これは……なんと恐ろしい神通力……ッ」

 

即座に腕を修復する蘆屋だがその顔は信じられないという驚愕の色に染め上げられていた。

 

「分かっただろう。このガシャットを用いてクロノス眼魂は完成した……筈だ」

 

「ガープ様でも分からないのですか?」

 

「分からない。だがこれで良い、クロノスの眼魂は至った。ならば後は……我らの眼魂を本当の意味で完成させるまで」

 

時を司るクロノス眼魂は完成した。だが私の欲していたのはクロノスの力ではなく、クロノスの神格なのだ。比類なき神の力、間違いなく最高指導者を上回る偉大な神の力……それを人間に落としこむ事で横島の力を大きく強化できる。

 

「ガープ様。横島が最初から神の器だと分かっていたのですか?」

 

「いや、最初は人間の分際で私に拳を入れてくれた不埒もの程度にしか思っていなかった。いつか惨たらしく殺してやろうと思っていた」

 

「本当なのですか?」

 

「ああ。本気だった、だがな……途中で命じられたのだ。もっと良く見極めろとな」

 

私の言葉に蘆屋が驚いたような表情をする。そうか……こいつは知らなかったか。

 

「我々の派閥の頭領はアスモデウスではない、我らの真の頭領は別の御方だ。私もアスモデウスもあの御方の配下なのだよ、私とアスモデウスが2人で挑んだとしても勝てない、いやただの一蹴で殺されるであろう御方だ」

 

「なんと……ッ!?そのような御方がッ」

 

「何れお前にも会わせてやろう。今のお前ではまだ駄目だがな」

 

「それは何故?」

 

「簡単だ。お前は弱いからだ」

 

蘆屋は私が認めたが、それでもまだ弱い少なくとも……。

 

「クロノス眼魂の神威には耐えられなければ会わせる事はできんな。お前が消し飛ぶ事になる」

 

「……そんなにですか。それは楽しみですなあ、もっと拙僧も強くなりますぞ」

 

「ああ。強くなるが良い、お前には才能がある。もっと己を鍛え上げるが良い」

 

蘆屋は下級神魔くらいの力は得たが、それではまだ足りない。それほどまでにあの御方は強く偉大なのだ。

 

「どのような御方なのですか?」

 

「最高指導者を遥かに上回る偉大な御方さ。そして我らはその尖兵なのだよ」

 

我々に上などいないと何年も思わせてきたのだ。我等に上などいない、我らを倒せばそれで全て終わる。神魔の思考を誘導し、横島という世界を変えうる一手も十分に育った……全てを変える時はもうすぐそばにまで迫っている。

 

「だがまずは横島がこの脅威を退けられるか、だがな」

 

月の魔力砲も、スルトもトールも……そしてもう一柱の神も全ては横島を試す試金石にすぎないのだ。

 

「この程度は切り抜けてもらわなければな……」

 

 

 

リポート18 月面決戦 その2へ続く

 

 




今回は1度情報整理となりました。横島を神にする為に動くガープと、ガープの上の存在をほのめかすという形になりました。
次回からは戦闘をメインで書いて行こうと思いますので、次回の更新もどうか宜しくお願いします。


8周年は救世主トネリコ

福袋は

水着伊吹 スカデイ プーリン アルクェイドのを引こうと思います。アルクェイドはいますが、万が一ダブっても宝レベルUPで美味しいですからね。

しかしデステニーオーダー召喚とは驚きましたね。
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