GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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リポート20 2人で1人のゴーストライダー
その1


リポート20 2人で1人のゴーストライダー その1

 

~横島視点~

 

キラキラと光り輝く霊力が雪のように降ってくる光景は幻想的でとても美しかった。だが生きる者の気配のないこの場所はとても冷たく、静寂に満ちていた……エレちゃんの言う通り死者の国というのが嫌でも分かる。

 

「こっちよ、滑るから気をつけてね」

 

積っている霊力は雪のようで、確かにエレちゃんの言う通り足をとられてしまいそうになる。思うように歩けない今の俺では先に進むのは困難だった。

 

「はい、横島。しっかり私の手をとって」

 

「ごめん」

 

エレちゃんに手を引いてもらわなければ進むことが出来ず、エレちゃんにごめんと謝る。

 

「良いのだわ、友達だから気にしないで」

 

友達だからと助けてくれるというエレちゃんは本当に優しいと思う。

 

(美神さんと蛍の言う通りだ)

 

死神は慈悲深く優しい神様と言っていたけど、本当にエレちゃんは優しくて思いやりのある神様だと思う。

 

(小竜姫様達も優しい神様だけど……エレちゃんは本当に女神様って感じだよなあ)

 

俺の想像してる女神様その物なんだよなあ……エレちゃんって優しくて思いやりもあって女神様って言葉はエレちゃんを指していると本気で思うそんな事を考えながら心眼が眠っている檻を探して視線を左右に動かすが、殆ど空の檻ばかりだ。

 

「エレちゃん。どうしてこんなに空ばかりなの?」

 

どうしてこんなに空ばかりなのかと思って尋ねるとエレちゃんは困ったように笑った。

 

「私は古い神様だから今の冥界や地獄には干渉出来ないの、ここは私が冥界の神としてある為に作った場所だから殆ど空なの」

 

少し寂しそうなエレちゃん。神様の役割が変わる事はあると美神さんが教えてくれたけど、自分の役割を失った神様がどれだけ寂しくて辛いのかは俺には分からない分からないから……。

 

「いつでも俺の家に遊びに来て良いから」

 

「へ?」

 

俺には気の聞いたことなんて言えないし、励ます事も上手くできるとは思えない。だけどエレちゃんに助けられたように、俺もエレちゃんの助けになりたいという気持ちは紛れもない本心だ。

 

「いつもネロちゃんとかルイさんと一緒に来るけど、1人で来ても全然良いから、話を聞いたり、一緒にお茶を飲んだりすることは出来るからいつでも訪ねて来て良いから」

 

エレちゃんは自分が神様とある為に擬似冥界を作ったといったけど、こんな寂しい場所に1人でいる必要はないと俺は思う。だから寂しいと思ったとき、1人でいるのが辛いと思った時に何時でも訪ねて来てくれて良いと言うとエレちゃんはさっきまでの困ったような笑みではなく、楽しそうな明るい表情の笑みを浮かべた。

 

「ふふ、じゃあ、訪ねていこうかしら?そうね、お菓子でも持って行こうかしら?」

 

「じゃあ俺はお茶とかを準備しながらチビ達と待ってるよ」

 

「それは良いわね。チビ達は元気?」

 

「元気元気、いつもとおり元気に跳ね回ってるよ」

 

チビ達が元気のないところなんか見たことが無い。いつも元気に跳ね回っている、ただ俺がいないから少し心配はしているとは思うけど、きっと元気で俺が帰ってくるのを待っていてくれていると思う。

 

「早く心眼を見つかると良いわね」

 

「うん。心眼が……ん?」

 

心眼を探していると1つ中身が入っている檻があった。でもそこにいたのは長髪の女性で……ジッと目を細めてそれが誰かが分かった。

 

「メドーサさん!?」

 

月で俺を庇って消え去ったメドーサさんが檻の中に入っていて、思わず声を上げた。

 

「メドーサ?ああ、横島の魂の中にいたから取り出して、ここで休ませておいたのだわ」

 

今思い出したと言わんばかりにぽんっとエレちゃんが手を叩いた。

 

「メドーサさんをここから出せる?」

 

「出せるけど……大分魂が弱ってるから目を覚ますかは分からないわよ?帰り道で起したほうが良いと思うのだわ」

 

確かに心眼を探すのに意識のないメドーサさんを連れて行くわけにはいかない。

 

「分かった。じゃあ帰り道で起してくれる?」

 

「良いのだわ、さ、次の階層に行くのだわ。そこに多分心眼がいる」

 

心眼がいるかもしれない区画に足を踏み入れた俺は目の前に広がる光景に言葉を失った。

 

「私が作った私の夢の一欠けら、それがここなの」

 

ほんの少しだけ明るい光が空から差し込み、小さな花畑が広がったあまりに美しく、幻想的な光景に俺は搾り出すように綺麗だと呟くのだった……。

 

 

 

~くえす視点~

 

女主人の分身に美神達と分断された私は1人で薄暗い冥界を進んでいた。

 

「嫌な静寂ですこと……」

 

私の歩いた足音だけが響く漆黒の静寂の世界を指先に灯した魔力の光で照らしながら進む。何の気配も無く、魔力も神通力も霊力も感じない。時折降り注ぐ冥界の砂はまるで雪のようだ。

 

(この世界のどこかに横島がいる?)

 

ガルラ霊がいるかもしれないこの状況で大声を出すわけには行かず、慎重に周囲を探りながら歩いていると背後から足音が聞こえ、太腿のホルスターから銃を引き抜きながら振り返る。

 

「随分と良い女になりましたわね?」

 

「どーも……なんとか突破できたみたいね」

 

ボロボロの姿の蛍が私の皮肉にそう返事を返し、肩を竦めた。

 

「美神達は?」

 

「まだだと思うわよ。私は幻術を利用して組み付いて無理矢理霊力と魔力を流し込んだ瞬間にここにいたわ」

 

蛍の手はボロボロで何をしたのかは一目で分かった。

 

「指向性を持たせないからですわ」

 

「話で聞いたくえすとめぐみさんのを真似しただけなんだからそこまで考えてないわよ」

 

話と文章を見ただけで私とめぐみの魔法を再現したのは流石と言えますが、魔法のいろはもなしにすれば両手が消し飛んでいた可能性もある。

 

「そんな無茶をして五体満足で良かったですわね?」

 

「……やっぱり?」

 

「当たり前でしょう。反発作用を利用しているのですから、もしもこれからも使うなら何か指向性を持たせることが出来るものを利用する事ですわ」

 

私とめぐみの努力の結晶であり、魔法の最奥とも呼べる物ではあるが、蛍の物は私とめぐみが使ったものとは比べ物にならないほどに劣化したもの、それを使う事に目くじらを立てるつもりはない。むしろ神魔や英霊への貴重な攻撃手段なので使えるというのならば使ってくれれば良いと思っている。

 

「という訳で、これを使いなさい」

 

「どういう……そういうことッ!」

 

私が投げ渡した銃を受け取った蛍と一緒に斜め上に銃を構えると共に引き金を引くと甲高い音が響き渡った。

 

「気配は殺していたと思ったんだけどね、中々やるじゃないか」

 

細身のサーベルを手にした子供の姿をした神魔……いや、不意打ちで横島を地球へと叩き落した私達が憎むべき敵……ッ!

 

「「セーレッ!」」

 

神魔混成軍……いやもっと前からスパイとして活動し、ガープに天界と魔界の情報を流していた内通者。

 

「元気そうで何より、でも君達は目障りだね。それに……君達が死ねば横島がどんな顔をするのか見て見たいかな……だから死んでくれないかな?」

 

その言葉と共に姿を消したセーレを一瞬見失い、反射的にしゃがみ込むと斬られた私の髪が宙を舞う姿が見えた。

 

「へえ……驚いた、でも後悔する事になるよ。今の一撃で死んでおけばよかったってさッ!!」

 

セーレの姿が再び消え、私と蛍は背中合わせになり死角を隠し、セーレの姿を探すが目に見えるところ、そして神通力と魔力の気配は何処にもない。

 

『僕はどこにでもいるし、どこにもいない。さぁゆっくりと切り刻んであげようね』

 

知らずの内に浅く、本当に浅く腕が切られていて出血していて、じんわりとした痛みが襲ってくる。

 

「美神達がここに来るまでどれくらい掛かると思います?」

 

「分からないけど、それを待ってると死ぬのは私達ね」

 

「なら私達だけで何とかしますわよッ!」

 

相手は最上級神魔のセーレ、私と蛍だけで戦うには絶望的な相手だが、それでも抗わなければ死んでしまう。

 

「攻撃の瞬間は実体化してるはず、そこを狙うわよ!」

 

「言われなくともッ!」

 

確かにセーレの姿は見えず、私達の身体は少しずつ傷ついているが、セーレの言動から私達を甚振ろうとしているのは明白、一撃で殺しに来ないのならば何とかする手段はある。少しずつ増える痛みに顔を歪めながら私達は反撃のチャンスを耐えて待つのだった……。

 

 

 

 

~エレシュキガル視点~

 

心眼を探し横島と共に擬似冥界を進んでいるとこの場に割り込んできた何かの気配を探知した。

 

(この気配は……覚えてる、私がこの世界に来たときにいた)

 

ガープによってホムンクルスの器に召喚された時に私を見ていた神魔の気配だ。

 

(どうやって、ここは私の世界、私が許可しなければ入り込めないはず……)

 

信仰を失い、私の管理する冥界がなく、私が擬似的に作り出した冥界だとしても、ここは冥界でありここの支配権は私にある。それなのに許可していない者が無理やり入り込んできたという現実に驚かされた。

 

(どうする、どうするのだわ)

 

入り込んできたのは最上級神魔だ人間達が戦うには余りにも厳しい相手だ。彼女達が死ねば横島は間違いなくショックを受けるだろう……私は少しの逡巡の後、握っていた横島の手を放した。

 

「エレちゃん?」

 

「良い横島。良く聞いて、ここから外に出るまでは来た道を真っ直ぐに引き返せば良いわ。心眼がいるとしたらここしかない、もしもここにいなければ心眼を諦めて外へ向かいなさい」

 

「待て、待ってくれ!急にどうしたんだ!?」

 

私の言葉を理解出来ない横島が困惑した声を出すが、私は横島の肩を掴んで無理矢理止めた。

 

「心眼はデリケートな存在よ。私が近くにいれば私の神通力と魔力で消し飛んでしまうかもしれない。それは私も、横島も、そして心眼も望んでいないことだわ。だからここから先は横島1人で進むの、良いわね?」

 

この言葉に嘘はない、心眼を見つければ離れるつもりだった。ただそれが私が思っていたよりも早く、そして心眼を探す所からになってしまっただけだ。

 

「分かった。ありがとうエレちゃん」

 

「ん、心眼が見つかる事を祈ってるわ。じゃあ頑張って」

 

横島を激励してから離れると同時に転移すると同時に檻を掲げる。

 

「おっと」

 

サーベルを構えていたセーレに恐竜が襲い掛かり、背中合わせで立っている蛍達の前に立ち塞がる。

 

「エレシュキガル……本物?」

 

「本物なのだわ。私の冥界に入り込んできた不届きものを成敗しに来ただけで、べ、別に助けに来たわけではないのだわ!?」

 

この2人が傷つくと横島が悲しむのでそれを阻止しに来ただけで、決して蛍達を助けようとした訳ではない、これは全て横島の為である。

 

「へえ。僕達が復活させたのに、僕達の敵になるんだ?」

 

「別に復活させてくれなんて頼んだつもりはない、恩着せがましい言い方はやめなさい」

 

本当に私は今の地球に、神魔に関与するつもりは無かった。だけど横島がいる、横島がいるから彼が悲しまないようにしたいだけなのだ。

 

「良いよ、君はいまから敵だ」

 

「最初から敵なのだわッ! 私の冥界に踏み込んだ罪をその身を持って償うが良いわッ!!」

 

温厚に波風を立てずに、このホムンクルスの肉体が朽ちるまで過ごすつもりだったけど、そうも言ってられなくなった。私は蛍達を背中に庇いながら檻を掲げにやにやと笑うセーレに戦いを挑むのだった……。

 

「今の轟音は何!?」

 

「先に行ったくえすと蛍さんかもしれません、急ぎましょう!」

 

「休む間もないけどやるしかないって事ねッ!」

 

「蛍ちゃん達が心配です!早く合流しましょうッ!」

 

「神魔同士がぶつかっている気配がします、もしかするとガープ達が動いたかもしれません!急ぎましょう」

 

エレシュキガルの分身の試練を乗り越えた美神達もセーレが侵入した冥界へと足を踏み入れ、戦いの気配を感じ足を引き摺りながら蛍達の元へ向かうのだった……。

 

 

リポート20 2人で1人のゴーストライダー その2へ続く

 

 




今回はセーレ乱入で一区切りとさせていただきました。次回は横島の視点から心眼を見つける所まで、そして美神達はセーレとの戦いを描いていこうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。


バーゲストさんの宝レベルを上げたくて10連

バーゲストさんのお迎えに成功し宝レベル3となり、残り石120個です。
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