GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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その4

 

リポート21 なんでもない、だけど特別な日常 その4

 

~横島視点~

 

アリスちゃん達が作った異界は前に来た時と大きく変わっていた。森が増え、川が増え、湖が増え、そして前は見なかった魔獣も移住していてきていた。

 

「きゅあんぬ!」

 

「ここーんッ!」

 

黒い狐と紫ちゃんが連れている氷の狐と良く似た黄色い狐が丁度俺の目の前を横切り森の中へと駆けて行った。

 

「この異界はとっても明るいわね」

 

エレちゃんの声に振り返るとさっきまでスカートだったのが何時の間にかズボンに変わっていた。

 

「エレちゃん着替えたの?」

 

「あーうん。こっちの方が歩きやすいと思って」

 

なんかちょっと言いにくそうにしてるけど、異界の殆どは自然だからスカートよりズボンの方が歩きやすいのは間違いない。

 

「でも似合ってると思うよ」

 

「本当?ズボンは初めてだからなんか落ち着かないのだわ」

 

くるりと回転しその動きにそってエレちゃんの美しい金髪が顔の前を過ぎる。

 

「全然良く似合ってるって」

 

「そ、そう。それなら良いのだわ」

 

何回も褒めると納得したようで頷いてくれたエレちゃんを見ていると茂みからもこちゃん達が頭に葉っぱをつけながら顔を出した。

 

「2人とも何してるの?」

 

「せっかくこれだけ魔獣がいるんなら私ともこの護衛をしてくれそうな魔獣を使い魔にしようと思ったのよ」

 

「でも駄目だな、全然上手く行かない。使い魔にするのは難しいんだな」

 

魔獣を使い魔にしようとしたけど失敗したと笑いながら髪についてる葉っぱとかを払っている2人を見ているとログハウスからイタチちゃんが顔を出した。

 

「横島これ、使い魔にするなら持っていくと良いわよ」

 

そう言ってイタチちゃんが差し出してくれたのは遊び道具のボールとねこじゃらし、それと魔獣用のお菓子の詰め合わせの袋だった。

 

「ありがとう!」

 

「別に良いわよ。あ、それと後で天竜姫と天魔も遊びに来るらしいから、帰るにしても顔を出してあげなさいよ」

 

「分かった。教えてくれてありがとう」

 

俺がお礼を言うとイタチちゃんは小さく笑ってログハウスの中へと引っ込んでいった。

 

「なんかイタチちゃんが異界の管理してくれてるみたいだな」

 

【案外適役かも知れん。あのカマイタチは面倒見が良いからな】

 

どうも心眼も俺と同じでイタチちゃんが面倒見が良いと思っていたようだ。

 

「良し、じゃあもこちゃんと、輝夜ちゃんとエレちゃん。これね、魔獣と仲良くするお菓子と玩具」

 

興味深そうにお菓子と玩具を見ているエレちゃん達を見ながら振り返る。

 

「タマモ達はどうするー?」

 

「パース、チビッ子に振り回されるのは疲れるから」

 

「私は異界を見て回るので良いですわー」

 

タマモーズは来ないみたいだ。まぁそれは人それぞれ、強制しない事にしよう。

 

「散歩行くよー!」

 

「「「はーい!!」」」

 

俺の一声で魔獣と戯れていたアリスちゃん達が元気良く返事をし、皆が集まった所で俺達はもこちゃん達の使い魔を見つける為に森の中へと足を踏み入れ……る前に。

 

「はい、フランちゃんも行こうね。もこちゃん、輝夜ちゃん、エレちゃん。フランちゃんだよ」

 

「ふ、フランです……」

 

人見知りで隠れていたフランちゃんを抱き上げてもこちゃん達に紹介し、フランちゃんも仲間に加え今度こそ俺達は魔獣を探して森の中へ足を踏み入れるのだった……。

 

 

 

~妹紅視点~

 

折角魔獣が沢山いる異界なのだから1匹くらい私と輝夜の使い魔になってくれても良いという魔獣がいると思っていたんだけど……。

 

「ぷい」

 

「あ、ああああ~」

 

輝夜がお菓子を与えていた魔獣はお菓子を食べ終えるとソッポを向いて森の中へと消えてしまい、輝夜の情けない声が森の中に響いた。

 

「横島様はどうやってるんですか?」

 

「え?気がついたら増えてる」

 

「ぱもッ!」

 

「ぱもぱもッ!」

 

「くうー?」

 

私と輝夜に魔獣が全然懐いてくれない中横島様は歩いているだけで魔獣が何時の間にか懐いていた。

 

「フェロモンか何か出てる?」

 

「かもしれない」

 

懐かれるレベルが段違いだ。歩いているだけで懐いているとかどうすれば出来るのか謎でしかない。

 

「ぎゅーぎゅー」

 

「わっととと、なんで、なんで押すの!?」

 

「ぎゅーぎゅーッ!」

 

「何で強くなるのっ!?」

 

エレはエレで魔獣が懐いているのかは良く分からないが、さっきからその頭で押されていて止めるように言っているが完全無視されている。

 

「ぎゅっ!」

 

「わったたぁ!?」

 

「おっとと、エレちゃん、大丈夫?」

 

「わわわわわ!?」

 

渾身の頭突きでバランスを崩したエレを横島が受け止めるとエレは目に見えて動揺し、その後でエレに頭突きをした鹿のような魔獣が溜息を吐くような素振りを見せた。

 

(なんか攻撃してる理由が分かったわね)

 

(私も分かった、エレが駄目すぎるからだ)

 

あの魔獣は攻撃していたのではなく、横島様とエレを仲良くさせようとしていたのだ。多分エレだけでは駄目だと判断したからだと思うけど、実に賢い鹿だ。

 

「皆も足元に気をつけてね、行くよー」

 

横島が足元に気をつけるように声を掛け、私達はまた使い魔になってくれる魔獣を探して歩き出す。

 

(でも使い魔が出来なくても結構楽しいかもしれない)

 

横島様達の後を手を振りながら歩いている黄色い鼠や、右手をおしゃぶりのようにしゃぶっている子熊に羊と迷いの竹林では見ることの出来ない沢山の魔獣が森の中で思い思いに過ごしている光景は見ていて実に楽しいので、使い魔が出来なくても良いかなと思い始めたころだった。

 

「るりッ!」

 

「とっと……」

 

茂みから飛び出してきた青い身体をした魔獣の突撃を反射的に受け止める。

 

「るりい!」

 

尻尾の先が丸くなっている青い魔獣は尻尾をぶんぶんと振りながら頭を摺り寄せてくる。これはもしかして……。

 

「懐いてくれた……のかな?」

 

お菓子を上げた訳でも遊んであげた訳でもないのだが、何かがこの魔獣の琴線に触れたようだ。

 

「ぷりい!」

 

「やったぁあああッ!」

 

そして輝夜もピンクのボールみたいな魔獣に懐かれていて、その魔獣を抱っこして歓喜の雄叫びを上げていた。

 

「もこちゃん達も使い魔が出来て良かったな、じゃあ1回ログハウスに……?」

 

ログハウスに戻ろうかと横島様が言って歩き出そうとした瞬間、横島様達の後ろを歩いていた黄色い鼠が白く光り輝き、少し身体が大きくなったのを見て何が起きたのかと私達は全員困惑したのだが……。

 

「パモ!」

 

「ぱも!」

 

【可愛いです!】

 

「確かにこれは可愛いですわ」

 

腕を振り元気をアピールする黄色い鼠達を見て可愛いと言いながら抱っこするちびっ子達の精神力は凄いなあっとしみじみ思うのだった。

 

なおその頃酒呑と森の中を好き勝手に走り回っていた茨木童子はというと……樹木の下に落ちている茶色い物体に目を奪われていた。

 

「エクレア?」

 

【えくれあってなんや?】

 

「お菓子でな、甘くて美味いのだ。何故森の中にエクレアが……「どお~」ふおっ!?」

 

【おやまあ、魔獣みたいたねえ】

 

「どお~どお~」

 

「何故吾には強そうでも賢そうでもない魔獣ばかり集まるのだ……?」

 

「どおん?」

 

「どおー?」

 

「くあ?」

 

どこからどう見ても何も考えていないようにしか魔獣ばかりがどんどん集まってくるのは何故だと森の中で項垂れていたりする……。 

 

 

 

 

~天魔視点~

 

横島が無事に帰ってきたという一報は私の元にも来ていて良かったと正直安堵しました。なんせ月から地球に向かって落とされたのでは人間の横島なら死んでしまうかもしれないと思っていたので本当に生きていてくれて良かった。

 

「お父様、お父様。横島達に必要な道具や素材を出して欲しいのです」

 

「そうだぞー、ほら。お前の可愛い娘がおねだりしてるぞ」

 

ならば次に私がやるべき事は天竜つながりで知ることが出来た横島達が必要としている道具や素材を手にすることだ。鬼一法眼様にも助力を頼むとお父様は深い深い溜息を吐いた。

 

「そんなに横島が気に入ったのか?」

 

「質問の意味が良く分かりません」

 

横島は一緒にいると楽しいし、アリス達とも遊べるので勉強や修行の息抜きだと私は思ってる。

 

「まだ天魔にはそういうのはわからんだろうよ」

 

「……それならそれでも良いのだが……」

 

鬼一法眼様とお父様は何か分かっている様子ですが、私の事なのに私が分からないことで納得されるのは何か面白くない。

 

「駄目なのですか?」

 

「……いや、高島には借りがある。その転生者の横島にもな、必要だというのならば与えても構わん」

 

その言葉に一安心した。天狗の道具は貴重品が多く、現在では作れないものもあるので駄目だと言われたらどうしようかと思っていたのでお父様が許可を出してくれた事にほっと溜息を吐いた。

 

「そうだな、横島の事も心配だろう。お見舞いに行っても構わないぞ」

 

「本当ですか!」

 

「……ああ。法眼もつける。2人で見舞いに行くと良いだろう」

 

横島の所に行っても良いと許可を貰えた私は出掛ける準備をしてきますとお父様達に言ってお父様の執務室を飛び出した。

 

「あれは……兄を慕う妹か?」

 

「そうだと良いの」

 

「……いや、構わんのだぞ?別にうん、構わないのだが……」

 

「いや、めちゃくちゃ不満に思ってるじゃろ」

 

「いや正直良く分からん所ではあるが……まぁ天魔が楽しそうだから良いかと」

 

天魔が着替えている間に天狗の長である天魔と鬼一法眼は娘の横島への好きはどっちなのだろうなっと何とも言えない表情で話をしていた。

 

「とりあえず横島に薬を持って行って欲しい。後は様子見も」

 

「分かった。まぁ天魔については任せておくが良いさ」

 

かんらからからと笑う鬼一法眼に天魔は大丈夫かと不安を抱きながらも、天狗の中では1番優れている鬼一法眼に任せるのが最適だろうと僅かな不安を感じながらも娘の笑顔が見れるならと天狗の長は2人を横島の元へと送り出したのだが、まさかその送り出した異界で地獄のような光景が広がっているのは天狗の長でも知る良しのない事だった。

 

「てんりゅうちゃぁぁんッ!?何してるのっ!?」

 

「……しぬ……しにますの……」

 

「死んでしまえッ!」

 

「「何事!?」」

 

異界に行った天魔達を出迎えたのはジャーマンスープレックスをされたミィとジャーマンスープレックスをかけている天竜姫と絶叫している横島とその回りで踊っている魔獣の群れという混沌を極めた光景に天魔と鬼一法眼の絶叫が異界に響いているのだった……。

 

 

 

リポート21 なんでもない、だけど特別な日常 その5へ続く

 

 




ロリっ子軍団に何があったのかは次回書いてみようと思いますが、ミィと天竜の組み合わせで何が起きたのかは大体予測がつくと思いますが、またからかわれて怒った感じになると思います。シリアスが大分続いたのでもう暫くほのぼのや日常をこれくらいの長さで書いて行こうと思いますので次回の更新もどうか宜しくお願いします。

なお今回のポ○モ○っぽい魔獣

パモさん
ルリリ
ピイ
メリープ
ヒメグマ
ゾロア
どおー
コダック
ろこん

だったりします。


PS

まほよコラボはガチャしませんでしたが、ふじのんは欲しかったので10連

ローランとらんりょうおうでした。

ピックアップとは? となりましたね。
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