GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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リポート3 迷いの竹林と月の姫君
その1


リポート3 迷いの竹林と月の姫君 その1

 

~横島視点~

 

昨晩は深夜まで起きていた横島は目覚ましの音で起きる事が出来ず、チビ達もそれぞれの寝床で大きな鼻提灯を作って眠っていた……そんな横島の部屋の扉……ではなく、横島の眠っているベッドの上に黒い穴が開き、そこからひょこっと紫が顔を出す。

 

「大丈夫ですわ。まだ寝てます」

 

紫の言葉を聞いて続いてジャンヌダルク・オルタ・リリィと茨木童子が逆さまで顔を出した。

 

【お寝坊さんは起さないといけないですからね。規則正しい生活大事です】

 

「……横島が起きてないとシズクに怒られそうで怖い」

 

ちびっ子の朝は早い、約1名。電子レンジを破壊したことでシズクの機嫌が最低なので、横島に助けを求める意味でも紫に同行しているが……

 

【「「せーのどーんッ!!!」」】

 

「ふがああッ!?」

 

フライングボディプレス×3で哀れ、横島は強制的な目覚めと腹部に走った凄まじい激痛でベッドの上で痙攣しながら呻き声を上げる事となるのだった……。

 

「超いてえ……」

 

「災難ねえ、あんたも」

 

「大丈夫でござるか?せんせー」

 

呆れた様子のタマモと心配そうにしているシロに大丈夫と返事を返しながら、机の上に突っ伏す。大丈夫とは言ったものの凄くだるい……。

 

「なあ、心眼。すげえだるいんだけど、なんで?」

 

【……霊力のバランスが乱れたか、昨日の神通力とかのぶつかり合いに当てられたのだろう】

 

「霊力酔いってやつかぁ……」

 

頭が痛いし、身体が重い、正直まだ寝ていて良いのなら寝ていたいとさえ思う。けど多分駄目だな、リリィちゃんの目がめっちゃキラキラしてる。これでまだ寝ると言うと凄いショックを受けそうなので、昼寝の時間まで気合で我慢しようと思う。

 

【新聞ですよー♪】

 

「ありがと、リリィちゃん」

 

【はいです!】

 

なんかジャンヌさんが霊力を使いすぎて、霊力の使用を極端に押さえ込んで消滅を避けるための状態が今のリリィちゃん状態らしい。同一人物だけど、子供なのでジャンヌさんの知っていた事は知らず、紫ちゃんと同じ位の精神年齢で知識もないらしい。

 

(どういう意味だったんだろうか……)

 

復讐者の俺という言葉の意味も、世界に囚われると言う言葉の意味も俺には理解出来なかった。美神さんに考えないようにと言われていたが、どうしても考えてしまう。ちょうどその時シズクの手を叩く音が響いて、考え事を中断させられる。

 

「……朝御飯にするぞ」

 

【はい!ではこれで最後にしますゆえ!】

 

【おっしゃあッ!!】

 

庭から響いてくる木刀同士のぶつかる音が響いて来る。牛若丸と金時だろう……特に牛若丸はジャンヌさんに勝てなかったのが相当悔しいのか、明らかに気合の入った顔をしているのが判る。

 

【うーおはよー】

 

「おはよー、ノッブちゃん」

 

寝ぼけ眼で足を引き摺りながらノッブちゃんが顔を見せて、そのまま顔を洗いにいった。

 

【ノブノブー♪】

 

「むむ、吾が悪いから仕方ない」

 

電子レンジを破壊したと言うことでチビノブと配膳を手伝っている茨木ちゃんを見ながら、新聞に挟まれているチラシを見る。

 

「やっぱ電子レンジ買わないとなぁ」

 

「……ないとやっぱり不便だな」

 

家電製品のチラシを見ながらどこかで電子レンジが安いのないかな?と探していると稽古を終えた牛若丸と金時が庭から家の中に入ってきて、それに続くように顔を洗って来たノッブちゃんがリビングに入ってくる。それを見て新聞を一回閉じてソファーの上におく。

 

「「「【【【【いただきます】】】】」」」」

 

皆揃っての朝ご飯……なんだけど本格的に家が手狭になってきたなあと思いながら俺は豚汁を啜る。

 

(美神さんに相談したら何とかなるかなあ)

 

電子レンジを買いなおしたいし、時期が時期だから炬燵とか、ストーブも欲しい。だけどそれを置くには家が狭すぎるし……1回駄目元で美神さんに相談しようと思いながら、お椀を机の上において小さく切られたリンゴを持ち上げた。

 

「はい、あーん」

 

「みーむー」

 

はむはむとりんごを頬張るチビを見て、これからどうするかなあと頭を悩ませるのだった……。

 

 

 

 

~蛍視点~

 

横島達が食事をしている頃、蛍達はGS協会に集まっていた。それも蛍達だけではなく、ピート、シルフィー、唐巣神父とブラドー伯爵の教会組。陰念、雪之丞、クシナ、三蔵の白竜寺組、教授と西条さんのオカルトG面組、マリア、テレサ、ドクターカオスの3人に、エミさんとタイガーと東京にいる霊能者の中で上位と言われるメンバー全員が集められていた。

 

「はぁ……はぁ……ごめんなさい、すこし遅れちゃったわ~」

 

「えろうすんません」

 

「申し訳ありません、ちょっと迷ってしまいまして」

 

いないなと思っていた冥子さん達も遅れてやって来て、これで本当に東京にいる主戦力になるメンバーは全員集合した。

 

「横島は?」

 

【横島君は呼んでないわ。今回の話は横島君には何の意味もない話だからね】

 

三蔵さんの言葉に雪之丞がむっとした顔をする。でもその気持ちは判らない訳ではなくて、同年代で横島だけが突出しているので焦る気持ちは判らない訳ではない。だがそれで劣等感を抱かれ、そこをガープに付け込まれる訳にはいかない。

 

「こら、別に横島君を特別視してる訳じゃないわ。横島君と私達の違い、それが判ったからそれの説明会なのよ」

 

「俺達と横島の違い?眼魂とかじゃなくてか?」

 

「ええ、確かに横島君は霊力は多いけど神魔ほどじゃない。そんな横島君が何で神魔と戦えたのか、それを説明してくれるって聞いてるわ。だからしっかり話を聞きなさい」

 

クシナさんが注意してくれた事でなんとかなりそうね。でもジャンヌ・オルタとの戦いがなければそれに気付かなかったので本当にジャンヌ・オルタに感謝しなければならないかもしれない。

 

「朝早くからごめんなさい、でもこれは早い内に情報共有をしたかったの」

 

「これからの戦いに必要な技術って事、皆しっかり覚えて。それを身体に馴染ませて頂戴。じゃ、ドクターカオス。詳しい説明を」

 

美神さんと琉璃さんに言われ、ドクターカオスが映像を使って昨日判った事……霊力で自分達を圧倒的に上回ってる相手との戦い方の詳しい説明を始める。

 

「まずじゃが、我々は1つ大きな思い違いをしていた。横島が神魔と戦えるのは霊力でも眼魂ではなかったんじゃな。確かに霊力は重要な要素ではあるが、それは絶対的なものではない」

 

横島が変身している時の姿の霊力の合計値がグラフで映し出され、その隣に小竜姫様達の姿と霊力の合計値が映し出される。

 

「え?こんなに差が?」

 

「……信じられないな」

 

英霊であるノッブや、牛若丸の力を借りたとしても横島のマイト数は3000に届くかどうかという数値だ。小竜姫様はそれに対して5000ほど、2000近いマイト数の差があった。

 

「3000という数値は確かに人間としては多いが、神魔には届かない。では何故横島が神魔と戦えたか?答えは単純で、そしてワシ達霊力を扱う事に長けている者では気付かない所じゃった。横島の霊力の使い方は旧世代、それこそ冥華達がルーキーと呼ばれていた年代の霊力の使い方だったのだ」

 

霊力の扱い方も除霊方法も確立しておらず。霊力同士のぶつかり合いをしていた時代――その時代は霊能者の殉職も多かったと聞く、それを安定させ、除霊具を扱い霊力を枯渇させないように安定して戦う技術が発達した。それが今の霊能者の戦い方の基本だ、だが横島の戦いは今時代と逆行した物となっているのだ。

 

(でも納得したわ)

 

横島が霊体ボウガンや神通棍に対する適正が低い理由。それらの霊具は少量の霊力を増幅させるのが基本構造だ、10個しか入らない入れ物に20個物を入れようとしても入らない。そんな単純な理由だ、そしてそれが横島にとっての普通で私達の教えていた技術を自分に合うように適合させ続けていた……だから私達とは違う霊能力の運用形式に辿り着いたのだ。

 

「つまりなんだ、カオスのジーさん。そのやり方を覚えれば俺達も横島に届くのか?」

 

自分が持っている霊力を一時的にしろ拳、足などに1点集中し、霊力の放出口を細くする事で相手の霊力や神通力のバリアを突破する。だがこれはコントロールを一歩間違えればそれこそ霊力の枯渇を引き起こす危険な方法だ。だがこれを習得しなければ何時までも見ているだけ……それが嫌ならば死に物狂いでこの技を覚えなければならない。

 

「理論上はな。じゃがこれは常に霊力の枯渇と隣り合わせじゃし、なによりも身体に染み付いている霊力の運用と違う。教えはするがやる、やらないは自分達の判断に任せるという事でいいんじゃな?」

 

「はい、この方法に関しては他言無用、私達の間だけでの情報共有とします。それに加えて霊力の枯渇の危険性があるので、決して1人で

鍛錬をしないこと、それを徹底するという事をこの場で約束してください。これはエンゲージの術式で契約してもらうので口約束だけではなく、魂の契約だと理解してサインして「これで良いんだろ?そいつをくれ」……期待してるわよ、雪之丞君」

 

琉璃さんの説明を最後まで聞かずにサインし、指導書を受け取り部屋を出て行く雪之丞。それに続くように陰念達もサインして、指導書を手にして出て行く。私と美神さんが指導書を受け取ろうとした所で先に指導書を受け取っていた冥子さんと鬼道さんが振り返った。

 

「お母様が呼んでたわ~後で六道の屋敷に顔を出してね~」

 

「なんでも横島君がいてくれれば交渉が楽になるとかで、詳しくは知らないんやけど、よろしく頼むで」

 

冥華さんの所に、しかも交渉の為に横島と一緒に来るようにと頼まれ、私と美神さんは揃って肩を落とした。

 

「断れないかなあ……」

 

「多分無理ね。今回はどんな面倒ごとかしら……」

 

今回の博物館の周りの火事の件も冥華さんが手を回してくれているので、また貸が出来てしまっているので断ることが出来ないと美神さんが肩を落とす。

 

「ちなみに私も今度の六道の除霊実習旅行の為に予定を開けておけって言われてますよ?たぶんというか確実に……」

 

「私達もね……」

 

厄事が続きすぎる……とは言え冥華さんがいなければ解決できない問題も数多あったので、多少面倒でも、それこそ嫌だと心の底から思っても引き受けないといけないのだ。人の良い顔の下でどんな悪巧みをしているのか……やはり霊能、政治の両方の中枢部に踏み込んでいるだけあってその考え方から恐ろしすぎる。

 

「横島君を連れ出すって事は神魔との交渉?何か聞いてない琉璃」

 

「いえ、特にそういう話は聞いてないんですけど……とりあえず冥華さんに会いに行ってみたらどうですか?」

 

「関わりたくないってことかしら?」

 

「ノーコメントで」

 

その一言で琉璃さんの今の心情を理解してしまい、私と美神さんは揃って肩を落とし、まず横島を迎えに行く為にGS協会を後にするのだった。

 

(でもやっぱりあの話はしないのね)

 

ジャンヌ・オルタが幼くなる前に告げた言葉――復讐者のクラスに至ってしまった横島と世界が横島を欲していると言う言葉……出来ればこのことを詳しく知りたかった。

 

「今は気にしないようにしましょう」

 

「美神さん、でも……」

 

それは問題の先送りではないか?と口に仕掛けたのだが、琉璃さんに駄目よと強い口調で言われてしまった。

 

「ジャンヌ・オルタが弱体化させられたこと、そして横島君を見守る者がいなくなるってことは同じなのよ、深く踏み込みすぎれば……世界からの干渉を受ける。小竜姫様達が調べて結果が判るまでは考えないようにしましょう」

 

「まさか……そこまでなんですか?」

 

「あくまで可能性だけどね、私達ももっと強くなって、そして横島君が世界からの甘言を退けるだけの強い意思を持ってもらわないといけないわ」

 

私達ではどうしようもない大きな力の流れが動き始めている――それを何とかしたくでも私達に出来る事は何もなくて……私も美神さんも肩を深く落としたまま歩き出したが、何を話せば良いのか判らず黙り込んだままなのだった……。

 

「良し、これでOKっと、じゃあ皆行くぞー」

 

「「【【おー】】」」

 

一方その頃横島はと言うと、美神に連絡がつかなかった為。いっちゃんに留守電を頼み、自分の通帳から預金を出して電子レンジを買う為に街に繰り出していたりするのだった……。

 

 

 

 

~???視点~

 

深い竹林に風が吹き込みさわさわと音を立てる、その音を聞きながら竹林の中にあるには似つかわしくない日本家屋の縁側で2人の少女が寝転がっていた。

 

「暇ね」

 

「何回も暇って言うなよ。私まで暇になるじゃないか」

 

街を歩いていたら10人が10人見惚れるような美少女なのだが、その2人からはなんとも言えない気だるさが滲み出していた。

 

「ゲームとか買いに行きたい」

 

「それでまた騒動を起こすのか?」

 

前にゲームを買いに行き、アイドルにっと追い回されたことを思い出したのか、働いたら負けと言うTシャツを着ている長い黒髪の少女は止めておこうかしら?と小さく呟いた。

 

「それならあれだ、ほら。魚釣りは?」

 

「えー、あれも飽きた」

 

「じゃ、竹の子掘り」

 

「んーそれも良いわねえ」

 

暇を持て余している2人の少女……それは平安時代で横島と共に過ごした2人の姫だった。

 

「もこ、何時になったら横島殿に会えるのかしらねえ」

 

天性の美と艶やかな黒髪、整った顔とすれ違う誰もが魅了される美を誇りながら働いたら負けと言うTシャツが全てを台無しにしている……月の元姫「蓬莱山輝夜」

 

「言うなよ。本当何時なんだろうなあ……」

 

銀髪を大きなリボンで結び、上はカッターシャツ、下は赤いモンペをサスペンダーで吊るすという独特のファッションをしている「藤原妹紅」は輝夜の問いかけに待つのは疲れたといいたげに深い溜め息を吐いた。

 

「どうする、竹の子掘りに行く?」

 

「なんか気分じゃなくなった。輝夜が行くなら行くけど……」

 

「私も嫌かなあ……ゲームでもする?」

 

「そうしようか……」

 

不老不死ゆえに退屈を持て余している2人は今が横島が生きている時代なのか、どうかも判らず。この結界の張られた竹林に出る事は時間制限が掛けられている為、横島を探しに行く事も出来ず。いつか横島が見つけてくれるのかなあと言う願いを抱きながら、代わり映えのしない日々を過ごす。

 

「……これは言わない方が良いわね」

 

覇気のない顔をしている2人を見た。ここ、永遠亭の医者――「八意永琳」は手にしている六道の印が押されている封筒を懐に戻した。

 

「本当六道の家の人間は厄介よね……これから忙しくなりそう」

 

冥華から送られた手紙にはこれから必要になる薬の効能と、それに伴う副作用を極限まで抑えるようにと無理難題が幾つもあった。無理だと永琳には突っぱねる事も出来たのだが、その下の文を見てその無理難題を受け入れざるを得なかった。

 

『この要求を受け入れてくれるなら、これから薬の受け取りは横島君に任せるからね~♪』

 

横島を送りつけてくると言われては永琳としても無理だと思いながらもそれを受け入れざるを得なかった。そろそろ横島に会えるかな、まださきかなとそわそわしている2人をもうかれこれ100年近く見て来た。横島に会うのは早いといって了承しなかった冥華が自分から横島を寄越すと言い出したのだから苦労に見合う対価を出して来た。

 

「本当厄介な人間だわ」

 

六道の人間は厄介極まりないと疲れたように言いながらも、その顔は楽しそうで羽ペンで了承したと言う旨の返事を書いて、式神に手紙を運ばせる。

 

2人の姫と横島の再会はもうすぐそばに迫っているのだった……。

 

 

 

リポート3 迷いの竹林と月の姫君 その2へ続く

 

 




ロリーズのボデイプレスで起される横島君を書きたかった。なので後悔も反省もありません、じかいも引き続き日常ですが、このリポート3のあいだにぐやともこに再会させたいと思います。その後はアリスちゃんのターンですね、アリス、ジャンヌオルタリリィと着たので後はジャックを出すだけ、それでFGOロリーズがそろいます。アリスちゃんが違う? HAHA、何の事か判りませんね。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
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