GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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リポート22 どらごんぱにっくぅ
その1


リポート22 どらごんぱにっくぅ その1

 

~横島視点~

 

チビより少し大きいくらいの大きさで、チビと同じ位強くてアリスちゃんから電撃とヒーリングが得意な魔獣だと聞いて美神さん達に怒られる覚悟でスカウトしたパモさんは群れのリーダーを務めていた個体らしく面倒見もすこぶる良く、そして賢い魔獣だった。だがここには俺の使い魔になりたいとずっと待っていた魔獣が何匹もいるわけで、そんな魔獣達の前で新しい魔獣を使い魔として迎え入れた事で魔獣達がとてもいじけてしまった。これは完全に俺の配慮不足だったので……。

 

「はい、出来た」

 

「ヨギ♪」

 

木を削って作った帽子をいじけている魔獣の頭に被せると尻尾をぴこぴこと振り機嫌を治してくれた。

 

「お兄ちゃん器用だね」

 

「昔から色々と作ってたからな。はい、竹とんぼ」

 

「わーい!よーっし!行くぞーッ!!」

 

竹を削り出して作った竹とんぼをアリスちゃんに渡すとアリスちゃんの凄い力で射出され雲の間に竹とんぼは消えていった。

 

「……」

 

「……」

 

殆ど一瞬で空に消えた竹とんぼをアリスちゃんと2人で見つめているとアリスちゃんは少し肩を落として俺に視線を向けてきた。

 

「お兄ちゃん。もう1個欲しい」

 

「ん、分かった。だけど順番な?」

 

「うん……皆と遊んで待ってる」

 

とぼとぼと肩を落として紫ちゃん達に所に向かうアリスちゃんだが、実を言うと俺の作った10個の竹とんぼのうち8個は空へと消えた。見た目は可愛い子供でも神魔であるアリスちゃん達の力は凄まじく、その力で射出された竹とんぼが空へ消えるのはある意味当然と言えたわけだ。

 

「ちょっと火を出して」

 

「ぴい!」

 

太陽神の化身が吐き出してくれた火で竹を炙り適度に曲がり癖をつけたところで少しずつ編みこんで鞄の形にする。

 

「ふか!」

 

「ん、これはお前のな」

 

「ふかぁ~♪」

 

丸っこい体に鮫っぽい魔獣は手が器用に使えるので鞄を作ってやるとそれを嬉しそうに受け取り、どうやって掛けたのは判らないが肩……多分肩に掛けて満足そうな表情をして小さい手を上げたので俺も上げ返すと満足そうに頷いて歩いて行った。

 

「ココ」

 

「うん、今から作るからな」

 

「ココッ!」

 

身体が金属のこの子は見た目通り4本足で歩いてるから帽子みたいのが良いかなと思い俺は再び切り分けた竹を手に取り火で炙りながら形を整えながら川に視線を向ける。

 

「とわー!」

 

「それ」

 

俺が作った竹竿で魚を釣ろうとしているチルノちゃん達を見ていると背後の茂みから音がして振り返り……。

 

「何があったの!?」

 

微妙に焦げてるミィちゃんを天竜姫ちゃんとレミリアちゃんが引き摺って来て作業を中断してミィちゃんたちに駆け寄る。

 

「ちょっとふざけて遊びすぎただけだから」

 

「ちょっと!?大分焦げてるよ!?」

 

「横島大丈夫ですから」

 

「えっでも?」

 

「大丈夫です」

 

「あ、はい」

 

笑顔で大丈夫という天竜姫ちゃんの圧力に負けて俺は敬語で返事を返し、ミィちゃんをログハウスに引き摺っていく2人をただ見送った。だが、この後で俺は信じられない問題と直面する事になった。

 

「カリカリポリポリ」

 

「駄目!駄目だからモグラちゃん駄目だからぁッ!」

 

「うきゅうッ!」

 

「駄目だってッ!天竜姫ちゃんの角を食べたら駄目ッ!」

 

「カリカリカリカリカリ!!!!」

 

「だから駄目ーッ!!」

 

抜け落ちた天竜姫ちゃんの角を凄まじい勢いでかじるモグラちゃんから角を取り上げようとするが、モグラちゃんはしっかりと前足で角を抱え込んでいて、なんとか取り上げようとしている間にモグラちゃんは天竜姫ちゃんの抜け落ちた角を食べ終えてしまった。

 

「ご、ごめん……たべ……」

 

「大丈夫ですよ。モグラちゃんに上げる約束でしたから」

 

「なんか成長してるぅううううッ!?」

 

美幼女から美少女にクラスチェンジしていた天竜姫ちゃんを見て、俺の絶叫が異界に響き渡るのだった……。

 

 

 

~鬼一法眼視点~

 

僕はお腹を押さえて全力で笑っていた。こんなに面白い事は多分長い人生の中でも初めての事だと思う。

 

「背伸びたね!」

 

「そうですね……角が抜けると成長期ですけど、思ったよりぐっと伸びました」

 

「……背伸びてもまない……「何か言いましたか、ミィ?」あたたたたたたッ!割れる!割れますのッ!!」

 

天竜姫にアイアンクローで吊り上げられたミィの絶叫にまた笑ってしまい、僕は涙を拭いながら立ち上がった。

 

「えっと大丈夫なんですか?あれ」

 

「ああ。大丈夫だよ。角が抜け落ちるのは龍族の成長の証だからね」

 

「でもモグラちゃんが角を」

 

「それも大丈夫。抜け落ちた角はまだ歳若い龍に与えて成長させるのが習わしだよ」

 

龍族の角は高密度の竜気の塊であると同時に制御装置だ。竜気をコントロール出来ない未熟な龍族に角の欠片を与えるのは実はよくあることだ。

 

「だからほら、モグラちゃんも成長してる」

 

「え?」

 

僕の言葉に振り返った横島の視線の先では……。

 

「がんばえーッ!」

 

【もうちょっとですよ、頑張ってモグラちゃんッ!】

 

「う、うきゅうううううッ!!!」

 

竜気をスパークさせながら角を伸ばして龍として成長しようとしているモグラちゃんの姿があり、その周りを魔界の子供達が応援していてた。

 

「うきゅうッ!!」

 

そして一際大きな鳴声と共にモグラちゃんの身体が竜気に包まれ……。

 

「ふんすッ!」

 

5歳から7歳くらいの幼女となったモグラちゃんがふんすっと胸を張っていた。その姿を見て横島ガギギギっと音が聞こえてきそうな動きで振り返った。

 

「……これどうすれば?」

 

「まぁ頑張れ、親代わりと兄代わりをしてるんだ。面倒を見てやるんだよ?」

 

龍族特有の民族衣装と紫色の前髪で目を隠している幼女になったモグラちゃんは上手く歩けないのか、ぽてぽてと歩き尻餅をついた。

 

「……ッ!」

 

まだ喋る事は出来ないのか不満そうにじたばたとするモグラちゃんに駆け寄る横島を見ながら僕は笑った。

 

「少し趣味が悪いのではないか?」

 

「かんらからから、良いじゃないか。楔は多い方が良い、君もそう思っているんだろう?心眼」

 

横島の使い魔の心眼にそう尋ねると心眼はそうだがと呟き、モグラちゃんに手を貸して立ち上がらせている横島と、そんな横島を見て微笑ましい物を見ているような表情をしているエレシュキガルと、構ってくれないことに不満そうな表情をして飛びつく準備をしているアリス達を見て困ったように溜息を吐いた。

 

「何処まで理解している」

 

「全部かな?さてさて稀有すぎる才能というのも考え物だ。救世主と人類悪の素質を持つ人間など初めて見るよ」

 

救世主にも、人類悪にもなれる素質がある。強すぎる優しさは憎しみと憎悪を生み出す。強い光の下で必ず影が生まれるようにだ。

 

「横島の人間性を保つのは大変だろうが。頑張りたまえよ」

 

「知ってて無視するのか?」

 

「高島との約束にそれは含まれていないからね。僕は彼を強くするのには協力するけど、その道にまで関わるつもりはないよ」

 

高島との約束は守るが必要以上に関わるつもりはない。

 

(僕も影響が無いとは言い切れないしね)

 

鬼一法眼としての側面が強い今の姿なら良いが、鞍馬天狗の力を示せば言うまでも無く、不味い事になる。鞍馬天狗と鞍馬神社の繋がりは深い、そして鞍馬神社は毘沙門天・千手観音・護法魔王尊を祀り、そしてそれぞれが陽の精霊、月輪の精霊、大地の精霊であり宇宙を示す。

 

(横島と宇宙の繋がりを持たせるのは危険だろう)

 

今この時空と別の時空の狭間で暗躍している3人組の英霊のクラスは降臨者(フォーリナー)であることは分かっているが、それを伝えるつもりはない、伝えれば、伝えてしまえば僕もそれに準ずる者とされるからだ。僕自身もフォーリナーのクラス適性があるからこそ分かるが、横島にはフォーリナーとしての適性もあり、その適性を開眼させる訳にはいかないのだ。

 

「それよりも、あれ止めなくて良いのかい?横島に教えたら不味くないかな?」

 

「何を……いかん!」

 

「へぇ、白い龍アルビオンっていうのかー」

 

「格好良いよ!」

 

魔界の子供達が横島にアルビオンについての本を読んでとせがみ、横島がアルビオンの事を知ってしまった。縁が横島と繋がってしまった訳だ。

 

(帰れないならって事かな)

 

本来の棲家に帰れないのならば地上での棲家を求めたアルビオンによる干渉である事は間違いなく、横島の元に向かう事を選んだであろう最強の龍の魂に苦笑する。

 

「やっぱり面白いね」

 

高島よりも横島は面白いが、高島より危険なのが横島だと僕は再認識するのだった……。

 

 

 

 

~美神視点~

 

異界から帰ってきた横島君が事務所に顔を出したので私はすぐに正座するように横島君に告げた。

 

「なんで使い魔を増やしたの?」

 

ぽよんぽよんっと尻尾で跳ねている青い鼠と木の枝をマイクみたいにして歌っているピンクの妖精、そして鼠のような、熊のような何とも言えない形状の魔獣を見ながら横島君に説明を求める。

 

「青い鼠と桃色の妖精は輝夜ちゃんともこちゃんの使い魔です」

 

「あ。そうなの?じゃあこれは私が預かるわ」

 

永琳が2匹の魔獣を抱えるが、それでも1匹は横島君の使い魔だ。

 

「えっとですね、チビみたいに小さくて強くて賢いので、紫ちゃん達の護衛に良いかなと……最近物騒ですし」

 

「パモ!」

 

「チビと相打ちになるくらい強いんですよ。パモさん」

 

横島君が抱きかかえるとパモさんと呼ばれた魔獣は両手を上げてぶんぶんと左右に振る。

 

(護衛……)

 

確かに紫ちゃん達の護衛は必要だけど……だけど……。

 

「でも紫ちゃん達は遠距離タイプですし、近接型のファイターは必要じゃ?」

 

「蛍ちゃん、それは分かるけど、パモさん?で大丈夫なの?」

 

ぬいぐるみでも通用する愛らしいフォルムのパモさんが護衛として役立つのかと素朴な疑問を抱くのは当然だ。

 

「疑ってますね?パモさん強いんですよ」

 

「パモさんは強いよ」

 

【チビ達と同じ位可愛くて強いです】

 

「……あと賢いですのよ?」

 

横島君達が口々に強いというがどう見ても不安しかなくて……。

 

「じゃあ沖田ちゃんと模擬戦してみましょう。良いわよね?」

 

【ほえ?私ですか?】

 

「そ、一応沖田ちゃんも横島君の護衛希望でしょ?だから丁度良いじゃない」

 

映霊で霊基が不安定ながら英霊の一部分を持つ沖田ちゃんと魔獣では勝てるわけも無い……そう思ったのだが……。

 

「パモ!」

 

【えふ……】

 

パモさんは普通に沖田ちゃんより強く、今はダウンしてる沖田ちゃんの手当てをしていた。

 

「パモさんは格闘と治療が得意な魔獣なんですわ」

 

「しかも色違い個体でめちゃくちゃ強い群れのリーダーだったんですよ!」

 

「……なんと電撃まで使いこなせますのよ」

 

【あと手先が器用なので武器も使えます】

 

「みむみむ」

 

「ぷぎゅー」

 

「ぴこぴこ」

 

「パモ~♪」

 

「「「ソウナノカー」」」

 

どれだけ魔獣として優れているのかと説明してくれる横島君達の話を聞きながら、いつのまにかモグラちゃんが幼女になってるのを見て私達は考えるのをやめた……。

 

「……なんか卵の柄が変わって来てるな」

 

【というか凄い竜気溢れてないですか?】

 

【おかしいの、ワイバーンの卵じゃなかったのかの?】

 

横島達がパモさんのプレゼンをしている頃、横島の家ではワイバーンの卵が別の卵へと変化し、凄まじい龍気をあふれ出していた。

 

「これもう少しで孵化すんじゃない?」

 

「どうするんです?これ多分桁違いに強力な龍種生まれますけど?」

 

タマモとコヤンもその気配を感じ取って時折震えている卵を指差す。

 

「……まぁ横島に懐くだろうからいいんじゃないか?」

 

【そもそも卵を隠しても主殿にばれますし】

 

【邪龍が生まれない事を祈るだけじゃな!】

 

「そうなるわよね……」

 

「大丈夫ですかねぇ?」

 

不安は残るが横島が孵化する時を楽しみにしている卵なので隠すのも壊すも駄目ということでそのまま見守る事を決めたシズク達は帰ってきてから伝えれば良いと考えていたのだが……。

 

「ただいまー!新しいマスコットを拾ってきたぞー」

 

「パモ!」

 

パモさんの登場に卵の変化を伝えるのを完全に忘れ、それを思い出したのは真っ白、いや白銀に輝く龍が生まれてからなのだった……。

 

 

リポート22 どらごんぱにっくぅ その2へ続く

 

 




美幼女から美少女に進化した天竜姫。人化を取得したモグラちゃん、そしてアルビオンとドラゴンに関係する騒動の種を投げ込んでみました。次回もまたぱにっくをおこして行こうと思いますので、どんな混乱が起きるのか楽しみにしていてください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。


ティアマトーを10連でお迎え成功、宝レベル2となりました。
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