GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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その3

リポート22 どらごんぱにっくぅ その3

 

~美神視点~

 

シズク、清姫、ノッブ、タマモの4人が全ての合法ロリを救うビームとか意味不明なビームに飲み込まれ、全ての合法ロリを救うフェニックスを名乗る怪人はビルの谷間の中に消えてしまった。英霊や神魔まで合法ロリの括りに入れていると思っていなかったのが私達の敗因で、すぐに追跡するべきと分かっていたのだが鼻血を噴出して昏倒した横島君をそのままにもしておけず、撤退を余儀なくされた。

 

「……凄い敗北感があります」

 

「……不公平だと思うんですよ。色々と」

 

蛍ちゃんとおキヌちゃんがこの世の終わりみたいな顔をし、横島君の顔からは全ての感情が抜け落ちているし、地獄みたいな有様だ。

 

「シズクと清姫ちゃんは元に戻れたりしないの?」

 

「……無理だな。あれは概念的な物だったみたいだ。時間経過で元に戻れるとは思うが、私達にとっては嬉しい誤算だな」

 

「嬉しい誤算ってなに?」

 

横島君がそう尋ねるとシズクは一見慈愛に満ちた表情を浮かべるが、その目が爛々と捕食者の輝きを宿していた。

 

「神通力と竜気を組合せれば自在に姿を変えれそうですわ」

 

「……今までは力の消耗が激しかったが、それもなくなったな」

 

めちゃくちゃ悪巧みしてる顔をしてるけどそれを指摘すると今度の訓練が地獄になりそうなので、喉元まで込み上げて来た言葉をグッと飲み込んだ。

 

【ワシこんなに成長するまで生きてないんじゃがな。まぁ成長して困ることはないし、よしとするかの!】

 

燃えるような赤髪と切れ長の目に、出る所は出て、引っ込む所は引っ込んでいて誰が見ても美人と言えるのだが、その言動から美人には見えないのが不思議だ。

 

「なんでタマモはそんなに嫌そうな顔をしてるでござる?」

 

タマモの表情はシロの言うとおり不服っていうのが目に見えている。腰元まで伸びた黄金のような金髪にノッブと同じ様に出る所は出て、引っ込んでいる所は引っ込んでいる同性でも羨むプロポーションに加えて、どこか怪しい色気もあると九尾の狐の名に相応しい色気があるのだが、タマモはうんざりとした表情をしている。

 

「成長したのは嬉しいわよ、うん。そこは文句はないんだけど……この顔にこの身体つき……私を切り捨てたオリジナルの影響が強すぎるのよ」

 

「分かりますわね。私は厳密に言うと九尾の狐ではないのに割り込んできましたし」

 

タマモとコヤンが深い溜息を吐いているが、もしかして今のタマモの容姿って……。

 

「九尾の狐その物なの?」

 

「帝に取り入った時の姿ね。あーやだやだ、私って感じじゃなくて本当に嫌」

 

自分の身体なのに自分じゃないことに嫌悪感を抱いているタマモはやだやだと手を振りながら、私達に背を向けた。

 

「タマモ。何処行くんだ?」

 

「私の顔じゃない私をあんたに見せてるのが嫌なのよ。暫く紫の異界に引っ込んでるわ。元に戻ったら帰ってくるから探さないでちょうだい。紫、障子開いて」

 

「はーい」

 

九尾の狐の顔で横島君のそばにいるのが嫌だという理由で異界へと向かったタマモ。タマモはタマモなりの美学があるのは勿論だけど、九尾の狐が横島君の家にいる危険性を考慮してくれたのだろう。

 

【あやつは気難しいからの】

 

【そのうち帰ってくるから心配はないですよ。主殿】

 

「う、うん、それなら良いけど」

 

マスコットを抱き抱えながら障子に飲み込まれて消えていくタマモをジッと見つめている横島君を見て咳払いをする。

 

「あ、は、はい!なんですか、美神さん」

 

「とりあえず身体には害はないみたいだから、そこまで心配はしなくて良いわ。とりあえずもう1度あのはた迷惑な自称精霊を探しに行くから横島君はダウジングで指示を出してくれる」

 

「え、横島を置いて行くんですか!?」

 

シズクと清姫という捕食者の前に子羊である横島君を残していくことに不安を感じている様子の蛍ちゃんだけど、私も馬鹿ではないのでそこはちゃんと考えている。

 

「帰ってきたモグラちゃんの寝床にパモさんの寝床の準備もあるでしょ?横島君はそっちの準備をしながらダウジングをしてくれれば良いわ」

 

人化を習得して横島君の家に帰ってきたモグラちゃんとパモさん。それに紫ちゃん達がいるので横島君が捕食される心配はない筈だ。

 

「とりあえず早いところあの傍迷惑なやつを拘束する必要があるからそっちが優先よ。行くわよ、蛍ちゃん、おキヌちゃん」

 

早いところあの問題児を捕獲しない事には琉璃の胃痛もマッハだし、早く壊滅の目処を立てるのを最優先にすべきと考え横島君のダウジングを下に捜索に再び乗り出したのだが……。

 

「胸が、胸があるッ!」

 

「背が伸びたぁッ!」

 

年齢の割りに背が低い、胸が小さいという悩みを抱えていた女性達があの傍迷惑な自称精霊によって救済(?)されたらしく、泣き崩れているのを見てなんとも言えない表情を私は浮かべた。

 

「……私も胸大きくなりますかね」

 

「ワンチャンあるかな……」

 

「蛍ちゃん、おキヌちゃん!?」

 

あの傍迷惑な自称精霊に胸を大きくしてもらえないかなと呟いている2人に頭痛を覚えることになるのだが、デリケートな問題すぎて2人を叱ることが私には出来ないのだった……。

 

 

 

~清姫視点~

 

横島様に子供扱いされない年齢まで成長出来たのは私に取っては非常に好都合でした。普段の姿では少しおしゃまくらいで流されていましたが、横島様よりも年上のこの姿ならば、私の横島様の褄になるという目的を成し遂げる事も可能になるのですが……。

 

(間違いなくシズクも同じ事を考えている)

 

美神達がさっさと出て行ったのは私とシズクを互いに監視させるためだ。どちらかを出し抜こうにも実力行使をしようものならば牛若丸と信長がいるので止められる。そして紫やリリィ達にチビ達がいるので横島様はそちらに付きっ切りになるので襲うチャンスもないと……動きたくとも動けない状況だ。

 

「パモ~」

 

「これ?パモさんはこれが良いの?」

 

「パモッ!」

 

「んじゃはい」

 

「パモパモ」

 

パモさんが横島様の古着を受け取り、それを抱えたパモさんはソファーの後へと歩き出す。

 

「お兄様見てください。パモさんが住処を作ってますよ」

 

「破いたりしてないのに器用だなあ」

 

【可愛いです!】

 

ソファーを覗き込んでいる横島様の姿の方がよっぽど可愛いと思ってしまう。

 

【襲えば首を刎ねますからね?】

 

「そんなことはしませんわよ?」 

 

今はと小さく付け加えて万歳をするとパモさんの住処作りの観察を終えた横島様達が振り返った。

 

「「【何してるの?】」」」

 

「なんでもありませんわ」

 

横島様達になんでもないと返事をしながら、右手をギュッと握り締める。

 

(これはちょっと不味いですわね)

 

私達を成長させてくれたあの謎の自称精霊はどうも、性的欲求まで刺激してくれたようでじんわりと身体が熱くなるのを感じる。

 

(今は我慢ですわね)

 

夜を待てばチャンスはある。それまではジッと大人しくしていようと思う。

 

「うきゅー」

 

「ふっふっふ、ちゃんとモグラちゃんの籠は補修してあるぞ」

 

「うきゅーん♪」

 

自分のベッドが綺麗になっているのを見て満足そうにないているモグラの姿に子供は素直で純真で良いですわねと笑う。

 

「……横島を襲うとするなよ。あいつにはまだ早い」

 

「はいはい、分かっていますわよ」

 

夜になればチャンスはあるが、どうやってシズクを出し抜くかが重要になりそうですわねと思いながらソファーに腰を下ろす。

 

「ピー!」

 

「なんだー、遊んで欲しいのか、ピー助」

 

「私は遊んで欲しいですわ!」

 

「わっととッ!もー紫ちゃんは悪戯っ子なんだから」

 

悪意無く、そして疑いも無く、穢れのない横島様の純粋な姿を見て笑っているとチャイムの音が鳴り、少し送れてリビングの扉が開いた。

 

「なんか変態に変なビームを喰らったんで少し匿ってくれませんかね、横島」

 

「カーマちゃん神魔なのに駄目だったの?」

 

「駄目でしたね。なんなんです?あの合法ロリを救うフェニックスって」

 

愛の神カーマが勝手知ったる他人の家と言わんばかりに寛ぎ始めますが、その目に怪しい色が灯っているのを見て、今の大人の状態で勝負をつけなければならないと私は焦りと共にそう理解するのでした。

 

 

 

~カーマ視点~

 

 

神にも影響を与える訳の分からない人間でも、幽霊でもない奴に襲撃を受けて意図的に子供の姿で過ごしていたのに大人の姿にされた私はそのまま横島の家にやって来ていた。

 

「本っとう迷惑な話なんですよ。大人の姿でいるとカーマってバレてアホな神魔がちょっかいを掛けてくるんですよ」

 

「それは大変ですね。お饅頭ならありますけど食べますか?」

 

「貰います」

 

横島が饅頭を食べるかと尋ねてくるので勿論食べますよと返事を返し、リビングを見回す。

 

「龍神様でもやられましたか」

 

「かなり早かったですわね」

 

「……合法ロリを救うっていう概念みたいな奴だからな」

 

【まぁ霊基のコントロールがしやすくなってワシとしては良いと思うぞ!】

 

英霊と龍神であっても影響を受けるとか、本当に訳が分からない。

 

「……なんで横島の家に来た?」

 

「ここが1番アンタッチャブルで安全だからですよ」

 

魔人姫に明けの明星が入り浸る横島の家にちょっかいを掛けようなんて神魔は早々いない、隠れるならココが1番安全だと判断したのだ。

 

(嫌な事を思い出しましたし)

 

私はこの姿の時にシヴァに焼かれた。大人の姿にされるとどうしてもそれを思い出して嫌な気持ちになる。横島はシヴァにも強く出れる唯一の人間なので、横島の所ににいるのが安心だと思っただけで、特に特別な理由なんてない。

 

「というか少し来ない間に大変な事になってません?」

 

「パモ?」

 

「私の事を言ってます?」

 

「そうに決まってるでしょう」

 

ピンク色の魔獣に、九尾の狐の気配を持つ幼女が1人……いや、これは……。

 

「御同輩ですよね?一応」

 

「今は違いますよ。私はちゃんと神のカーマです、英霊のカーマとは違いますよ」

 

「なーんだ残念。人類悪の仲間と思ったんですけどねぇ」

 

座に記録された私は人類悪に近い存在に定義されているが、今を生きている私は人類悪ではないので仲間扱いは困る。

 

「人類悪だったんです?」

 

「別側面がです。私じゃない私なので私は無実です~」

 

「……別にどっちでも良い。今は敵でも味方でもないで構わない」

 

【いや、こいつチョロイぞ、絶対】

 

「チョロイって言われるのは凄く不満なんですけど?」

 

私は愛の神、恋愛に関しては他の誰よりも優れていると断言出来る。だからチョロイ訳が……。

 

「だからシヴァがあれやこれやって遠回しに言ってくるんですよ、最悪なんですよ」

 

「志波さん性格悪いですね、また困ったことがあったらいってくださいね。志波さんなら俺で何とか出来ますから」

 

「そうなったら頼りにしますね」

 

なんか何時の間にか横島に膝枕されながら愚痴っていたけど、私は絶対にチョロクないと思うんですよね。なお横島に膝枕されつつドヤ顔してるカーマを見てシズク達は語るに落ちたなという顔をしているがカーマは全くそれを気にした素振りを見せず、横島の膝の上でゴロゴロしているのだった……。

 

 

 

~横島視点~

 

ダウジングを続けたが、結局全ての合法ロリを救うフェニックスを捕捉する事が出来ないまま、あの怪人は東京を離れてしまい、北海道の方に向かっているのが分かったので北海道のGS協会に連絡し、全ての合法ロリを救うフェニックスの追跡は断念する事になった。結局骨折り損のくたびれ儲けで、ダウジングを続けていた事とシズク達が大人になっていた事が精神的疲労に繋がったのか珍しく1人で就寝する事になった。チビ達が近くにいないので中々寝付けないと思っていたが、疲労の蓄積もあり自分で思うよりも早く眠りに落ちた……。

 

「んがっ」

 

気持ち良く寝ていると腹にずしっとした重みを感じ、紫ちゃん達か、うりぼーかモグラちゃんがベッドに潜りこんだのかと思い、うっすらと目を開き……。

 

「しず……もごッ」

 

俺の腹の上に座っていたのは紫ちゃんでも、うりぼー達でもなく、半裸のシズクで叫び声を上げそうになるがそれよりも早くシズクに口を塞がれた。

 

「……もう少し後にしようと思っていたが……他の奴に出し抜かれそうだからな、もう食ってしまおうと思ってな」

 

長い舌を口から少しだけ出し、上着を羽織ってるだけでその間から見えている白い肌と、大きく膨らんだ胸に視線が奪われる。

 

「……お前もその気で何より」

 

「むぐむぐう」

 

「……そう恥ずかしがるな。それに性交は霊能者としての嗜みだ。経験しておいたほうがお前にも良いだろう」

 

シズクが僅かに羽織っている服を脱ぎ捨てようと手を服に掛けようとした時俺の部屋の扉が開いた。

 

「横島様。貴方の清姫……あっ」

 

「……あっ」

 

「あ……ッ」

 

シズクと同様の半裸の清姫ちゃんが俺の部屋に入ってきて、俺に馬乗りしてるシズクと俺を見て、その顔を般若へ変えた。

 

「何をしてるんですかシズクッ!」

 

「……ちいっ!」

 

「まっ!」

 

清姫ちゃんが炎を打ち出そうとし、シズクがそれに応戦する為に水を作り出したのを見て待ってと叫ぼうとしたが俺の制止は間に合わず、火炎弾と水球がぶつかり合い凄まじい爆発が俺の家を物理的に揺らし、俺の家は半壊するのだった……。

 

 

 

リポート22 どらごんぱにっくぅ その4へ続く

 

 




夜這いしていたシズクと清姫が鉢合わせし、横島の家が半壊しました。考えている事は同じだったので、シズクが先か、清姫が先かなだけで横島の家が半壊するのは決まっていた結末でした。それと全壊しなかったのは結界や様々な防護手段が施されており、普通の一軒家より遥かに頑丈だったからですね。これで引越しイベントへ繋ぎつつ、次のドラゴンパニックへと繋げていこうと思います。
完全大破をま逃れたのはご都合主義ですが、小説ということで広い目で許していただけると嬉しいです。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします。
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