GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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その5

リポート22 どらごんぱにっくぅ その5

 

~蛍視点~

 

半壊した横島の家から比較的無事な家具や生活雑貨をダンボールにつめながら思わず溜息を吐いた。

 

「これ百合子さんになんて説明すれば良いと思いますか?」

 

「不慮の事故って説明するしかないと思うわね……」

 

「それで納得してくれると思います?」

 

「無理」

 

即答する美神さんにそうですよねーっと相槌を打った後に溜息を揃って吐いた。

 

「なんで神魔が色ボケするんですかね?」

 

「龍だからじゃない?あと蛍ちゃんを含めて全員へたれるから」

 

「「「ぐっふ……」」」

 

美神さんの一言は私だけじゃなくて手伝いをしてくれていた何人かにも飛び火するが、美神さんはそれを気にした様子も見せず自分が纏めた荷物を持ち上げる。

 

「とりあえず1回戻りましょう。ルイさんがまたなにかするのが怖いから」

 

横島の生活拠点を作ってくれたルイさんには感謝している。だけどあの大豪邸だと次に横島が考えるであろうことが分かってしまう。

 

「魔界の魔獣が移住してきたらどうします?」

 

「止めて、考えるだけでも胃が痛くなるから止めてお願いだから」

 

「というか前に横島名前考えてましたから絶対使い魔になりますわよ。魔界の魔獣」

 

くえすの言葉に琉璃さんはてきぱきと荷物を纏めると荷物をつめたダンボールを持ち上げた。

 

「はやく、1秒でも早く横島君の所に行きましょう。その後私は監視するから」

 

見たことのない表情をしている琉璃さんの勢いに思わず頷いて私とくえすも荷物を持ち上げたけれど……。

 

(なんかもう手遅れのような気がする)

 

(奇遇ですわね、私もですわ)

 

霊感が囁くなんて言葉では片付けられないほどの嫌な予感を感じながら荷物を詰め込み、横島の新しい家へと向かったのだが……。

 

「「「「【アルビオン!】」」」」

 

「「「なんでそんな名前をつけちゃうのッ!?」」」」

 

白銀に輝く鱗を持つドラゴンの幼生に輝く笑顔でアルビオンと名前をつける横島達の姿に思わず私達はなんでそんな名前をつけるのと叫んだ。名は体を現すというが、それが霊能者である横島とドラゴンでは本当にそのその通りになってしまってもおかしくない。

 

「あ、おかえりなさい。見てくださいやっと卵が孵化したんですよ!名前はアルビオンにしたんです」

 

「みゅー♪」

 

キラキラと輝く目でアルビオンと名付けたドラゴンの幼生を見てくださいと駆け寄って来る横島が悪いわけではない。ずっと大事にしていた卵が孵化して、名前をつけただけで……。

 

「なんでアルビオンなんて知っていたの?」

 

「え?あールイさんが子供に読み聞かせしてあげると良いって本を持って来てくれたんですよ、なんか最強のドラゴンらしいですよね?それくらい強くて、あと可愛いドラゴンになると良いなあって思って」

 

あの野郎やりやがった……絶対確信犯だ。私達を困らせるのと、横島に戦力を与えるって意味でアルビオンの事を教えたと私は確信した。

 

「お兄様!お兄様!私も抱っこしたいですわ!」

 

「ん、分かった。アル、紫ちゃんが抱っこしてくれるって」

 

「みゅ!」

 

「よいしょ、思ったより軽いですわ!アル。皆と遊びましょうね」

 

「みゅうー♪」

 

尻尾を左右に振りながら紫ちゃんに抱っこされて連れて行かれるアルビオンを霊視して、思わず呻いた。

 

(いやいや、やばいって……)

 

大きさは小型犬くらいで、紫ちゃんでも抱っこ出来るくらいの大きさだが、その身に宿している竜気はどう見積もってもAクラス。流石幻想種の最上位というレベルだ。

 

(でもとりあげるの無理ですわね)

 

(絶対反発するわね)

 

(どうしようかしら)

 

アルビオンにはなんらかの措置を取らないと人間界で暮らすのはまず無理だが、どうやって横島からアルビオンを取り上げるかと考えていると横島が子犬の育て方と書かれた本を持ちながら私達に尋ねて来た。

 

「子犬って生まれた後は予防接種とか大事なんですよね、ドラゴンの予防接種ってどこで受けれますか?」

 

「私は魔界で受けれると思うんだが、美神達からブリュンヒルデかヒャクメに話を聞いてくれないか?」

 

ドラゴンと子犬を同じ扱いをするのは流石に無理があるが、予防接種という名目は好都合だった。

 

「そうね、ブリュンヒルデに話をしてみるから後で予防接種をして貰いましょうか」

 

「はい!あ、後で良いんですけど琉璃さん。アルビオンの使い魔登録よろしくお願いします」

 

「……うん、分かったわ」

 

琉璃さんの胃痛が更に加速する事になったが、とりあえず神魔やGSとかのやっかみを避ける為の措置が出来るだけでも今は十分だと判断した。

 

「横島荷物を持ってきましたわよ。とりあえず今日は食器と布団だけでも荷解きしたほうが良いですわよ」

 

「あ、はい。分かりました。えっとご飯は……」

 

「それは後で皆で買いに行けば良いわ」

 

とりあえず荷解きとこの家の結界の強化とやる事は沢山あると話をしながら横島達がこの屋敷で暮せるように私達は手分けし、作業を始めるのだった……。

 

 

~小竜姫視点~

 

 

美神さんからアルビオンが新生したと聞いた時は何かの冗談と思った。というか、冗談であって欲しいと思ったんです。だってアルビオンですよ?龍族の中でも最上位、人の姿を取らず龍として君臨し続けた西洋龍の首領とも言えるアルビオンが日本で新生したなんて本当に悪い冗談としかいえない事態だ。

 

「ふみゃあー!ふみゃあー!!」

 

「はーい、はい、暴れない。あ、すいません。ブスっとやってください」

 

「あ、はい、分かりました」

 

「ふぎゃあああああッ!!」

 

人間界で暮す上での予防接種の注射をされて絶叫してる小型犬くらいの大きさのドラゴンがアルビオン……冗談か、見間違い、勘違いであって欲しかったんです。だけど私の隣で物凄く震えているヒャクメを見れば勘違いでも冗談でもなく、今横島さんが抱えているドラゴンがアルビオンであるという証明だった。

 

「みゃああああ!!」

 

「ごめんごめん、でも人間界で暮らすのに必要なことだからな?ほら。おやつ」

 

「みゃ♪」

 

おやつで機嫌を直すアルビオンなんて見たくなかった。横島さんが口元に向けたジャーキーをハグハグと食べてるアルビオンを見ながらこれどうやって報告すれば良いのかと私とヒャクメは頭を抱えた。

 

「ぴぎいーッ」

 

「予防接種しないと駄目なんだよ。そんな顔をしないでくれよ~うりぼー」

 

「ぷぎゅー!!」

 

「ごめんって言ってるだろー?それとも異界でずっと暮らすのか?」

 

「ぴぎゅ……」

 

「な?大事なことなんだよ。ほら、林檎」

 

横島さんの手の上のりんごを咥えて歩いていくうりぼーを見て、私は思わずヒャクメに視線を向けた。

 

「今会話してませんでした?」

 

「してたのねー」

 

今間違いなく横島さんはうりぼーと会話をしていた。その光景に絶句していると逃げようと暴れているチビを抱えた心眼が私に視線を向けた。

 

「会話していませんよ。小竜姫様、ヒャクメ」

 

「でもいま会話を」

 

「会話は出来ないです。でも何かを言ってるのはなんとなく理解できるようになったらしいですよ?意思疎通はまだ見たいですけど」

 

「みむーみむうううう!」

 

「今度チビの番な。おねがいしまーす」

 

「みぎゃあああ!」

 

暴れているチビを押さえ込み、お願いしますと頼み。頼まれた獣医が予防接種の注射を刺して絶叫するチビの姿を見て回れ右をしようとした天竜姫様の肩を掴んで止める。

 

「チビ達が終わったら天竜姫様の番ですからね?」

 

「……どうしても?」

 

「横島さんの家に行けなくて、異界にも魔界にも横島さんが来てくれなくても良いのなら構いませんけど」

 

「うー打つ……」

 

チビ達の予防接種の後は天竜姫様達の番なのだが、チビ達の悲鳴に完全に怯えてしまってるのを見て予防接種は長引くと思ったんですけど……。

 

「うーうー」

 

「ほらちゃんと手を握ってて上げるから」

 

「うー……ッ」

 

横島さんに手を繋がれているだけで殆どの子供達が素直に予防接種を受けてくれ、打ち終わった後に抱っこして貰ってお菓子を貰えばある程度は機嫌を直してくれていた。

 

「今度から横島さんに頼みましょう」

 

「それが良いのね」

 

新生した神魔の予防接種は天界か魔界の正規軍を呼ばないと上手く行かないのだが、横島さんがいれば素直に注射を打ってくれてるなら今度から横島さんを助っ人に呼ぶ事を真剣に考慮するべきだと思った。

 

「お、おに、お兄ちゃん……」

 

「大丈夫大丈夫、すぐ終わるから」

 

「う、ううう、うん!」

 

いつも逃げ回って大変な事になるアリスちゃんも素直に予防接種の順番を待っているのを見て、絶対に横島さんの力を借りるべきだと思った。普段なら魔法が飛び交い、魔獣に飛び乗り、逃げ回る地獄絵図のような例年の予防接種を思い出し、絶対にこれは会議になってでも押し通すべきだと確信した。

 

【お兄さん、嫌なんですよ】

 

「リリィちゃん我慢しような。すぐ終わるから」

 

【うーやっぱり嫌ですー!】

 

「どうどうどう。落ち着いて、すぐ終わるから終わったら遊べるから」

 

【うーうー】

 

リリィが我慢し、注射針が腕に刺さるその瞬間だった。爆発的にリリィの霊力と魔力が増大したのは……。

 

【や、やっぱり嫌ですぅぅ!!!】

 

「へ!?」

 

【あいたあ!?何!?何が起きてるの!?】

 

「じゃ、ジャンヌさん!?」

 

【え!?私がもう1人!?】

 

リリィの姿が輝きリリィとジャンヌ・オルタに分かれるその光景を見た私は考える事をやめた……。

 

 

 

 

~横島視点~

 

リリィちゃんがジャンヌさんと2人に別れた。またジャンヌさんに会えたというので嬉しいのと、泣きそうになるのと、自分でも制御出来ない感情に完全に停止しているとジャンヌさんが人差し指を俺に向けてきた。

 

【横島!】

 

「は、はい!なんでしょう!?」

 

【眼魂を!】

 

その鋭い口調に思わず敬語で返事を返すとジャンヌさんが眼魂を欲しいというのでジャンヌ・オルタ眼魂を差し出すとジャンヌさんの姿はその中に消えた。

 

「えっえ!?」

 

【まだ霊力も魔力も完全じゃないのよ、それなのに無理矢理復活させられたから調子悪いの。眼魂の中で回復させてもらうから、あ、後話くらいは聞いてあげるけど、本調子じゃないからあんまり何度も話しかけないで、負担になるから】

 

「わ、分かりました」

 

【よろしい、じゃあ遊んであげなさい】

 

その言葉を最後にジャンヌさんは沈黙してしまい、俺はジャンヌ・オルタ眼魂を握り締めたまま心眼に視線を向けた。

 

「これはあれかな。酒呑ちゃんとかと同じ?」

 

「だろうな。とりあえず休ませろと言うのだからその通りにすれば良い。いつでも話が出来るのだから焦ることもないだろう」

 

心眼のいう通りでこれからジャンヌさんと話が出来るのなら、今無理をさせて話をすることもないと判断し、俺はジャンヌ・オルタ眼魂をポケットの中に戻した。

 

「今の何?ジャンヌのお姉ちゃん?」

 

【えっと、良く分からないです】

 

「幽霊だった?」

 

ジャンヌさんの姿に困惑しているアリスちゃん達の姿を見ながら俺は手を叩いた。その音に気付いたアリスちゃん達が顔を上げ俺に視線を向けてくる。

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃん!さっきの人誰?」

 

「リリィのお姉ちゃん?」

 

「んーそうだね、リリィちゃんのお姉ちゃんだけど調子が悪いみたいだから今度遊んでくれるって、だから今日は俺と遊ぼうか」

 

「「「「はーい!!」」」

 

元気良く返事を返すアリスちゃん達の姿に思わず笑った時、1人見覚えのない少女がいる事に気付いた。

 

(あれえ?あんな子いたっけなあ……?)

 

兎のぬいぐるみを抱えた金髪の少女の姿にどこかで見たようなと首を傾げる。

 

「早く遊ぼうよー!」

 

「あたいね!滑り台が良い!」

 

「フランはブランコ!」

 

「ふかふかー!」

 

「ぷーぎゅ!」

 

【ノブノブー!】

 

その少女の事がどうしても気になり手を伸ばしたが、俺の手がその少女に触れる前にアリスちゃん達に遊ぼうと囲まれその少女の姿を見失った。

 

「そうだな、注射も我慢したし遊ぼう。まずはうん、滑り台に行こうか」

 

「やった!横島!肩車!」

 

「とっと……良し、行こう」

 

遊んでいるうちにあの子も見つかるだろうと思い、肩車と言って飛び乗って来たチルノちゃんを肩に乗せ、アリスちゃんとフランちゃんと手を繋いで滑り台の元へ向かって遊び始めたのだが、夕暮れ時になっても俺は兎のぬいぐるみを抱えた少女を見つけることが出来ず、アリスちゃん達に尋ねたが、そんな子はしらないと言われて心底困惑する事になるのだった……。

 

 

~邪ンヌ視点~

 

注射がイヤすぎて高まった霊力によって復活するという予想外の方法で具現化したが、完全に霊力も何もかも枯渇していて眼魂の住人になることが決定したが、まぁそれはそれで良いとさえ思っていた。こうして具現化さえ出来れば横島の手助けも十分に出来る。

 

【あんた、殺されたいの?アビゲイル】

 

「あら、魔女のお姉さん。お久しぶりね」

 

眠っている横島に手を伸ばそうとしていたS……アビゲイルの首に剣を突きつけながら警告する。だがアビゲイルはそれでも笑みを崩す事は無く、私に微笑みかけて来た。

 

「貴女はそちらに付くの?」

 

【私は横島の味方よ。あんたにも、美神達にもつかないわ】

 

私は横島の味方であると決めたのだからそれ以外に協力するつもりはないというとアビゲイルはころころと笑いながら転移し、私の後ろを取った。

 

「良いわ、魔女のお姉さんはくえすと同じ位信用できるから今は何もしない」

 

【今はってことは何かするつもりなのね?】

 

私の問いかけにアビゲイルはにっこりと微笑んだ。

 

「私じゃないけどガープもレクスも動くわ。その結果次第では動くとだけ言っておこうかしら、こわーい時の魔神と蛇が動いてるからね」

 

時の魔神と蛇……私の知らない言葉を口にしたアビゲイルは溶けるように消え去り、捕まえようとした手は宙を切り、私は横島の寝ているベッドの隅に腰を降ろした。

 

【あんた本当に世界に嫌われてるのか、好かれてるのか分からないわね】

 

どう足掻けば、どう頑張れば横島の結末を変える事が出来るのだろう?レクスやアビゲイル達もその為に動いているが、動けば動くほどに蟻地獄のように抜け出せず悪化していく……世界に嫌われてるのか、それとも好かれているのか……それとも……。

 

【宇宙になんか目覚めないでよ、馬鹿】

 

紡いだ物を総べて燃料として燃やし尽くして、ただ1人だけ残り、自分を忘れた全ての者の平和と幸せを願う……横島をそんな自己犠牲の塊である白銀の救世主になんかしたくない。それだけが私の願いであり、自分の存在を懸けて覆すべき未来なのだ……。

 

 

リポート23 ユニコーン捜索大作戦 その1へ続く

 

 




オルタ(弱体化)で復活参戦でどらごんぱにっくは終了です。次回ももう1度ほのぼのを挟んでシリアスに入って行こうと思います。
そしてユニコーン捜索ということで新しいマスコットが顔を見せるかもしれないので、どうなるのか楽しみにしていてください。
それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。


Sエレシュキガルガチャは280連でエレちゃん来ず

福袋はサマー2でレディアヴァロン×3

と偏りが凄まじかったです。
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