GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

145 / 157
リポート23 ユニコーン捜索大作戦
その1


リポート23 ユニコーン捜索大作戦 その1

 

~蛍視点~

 

GS協会からの依頼……いや正確には琉璃さんを経由しての神代家からも依頼に向かう為に横島を迎えに来たのだがそこで私は信じられないものを目にした。

 

【ここが龍脈でなあ、霊力の回復にはバッチリや】

 

【そうみたいね。ありがと】

 

【別に気にせんでええよお】

 

酒呑童子がプールベッドに寝転がりながら日向ぼっこしているのはまぁ良い。横島の家でも良く見た光景だからだ。だけどその隣の人物というか英霊は問題だった。

 

「ジャンヌ・オルタ?」

 

ラフな服装をしているが紛れもなく、その英霊はジャンヌ・オルタだった。

 

【ん?なんだ蛍か。何?私がいたら悪い?】

 

「い、いや悪くないけどなんで」

 

【リリィの奴が注射が嫌いって叫んで魔力とかを放出したせいでね。無理矢理具現化しちゃったのよ。まぁ消え掛けだから好き勝手動けないけど】

 

そう言ってジャンヌ・オルタが持ち上げた右足は膝から下が透けていて、英霊であるはずなのに幽霊に近い印象を受けた。

 

【というわけだから私はまだ戦えないから、横島に無茶させるんじゃないわよ】

 

「分かってる。まぁ依頼は依頼だけどピクニックみたいな物だし、そう心配しなくて良いわよ」

 

神代家で育てているユニコーンが隕石落としの際に行方不明になっており、その目撃情報があった山へ捜索へ行くだけの簡単な仕事だ。

 

【ゆにこーんって男は嫌いなんやろ?】

 

「そ、だから使い魔も増えないし、山の中だけど原っぱとかもあるし、横島には丁度良いと思ってね」

 

パモさんとアルビオンと使い魔が2匹増えているので、その登録が終わるまで東京を離れていたほうが横島にもパモさん達にも安全ということで今回の依頼を美神さんが引き受けたのだと説明しながら屋敷の中へ足を踏み入れる。

 

「お手」

 

「みゅ!」

 

「賢い!よーしよし、良い子だ」

 

「みゅー♪」

 

リビングでアルビオンにお手を仕込んでいる横島には正直絶句したが、特別扱いせずに普通に接しているのが横島らしいと思った。

 

「横島」

 

「ん?蛍。どうかした?」

 

「仕事。行方不明のユニコーンの捜索よ、2~3日掛かるかもしれないから泊まりの準備をしてくれる?」

 

当然のように返事を返して部屋へ駆けて行く紫ちゃん達の姿に苦笑する。

 

「駄目じゃないの?」

 

「ううん、今回はあげはも連れて行くわ。ちょっとしたピクニックみたいな物だから心配ないわよ」

 

そう簡単なレクリエーションのような仕事だと私も美神さんも琉璃さんも思っていたのだ。まさかユニコーンが目撃された場所であんなものが潜んでいるなんて誰も夢にも思っていなかったのだから……。

 

 

 

 

~美神視点~

 

琉璃からパモとアルビオンの使い魔登録が終わるまで東京からはなれたほうが良いという事で貰ったユニコーン捜索依頼。ユニコーンは清らかな乙女にしか懐かないので横島君がいても問題が無く、そして近くに温泉や、レジャー施設もあり本当に気分転換を兼ねた楽な依頼だ。

 

「パモさん可愛いでちゅ!」

 

「パモ!」

 

あげはちゃんは初めて見るパモさんにメロメロで膝の上に乗せて頭を撫で繰り回していた。パモさんはかなり力任せに頭を撫でられているが、しょうがないなあっという感じでなすがままになっている。

 

(賢いわね、流石は群れのリーダー)

 

魔界では20~40頭の群れで活動する電気鼠の一種がパモさんの種族だ。魔獣としてのランクは中の下から中の上。電気を扱い、魔獣にしては珍しいヒーリングが使える種族だ。その電気鼠の本来の色は鮮やかなレモンイエロー。だけどパモさんはピンク色で色違い個体であり、本来は爪弾きになっていてもおかしくないのに群れのリーダーをしていた事を考えれば強さだけではなく、賢さも秀でていたのだろう。

 

「みゅー……」

 

「車は怖いですか?」

 

「みゅー」

 

「慣れてないと怖いみたいだな」

 

【ドラゴンでも怖い物があるんですね】

 

「……以外ですの」

 

最強のドラゴンの転生体の疑いがあるアルビオンは車のエンジン音とガソリンのにおいが嫌なのか横島君の膝の上で丸くなって顔すら上げない。その隣ではチビ達が普通にへそ天して寝てるけど……生まれてたったの3日だ。人間社会の道具になれるまではかなり時間が掛かるかもしれない。

 

「それでくえす、いなくなったユニコーンって全部で何頭?」

 

「雄が2、牝が4匹だそうですわね」

 

「となると子供も居るかもしれないですね」

 

「そうね。そうなると結構面倒かも……ユニコーンの子供って私見たことないのよね」

 

ユニコーンは成体になるまではユニコーンとは思えない姿をしているというのが通説だ。事実子供を産んだユニコーンは魔法で姿を隠してしまい、ユニコーンを育てている神代家でもユニコーンの赤ちゃんは見たことが無いらしい。

 

「どんな姿をしてるんですかね?やっぱり馬ですか?」

 

「全然違う姿をしてるかもしれないわよ?何百年も発見されてないし」

 

子供の内のユニコーンを捕まえれば凄まじい額で売れるし、大人になるまで育てれば角を切り落として安定した収入を得ることも出来る。

だから常に密猟者に狙われているユニコーン。その幼生は一体どんな姿をしているのだろうか?という好奇心はどうしてもある。

 

「案外横島さんが見つけたりして」

 

おキヌちゃんがそう言うが私達は声を揃えてそれはないと断言した。

 

「ユニコーンは男嫌いだから絶対に無いわ」

 

「ええ、そんな事があったら魔獣学の歴史が変わりますわよ」

 

「そうそう、絶対に無いって」

 

例えユニコーンの幼生だったとしても男に懐くなんてことは絶対に無いと笑い合う。

 

「お兄様、見てください!珍獣ウマゴンっていうのがいるらしいですよ!」

 

「へー見つけれるかな」

 

【お兄さんなら見つけれると思いますよ】

 

「……ウマゴン……どんな魔獣ですの?」

 

パンフレットを見てきゃっきゃっとはしゃいでいる横島君達の声を聞いて、私は無言で助手席のくえすに視線を向けた。

 

「……あった、これですわ。身長約30~50Cm。二足歩行の馬型の珍獣」

 

「「「……」」」

 

パンフレットにこれが珍獣ウマゴンだっ!と噴出しと共にデフォルメで書かれている緩きゃらを見て私達は黙り込んだ。

 

「無いわよね?」

 

「無いに決まってますわよ」

 

「無いですよ、うん、無い無い」

 

「で、ですよねー!」

 

まさかユニコーンの幼生がこんな可愛いか、可愛くないかよく分からない珍獣な訳が無いし、仮にそうだとしても男の横島君の所にはこないだろう。いや、お願いだから来ないでと思いながら私は運転しているバンのハンドルを強く握るのだった……。

 

 

 

~横島視点~

 

行方不明のユニコーン捜索の依頼である。逃げ回り、隠れる術に長けているユニコーンを見つけるのはかなりの難易度であり、長期戦になると美神さんに聞かされてきたユニコーンが目撃された山は氷室神社がある山と同じ位に綺麗な山だった。

 

「普通にキャンプ場とかもありますね、それにアスレチックも」

 

ただ自然と一体になるようにキャンプ場やアスレチックなどもあり、想像していたユニコーンが潜んでいる山とは大分違っていた。

 

「ユニコーンが逃げ込んで来ただけだからね。普通にレジャー施設なのよ、ただユニコーンがいるのは人が踏み入らない山奥だと思うけどね」

 

「そこら辺は横島のダウジングに任せるとして、それで美神。宿泊はどちらですの?」

 

「コテージを借りてるからチェックインしてからとりあえず様子見で捜索に出ましょうか」

 

到着したのが昼過ぎということもあり、本格的な捜索は明日からで、とりあえず捜索するための地図を作る為のフィールドワークが今日の仕事になりそうだ。

 

「パモパモパモー♪」

 

「ぱもー」

 

「ぱもーでちゅ」

 

【パモー】

 

「……パモですの」

 

パモさんを先頭にして原っぱを散歩している紫ちゃん達。

 

「シロと牛若丸で見ててくれる?ちょっと美神さん達と山の中を見てくるから」

 

「了解でござる!」

 

【お任せください!】

 

人狼のシロと山暮らしが長かった牛若丸なら紫ちゃん達が出回っても発見できると思い2人に頼んだ。

 

「ノッブちゃんは俺達と一緒で良い?」

 

【任せい、狩は得意じゃ】

 

まだ大人の姿のノッブちゃんに狩ったら駄目だよと注意し、俺達はユニコーンを探して山の中へと踏み込むのだった……。

 

 

横島達がユニコーンの捜索に山の中へ足を踏み入れた頃、神魔混成軍の駐屯地ではある騒動が起きていた。

 

「うわわあああんッ!神様が!神様がいなくなっちゃったんですううううッ!!」

 

「落ち着いて、落ち着いてください」

 

「ううううっ!神様ーッ!!」

 

新生の地に勤めている1人の巫女が新生した自分の祭神がいなくなったと大号泣しながら神魔混成軍に助けを求めていた。

 

「えっとエリンさん……え、エリンさん?」

 

「うううーエリンですよお」

 

泣いている巫女が自分の名前を口にした瞬間駐屯地は一気に慌しくなった。

 

「おい!早くワルキューレさんに連絡を取れ!それと今魔界にいるケルト系の神魔にもだ!」

 

「イギリス系にも声を掛けろ!これは大騒動だぞ!?」

 

「いつから!いつから祭神はいなくなったんです!?」

 

「朝だと思います……夜寝る前にはいたんですよぉ~朝ごはんの後に様子を見に行ったらもういなくて……えうえう……うう、神様の文字は読めないですよぉ……」

 

神様がいないと泣き崩れるエリンの手元には蹄だか、足だか分からないもので埋め尽くされた紙があった。恐らくそれが祭神の残した手紙だったが誰もそれを解読できる者はおらず、泣いているエリンと同じ位駐屯地の神魔も泣きたかった。

 

「確か狩猟神だったか?」

 

「狩猟と冥府の神よ、新生しているから弱体化してても上級確定よ」

 

「うわぁぁあああんッ!神様ああああッ!」

 

泣き続ける巫女エリンの周りでは泣きたいのはこっちだという顔をしながら神魔混成軍の兵士達がいなくなった祭神を見つける為にあちこちに連絡を取って捜索へ乗り出していた。

 

「ヌンノス♪」

 

「メルメルメー♪」

 

そして人間界へ出かけた祭神はある森の中でユニコーンの幼生に出会い、ユニコーンの背に乗って山の中を進んでいるのだった……。

 

 

 

「……今頃横島は遊びに出かけてるか」

 

「ですねー

 

妙神山で精神修養を兼ねて座禅をしていた清姫とシズクは揃って深い溜息を吐いた。

 

「「行きたかったなあ」」

 

依頼とは聞いているが内容を聞けば半分はレクリエーション。一緒に行きたかったと嘆く2人を監視していたロンは詰め将棋の本から視線を上げた。

 

「それでまた襲うのかの?」

 

「……いや、横島が無防備すぎるのが悪いと思う」

 

「鴨がネギを背負って鍋と調味料まで持ってる状態ですよ?」

 

「どうもまだまだ横島の家に帰るのは先になりそうじゃな」

 

大人の姿のままで欲望に忠実すぎる2人を見て呆れ顔で溜息を吐いたロンが将棋の駒を盤上に置いた音が妙神山へ木霊した。

 

「あのクソ精霊絶対殺す」

 

「ふかー?」

 

「凄い馬鹿な妖精がいたのよ、今度見つけたら絶対殺すから手伝ってくれたら横島に口利きするわよ」

 

「フカ!」

 

「モノ!」

 

「ヨギヨギーッ!!」

 

折角遊びに行けたはずなのにキチガイ妖精に大人、しかも自分の顔と違う物に変えられたタマモの怒りは凄まじく、復讐を誓うのと同時に横島の使い魔になりたい魔獣を手懐けて味方にしているのだった……。

 

 

 

リポート23 ユニコーン捜索大作戦 その2へ続く

 

 




ユニコーンの幼生と共にいる神……一体ナニヌンノスなんだ……とボケつつ、リポート23でした。マスコットや使い魔が増えないとフラグをたてまくっていた美神達。もうこの山に来た段階でそのフラグはぶちおられましたね。次回はロリっ子組みと横島の視点で捜索兼ピクニックを書いて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。