GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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その2

 

リポート23 ユニコーン捜索大作戦 その2

 

~紫視点~

 

ユニコーンという馬を探すのが今回のお兄様の目的ということで私達も協力する事になったのですが……。

 

「お兄様、本当にこっちですか?」

 

「んー?ダウジングだとこっちになってるんだけどなあ」

 

「蹄の跡とかはないがなあ」

 

【お兄さんのダウジングが外れるとは思えないんですけどね?】

 

皆で探しているのにそれらしい痕跡を見つけることは出来ませんでした。

 

「子供だから脚の力も弱いから足跡が残らないのかもしれないな」

 

心眼が痕跡が見つからない理由を教えてくれますが、やっぱり納得行かない部分がありますわね。

 

「みむう?」

 

「ぷぎゅ」

 

「……チビ達も難しい見たいですのね」

 

チビやうりぼーもユニコーンの気配を見つけるのが難しいのか困ったように鳴いていた。

 

「アリスちゃんがいたら楽かもしれないけどなあ」

 

「アリスも学校ですからね。無理には連れてこれないですわね」

 

ぐーちゃんなら同じ馬って事で見つけてくれたかもしれないですけど、アリスにはアリスの都合もあるのでそれは無理な話だ。

 

「慌てる事はないさ。かなりの数のGSが探しに来て見つけられなかったんだ。今日は周辺の立地を確認して、ユニコーンの気配を探しながら遊べば良い」

 

心眼の言葉に私達は思わずお兄様に視線を向けた。

 

「ユニコーンを見つけなくても遊んで良いんですか?」

 

「……お仕事が先じゃないんですの?」

 

「遊んでよいのか!?」

 

【遊んで良いなら私はあのロープで滑り降りるのがやりたいです!】

 

ここまで来るのに見たロープにぶら下がって山を滑り降りるのはリリィのいう通りとても楽しそうだった。

 

「いくでちゅ!遊ぶでちゅよー」

 

1番幼いあげはが遊ぼう、遊ぼうと言い出した事で私達も遊びたくなってきた。

 

「行きましょうお兄様!」

 

「……そこで何か分かるかもしれませんですのよ?」

 

【レッツゴーです!】

 

「はははは、うん。分かった。俺達は美神さん達とは別ルートで捜索する訳だし、聞き込みを兼ねてアスレチックエリアにでも行こうか?」

 

お兄様がアスレチックに行こうと言ってくれたので私達は笑顔で行くと返事を返してアスレチックエリアへと歩き出した。

 

「うきゅう?」

 

「みむ!みみむ」

 

「ぷぎゅー?」

 

「みッ!」

 

【のぶうー?】

 

「みむうう!みみ!む!」

 

尚横島がアスレチックエリアに向かって歩き出した後ではチビ達が少しもめていた。

 

「あれ?チビ達がいない」

 

「みむー♪」

 

横島の呼び声に甘えた声で返事を返したチビはその後に少しだけ小さく、強い声で鳴きうりぼー達と共に横島の後を追い始めた。

 

「ヌンノス?」

 

「メルメルメー?」

 

横島とチビ達の姿が見えなくなった当りで茂みから白いモフモフと馬が顔を出し、互いに顔を見合わせて数回鳴声を上げると再び茂みの中へとその姿を消した。チビだけがこの2匹に気付いていたがそれを横島に伝えておらず、うりぼー達は教えなくて良いのかと尋ねていたのだが、チビは結局最後まで首を縦に振らなかったのである。

 

 

 

 

~茨木視点~

 

あすれちっくとやらはどうも子供が遊んでも大丈夫なように作った砦のようなもので、子供騙しだと吾は思ったのだが……。

 

「ぬああああ……ッ」

 

「茨木下手ですわね」

 

「……運動音痴ですの?」

 

【イバラギン、ヘタッピ】

 

「どんどんいくでちゅよー♪」

 

紫達が木の棒の両端をロープで結んだだけの橋をするすると渡るのに対して、吾は足を滑らせて落ちてしまった。

 

「むうう」

 

「はは、これって結構難しいんだよなあ。わっとと」

 

横島もストンと落ちてきてねっと笑う。見掛けはただの橋なのに中々に難しい。

 

「お兄様、先に行きますわねー」

 

「……GOGOですのー」

 

【突撃ー♪】

 

落ちてしまったら最初からやり直しなので吾と横島はスタート地点に戻り、もう1度ぐらぐらとゆれる橋を渡り始めたのだが……。

 

「やっほーですわー♪」

 

「……ああああ――♪」

 

【早いですうううううッ!】

 

「うきゃー♪」

 

ぼーるが結ばれたロープに掴まり滑り降りていく紫達の楽しそうな悲鳴と後姿が見える。

 

「急ぐぞ横島!吾もあれやりたい!」

 

「じゃあ落ちないように慎重にな」

 

吊橋の紐をしっかりと掴んで吾と横島は慎重に橋を渡りきり、その先にあった紫達が滑って行ったロープの元へ向かう。

 

「しっかりと掴んでくださいね。後反対側に着いたら係員の指示に従って降りてください」

 

「はい、分かりました」

 

「分かったぞ!」

 

係員の女の注意に頷き、ボールの上に跨るとゆっくりと背中を押されて山の上を滑り降り始める。

 

「おおおおッ!?おおおおおおッ!?」

 

「は、はや!?おああああッ!?」

 

思った以上の速度に横島と揃って悲鳴を上げながら山を滑り降り、終着点の木の葉の海に飛び込んだ。

 

「わっはははは!面白いなこれ!」

 

「はーやべ……心臓がバクバクしてる」

 

「はい、ハーネスを外しますよー、この先にはもっと面白い物があるから楽しんでくださいね」

 

「うむ!行くぞ横島!」

 

はーねすとやらを外してもらってから横島の手を引いて再び山頂を目指して駆け上る。

 

「はっはー!この程度では吾は止まらんぞ」

 

「無理無理無理ぃ!」

 

「跳べ横島!」

 

「だから無理ぃ!」

 

無理と言いながらも吾と同じ様に切り株を踏み台にして跳び上がる横島。

 

「やれば出来るじゃないか」

 

「いや、俺人間だからね?限界はあるよ?」

 

「はっは、面白い冗談だな!」

 

冗談じゃないからという横島だが半分は人間を止めてる癖にと思いながら切り株を跳んで上へ上へと向かう。

 

「ッ!」

 

「♪」

 

【ノブ!】

 

何時の間にかチビッ子モードに変化していたうりぼーとモグラちゃんも楽しそうに切り株を跳ねている姿を見ていると急に横島が動きを止めた。

 

「む?どうした。どこか痛めたか?」

 

「あ。いや、違う。アルが起きたみたい」

 

「みゅー!」

 

朝全然起きなかったのでリュックの中に入れていたあるびおんが顔を出して元気良く鳴いた。

 

「全然おきなかったな、そいつ」

 

「うん。寒いのが苦手なのかもしれないな」

 

散歩に行くぞと声をかけたのだが全然おきなかったあるびおん。もしかすると寒いのが苦手なのかもしれないなと横島と話しながら山の上へと向かう。

 

「……あ、あああ……だ、大丈夫ですのよ?」

 

【めちゃくちゃ震えてますよ?ミィ】

 

山の斜面を利用した巨大滑り台の前で硬直してるミィとそんなミィを心配してるリリィがいた。

 

「あげはは行くでちゅよー!きゃーっ♪」

 

1番幼いあげはが歓声を上げながら滑り降りていくのを見て、吾も楽しそうだと思い少し前に進むと思ったよりも急斜面の滑り台が見えて、リリィとミィが尻込みしているのも分かった。一応怪我はしないように色々と準備されているが、少し滑り降りるには勇気がいる感じになっていた。

 

「リリィちゃん、ミィちゃん」

 

「……あ、横島。追いついたのですの?」

 

【お兄さん見てください!凄い滑り台です!】

 

そりを使って滑り降りる滑り台を見て興奮しているリリィと怯えているミィと対照的な2人を見ていると襖が開いて紫が姿を見せた。

 

「楽しいですわ!あ、お兄様!一緒に滑りましょう」

 

「あーうん。分かった。じゃあこの大きいそりでな」

 

紫がいるからこれは何度でも滑り台で遊べるなと思い、まずは吾1人で滑ってみるかと思いそりを手にする。

 

【イバラギン。一緒に滑りましょう!】

 

「うむ!これは面白そうだ!」

 

バラバラのそりで滑り台を滑り降りるが、ここに来るまでにやったろーぷよりもずっと早いそりに、吾とリリィは歓声を上げながら山の下まで滑り降りていくのだった……。

 

 

 

~横島視点~

 

 

紫ちゃんの襖で何回も頂上に戻りそりで滑り降りる事数十回。山を登りハーネスをつけて木の上からバンジージャンプの要領で飛び降りること7回。子供の体力は無尽蔵ということは分かっていたし、俺も体力がある方だと思っていたが流石に限界だった。

 

「1度休憩しよう。お弁当を食べてそこからまたお散歩しようか」

 

ぶっ続けで3時間近く遊んでいて時刻は正午過ぎ。お昼ご飯に丁度良い時間だと思いながら提案する。

 

「そう言えばお腹空きましたね」

 

「……一杯遊びましたから」

 

「食べてからまた遊ぶでちゅ!」

 

【ご飯は何ですか?】

 

まだ遊ぶ気満々だがとりあえずご飯を食べる気になってくれたことに安堵し、木の下にレジャーシートを広げてその上に腰を降ろす。

 

「お疲れだったな、横島」

 

「いや、そうでもないかな。子供は元気が一番だと思うし」

 

レジャーシートの上に腰を下ろした所でバンダナから人の姿になった心眼が入れてくれた麦茶を受け取る。

 

「みむ!」

 

「……うきゅ!」

 

「ぷーぎゅう!」

 

【ノブノブー】

 

「ピーッ!」

 

「みゅー!」

 

チビ達も遊びまわっていたがお昼ご飯を食べるのに1度戻って来ていた。

 

「あれ、ピー助。お前どこに行ってたんだ?」

 

「ぴゅい?」

 

アスレチックに入ったあたりで姿を消していたピー助に何処に行っていたんだ?と尋ねるが少し首をかしげて翼を羽ばたかせる。

 

「飛んで遊んでたのか?」

 

「ぴ!」

 

「あんまり遠くに行ったら駄目だぞ?危ないからな」

 

「ぴ!」

 

ガルーダだとしても雛だから危ないことをしたら駄目だからなと声を掛けながらリュックサックからお弁当を取り出す。

 

「お兄様、お弁当を広げますね!」

 

「……飲み物を準備しますの」

 

「ん、よろしく。俺は先にチビ達にご飯を食べさせるから」

 

「「「【はーい】」」」

 

皆で準備をすればお昼の準備はあっという間でチビ達の分のカットした果物のタッパーを取り出して、俺は先にチビ達のご飯を食べさせる事にした。

 

「はいチビ」

 

「みむ」

 

「うりぼー」

 

「ぷぎゅ」

 

「モグラちゃん」

 

「うきゅー」

 

「ピー助」

 

「ぴ」

 

「アル」

 

「みゅー」

 

「チビノブ」

 

【ノブ】

 

名前を呼びながらチビ達が好きな林檎やバナナ、西瓜等を配るのだが……。

 

「ヌンノス!」

 

「ぬんのす?」

 

聞きなれない鳴声に振り返ると白いモフモフ、いや白いモフモフだけではなくもう1匹いた。

 

「メルメルメー♪」

 

「ウマゴンだ!?」

 

「ウマゴンですわ!?」

 

「ウマゴンー」

 

「……本当にいましたの」

 

「うまごんでちゅー♪」

 

【思ってたのより可愛いです!】

 

パンフレットに載っていた珍獣ウマゴンも一緒にいて歓声を上げる紫ちゃん達を見ながら俺は果物のカットの入っているタッパーをあけて林檎を取り出す。

 

「食べる?」

 

「ヌンノス!」

 

「メルメー!」

 

元気良く鳴く二匹に食べると言う返事だと判断し、俺は林檎のカットを二匹の前の置いた。するとチビ達が集まって来て、二匹と一緒に果物を食べ始める光景を見ながら俺は手をぽんっと叩いた。

 

「そうか、これがユニコーンの赤ちゃんか」

 

「ぬん?」

 

白くてモフモフしていて、角があってユニコーンに見えない生き物、きっとこのヌンノスと鳴く生き物がユニコーンの赤ちゃんなのだと思い、俺はこのヌンノスと鳴く珍獣を保護して連れて帰ることを決めた。

 

「それで良いよな?心眼」

 

「……ああ。私もそれで良いと思う」

 

心眼の了承も得たのでやっぱりこの珍獣がユニコーンだと俺は確信するのだった。なお心眼が保護を了承したのはこの珍獣が神魔の中でも厄介な特徴を持つからであって、決してユニコーンの幼生だと思ったからではなかったりし……。

 

「めるめる、メルメルメー♪」

 

「人懐っこいですわ」

 

「……可愛いですの」

 

「ウマゴンでちゅー」

 

むしろユニコーンの幼生はウマゴンと呼ばれている方だったりするのだが、心眼はあえてそれを指摘しなかった。ウマゴンと呼ばれた事でそれを自分の名前と認識し、横島についていく気満々のユニコーンと新生したケルヌンノス。どちらも言うまでも無く特級の厄種だからこそ、ほかに問題になる前に回収することを決めるのだった……。

 

 

 

 

リポート23 ユニコーン捜索大作戦 その3へ続く

 

 




ヌンノスとウマゴンが横島とロリっ子に加わりました。なお横島はヌンノスをユニコーンと勘違いしている模様ですが、まあ幼生のユニコーンは馬っぽくないという情報しかないので、この勘違いも致し方ないって感じですかね。次回は美神達の視点での話を書いて行こうと思いますので、次回の更新もどうかよろしくお願いします。
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