GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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その3

 

リポート23 ユニコーン捜索大作戦 その3

 

~くえす視点~

 

琉璃の依頼という名目でユニコーン捜索に来たのですが、このユニコーンの捜索が思った以上に厄介な代物でした。

 

「ヒヒーン!!」

 

「ブルルルルッ!!」

 

馬の嘶きと馬鹿にするような鳴声が森の中に響き、金色の角を持つユニコーンは再び森の奥深くへと消えていった。

 

「難敵ね」

 

「そうですね、思った以上ですね」

 

「全然捕まらないじゃないですか~」

 

おキヌが泣き事を言うがその気持ちも良く分かる。ユニコーンと遭遇したのは10回とかなり数が多い。ユニコーンが清らかな乙女を求めるという性質上確かにユニコーンの方からは寄って来る。寄って来るのだが……捕まえようとすれば恐ろしいスピードで森の中へと消えてしまう。

 

「一応角の欠片とかは回収出来てるけど……」

 

「それくらいは許してくれるってことでしょうね」

 

ユニコーンの角も尻尾の毛も魔法に魔法薬、更に言えば霊的な武器や防具を作るのに最上級の素材になる。無論装備出来るのは女に限られるし、処女でなければいけないというデメリットはあるが、破格の性能の武器や防具を作る素材としてユニコーンの名前は必ず出てくるし、オークションにもかなりの頻度でユニコーン由来の素材は出てくる。そういう面ではユニコーンというのは人に寄り添うタイプの魔獣であり、魔界や天界だけではなく人間界でもユニコーンの牧場があるくらいではある。

 

「1度逃げて時間が経ちすぎたわね」

 

だが1度牧場の外に出て自由に駆け回る喜びと自然の中で暮らす幸せを知ればユニコーンは再び牧場という狭い世界に戻るのを嫌がるのは火を見るよりも明らかだ。

 

「やっぱり罠を仕掛けるべきですわね、放牧の終わりを告げる鈴も効果ありませんでしたし」

 

神代家でユニコーンの放牧を告げる合図として用意されている鈴も使ったが、その鈴の音色を聞いた瞬間にユニコーンは逃げ出してしまったので、牧場に戻るのを嫌がっているのは明らかだ。

 

「そうね、あんまり傷付けたくないけど……しょうがないわね」

 

「本当ですね。はぁ……これしかないんですね」

 

美神と蛍が嫌そうに溜息を吐くが、その気持ちは私も同じだ。

 

「なんでユニコーンを傷つけるのを嫌がるんですか?」

 

横島と同じ位霊能に関しての知識に欠けているおキヌの質問を聞いて私は口を開いた。

 

「ユニコーンは魔獣というより神獣に分類される獣で、その身体の一部はありとあらゆる霊的物を作るのに最高の素材となりますが、ユニコーンの肉と血。それだけは決して口にしてはいけないとされます」

コーンの肉と血。それだけは決して口にしてはいけないとされます」

 

「それはなんでなんですか?血って素材にするのに適しているんじゃ?」

 

「ユニコーンの血は神聖な霊力で満たされているのよ、確かに素材にすればこれ以上ない一品だけど、それと同時に永遠に呪われる。勿論傷つければ私達も呪われるから慎重に捕獲しないといけないわけよ」

 

罠を使ったとしても、それで怪我や死んだりすれば呪われるのは私達だ。この理不尽とも言える呪いの性質が莫大な利益が出ると分かっていてもユニコーンを狙うハンターが少ない理由だろう。

 

「幻術で袋小路に追い込む形にしましょうか。くえす、眠らせるのは出来る?」

 

「勿論ですわ。蛍が幻術で追詰めて私が眠らせて捕獲する。それで行きましょう」

 

ユニコーンを捕獲する為の作戦会議を終えていざ実行に出ようとした……のだが

 

「天界からの速達だ! 受け取ってくれ!」

 

韋駄天の八兵衛が天界と魔界のエンブレムが刻まれた便箋を持って来て、それを無理矢理受け取らされた美神はゆっくりと振り返った。

 

「厄種だと思う?」

 

「厄種しかないんじゃないですの?」

 

「100%面倒ごとだと思います」

 

「私も蛍ちゃんと同じです」

 

このタイミングでの郵便物が厄介な物でないわけが無く、がっくりと肩を落としながら美神は便箋の封を切った。

 

「なんでこうなるのッ!!!良い加減にしてよね!?」

 

中の手紙に目を通した直後に森の中に響き渡るほどに叫び声を上げるのだった……。

 

 

 

~蛍視点~

 

良い加減にしてと叫んだ美神さんは額に手を当てて近くの切り株に腰を下ろして動かなくなってしまった。

 

「あの、美神さんどうしたんですか?まさかガープが?」

 

ガープか蘆屋が騒動を起したのか?と尋ねれば美神さんは首を左右に振った。

 

「それではあれですか?琉璃か西条でも失脚しましたか?」

 

GS協会の会長とオカルトGメンの責任者として情報の隠蔽に手を貸してくれている2人が失脚したか?とくえすが尋ねるが、それにも美神さんは首を左右に振った。

 

「じゃあ一体何があったんですか?」

 

おキヌさんがそう尋ねると美神さんは魂が口から出るんじゃないかと思うほどの深い溜息を零した。

 

「ケルヌンノス」

 

「「は?」」

 

ケルヌンノスってケルトの冥府神や狩猟神って呼ばれる神様じゃなかっただろうかと思わずくえすと顔を見合わせる。

 

「魔界から逃げて人間界にいるって、新生してるから子供サイズで」

 

「なんてことを!?」

 

「魔界はなんでちゃんと面倒を見ていなかったんですの!?」

 

新生したから霊格が下がっていると考えても間違いなくケルヌンノスの霊格は上級に匹敵する。そんな神様が人間界にいるとなれば間違いなく大騒動になる。

 

「とりあえず1回横島君と合流しましょう。ダウジングで居場所を探して貰って」

 

ユニコーンよりも急いで確保しなければならないのは間違いなく、1度横島と合流しようという美神さん。

 

「あのーそのケルヌンノスっていう神様がどんな神様か分からないんですけど、どんな姿をしてるんですか?」

 

「んー諸説あるわね。冥府の神ってことで人型ともされるし」

 

「でも狩猟の神でもあるから獣王……動物……」

 

美神さんの解説に付け加えたくえすの言葉が尻すぼみになって消えていく……そうケルヌンノスは獣の王とも呼ばれる神であり、人型ではなく獣の……。

 

「なんかもう横島の所にいる気がするんですけど」

 

「私もですわね」

 

そもそも魔界から逃げ出して人間界に来たの、横島の所に来るのが目的だからじゃという考えが脳裏を過ぎった。

 

「まさか……いや、でも」

 

「ありえますよね、と、とりあえず横島さんの所にいってみましょう」

 

もしもケルヌンノスと一緒にいたとしても神だから使い魔になることはないはず、だから大丈夫。

 

「流石の横島も神と魔獣の見分けくらいは付くでしょう」

 

「心眼もいるから大丈夫。うん、多分きっと大丈夫」

 

心眼がいるから多分大丈夫と思いながら紫ちゃん達と一緒にアスレチック広場かピクニックをする為の公園か、自然公園にいるはずと大急ぎで向かった私達が見たのは……。

 

「あ、美神さん!見てください、ユニコーンの赤ちゃんを捕まえましたよ!」

 

「ヌンノス!」

 

白くてモフモフしていて、大きな角を持つ動物というか、ケルヌンノスを抱っこしてユニコーンの赤ちゃんだと笑う横島と……。

 

「メルメルメー♪」

 

「す、すごいでちゅ!か、可愛いでちゅ!」

 

ユニコーンの背中に乗せられて楽しそうに笑うあげはの姿に私達は逆っと思わず叫ぶのだった……。

 

 

 

~横島視点~

 

俺がユニコーンと思っていた動物はケルヌンノスという名前の神様であり、ウマゴンがユニコーンの赤ちゃんだったと美神さん達に聞かされた。

 

「お前神様なのか?」

 

「ノス?」

 

抱っこしながらケルヌンノスに尋ねるが、良く分からないといわんばかりに首を傾げるヌンノス。

 

「珍しい魔獣じゃ?」

 

「違うから、間違いなくケルヌンノスだから、多分誤魔化して居座ろうとしてるだけよ」

 

蛍に居座ろうとしているといわれたヌンノスはビクンッと肩を竦めた。

 

「誤魔化そうとしてる?」

 

「の、のすぅ?」

 

その反応を見れば俺も分かったというか分かってしまった。

 

「これ誤魔化してるわ、可愛いマスコットの振りしてる」

 

「だから最初からそう言ってますわよ?」

 

抱き枕に丁度良いサイズで人懐っこいから可愛いと思っていた魔獣がまさか神様だったとは……。

 

「心眼は気付いてた?」

 

「気付いていたぞ?だが明らかに新生したばかりの神だから保護するべきだと思ったから黙っていた」

 

そっかー心眼は気付いていたのかと思いながら胡坐をかいて膝の間にヌンノスを座らせる。

 

「林檎食べる?」

 

「ノス!」

 

完全に動物扱いしていたので天罰を下される前にささげ物で誤魔化そうと思い林檎を口元に運んで食べさせながらふと気付いた。

 

「美神さん、大変です」

 

「何が?というか全部大変なんだけど、これ以上に大変な事って何かあるの?」

 

煤けた背中が見える美神さんに申し訳ないと思いながら紫ちゃん達とチビ達と遊んでいるウマゴン改め、ユニコーンの赤ちゃんを指差した。

 

「俺ユニコーンの赤ちゃんをウマゴンっていう珍獣だと思ってウマゴンって呼んでたんですけど、これ名前をつけたことになります?」

 

俺がそう尋ねると美神さん達は顔を見合わせ、暫く何事か小声で話し合い始める。

 

「何で横島にパンフレットを渡したんですの?」

 

「いやいや、まさかこんな事になるなんて思って無かったし」

 

「美神さん、アウトですか?セーフですか?」

 

「確実にアウトだと思うわ。とりあえず横島君に呼んでみてもらいましょう、それで分かるわ」

 

話し合いが終わった美神さん達は凄く真剣な顔をして俺に視線を向けてきた。

 

「横島君、ウマゴンが使い魔になってるか聞いて見て」

 

「わ、分かりました。ウマゴーン?」

 

俺が呼ぶとウマゴンは振り返り尻尾をぶんぶんと振りながら駆け寄ってきた。その反応だけでも分かったのだが、一応念の為に聞いて尋ねてみる事にする。

 

「お前俺の使い魔になってる?」

 

「める!」

 

前足でドンっと胸を叩くその姿はその通りと言ってるようにしか見えなかった。

 

「なるほど、美神さん。どうしましょう?」

 

「そんなの私が聞きたいわよ」

 

「ユニコーンかあ……ユニコーンまで使い魔にしちゃうかぁ……」

 

「どう考えても面倒事にしかならないですわね」

 

俺はウマゴンをこの周辺で出る珍獣だと思っていたので名前をつけたつもりは無かったのだが当の本人(?)がウマゴンを自分の名前だと認識し、使い魔のつもりだったという新事実に俺達はどうしようと頭を抱え、ウマゴンと紫ちゃん達は俺達が悩んでいることに気付かず、再び原っぱで楽しそうに駆け回り始め、きゃっきゃっという楽しそうな声を聞きながら俺達は本当にどうすれば良いのか頭を悩ませるのだった……。

 

 

 

リポート23 ユニコーン捜索大作戦 その4へ続く

 





ユニコーンの赤ちゃん改めウマゴンは使い魔のつもりで完全に横島に付いてくる気満々、そしてヌンノスも油断無く横島を狙っている状況に頭を抱える横島達と言う所で今回は終わろうと思います。次回でリポート23は終わりにして、シリアス回に入って行こうと思います。

ドバイクリアしたのでBBドバイ狙いで20連してきましたが、両方とも最低保障で無念。
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