GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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リポート24  未来から来る者
その4


 

リポート23 ユニコーン捜索大作戦 その4

 

~くえす視点~

 

ユニコーンの幼生があんな二足歩行の馬もどきとは思ってもみませんでしたが、幼生がいることでユニコーンも出て来て無事に保護できた。これも嬉しい誤算で、残り2日間を休養に当てれることになったので良い話でしかない。

 

「ヌン!」

 

「うわぁぁんッ!!なんで嫌々するんですか神さまあッ!!」

 

「ノスッ!!」

 

「私巫女なのに!巫女なのにぃぃいいいッ!」

 

ケルヌンノスの面倒を見ていた巫女であるエリンが魔界からやって来たのだが、ケルヌンノスは自分の世話係であるエリンから逃げていて、逃げられたエリンは地面に崩れ落ちて号泣している。

 

「地獄絵図ですわね」

 

「……そうね」

 

「あの、これどういう状況なんでしょうか?」

 

「また横島ですか?」

 

エリンを連れてきたブリュンヒルデと小竜姫が心底困惑した様子で、横島の背中にしがみ付いているケルヌンノスを見つめながら尋ねてくる。

 

「ええ、また横島ですわね」

 

「なんか懐いちゃったみたいなんですよね」

 

巫女である自分よりも見ず知らずの少年を選んだと聞いて更に号泣するエリンとおろおろしている横島ととんでもないカオスな状況に私達は頭を抱えるのだった。

 

「だから巫女なのは分かるが勉強と鍛錬だけだから嫌われているのだ。分かるか?」

 

「ううう……厳しすぎたんですか?」

 

「ああ、だからお前は嫌われている」

 

心眼の歯に衣を着せない言葉にエリンがショックを受けているが、心眼の言う事も分かる。

 

「ヌンノスは甘えん坊なんだなー」

 

「ノス♪」

 

横島に抱っこされてご満悦という様子を見れば、本来のケルヌンノスの性格は甘えん坊であるというのがよく分かる。

 

「勉強と訓練も大事だが、遊ばせるときは遊ばせたほうが良い。横島を見れば分かるだろう?」

 

「……はい、今後気をつけます」

 

「うむ。後は新生の地のタタリモッケの学校に通わせるのも検討したほうが良い。交流というのは大事だぞ?」

 

「重ね重ね申し訳ないです……」

 

心眼に説教されて小さくなっているエリンは反論の余地もないと俯いている。

 

「エリンってそんなに駄目な人なの?」

 

「いえ、ルーン魔術の使い手で中級神魔に匹敵する強さを持っていますよ?ただ、生真面目で頑張りやなので……」

 

「ケルヌンノスの世話係を任されて気合を入れすぎてしまったと、本末転倒ですわね」

 

大仕事を任されて気合を入れるのは悪い事ではないと思いますが、それで育てるべき神獣に嫌われたら終わりですわね。

 

「げえ」

 

「どうしたんです、蛍そんな声を……ええ……」

 

蛍の乙女とは思えない声に振り返るとウマゴンと10頭のユニコーンが森の中から出て来る姿が見えたのだが、ウマゴンが風呂敷を首に巻いていた。

 

「ブルルル」

 

「ヒヒーん」

 

「あ、はい。ちゃんとお預かりします」

 

「メルメルメー♪」

 

親同伴で横島の所に来たウマゴンは完全に横島の家に転がり込む気満々という様子だった。

 

「これ琉璃と西条になんて説明するつもりです?」

 

「……止めて、今はそれを考えたくないの……胃痛が、胃痛が……」

 

ケルトの冥府、狩猟の神であるケルヌンノスとユニコーンの幼生を懐かせた横島。その事をどうやって説明するのかと美神に尋ねると美神は青い顔で腹に手を当てて呻いていた。

 

「あ、そうそう。東京に戻って一息ついたら英霊召喚実験を行ないますので、そちらも宜しくお願いしますね」

 

「あのなんでこのタイミングでそれを言うんですか?」

 

少なくとももう少し後で言えなかったのか?と蛍が尋ねるとブリュンヒルデ達は少しだけ気まずそうな顔をした後にこのタイミングを選んだのかを教えてくれた。

 

「大気中のマナが異常活性をしているので英霊召喚の成功率が上がるとお父様は考えております。成功率はもとより1%~3%ほどだったのが5~10%くらいまで上がる可能性があると」

 

「殆ど誤差ですわね。まぁ英霊召喚を考えれば当然ですけど」

 

元より英霊召喚の難易度は高いのだ、僅かでも成功率があるならそれに懸けるべきというのは私達も納得なので、心労と不安はあるがブリュンヒルデ達の申し出でを了承するのだった……。

 

 

 

~エリン視点~

 

ケルヌンノス様の世話係を任された。信じられない大役に空回りをしていたのは自覚していたが、まさかケルヌンノス様に嫌われているとは想像もしていなかった。心眼さんという使い魔に叱られ、横島という少年と遊んでいるケルヌンノス様を見て自分の間違いを実感した私は少しずつ、変わって行こうと思ったんですけど……。

 

「あの神様、高い、高いんです。こわ「ノス!」ああああああ――ッ!!!」

 

高い木の上から飛び降りる遊びで尻込みし、ケルヌンノス様に突き飛ばされ絶叫し……。

 

「あの、いや私も良い年なんですよ。だからその「ヌン!!」みゃあああああ――ッ!!」

 

そりに乗せられ山の中腹から滑り降りるという一種の恐怖体験に等しい物を強制的にやらされ。

 

「吾の方が早い!!」

 

「GOですわ~!」

 

「あげはと横島が一番でちゅ!」

 

「暴れない、暴れないクラッシュするから」

 

後からちびっ子達にまで追い抜かれて軽く絶望し……。

 

「あのエリンさん、あんまり無理しなくても」

 

「い、いえやります!やりますとも!!」

 

「ノスゥ~♪」

 

ロープで吊るされた木を踏み台にして渡っていく遊びで完全に尻込みしている私を馬鹿にするようにケルヌンノス様が跳んで行き、私も気合を振り絞って飛び移ったのだが……。

 

「ふぁああああッ!?」

 

飛び移った勢いのまま踏み台がゆれてしまい、絶叫するという体たらくを疲労してしまうのだった。

 

「ノスノス」

 

「やめ、あ、やめて、ぺちぺちしないで」

 

子供達とケルヌンノス様に振り回されダウンしている私の頭をぺちぺちと叩くケルヌンノス様に止めて下さいと言っているとケルヌンノス様が一鳴きした。

 

「みむみむ」

 

「うきゅうきゅ」

 

「ぷぎゅ」

 

【ノブノブ】

 

「いたいいたい、痛いです。止めて、本当に止めて下さい」

 

ケルヌンノス様だけではなく横島の使い魔も加わってぺちぺちと叩かれて、腕で顔を庇って丸くなる。

 

「こらこら、悪戯しない。大丈夫ですか?エリンさん」

 

横島に止められやっとぺちぺちは止まりましたが、ケルヌンノス様達はふんすっと胸を張っているのが見えた。

 

(こんなに嫌われたのかなあ……)

 

「ヌンノス励ましてくれたんですね」

 

「へ?」

 

励ましてくれたと言われて言葉の意味が一瞬分からなかったが、横島はのほほんとした表情で笑った。

 

「さっきより笑顔になってますよ?」

 

「え、そうでしょうか?」

 

「なってますよ。色々と大変だとは思いますけど、やっぱり笑顔の方がヌンノスも安心すると思いますよ。な、ヌンノス」

 

「ノス!」

 

嫌われていると思っていたのがケルヌンノス様なりの励ましだとわかり、また私は詰まらない勘違いをしていたと申し訳なさで一杯だったが、ケルヌンノス様がまだ私を見捨ててないと分かって凄く安心した。

 

「これからもっと頑張ります」

 

「ノス」

 

横島のようには出来ないかもしれないけど、もっとケルヌンノス様に寄り添えるように頑張ろう。そう心から思うのだった……。

 

「ノス」

 

「え、もう1度滑り台……いや、そのはい……頑張ります!」

 

「ヌン♪」

 

ただ子供の無尽蔵の体力に付き合うのはインドア派の私には少し厳しくて……。

 

「少し身体を鍛えたほうが良さそうだな?」

 

「は、はい……わたしも……そ、そう思います」

 

芝生でダウンし、心眼さんに鍛えたほうが良いと言われ私もそうするべきだと思うのだった……。

 

 

 

~横島視点~

 

ダウンしてしまったエリンさんを心眼が見てくれるというのでまた俺はヌンノスだけではなく、紫ちゃん達とも遊び始めたのだがやはり子供の無尽蔵の体力というのは凄まじいと実感した。

 

「ブランコ!ブランコに行きましょう!」

 

「滑り台が良いでちゅ!」

 

【ターザンロープが良いです】

 

「……そりがいいですの」

 

皆が口々にあれが良い、これが良いと言うので順番に回っていたのだが、とにかく元気1杯だ。滑り台、ブランコ、そりと来て流石に疲れたのでターザンロープで遊んでいる紫ちゃん達を見ながら休憩する。

 

「メルメルメー」

 

「あれえ?ウマゴンがターザンロープしてる……」

 

馬なのに本当に器用だなと思いながらターザンロープで滑り降りていくウマゴンを見ていると服が引っ張られるのを感じた。

 

「ヌンノス?どうかした?」

 

「ノス!」

 

黒いリボンを差し出してくるヌンノスはふんすふんすと気合が漏れ出している。

 

「リボン?俺に?」

 

「ノスノス」

 

いや、俺男なんだけどなあ……と首を傾げているとヌンノスは落ちていた木の棒を拾ってきた。

 

「ノス!」

 

木の棒で地面に丸を書いて、その中に落書きのような文字を書き始める。

 

「ノスゥ♪」

 

暫く見ていると魔法陣のようなものが書きあがり、ヌンノスは満足そうな素振りで額の汗を拭った。

 

「なにそれ?」

 

「ノス!?」

 

分からないのかと言わんばかりのリアクションをしたヌンノスはまた木の棒を拾い上げ、魔法陣の下に絵を書き始める。

 

「えっと?家?」

 

「ノスノス!」

 

「違う?えっとじゃあ……んー?城?」

 

「ノス♪」

 

魔法陣の下に城(?)が書かれ、そこから棒人間みたいなものが魔法陣の方へ向かって書かれる。

 

「ノスノス」

 

「あ、これ?あーもしかして触媒って奴?」

 

「ノス♪」

 

英霊召喚には触媒って奴が必要になるらしくて、良い触媒を集めるのに美神さん達が苦労していたのは知っていた。

 

(んー使えるか分からんけど、折角くれたし)

 

「ありがとう、ヌンノス」

 

「ヌン♪」

 

遊んであげたお礼としてくれたリボンだから本当に触媒になるとは思わなかったが、折角ヌンノスがくれたので、英霊召喚の実験をするときには持って行こうと思いながらGジャンのポケットの中に入れる。

 

「うっし、じゃあそろそろ行こうか」

 

「ノッスー♪」

 

「はいはい、甘えん坊め」

 

「のすぅ~」

 

抱っこしろと両手を広げるヌンノスを抱き上げ、俺はターザンロープ下り降り場に向かって歩き出すのだった。ヌンノスがくれた黒いリボンが本当に英霊の触媒になるなんてこの時の俺は知る良しも無いのだった……。

 

 

リポート24  未来から来る者 その1へ続く

 

 




ウマゴンマスコット化、ケルヌンノスは横島に触媒を与えました。これから偶にヌンノスは出てくる感じですかね、次回は英霊召喚実験とIFエンドに繋がるシリアスを書いて行こうと思いますので、次回の更新もどうかよろしくお願いします。


3000万DL記念の鯖交換はニトオルタにしました。
アヴェンジャー全部揃えたいので
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