GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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その1

 

リポート24  未来から来る者 その1

 

~シロ視点~

 

ユニコーンの捜索に向かったせんせーはユニコーンの赤ちゃんを連れて帰って来たでござる。まぁいつもの事なのでそれほど気にせず、せんせの足元で尻尾を振っているユニコーンを見るが、ユニコーンというかアニメや漫画で見るような珍獣にしか拙者は思えなかったでござる。

 

「せんせー。本当にユニコーンでござる?」

 

「らしい?ちゃんと小さい角あるぞ、シロ」

 

せんせーがユニコーンを抱き上げるので頭を撫でると確かに小さくて短い角が額にあるのが分かった。

 

「シロでござる。よろしくでござるよ、ウマゴン」

 

「メル!」

 

案外人懐っこい性格のようで愛想よく笑うウマゴンの頭を撫でると小さく尻尾を振り、その姿は愛らしさに満ちていた。

 

「シズク達は?」

 

「まだ帰って来てないでござるよ。ルキが色々と家の事をやってくれてるでござる!」

 

せんせーを襲ったシズク達が帰って来てないというとせんせーはそうかと小さく呟き、戸棚から動物病院の診察券を取り出した。

 

「シロ、ちょっと手伝ってくれないか?」

 

「どうしたでござる?」

 

「ウマゴンに予防接種とかしないといけないから、俺1人だと大変だし」

 

「分かったでござる。拙者に任せるでござるよ」

 

任せてくれと胸を叩いて、せんせーと一緒にウマゴンを動物病院に連れて行ったでござるが……。

 

「メルー!?メルメルーー!」

 

「ウマゴンステイッ!、うまごぶうっ!?」

 

「せんせー!?ぐぶうっ!?」

 

動物病院までは大人しくしていたウマゴンだったが、動物病院から響いて来る鳴声に怯え始め、動物病院の先生が注射を手にした瞬間に狂乱状態になり、子供とは言え馬の馬力は凄まじくせんせーも拙者も何度も吹っ飛ばされながらなんとかウマゴンを押さえ込んだ。

 

「先生お願いします!」

 

「任された!」

 

「め、メルーーッ!!!」

 

太い注射を打たれたウマゴンの悲鳴が動物病院だけではなく、その周囲にも響き渡った……。

 

「メルメル♪メルメルメー♪」

 

注射を打たれた直後のウマゴンはいじけてしまって何をしても、せんせーが呼んでも不貞腐れていたが、せんせーがベッドと小屋を作ってやると一転して上機嫌になり、今ではベッドの中で楽しそうに歌いながら尻尾を振っているので現金なものだと思う。

 

「よし出来た、どうかな?ちょっと小さい?」

 

「みゅ!」

 

「お、案外ピッタリだな。気に入ったみたいで何より何より」

 

せんせーが大事にしていた卵から孵化したアルビオンもせんせーの作ったちゃんとしたベッドの中に入りご満悦という様子だ。

 

「あ。そうだ、シロ。美神さんに頼まれてたんだけどお使いを頼んでも良いか?」

 

「拙者にござるか?別に構わないでござるがなにをすれば良いでござる?」

 

美神殿からのお使いと言う事で何をするのかと尋ねるとせんせーも良く分からないと首を傾げながら鞄から封筒を取り出した。

 

「アルテミスさんに届けて欲しいんだ」

 

「アルテミス様でござるな!任せるでござる!帰って来たら散歩でござるよ!」

 

「紫ちゃん達が帰って来たらなー」

 

「分かったでござる!ではいってくるでござるよー」

 

人狼族の女神であるアルテミス様に届けるのならば確かに拙者が1番適役だ。手紙を届け終えれば散歩にいけると鼻歌を歌いながらせんせーの学校に向かった。

 

「アルテミス様!せんせーから手紙でござる!」

 

「あらシロちゃん!お疲れ様、預かるわね」

 

「シロちゃん。横島君は元気?」

 

「元気でござるよー」

 

アルテミス様が手紙を呼んでいる間愛子殿とのんびりと話をするでござるが……。

 

(誰も何も言わないでござるな)

 

オリオンが弓に突き刺され机に刺さっているが誰も何も言わないので拙者も何も言わず、アルテミス様の怒りを買いたくないので助けてくれと呻いているオリオンを無視して愛子殿が用意してくれたお茶菓子を摘む。

 

「シロちゃん。横島君に了解って伝えてくれる?」

 

「分かったでござる!ではまた来るでござるなー!」

 

手紙の内容は判らないが、了承を得れたとせんせーに伝えれば良いと思い、拙者は早足でせんせーの屋敷へと帰った。

 

「せんせー!了解だといっていたでござるよ!」

 

「そっか、じゃあ美神さんと蛍に電話で伝えるから散歩の準備をしててくれるか?」

 

うっきうきで散歩の準備をしている紫達に拙者も加わり、遊ぶためのボールや水筒を準備し、万全の準備を整え少し遠目の公園に散歩へ向かうのでござった。

 

 

 

~琉璃視点~

 

珍しいユニコーンの幼生を捕獲出来たこと、そして神代家の牧場から逃げ出したユニコーンを全部連れ戻す事が出来たのは想像を上回る成果であり、美神さん達に報酬を上乗せしても良いと思えるほどの成果だが……。

 

「使い魔を増やして良いとは言ってないんですよ」

 

その貴重なユニコーンの幼生を横島君の使い魔にして良いなんて一言も言っていないというと美神さんは私にパンフレットを差し出してきた。

 

「悪いのはこのパンフレットだと思うわ、これを見ても私達が悪いっていうならそれはそれで受け入れるわ」

 

美神さんがそこまで言うのでパンフレットを見ると最初のページででかでかとイラストとビックリマークの噴出しつきで「これが珍獣ウマゴンだッ!」と書かれていて、その絵はどこからどう見てもユニコーンの幼生であり……。

 

「今回だけですからね。今度からはもう少し気をつけてください」

 

横島君が悪いわけでも、美神さんが悪いわけでもなく、慰労を兼ねて紹介した場所でまさか定期的にユニコーンの幼生が目撃され、ウマゴンというUMAにされているとは誰も想像出来る訳が無いので、今回は……というかいつもそうだが、今回も目を瞑ることにし、神代家から横島君に貸し出している使い魔としてウマゴンは処理する事にした。

 

(まだ、問題はあるけど、今回はこれで良しとしましょう)

 

横島君がアルビオンと名付けたドラゴンも問題ではあるが、小竜姫様達が責任者となってくれると言っているので、これは何とかなるとして、そろそろ今日美神さん達を呼んだ大事な案件についての話を始めようと思い、使い魔登録の書類を1度全部机の中に片付ける。

 

「英霊召喚の件ですけど、触媒って何か入手出来ましたか?」

 

英霊召喚に1番必要な触媒を入手出来たかと尋ねると美神さんもくえすも渋い顔をした。

 

「めちゃくちゃ吊り上げられて無理無理、多分あれね。ガープが人間に擬態して買い漁ってるのが影響してるわね」

 

「コレクターから譲り受けるのも考えましたが……呼び出したい英霊の触媒はどうにも入手出来なくて、そういう琉璃はどうなんです?」

 

くえすに逆に尋ねられたので神代家の伝を使ってやっと1つだけ入手出来た遺物を机の上に乗せる。

 

「ブラヴァツキー婦人が使っていたとされる羽ペンがやっとね」

 

神智学の専門家でオカルトに精通している女性。様々な思うことはあるが、望んでいる英霊の触媒としてはこれが召喚の可能性が1番高いと考えている。

 

「エレナ・ブラヴァツキー婦人……結構な大物ね。私達が召喚したいと思っている英霊の条件を満たしてる」

 

「贅沢を言えば孔明が良かったんですけどね」

 

私達が求めているのはキャスタークラスの英霊だ。私達に足りない神話時代の叡智、そして深い戦術眼と戦略眼。ガープと戦う事を考えて軍略や策略に秀でた英霊を味方にしたかったのだ。

 

「有名だったり、高名なゆかりの品ほど入手は難しいですからね。それに仮に触媒を入手出来たとしても、英霊が応えるとは限らない」

 

そうそこなのだ、くえすのいう通り触媒を使って英霊召喚に望んだとしても英霊を確実に召喚できる保証など無く、そして入手した遺物が贋作だったり、偽者だったりすれば反英霊を償還する危険性が高まるし、魔力や霊力、生命力を奪われるだけ奪われて召喚に失敗するだけではなく、命にも関わりかねないので英霊召喚に踏みこむには余りにもリスクがあるわけだ。

 

「一応アルテミスには協力を要請したし、出来うる限りの準備もしたけど……多分私達の中で英霊召喚に成功するとしたら……」

 

「横島でしょうね」

 

「横島君ですね」

 

美神さんの言葉に私とくえすが言葉を続けた。私達も英霊のマスターと考えれば十分な素質はあると思うけど、仮に英霊召喚を実行しても英霊が応じるのは横島君しかいない、予感や予測などではなく、私含めてこの場にいる全員がどれだけ触媒を準備しても、魔法陣を精密に描いても、月の満ち欠けなどを利用しても、横島君しか英霊召喚に成功しないという確信が私達にはあった。

 

「間違えても縁で召喚させてはいけませんね」

 

「何がでてくるか想像するだけでも怖いしね、横島君にはこの羽ペンを使って召喚して貰うわ」

 

魔人になりかけていて、竜気や神通力まで持ち合わせている横島君が英霊召喚をすれば何が起きるのか想像するのも恐ろしい。神代家の伝を使って入手した羽ペンを横島君に使わせる事を決め、英霊召喚の為の魔法陣を何処に配置するか、そして魔法陣を描くための染料などは何を使うかと万全な状態で英霊召喚の実行の日を向かえたのだが……。

 

【は、母!私が母ッ!!】

 

【トラマカスキを……ねッ!?】

 

【なんか凄い事になって!?】

 

「……美神さん、これって俺のせいです?」

 

英霊召喚の陣が下から崩壊しそうなくらいに暴れ回り、召喚され掛けた英霊が別の英霊につかまれ、陣の中の引きずり込まれ、また別の英霊が出てこようとするとんでもない地獄絵図になってしまい、横島君が俺のせいですか?と尋ねて来るが私達は返事をする事が出来ないのだった……。

 

 

 

 

様々な機械で埋め尽くされた研究所で3人の少女が研究所の中央に置かれていたカプセルの方に向かって歩き出す。

 

「本気で行くの?下手したら戻って来れないよ」

 

その背中に1人の女性が声をかける。その女性はどことなく蓮華に似た容姿をしていたが、その髪は色素が抜け落ち、まだ40代くらいなのに、その老婆のような印象を与えた。

 

「今更だよ。もう私達にはこの手しかないっていうのは姉さんも分かってるよね」

 

「大丈夫です。私達は必ず成し遂げます」

 

「……コクリ」

 

3人の少女が振り返り笑みを浮かべるが、少女を呼び止めた女性はその顔を今にも泣き出しそうに歪めた。

 

「追いかけたって取り戻せるか分からないよ?いや、多分無理だ。今ならまだ止めれる」

 

行って戻れない旅路に赴こうとしている3人をその女性は止めようとするが旅立つ事を決めた3人は再び歩き出した。

 

「……気をつけて」

 

もう何を言っても無駄だと判断した女性は震える声でそう告げ、カプセルの中に入り神通力と魔力の渦に飲み込まれて消えていくカプセルと少女達を見送った。

 

「どうして……どうしてこんな事になったんだろう……蛍もあげはも……どうして……あんな道を選んでしまっただろう?」

 

研究所の一角に厳重に保管されている血塗れのGジャンとGパン、そして焼け焦げたバンダナ。そして円柱型のベッドで眠るかのように保管されているもう動く事のない試作型ヒューマギアその1号機へと手を伸ばす。

 

「……全部、全部あんたが死んだからだよ。横島……皆狂っちまった、あの忌々しい夕暮れの日から私達の時間は止まっちまった……」

 

砕け散ったゴーストドライバーと罅割れた眼魂の欠片の先には錆び付き、罅割れ、2度と起動することはないフォースライザーとウィスププログライズキーへと繋がれているのだった……。

 

 

 

 

 

リポート24  未来から来る者 その2へ続く

 

 




リポート24は英霊召喚とIFエンドに繋がる話でお送りします。IFエンドはヒューマギアで分かる人は分かると思いますが、ゼロワン系の世界に派生した世界線、横島の死後。横島を復活させようとした蛍達によってヒューマギアが作られた世界戦になります。次回は英霊召喚を書いて行こうと思いますので、次回の更新もどうかよろしくお願いします。
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