GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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その2

 

リポート24  未来から来る者 その2

 

~横島視点~

 

英霊召喚の実験を行なうのでGS協会に集合という連絡が美神さんから来てからすぐに準備を始めた。俺と心眼では5分もあれば十分だとそう思っていたのだが……。

 

【ふぅーん……英霊召喚ねぇ……へぇ~?】

 

めちゃくちゃ不機嫌そうなジャンヌさんに絡まれていて出発準備の1つも出来ていなかった。

 

「ジャンヌさんの強さは良く知ってますよ。俺はジャンヌさんがいれば良いって思ってるんですよ」

 

ジャンヌさんの強さもそしてその優しさも知っている。今は戦うだけの力が無くても力を取り戻したら頼れる味方だと断言出来る。

 

【じゃあなんで英霊召喚実験なんかに参加するのよ?ノブと牛若丸、あとついでに狐もいるのに】

 

「私は次いでじゃないんですけど!?」

 

「どうどう、落ち着いて」

 

ついでといわれて怒るコヤンちゃんに落ち着いて落ち着いてと声を掛けていると強烈な視線が背中に突き刺さるのを感じた。いうまでもなくノッブちゃんと牛若丸であることはすぐに分かった。

 

「今回必要な求められている英霊はお前達とはジャンルが違う。お前らの中に魔術に精通してるのは「はい!」……コヤンくらいだろう?」

 

そう、そうなのだ。強さで言えばジャンヌさんとノッブちゃんと牛若丸で十分だ。いや、そこにシズクやチビ達もいるので美神さん曰く俺の家に集まっている面子だけでやろうと思えば東京を制圧出来るだけの戦力が整っていると、だがそれでも俺達には足りない物がある。

 

【ワシら基本馬鹿じゃしな】

 

【難しい事はどうも……】

 

【ちっ、欲しいのはキャスターって事ね】

 

「その通りだ。術者、それも知識と叡智に秀でたキャスターを求めている。無論成功するとはいえんが、それでも成功すればガープ達を切り崩す一手になる可能性はある。別にお前達が力不足と言っているわけではないんだ」

 

口下手な俺の変わりに心眼が説明してくれたお蔭でジャンヌさんは舌打ちしながらも頷いてくれた。

 

【あんたのサーヴァントは私って事を忘れないように】

 

「……はい?」

 

【良く分からないのに返事を返さない、まぁ良いわ。あんたが私を信じてるのは分かってるから、さっさと英霊を召喚して帰ってきなさい。良いわね】

 

「分かりました。じゃあチビ達はお願いしますね」

 

有無を言わさないジャンヌさんにチビ達をお願いしますと言うと鞄に入る気満々だった様子のチビ達がえっと言わんばかりに驚いた表情で俺を見上げる。

 

「なんか英霊召喚はかなりデリケートで難しいんだって、チビ達も、紫ちゃん達もお留守番。帰って来たら皆で散歩に行こうな」

 

はーいっと少しつまらなそうな表情で返事を返す紫ちゃん達に手を振って、鞄の中に文珠と陰陽札……それと……。

 

(まぁ折角くれたし、持って行こう)

 

ケルヌンノスがくれた黒いリボンとタマモキャットの首に巻いていていたリボンを鞄の中に入れて俺と心眼は屋敷を出た。

 

「英霊召喚って成功するのかな?」

 

「失敗する可能性の方が高いが成功すれば頼もしい味方が出来る。やってみる価値は十分にあるさ」

 

「そういうもんかなあ」

 

美神さんなら失敗する可能性が高いならやらないと思うけど……美神さんも琉璃さんもそれを知っての事かと思いGS協会へ向かうバスへ俺と心眼は乗り込むのだった……。

 

 

 

 

~蛍視点~

 

GS協会の地下で英霊召喚を行なうと聞いてはいたが……琉璃さんが私達が案内してくれたのはGS協会のはるか地下空間だった。

 

「まさかこんな空間がGS協会の地下にあるなんて聞いて無かったですよ。琉璃さん」

 

「そうね。私も実を言うと知らなかったのよ、というか多分初代のGS協会の会長を除いて誰も知らなかったんじゃないかなって思うわ。」

 

「はい?」

 

初代を除いて誰も知らなかったという琉璃さんの衝撃的な言葉に思わずどういうことかと問いかける。

 

「霊脈と繋がってる地下遺跡があるんだけど、多分GS協会の本部はその地下遺跡を監視する目的で最初は建築されたと思うんだけど……」

 

「何も無かったから忘れ去られたと」

 

「まぁぶっちゃけるとそうね。だけど霊力を溜め込む性質の石や魔法陣があちこちに刻まれてるから英霊召喚の実験を行なうならこれ以上の場所はないと思うわよ」

 

まぁ何年も人が足を踏み入れて居ないのならば霊地としての性質は十分にあると思うし……。

 

「もしかして英霊召喚の陣を書く所からですか?」

 

「それは大丈夫。美神さんと私と小竜姫様で準備したわ」

 

「私は場所が中々決まらないって聞いてましたけどね」

 

くえすが爪弾きにされたのを面白くないと言いたげな表情でぼやくが琉璃さんはぼやかないと言って笑った。

 

「もし地下が聖域でくえすが踏み込んだ瞬間に重傷を負っても困るから言わなかったのよ」

 

魔女であるくえすの事を考えての事と言われるとくえすは何も言えず、だが不機嫌そうな顔はそのままで黙りこんだ。

 

「もうつくわよ。見ても驚かないでね?私はちなみに言うと驚いたわ」

 

私達に驚くなと言いつつ、自分は驚いたという琉璃さんが石造りの扉を開けるとそこには……。

 

【あ、やっほー!皆お久しぶりー!】

 

アルテミス様が楽しそうに手を振っていた。驚くなって言ったのはこれかなと琉璃さんに視線を向けると琉璃さんは苦笑いを浮かべながら首を左右に振った。

 

「違いますよ。私達はこの地下遺跡の霊力等のバランスを整えるために居るだけです」

 

「まさか地球での最初の仕事がこれとは思ってなかったな」

 

「そうですね」

 

「ぼやくなよ。あたしだって予想もしていない仕事さね」

 

「まぁまぁ皆さん。そういわずに」

 

アルテミス様に小竜姫様とブリュンヒルデさんにメドーサさん、それに月神族の綿月姉妹と凄まじい面子が地下に集まっていた。

 

「驚くなって言ったのはこれ、皆覚えてる?」

 

覚えてるかと言われ、琉璃さんが手を広げたその先を見て私は目を見開いた。

 

「これってアルテミス様を召喚するのに使った……」

 

【そうよ~神魔召喚の陣と英霊召喚陣の複合ね。多分昔の巫女のお参りとかに使ってたんじゃないかなあ】

 

今よりももっと神魔が人間に近かった時代の遺産を上手く使って英霊召喚の実験をするという事らしい。

 

(まぁ実績があるほうが安心だしね)

 

アルテミス様の召喚に成功した実績のある陣に英霊召喚の陣を重ねて、神魔で周囲の神通力や魔力をブーストする。成功率は低いと聞いているが、それでもこれなら成功しそうと思えるほどに万全の準備が施されていた。

 

「はい、1つ質問です」

 

「ん?どうしたの、横島君」

 

そろそろ実験を始めようという所で横島が手を上げて質問と声を上げた。

 

「英霊召喚にもし失敗するとどうなるんですか?何も出てこないとかですか?」

 

確かにそれは少し私も気になっていた、英霊召喚は失敗する前提と聞かされているし、私も知識として知っているがそれで悪霊とかが出てきたら目も当てられない。

 

「ちょっとした霊具や霊具の素材が出てくるはずです。英霊に縁のある物も手に入る可能性もあるので英霊召喚に失敗しても旨みはあると思いますよ」

 

「えっと強い霊具の素材が手に入るって事で良いですか小竜姫様」

 

「ええ、その解釈で間違いないですよ。なので失敗しても悪霊や反英霊が出る可能性は低いので気楽にやってみてください、これ皆さんにお配りしますね」

 

そう言って小竜姫様が私達に配ってくれたのは金色に輝く半透明の札だった。

 

「これは?」

 

「人間が英霊召喚に自前の魔力とかを使うと命に関わりますからね。神魔混成軍で魔力や神通力を集めてそれを特殊な製法で抽出し札状に整形したものです、1人当たり3枚ずつしか準備出来ませんでので1人当たり3回までですね」

 

美神さん、琉璃さん、くえす、私、横島で計15枚の札を受け取る。

 

「蛍。でもそれならカオスのジーさんとか、唐巣神父も呼んだほうがよかったんじゃ?」

 

霊能者としては確かにドクターカオスや唐巣神父も十分に召喚者の候補なのだが、今回呼ばれなかったのには理由がある。

 

「触媒を十分に入手出来なかったのよ、最終的に物を言うのは英霊との縁。ドクターカオスだと錬金術師だけ、唐巣先生だと聖人が来てくれる可能性もあるけど、天使が召喚される可能性もあるから今回は実験の参加を見送って貰ったのよ」

 

「なるほど、そういうものなんですね……ノッブちゃん達がいるからもっと簡単だと思ってました」

 

それは横島だけが特別なのという私達の突っ込みが横島に突き刺さり、英霊召喚実験の準備が始まるが……正直英霊を召喚出来るのは横島だけなんだろうというのは私だけではなく、この場にいる全員がそう感じていたと思うのだった……。

 

 

 

~美神視点~

 

 

英霊召喚に与えられた15回のチャンスの内6回は既に終わってしまった。

 

「私は運が良いほうだと思ったんですけどねぇ……」

 

「それを言うなら私もよ」

 

横島君の次くらいには私も琉璃も運が良い性質だったが、それでもなお英霊は頷いてはくれなかった。

 

「これ何か分かります?」

 

「分かる訳ないでしょ?ドクターカオスに預けるわよ」

 

拳大の宝石……ではなく、魔力が結晶化した魔力石とでも呼ぶべき物に古ぼけてはいるが一目で業物と分かる武具防具の数々。それが私と琉璃、そして……。

 

「やっぱりだめでしたね……」

 

蛍ちゃんが薬の瓶と篭手、それとペンダントを首から下げてトボトボと召喚陣から出て来た。

 

「そう気落ちする事はないと思うわよ。その霊具も紛れも無く1級品だからね」

 

「そうですかね……見た目ボロボロですけど」

 

確かに見た目はボロボロだが紛れも無くアーティファクトであり、私達に合わせて調整すればガープに対する切札になりえるかもしれない。

 

「小竜姫様。修理と改造のための資金よろしくね?」

 

「……大丈夫ですよ、そう言われるのは分かってましたからね」

 

「ある程度はこちらもご協力しますから」

 

言質を取ったのでよしっと小さくガッツポーズをしていると召喚を終えたくえすが魔法陣から出て来た。

 

「1番外れ?」

 

「まぁ……私は運が悪いほうですから」

 

くえすが手にしているのは罅割れたペンダントと眼鏡、そして見るからに曰くありげな魔道書が1つ。

 

「それ人の皮とか言わないわよね?」

 

「残念ながら違いますわ。作者もタイトルも分からない封印された魔道書ですから、まぁ時間を見て……」

 

くえすの言葉を遮って凄まじい衝撃音と振動が地下遺跡を襲った。

 

「み、美神さん!何かとんでもない事に!」

 

とんでもない事って触媒としてはブラヴァっキー婦人の……。

 

「「「「とんでもない事になってる!?」」」」

 

横島君の言う通りとんでもない事になっていた、召喚陣は虹色に輝き、そこから這い出ようとしてる無数の手、手、手、霊能者でもドン引きするような光景がそこにはあった。

 

【は、母……私が、私が母……】

 

【安住の地……ですよ?私に住めば……もう怖くないです……よ?】

 

【なんで俺が……もう俺お前との縁とかいらないから】

 

【はぁーい!私は……痛い!なんかめちゃくちゃいたいでーす!!】

 

なんかもう詰ってる。召喚陣が詰ってるとしか言えない異常な光景がそこにあったが、私達が驚いていたのは触媒を上回る縁だった。

 

(S達が言ってる以上の何かがあるッ!?)

 

コヤンにジャンヌ、そしてS達。横島君の結末を知ってる者達が言っていた以上の横島君にはIFがある。そのIFに繋がれた縁によって英霊が現れている……。

 

「次元が違う……召喚は出来てるけど出来ていない」

 

「どういう事ですか!?」

 

「縁がつながって英霊召喚はなされていますけど、この時間軸と英霊の時間軸がずれているんです。だからこちら側に降臨出来ない」

 

英霊自体は召喚出来ているが、時間軸と空間軸がずれているので英霊が召喚出来ない。だがこうしている間も英霊は増え続け手だけではなく、ついには生首や足まで出て来て大惨事へと発展するのも時間の問題に見えたその時だった。

 

「あ」

 

「「「「あ?」」」」

 

横島君があっと呟き、黒いリボンが召喚陣の中へと落ち、虹色の光が噴出した。

 

【こんにちは。貴方が私の召喚者……ですね?私はトネリコ。雨の国の魔女、トネリコ。植物系の魔術は苦手ですが、敵を倒す魔術、争いに備える魔術、障害を破壊する魔術には自信があります。城の外の世界は不慣れですが、どうかよろしくお願いしますね】

 

白いローブに魔女と言わんばかりの帽子と眼鏡姿のどこと無くジャンヌ・オルタに似た顔付きの少女の英霊が召喚されたのだが……。

 

(トネリコ?雨の国……?どこそれ)

 

知らない国の名前にトネリコという偽名しか思えない名前を名乗る少女に不信感を抱く。

 

「俺は横島です。よろしく、えっとトネリコさんのクラスは?」

 

【あ、はい。私はキャスターですけど……】

 

「美神さんやりましたよ!トネリコさんキャスターですって!」

 

キャスターだとトネリコの手を握りながら喜んでいる横島君だが、敵を倒す魔術、争いに備える魔術、障害を破壊する魔術に自信ありと言っていたトネリコはどう考えても私達の求めているキャスターではなく、私達は曖昧な返事を返すのがやっとなのだった……。

 

 

 

リポート24  未来から来る者 その3へ続く

 

 




と言う訳でルーレットの結果横島の英霊召喚はトネリコさんとなりました。後はククルカンとかティアマトーとか候補でしたが、3回ルーーレットをまわして2回トネリコだったのでトネリコさんに決定しました。次回はトネリコさんを半分、そして猛半分は前回の最後の3人に昇天を当てていこうと思いますので次回の更新もどうかよろしくお願いします。
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