GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL 作:混沌の魔法使い
リポート24 未来から来る者 その3
~トネリコ視点~
召喚者が目の前にいる少年ということはパスの繋がりで理解出来ていました。自分のクラスがキャスターということも、そして魔法は攻撃に使うほうが得意というのもしっかりと覚えていたのですが……。
【あの~雨の国ってどこですかね?】
「えっとお?自分で雨の国の魔女って言ってませんでした?」
【あ、はい。言ったのは覚えているんですけど……無意識といいますか、霊核に刻まれていた何かだと思うんですけど……雨の国がどこか、それとここがどこなのかも綺麗さっぱり何も分からないんです】
そう分からないのだ。覚えている魔法……いや、魔術はしっかりと全部覚えているのだが……それ以外、自分の事すら禄に分からない状況だと説明する。
「……つまりトネリコは記憶喪失であると……」
【多分不安定な召喚の影響だと思うんですけど……どうしましょうかね?】
不安定な条件での召喚の結果が記憶の欠落という重篤な後遺症を生んでしまった訳のようです。
「えっと俺のせいですいません」
【あ、いえいえ、大丈夫ですよ。マスターが悪いわけじゃなくて、多分、うん……召喚される前に物凄くむかついて魔術をぶっ放したのは覚えているので多分それが原因だと思うんですよね】
覚えているので多分それが原因だと思うんですよね】
呼びかけと触媒に惹かれたのは確実で、私もその呼びかけに答えようとして……なんかこう……。
【凄くむかつく奴が3人いて……やろうぶっ殺してやるって思ったんですよね……】
本能的に殺してやると思うほどに受け入れる事が出来ない奴が居て、ぶっぱしたのは覚えてる。
「横島君、多分その人キャスターじゃなくてバーサーカーだと思うわ」
「私もそう思いますわね」
「え、でもトネリコさんはキャスターって言ってるじゃないですが、それにきっと魔法も得意ですよ。ね、トネリコさん」
【はい!瞬間移動とか、広域殲滅とか、杖に魔力で剣を作るとか得意です!】
「……ほら、魔法得意じゃないですか」
【あのなんで顔が引き攣っているんですか?あ、あと、水を操ったり、魔力弾の嵐とか魔力砲も得意ですし、槍術や徒手空拳にも自信があります!】
自分に出来る事をアピールするたびにマスターやマスターの周りの人達が浮かない顔をするが、私の得意な魔法というのはこういう類な訳で……。
【でもちゃんと一通りの魔法は使えます】
「じゃあ大丈夫ですね!トネリコさん、これからよろしくお願いします」
【はい!頑張ります!】
記憶の欠落はまだ残っているけど、とりあえずマスターが私を受け入れてくれたことに安堵し、笑いながらよろしくというマスターの手を握り返しながら私も笑みを浮かべた。
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「という訳で、こちらトネリコさんです。キャスターで得意なのは攻撃魔法だそうです」
【【【バーサーカーじゃないの?】】】
【キャスターですよ!!】
マスターの家には3人のサーヴァントがいた。1人は私に似た顔付きの女性、後の2人はやや小柄な女性のサーヴァントだった。
「とりあえずトネリコさんの歓迎パーティとかもしたいし、屋敷も案内したいし……とりあえず皆を紹介しないと……」
「とりあえず皆を紹介してから細かいことは考えればいい。トネリコ、私は心眼。横島の補佐役のようなことをしている」
【はい、よろしくお願いします】
補佐役と名乗った女性の手を握り返すと使い魔に近い何かというのは分かった。
【私は牛若丸と言います。主のサーヴァントをしています】
【ワシは信長じゃ!よろしくなキャスター】
サーヴァントではあるが、この2人はマスターと契約しているサーヴァントではない、パスの繋がりが感じられないからだ。
【ジャンヌ・オルタ。私は別に馴れ合うつもりはないから】
ふんっと鼻を鳴らして姿を消したサーヴァントは敵意がむき出しだったなぁと他人事のように思った。
「あージャンヌさんは少し気難しいですから、あとは今は家にいないですけど、龍神のシズク、九尾の狐のタマモにコヤンちゃんって子もいますよ」
【……なんかすごいですね?】
「そうですか?別の部屋になりますけど、人造神魔が2人とジャンヌさんの小さい時のリリィちゃんとか、鬼の茨木ちゃんとか、後偶に神魔も家に訪ねて来てくれますよ。それに……後俺の家族のグレムリンとか、モグラちゃんとかもいますよ。皆可愛いから後で紹介しますね」
魔も家に尋ねて来てくれますよ。それに……後俺の家族のグレムリンとか、モグラちゃんとかもいますよ。皆可愛いから後で紹介しますね」
【……すいません、貴方は人間ですよね?】
豊潤な魔力の供給があるのでマスターとして申し分ないと思ったのですが、私を召喚したマスターはなんというか、愉快というか、変わっているというか……。
「人間ですよ?「おっにいちゃーんッ!!」おっとと、おーアリスちゃん遊びに来てたんだ。トネリコさん、行きましょう。皆に紹介するついで散歩に行きましょう」
【あ、は、はい】
とりあえず横島をマスターと認める以上はこういうことは多々あるだろうから……なれようと思ったんですけど……。
「みむみー」
「うーきゅー」
「ぷぎい!」
「あのね、あのね、私紫っていうの、よろしくね」
【リリィです!】
「……ミィですの」
「アリスはありすだよー!」
あちこちから響いて来る楽しそうな幻想種の鳴声と子供達の楽しそうな声に私は自分が考えいている以上に変わったマスターに召喚されてしまったのではないか一抹の不安を抱きながら、さも当然のようにたずねてきた2人の上級神魔の姿に私は考える事を止めた……。
~横島視点~
俺が召喚したトネリコさんは初日こそ俺の家の雰囲気に呑まれていたが、2~3日もすれば最初から俺の家で暮していたかのように馴染んでいて、リビングで絵本を読んで欲しいと強請るリリィちゃん達と完全に打ち解けていた。
「ただいまー」
半日だけだが学校に顔を出して帰ってくるとおかえりと出迎えてくれる元気の良い声に思わず顔が緩んだ。
【おかえりなさい、横島。はい、リリィ達は一度自分達の部屋に行くんですよ。横島はこれからお勉強の時間です】
「「「「はーい」」」」
絵本や遊んでいた玩具を抱えてリビングを出て行く紫ちゃん達の背中を見ながら制服の上着をハンガーに吊るして、鞄をソファーの上に投げる。
【少し休んでからの方が良いのではないでしょうか?】
「いや、覚えてるうちに復習しておいた方が良い。今日はくえすも来るし、しっかり覚えないと」
【その意気ですよ。横島】
トネリコさんは物腰は柔らかいが、とても真面目で厳しい人だった。記憶はまだ戻っていないが、俺の勉強用にとくえすや蛍が置いてくれていた本を読み漁り、美神さん達に負けないくらい霊能の知識を身につけていて心眼や高城さんに続く、俺の3人目の先生になってくれた。
【旦那はんはまた大変そうな人を抱え込んだねぇ……ちょっとうちは出掛けて来るわぁ】
「酒呑!吾も行くぞー」
【そんなら一緒にいこか、茨木】
「うむ!」
出かけた……というか、トネリコさんの標的になる前に屋敷を脱出した酒呑ちゃんと茨木ちゃんを見送り、戸棚から最近勉強に使っている黒塗りのノートと教本、それと羽ペンとインクの瓶を取り出して、ぽんぽんと自分の隣を叩いているトネリコさんの隣に腰を下ろす。
【横島は理論で考えるよりも感覚で覚えたほうが魔法を覚えやすいので、まずは図式を簡略化して、そこから覚えていきましょう】
「うい」
トネリコさんやくえすは凄く丁寧に教えてくれているがその全てをどうしても理解出来ないでいる。
【この図式と横島の得意な陰陽術を組み合わせてあげれば良いんですよ】
「……えっとこれは水……札は水……あーなるほど」
ルーン魔術のように魔力の流れを文字に置き換えて、それを陰陽術で補強すれば良い訳か。
「となると炎はちょっと相性が悪いかな」
【ですね、今の横島の実力だとちょっと難しいかもしれないですね】
陰陽術だけなら俺は札無しでも使えるが、これを魔術と組み合わせると札が無いと使えなくなってしまう。
「まだ横島の理解度が足りないだけですわ」
「あ、くえす。出迎えできなくてごめん」
「構いませんわよ、真面目に勉強しているようで何よりですわ」
……なんで俺を挟むんですかと言いたかったが、右をトネリコさん、左をくえすに挟まれた俺は当然ながら何も言えなかった。
「媒介なしで陰陽術を使えているのですよ?トネリコ、つまり横島は魔力図を脳内で描いているということになりますわ」
【あ、なるほど……つまり横島に魔力図を暗記させれば良いと】
「え?」
「先ずは簡単な自己強化くらいから始めましょう」
【ですね、そこから魔力剣や転移も覚えていって貰いましょうか】
なんか凄いとんとん拍子に話が進んでいるんだけど……
「あのー前に教えてもらった自己強化の魔術術式も覚えれてないんですけど?」
畳1畳くらいの図式を完全暗記するなんて無理ゲーにも程がある……そう思ったのだが……。
「人間やれば出来ますわよ。紫やチルノでも同じ事をしてるんですから横島も出来ますわよ」
【大丈夫ですよ。先ずは簡単に覚えて、そこから細部を詳しく覚えて行きましょう」
【「横島なら出来る(ますわよ)」】
くえすとトネリコさんに口を揃えて言われ、俺は絶対無理だと思いながらも顔を覗き込んでくるくえすとトネリコさん、そして両腕に当たる柔らかい感触に少し赤面しながら俺はやりますと返事を返してしまい……。
「うううー頭痛い」
【ちょっと詰め込みすぎましたかね?】
「もう、しょうがないですわね」
一気に勉強しすぎて知恵熱を出してしまい、トネリコさんとくえすの2人に看病されることになるのだった……。
~レクス・ロー視点~
横島の元に新しいサーヴァントが訪れたのはまぁ良しとしましょう。横島には必要な戦力でしょうし、横島ならば英霊召喚に成功してもおかしくないだけの幸運と魔力を持ち合わせているから召喚に成功するという確信はあったのですが……。
「トネリコ、トネリコですか……不味いですね。考えうる限り1番の外れだ」
横島の縁は平行世界、未来と多岐に渡るがその中で最も引き当てては……。
「警告もなしに撃って来ますか、宣戦布告ということでよろしいでしょうか?」
頭目掛けて飛んできた光弾を本で弾きながら私を睨みつけている3人の少女に視線を向ける。
「レクス・ロー……お前が奪って行った物を返してもらうッ!」
「その為に私達はここに来た!」
決死の覚悟を持ってこの時代に来たのは分かるが、その行動は私からすれば何の意味もない、自殺行為に等しい行為だ。
「奪った?はて、誰も触れない物を私は手に取った。つまりそれは選ばれたと受け取る事も出来るのではありませんかね?」
ローブの中から1つの眼魂を取り出す、ボロボロにひび割れ、今にも砕け散ってしまいそうな眼魂を見て私の前に立つ3人はその顔色を変えた。
「98.9%ウィスプ眼魂です」
「やっと見つけたッ!それはあの人の物だ。返して貰うッ!」
ポケットから取り出したプログライズキーのライズスターターを押し込むのを見て、私もウィスプ眼魂のゴーストリベレイターを押し込み、フォーティスライドウォッチと合体させる。
【フォーティス!】
【ジャンプ!】
【バレット!オーソライズッ!】
「なるほど、その1人は衛星の変わりですか、まぁ良いでしょう。そんな不完全な衛星では私の足元にも及ばない」
最後の1人の耳飾が展開し、体のあちこちの装甲が展開され、そこからライダモデルが投影される。
【フォーティス!アーマータイムサウザー】
サウザーライドウォッチを続けてベルトへと装填する。
「「「変身ッ!!」」」
【フォースライズ!ライジングホッパー!A jump to the sky turns to a rider kick.Break down.】
【ショットライズ!シューティングウルフ!The elevation increases as the bullet is fired.】
【アーマータイム!パーフェクトライズ!サウザー!】
フォースライザーを使った事で呻き声を上げながら変身した001と戦う前から紫電を撒き散らしているバルカンを見据えて笑う。
「私の強さは桁外れですよ、お嬢さん方」
「「うああああああッ!!!」」
咆哮と共に襲ってくる001と001を援護する為にショットライザーを構えるバルカン。
「言ったでしょう。私の強さは桁外れだと!」
ショットライザーのエネルギー弾も001の跳び蹴りも直撃したがサウザーアーマーにダメージを与えることは叶わない。
「そんな!?」
「これが純然たる力の差、霊能力が衰退した未来から来た貴女達の攻撃などそよ風に等しい」
袋小路に落ち込み、霊能力が衰退した世界から来た者の攻撃など私には届かない、信じられないと声を上げる001のがら空きの腹に拳を叩きこむ。
「がぼっ!?」
「焔!?」
潰れた蛙のような悲鳴をあげて吹っ飛ぶ001を見下しながら本を開き、その中からサウザンドジャッカーを取り出す。
「これ以上目の前をうろつかれるのも面倒です。そのプログライズキーのデータを総べていただく事にしましょう」
この世界にやってくるのは邪魔しなかったが、こうして私の前に敵として立ち塞がった以上ルイとの約束の範囲外だ。震える足で立ち上がり、まだ戦意を折っていない001とバルカンを見下しながら、私は散歩でもするかのようにゆっくりと歩き出した。
リポート24 未来から来る者 その4 へ続く
001とバルカンVSフォーティス サウザーアーマーとの戦いですね、今回はIFエンドに繋がるので少し文字数や描写も頑張って見たいと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
まだまだに料理のリクエストは受け付けていますので、もしリクエストがあれば活動報告にコメントでよろしくお願いします。