GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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その4

 

リポート24  未来から来る者 その4

 

 

~焔視点~

 

たった一撃、たった一撃で私の目の前は大きく歪み、足は震えて立ち上がることすら出来なかった。

 

(やっと……やっと見つけたんだ)

 

破損したウィスプ眼魂の8割とゼロワンドライバーを奪い去った怪人……レクス・ローをやっと見つけ、あいつの場所まで辿り着いた。

 

「こんな……こんな所でぇッ!!」

 

足を殴りつけて無理矢理立ち上がり拳をフォーティス サウザーアーマーへと向ける。

 

「大丈夫。焔」

 

「うん、大丈夫。雷……こんな所で終われない、取り返す。そう決めたんだ……諦めなんかしない!」

 

フォースライザーは人間が使う前提ではない、動くだけで身体が軋むがその痛みを堪えてライジングディストピアを発動させてフォーティスへと駆け出す。

 

(スピードで撹乱して、雷に後は任せるッ!)

 

サウザーは攻撃力、防御力に秀でているが、試作品なのでスピードに劣る。001のスピードにはついて来れないのは分かっている。雷がフォーティスのベルトを攻撃する隙を作れれば良い。

 

「素晴しい覚悟ですね、感動的だ。だが無意味なのが悲しい所、弱者はただ強者に嬲られるだけなのですよ」

 

「がっ!?」

 

だがそんな私の捨て身の特攻もフォーティスには届かなかった。本当に軽い動きでの裏拳からの後回し蹴りが叩き込まれ吹っ飛ばされる。

 

「焔ッ!!このッ!!」

 

エイムズショットライザーから放たれるエネルギー弾は避けるまでも無いのか装甲で弾き、サウザンドジャッカーを構えてバルカンに変身している雷に近づくフォーティスの背後にライジングディストピアを発動させたまま突っ込むが、フォーティスは前を向いたまま私の足を掴んで、そのままバルカンへと叩きつけた。

 

「ぐうっ!?」

 

「あぐっ!?」

 

ライジングディストピアで加速していた事が仇となり、私も雷も苦悶の声を上げる。

 

「弱く、脆く、そして貧弱……なんとも弱い、そのような力で私の前に立ち塞がった。その勇気、いや、蛮勇は賞賛しましょう」

 

フォーティスの言葉を遮るように地面を踏みしめ、最大加速を載せた右拳をがら空きの腹に叩きこむ。

 

「そんなッ!?」

 

だが私の渾身の一撃は避けることも、防ごうともしなかったフォーティス サウザーアーマーにほんの少しの掠り傷をつけることすら出来なかった。

 

「霊力を使えない貴女の攻撃は私には届かない、貴女達の戦いは科学だが、私達の戦いは霊能である。霊能を失った貴女達では戦いの舞台にすら上がることは出来ないのですよ」

 

無造作な蹴りで打ち上げられ、振りかぶった右ストレートが顔面に叩き込まれる。

 

「あがっ!?」

 

ボールのように吹っ飛ばされ、私は公園の石道を破壊しながら地面を転がった。

 

「貴女もですよ、目障りにも程がある」

 

「ごぶっ!?」

 

交通事故のような音を立てて雷も吹っ飛ばされ、私の横まで転がって来たのを見て、反射的に上半身を起して雷を受け止めた。

 

「雷!」

 

「うっぐ……ありがと、焔」

 

「どういたしまして……ッ!逃げるよ!」

 

追撃に放たれた霊波弾を見て、雷を抱えたままマリアZの元へ向かい、マリアZも抱き抱えて高速で駆け回る。マリアZが破壊されればライダモデルが維持出来ない、霊力を使えない私と雷にとってマリアは仲間であると同時に、絶対破壊されてはいけない生命線でもあった。霊波弾から逃げ回り、フォーティスとの距離が大きく開いたが……プログライズキーを……。

 

「プログライズキーを交換出来る……つくづく甘い、そんな考えで私の前に立つとは……実に滑稽、実に愚か、見せてさし上げましょう。私の真の力。その一端をね……」

 

サウザーライドウォッチを外したレクス・ローはそのまま腰のベルトを掴んだ。

 

「変身」

 

【加速!オールドタイムッ!スゴイッ!ツヨイッ!!オモイッ!!!クライッ!!!! 仮面ライダーフォーティス、フォーティス! ヴィートゥースッ!!!】

 

ベルトが半回転すると無数の時計がフォーティスの周囲を囲い、その秒針を加速させながら強い光を放ち私達の視界を一瞬奪い、光が消えた瞬間目の前の光景に私と雷は言葉を失った。

 

「メタルクラスタホッパーとシャイニングアサルトホッパーッ!?」

 

「ランペイジバルカンッ!?」

 

奪われた私達のプログライズキーであるのは間違いないが、それは理論上でまだ存在していない筈の強化形態の3人の仮面ライダーが右腕にガントレットを嵌めたフォーティスの前に立っていたが、その3人は粒子に分解され、右腕のガントレットへ吸収された。

 

「この形態は些か燃費が悪いのですよ、ほら。返してあげますよ、あの世にでも持っていくと良い」

 

色を失ったメタルクラスタホッパープログライズキーとアサルトグリップを付けられたままのシャイニングホッパープログライズキーと罅割れてボロボロのランペイジバルカンプログライズキーをフォーティスが投げた……それが私と雷が見た最後の光景だった……。

 

「あっが……」

 

「うっうう……何が……」

 

フォースライザー、そしてショットライザーが砕け散り、輝きを失った私達のプログライズキーとフォーティスの投げた3つのプログライズキーが私と雷の足元へ落ちて乾いた音を立て、私と雷は血反吐を吐いてその場に崩れ落ちた。

 

「言ったでしょう。私の強さは桁外れだとね、それともう1つ冥土の土産に教えてさし上げましょう、私はまだもう一段階上の変身を残しているのですよ」

 

「なっ……」

 

「嘘……」

 

「事実ですよ。私はこの世界の誰よりも強い、私に勝てる者はルイ・サイファーか魔人姫くらいでしょう。人間風情では私には届かない、ご理解できましたか?では後悔したまま細胞1つ残さず消え失せなさい」

 

【フィニッシュタイムアクセルッ! フォーティスパラドクスタイムブレイク】

 

「はっ!!」

 

跳躍し凄まじいエネルギーを纏ったフォーティスの飛び蹴りが私達に向かってくるのが見えるが、ダメージのせいで動く事も出来なかった。どう足掻いても死ぬ……そう思った時だった。

 

【ダイカイガンッ!ウィスプオメガドライブッ!!!】

 

「うおりゃあああああッ!!」

 

鮮やかな黄色い流星が私達の前を駆け抜け、フォーティスの飛び蹴りとぶつかり合う。

 

「あ……ああ……」

 

「ああああああ……ッ」

 

目から涙が溢れる。助かったからではない、もう会えない大好きだった人の声に私と雷の張り詰めていた心の糸が音を立てて切れ、黄色い光がフォーティスの光を打ち破ったのを見たのを最後に私達の意識は闇の中へと落ちていくのだった……。

 

 

 

 

~横島視点~

 

それは完全な偶然だった。紫ちゃん達と散歩している最中に激しい衝突音を聞き、周囲を警戒しながら音の元へ向かうとフォーティスと2人の仮面ライダーが戦っているのが見えた。だが2対1でもフォーティスが圧倒的に有利であり、紫ちゃん達に倒れている3人を回収して屋敷に戻るように言いつけてから割り込んだのだが……。

 

(あ、危なかった……死ぬ所だったッ!)

 

途中でフォーティスが攻撃を止めなければ俺は恐らく消し飛んでいただろう。それほどまでにウィスプとフォーティスの新しい姿には出力の差があった。

 

「やれやれ……今の私は貴方と戦うつもりはないんですがね、横島忠夫」

 

ライドウォッチを取り外して変身を解除するレクス・ローを見て、俺も変身を解除してレクス・ローと向き合った。

 

「あんた何がしたいんだ」

 

「……ふむ。ここで対話を望みますか、まぁ良いでしょう」

 

言葉の節々に見える嫌味に顔を歪めると脳内に心眼の落ち着けという声が響いた。

 

(出来るだけ情報を引き出せ、レクス・ローはアスモデウス、ガープ以上に未知数だぞ)

 

ガープとアスモデウスは強い、だがレクス・ローはそれ以上に底が見えない怪人だ。相手に戦う意志が無い時に出会えたこのチャンスを無駄にする訳には行かない。

 

「神魔が守るならそれを壊す、神魔が壊すならそれを守る。それが私が定めた私のルールです」

 

「あの3人は人間だった。あんたのルールに乗っ取れば戦う相手じゃない、違うか?」

 

レクス・ローの言葉を遮り、そう問いかけるとレクス・ローはふむっと小さく頷き、その通りですねと返事をした。

 

「確かにあの3人は神魔ではない、ですがこの「時代」に来た乱入者を見過ごす必要もない、私を目の仇にしていますしね」

 

時代という言葉を強調するレクス・ローに倒れていた3人が何者なのかをあやふやだが理解出来た。

 

「S達と同じなのか?」

 

S達と同じ未来から来た存在なのかと尋ねるとレクス・ローは嬉しそうに微笑んだ。

 

「Sやジャンヌ・オルタが知っている未来の存在ではないですがね。1つの結末、袋小路の終わりから彼女達は来た。親切心で1つだけ助言してあげましょう。後悔したくなければあの3人は早々に追い出すと良い。それが貴方にとって一番良い結果を呼ぶでしょう。ではまた何れ、世界を命運を分ける戦いの舞台でお会いしましょう」

 

待てと叫ぶ間もなく、レクス・ローは溶けるように消え去り、変わりに心眼が俺の隣に現れた。

 

「転移でもない、魔法で姿を消したのでもない。完全に痕跡も残さず消え去ったぞ、相変わらず意味が分からない相手だ」

 

「ガープ以上の化物ってことなんだろうな、やっぱり」

 

ガープ達が勝てないと言っていたが、それは嘘でも張ったりでもなく純然な事実だった訳だ。あの一瞬のぶつかり合いで俺は死を覚悟した……それほどの力をレクス・ローは持っていたのだ。

 

「とりあえず急いで帰ろう。美神さん達に報告しないといけないし」

 

「そうだな。横島、忘れないで持ち帰れよ」

 

「分かってる。カオスのじーさんなら修理出来るかもしれないしな」

 

砕け散っているベルトの欠片を拾い集め、色を失い罅割れたプログライズキーも全て回収してから心眼と共に家へと戻ったが、そこでルキさんからあの3人はナイチンゲールさんのいる病院に搬送したと聞かされるのだった……。

 

 

 

~美神視点~

 

レクス・ローと1人で戦う事になったと病院で言った横島君は即座にナイチンゲールに担ぎ上げられ病室に叩き込まれた。それは良い、それは良いのだが……。

 

「アンドロイド?」

 

人間に見える3人が機械を埋め込まれた人間ではない存在だとドクターカオスに聞かされたのは正直に言って驚いた。

 

「正確にはガイノイドの一種じゃな。骨の6割が金属、人工筋肉も使っておるし、脳にはICチップまで埋め込まれておるわ」

 

「非人道的ね」

 

生きた人間を兵器にする。その実験体らしい少女が2人とドクターカオスの技術よりも発展したマリアの後継機……。

 

「レクス・ローの言っていた、別の可能性未来の住人と言うのは本当のようだな」

 

「急に連れ出されたから何事と思ったが、とんでもないの」

 

暴れだしたら困るので医療用のポッドの中で眠っている3人の少女はS達と同じ、取り返しの付かない袋小路の未来の住人……。

 

「話し合いに応じてくれたらありがたいんですけどね」

 

「本当ね」

 

S達は敵対しているし、ジャンヌ・オルタもコヤンも私達には必要以上の情報を与えてくれない。この3人が協力的ならもう少し、そう、S達の正体に1歩踏み込めるかも知れないという期待もある。

 

「まぁ暴れたとしても取り押さえれるじゃろう。こやつらには霊力を扱う為のチャクラが無い」

 

「霊力を扱うチャクラが?」

 

霊力に開眼できるかはその人間の素質だけどチャクラまでないというのは信じられず、思わず鸚鵡返しに尋ねる。いくら霊能の素質が無いとしても完全にチャクラが失われるなんて事はまずあり得ない。自分の意志で使う事が出来ずとも、生きる為に無意識に霊力は身体に取り込まれている。それすらもないというのは正直言って信じられなかった。

 

「僅かにチャクラの面影はあるが、もはや名残程度じゃな。チャクラの変わりに機械を埋め込んでおるのかもしれんが……それでも霊能者よりは劣るだろうから十分に取り押さえれるじゃろうて」

 

破損したベルトとプログライズキーから情報を吸い出してみるというドクターカオスを見送る。

 

「どう思う?」

 

「袋小路の結末……つまり霊能を扱う器官を失い、神魔とも決別した世界と言うのはどうです?」

 

「ありえるわね、それ」

 

人間が完全に霊力を失った。それが意味するのは霊界チャンネルも全て破壊、あるいは機能不全となり神魔が人間界に干渉出来なくなった世界とも言える。そんな状態になれば確かに袋小路の世界といわれても分かるのだが……。

 

「じゃあ。この人達は何と戦っていたんでしょうか?」

 

「分からないわよ。でも何かと戦っていたんでしょうね。仮面ライダーになって……」

 

神魔も悪霊もいない世界なのに、今も眠り続けている3人の身体には消えない傷がいくつも残されていたし、何より2人は仮面ライダー……この3人が何かと戦っていたのは間違いないが、一体何と戦っていたのかは一切不明のままだ。

 

「とりあえずこの3人が起きるまでは監視、順番に休憩に入りましょう」

 

勝手にいなくなる可能性があるだけではなく、レクス・ローと戦っていても私達の味方とは限らない相手を自由に出来るわけも無く、私達は眠り続けている3人を監視しながら眠れぬ一晩を過ごす事となるのだった……。

 

 

リポート24  未来から来る者 その5へ続く

 

 




フォーティスの第2段階と最終形態の存在を示唆してみました。次回は起きた3人に焦点を当てつつ、イベントを起して行こうと思います。まぁ少なくとも蛍とはバチバチにもめるのは確定しておりますからね、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。


ゴッホ狙いで30連ガチャ

シトナイ
ヘファイトス×2
テノチ

うーん、これじゃない感……。
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