GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL 作:混沌の魔法使い
リポート24 未来から来る者 その5
~カオス視点~
日本全体の霊力や神通力のバランスがおかしく、マリア7世の死を偽装する為の墜落事故はまだ実行出来ていないが、ワシは今計画を実行出来ていなくて良かったと思っていた。計画の都合上ワシも飛行機に乗る必要があり、そうなっていれば当然ながら暫く日本に来る事は出来ず、そして美神達に協力することも出来なかったからだ。今病院に収容されている3人組のうち2人が持っていたツール……それは紛れも無く仮面ライダーの変身ベルトであり……。
「どういうことじゃ、これは……これはワシが作ったのか?」
ワシの作る機械の痕跡がこのベルトと銃にはあちこちにあった。どう考えても、このベルトと銃はワシが作った物だ。
「……馬鹿な、ワシがこんなものを……作ったのか?」
装着者の安全性が度外視にされたベルトだ。月からテレサが持ち帰った変身ベルトを解析すれば美神達が使える変身ベルトを作ることも出来ると考えていたが、こんな装着者の安全を度外視した物をこのワシが作るとは思えない。だが確かにこれはワシが作った物だ……。
「一体……何があったと言うんじゃ」
霊力を司るチャクラが殆ど機能しないほどに小さくなっている上に、霊力を放出する器官も失われていた2人。その2人が使う為に作ったとしてもワシがこんな使用者を殺すような霊具を作ったとは思いたくもない。
「……美神達次第か」
今も病院に詰めている美神達があの3人から何かを聞き出せれば、このベルトの正体も分かるやもしれん。
「ドクターカオス。PCの準備が出来ました」
「ただあんまり持たなさそう、少し急いでくれよ、ドクターカオス」
「うむ。2人は状態を逐一確認してくれ。頼むぞ」
かつて別の世界からやって来た者が使っていた……確かプログライズキー。小僧の眼魂と同じ変身するためのツール……これに一体何が残されているのか……それを確かめる為にワシはキーボードに指を伸ばした。
(……これは……動物?いや、昆虫のデータと霊力を混ぜ合わせた物……いや、少し違う、擬似霊魂……か?)
動物や昆虫のデータに霊力を混ぜ合わせて作り出した擬似霊魂がこのプログライズキーに組み込まれていた。
(……自分が使えない霊力をこっちで補っているのか?いや、これ自身がチャクラの代わりになっているのか?)
変身ベルトは仮面ライダーに変身するためだけではなく、プログライズキーと組み合わせる事で霊力を使えるように……?
「そうか、体内に埋め込まれていた機械と脳の電子チップはこのために……」
霊力を失っても戦う事を諦めなかった不屈の証ではあるが、この手術を行なったのは間違いなくワシだ。この非道な手術をしたのはワシだ。人間を兵器にする為に許されない領域にワシは手を染めてしまったのだ。
(未来に希望などないというのか……いや横島は救われないというのか……?)
ジャンヌ・オルタにS、そしてコヤンスカヤ。様々な者が伝える絶望の未来……どうすれば良い、どうすればその中心にいる横島を救うことが出来るのか?出来る事は全てやってきたつもりだ。だがワシらの願いも、努力も想いもその全てが無意味だと思い知らされているような気がして無力感にワシは打ちのめされた。ベルトに残されていた僅かな未来の記録、それはワシの心をへし折るには十分すぎた……。
(横島の死、横島をヒューマギアとして復活させたが、ヒューマギアとなった横島は暴走、ヒューマギアによる人類制圧が始まった……)
横島の死を受け入れられなかった蛍達の願いでマリアとテレサを作成する為の技術を更に発展させたヒューマギアを作成。故人に会いたい者達の願いによって故人をモチーフにしたヒューマギアの作成が始まり、その全てが暴走し荒廃した世界となった。未来の日本を滅ぼした、その片棒を担いだという記録にワシは目の前が真っ暗になるのだった……。
~蛍視点~
横島が連れてきた3人は早朝4時に目を覚まし、私達は出来るだけ友好的な態度で接したのだが……3人は非常に私達に攻撃的で、私に至っては不意打ちで殴られ頭に大きなたんこぶを作る嵌めになった。
「あいたた……」
「あ、すいません、大分気をつけたんですけど、大丈夫ですか?」
「あ、うん。大丈夫、ごめん。思わず声が出ただけ、ありがとうおキヌさん」
「ヒーリングじゃなくて良いんですか?」
「うん、私の油断もあるしね」
ヒーリング使えばもっと楽に痛みが取れるがこの痛みはある意味私の自業自得なので氷嚢でたんこぶを冷やしていた。
(……あげはに似てるって思った)
リーダーだと思う焔という少女があげはに見えたのだ。だから彼女の振るってきた拳に咄嗟に反応できず直撃で拳を貰う事になった。全然似ても似つかないのに何故私はあの少女をあげはと思ったのだろうかと首を傾げていると病室から美神さん達が出て来た。
「どうでした?やっぱり駄目でしたか?」
その暗い表情を見れば駄目というのが一目で分かり、やっぱり駄目だったかと尋ねると美神さんは首を左右に振った。
「条件付で協力はしてくれるみたいだけど……」
「正直言って出来るとは思えないですわね」
「何を要求されたの?くえす」
私がそう尋ねるとくえすは溜息を吐きながらソファーに腰を下ろした。
「あのベルト……フォースライザーの修理、あるいはゼロワンドライバーの作成が条件ですわね」
横島の話ではレクス・ローによって破壊されたベルトの修理は分かるが、ゼロワンドライバーの言葉に首を傾げる。
「なんでもフォースライザーの完成形らしんだけど……その完成形を見たことないのに作れるわけないわよね」
「つまり、あの3人は協力する気はないって事ですか」
ドクターカオスなら修理は出来るかもしれないがまず間違いなくベルトが修理された段階であの3人はこの病院を脱走するだろう。それだけあの3人は私達に嫌悪勘を見せていた。あの3人が憎んでいる未来の私達と今の私達が違うと言ってもそんな言葉が通用する訳もない。頭と感情は別物だ。頭ではこれが正しいと分かっていても、感情がそれを認めないというのは良くある話だ。
「横島さん連れてきます?」
「それは最終手段。出来ればあの3人と横島君は接触させたくないのよ」
横島が最悪の未来を知ることでその未来を横島が認識してしまい、その道に進んでしまうかもしれない。あの3人と横島を会わせるのは本当に最終手段もしくは絶対に会わせないのが私達全員の総意だ。
「所で横島君は?」
「小さい子がいるので家に帰っていますよ?とりあえず家で待機するように言いましたよね美神さん」
「とりあえずこっちから連絡するまでは自宅待機って言ってあるから横島君が病院に来る心配はないわよ。今度は琉璃、行ってみる?」
「もしかすると話を聞いてくれるかもしれないですしね」
とりあえず、横島が病院に来る事はないのは決まっているので、難しいのは分かっているがなんとかあの3人から話を聞きだせないかと、早朝1番で着てくれた琉璃さんが病室に入っていくのを私達は黙って見送り、万全な準備をしていた筈なのに沈黙を続けているモニターのスピーカーからの嫌な静寂に、どれだけ私達が焔達に憎まれているのかと思うと、そして未来で自分達が何をしたのかと考えるとドッと肩が重くなるのを感じ、ドクターカオスがやってきて、プログライズキーの解析結果を聞かされた時私達は膝から崩れ落ちるのだった……。
~焔視点~
ベッドに寝転がりながら蛍を殴った右手を左手で無意識に包み込んでいた。
「後悔しているの?」
「……分からない」
蛍は好きだ、そしてそれと同じ位憎んでいる。蛍の……彼女の気持ちは分かるが、それでも彼女は越えてはいけない一線を越えてしまった。それが私達の世界の荒廃を呼んだのだ、だから憎んでいる。だけど……それでも完全に憎みきれないのも事実。
「次は神代琉璃が向かってきています。雷、焔」
「ありがとマリア」
次は神代琉璃が説得に来たと聞いて私と雷は布団を頭まで被った。神代琉璃の洞察力と観察力ははっきり言って脅威だし、もしも神卸しでヒャクメを憑依されていたら私達の素状まで暴かれてしまうかもしれない、だから眠っているという体を取り、神代琉璃と話をするのは完全に拒否する姿勢に入った。
「申し訳ありませんが2人は眠っております」
「私とは話をしたくないって事かしら?」
「そちらの受け取り方次第であります。ですが、現時刻は早朝5時25分。怪我人に尋ねる時間ではないと愚考します」
マリアの言葉に神代琉璃の苦笑いが病室に響き、机の上に何かを置く音がした。
「こっちで出しても多分食べないだろうからカップラーメンを置いておくわ、今度は10時ごろに来るから少しは眠ると良いわ」
そう言い残し神代琉璃の気配が完全に無くなったのを確認してから私と雷は布団から顔を出した。
「これからどうする?フォースライザーもショットライザーも壊れたし」
「ドクターカオスが修理してくれるでしょ?マリア、修理に成功する可能性は?」
「85%の可能性で修理成功します、ゼロワンドライバーは10%の確率です」
100%ではないのはフォースライザーを作ったのはこの時代のドクターカオスではないからだろうが、それでも80%の確率で成功するなら申し分ないだろう。
「脱走は……命がけになりそうですね」
「ナイチンゲールがいるからね。まだこの時代は」
クリミアの天使ナイチンゲールのクラスは凶戦士。間違いなく人の話を聞かないだろうし、逃げようとすれば物理的に押さえ込まれるだろう。
「焔、雷。今後の方針は?現在私達は考えられる最悪の状況に陥っていますが……」
フォースライザーとショットライザーがないと私達は霊力を使えないし、レクス・ローからウィスプ眼魂を取り戻す事も出来ない。それに何よりも神魔達が来れば頭の中や心の中を覗き込まれる可能性もある。それは出来るだけ避けたい所だが、負傷とフォースライザーがなければ私達は無能なので結局病院に缶詰になるしかないという答えにたどり着き、私は大きく溜息を吐いた。
「あの怪人化物すぎるわ」
「ですね。もう少し肉薄できると思ったんですけどね……」
まだ2段階も変身が残っているなんて思ってなかった。フォーティスの段階なら勝てる算段はあったのだが、その算段もまだ変身が2つ残っていると聞いて霧散してしまった。
「……横島忠夫がお見舞いに来たらどうしますか?」
「……会いたいけど、会いたくない」
「私もですね、会いたいです。話をしたいです、触れ合いたいです……でも……」
まだ生きている、まだ生きてこの時代で生きている。未来を覆せるかもしれない、その為に私達がやらなければならない事は分かっている。だがその為にはフォースライザーとショットライザーが必要だ。それらを失った以上私達には未来を覆す術がない……。
「会いたくない、本当は凄く会いたい、話をしたい」
「だけど会ったら駄目なんです。縋ってしまう、私達は立ち上がれなくなってしまう……」
1番良かったのは横島に会う前に全てを終わらせることが出来ればよかった。知らないうちに、この時代を去ることが出来れば良かったのに……。
「辛いな……」
「はい、辛いです」
何よりも、誰よりも大事なのに、会ってしまえば、触れ合ってしまえば、言葉を交わしてしまえば私達は前に進めなくなってしまう。それが分かっているのに会いたくて会いたくてしょうがない、でも会いたくない。
「横島を呼ばれるのは避けたいから次は少し協力的にしてみる?」
「それで横島が呼ばれないならありですね」
蛍は勿論、美神達に協力するのも出来れば避けたいが、横島を呼ばれるよりかはマシだという結論になり、私達は10時に再び美神達が訪ねてきたら今度はもう少し協力姿勢を見せることを決め、ベットの中へ潜りこむのだった。尚その頃横島はと言うと……。
「うそつきいいッ!友達って言ったのにぃ!うわああん!!」
「あ、あわわわわ!?エレちゃん、エレちゃんどうしたの!?」
「私以外の死神の気配がするうううッ!!横島の馬鹿ああッ!」
「何の話!?と、とりあえず話を聞いてエレちゃんッ!!!」
「うわぁあんッ!!横島の馬鹿ぁッ!!」
「心眼!心眼助けてッ!!」
「はぁ……少し待て、今行くから」
訪ねて来るなり自分以外の死神の気配がすると言って号泣しているエレシュキガルを宥める為に右往左往し心眼に助けを求め……。
【女神が普通に家に来ましたね。どうなってるんです横島は?】
【普通に色んな神魔も訪ねてきますよ?】
【まぁ、そのうち慣れるじゃろ。おう、チビ。ピーナッツ食べるか?】
「みむ!」
普通に神魔、それも古の神々が訪ねて来た事に驚くにトネリコに対して、横島の異常性(?)に慣れきった面子は動揺せずにいつも通りの日常を過ごしていて、トネリコはどういうことなんですと呟きながら首を傾げているのだった……。
リポート24 未来から来る者 その6へ続く
焔達は一応ですが、原作キャラの闇ルートですので、横島に会うと素が出てしまう人たちですので会いたいけど会いたくないと複雑な感情を抱いております。ですが、会いたくないと思っても当然横島とエンカするので、リポート24はそこから動かすのと今回はレクス・ローをメインの敵として書いてみようと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
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