GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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リポート24  未来から来る者 その6

 

リポート24  未来から来る者 その6

 

~横島視点~

 

俺を訪ねてくるなり号泣してしまったエレちゃんに話を聞くと、俺に冥府とか死神だけが持つ神通力が残っていたそうだ。とは言え、俺の知り合いに死神なんてエレちゃんしかいないと思っていたのだが、心眼が教えてくれた。

 

「ケルヌンノスだ。あいつは死神でもある」

 

「あーヌンノス」

 

俺がユニコーンと間違えた神獣ケルヌンノス。そっかーあいつ死神だったのか……美神さん達に冥府の神様と聞いていたけど、何かの間違いではなく、本当に死神で冥界の神様だったらしい。

 

「ウマゴンみたいな小動物ですよ」

 

「メル?」

 

呼んだと顔を上げるウマゴンに呼んでないというとウマゴンはまた芝生の上を転がり始め、それを真似して転がって遊んでいる紫ちゃん達の姿に思わず笑みを浮かべる。

 

「えっとつまり私の勘違い?」

 

「ああ。まぁ死神の気配が残っていれば動揺するのは分かるがな」

 

心眼の言葉にエレちゃんは顔を両手で顔を覆って蹲って、か細い今にも消えそうな声でごめんなのだわと搾り出すように呟いた。

 

【横島は死神や女神とも知り合いなのですね】

 

「うん、たぶん俺は人間より神様とかの方の知り合いが多いかもしれないかな」

 

新生の地の子供の神魔もカウントするなら間違いなく俺の知り合いは神魔の方が多いと断言出来る。

 

「お騒がせしたのだわ」

 

「いやいや。全然大丈夫ですよ」

 

誰だって勘違いや動揺をするものとフォローするがずもーんっという音が聞こえそうなくらい落ち込んでいるエレちゃんを見て、俺はぽんっと手を叩いた。

 

「エレちゃんエレちゃん」

 

「なんなのだわ?」

 

「これにエレちゃんの神通力を入れて欲しいなあって」

 

ブランクの眼魂にエレちゃんの神通力を入れて欲しいとお願いするとエレちゃんは首を傾げながらもブランクの眼魂を握り締めて神通力を注いでくれた。

 

「ほわあ!?」

 

【色が変わった?】

 

黒と赤と金色の中々派手な眼魂になったが、無事にエレシュキガル眼魂にブランク眼魂は変化してくれた。

 

「これ横島が使ってる……確か、眼魂」

 

「そうそう、この眼魂があれば離れていてもおしゃべりとか出来るし、エレちゃんの力を借りたいときに借りれるし、これでさっきの騒動は無かった事にってことでどうかな?」

 

正直に言えば古い神様のエレちゃんの力を借りる対価としては全然割に合っていないと正直思ったのだが、エレちゃんはぱぁぁああっと華の咲くような笑みを浮かべて両手で眼魂を握っていた。

 

「ありがとうなのだわ!今度から遊びに来るときはこれで連絡するのだわ!」

 

眼魂を電話代わりにするのは正直どうかと思うがエレちゃんも喜んでいるのでよし!

 

「お兄様、外で遊ぶの飽きたー」

 

【家の中で玩具で遊びましょう】

 

外で遊ぶのに飽きたという紫ちゃん達に頷き、そうだと思い出した。

 

「なんかルイさんが色々と玩具を用意してくれてるみたいだし、それを引っ張り出してみようか」

 

【「「さんせーいッ!!」」】

 

「エレちゃんも遊ぶ?」

 

「え、あーうん。私も行くのだわ!」

 

ルイさんがどんな玩具を用意してくれているのかは分からないが、紫ちゃん達が遊べる玩具とかがきっとある筈だと思い、まだ暮らすのに馴れていない屋敷へと足を向けるのだった……。

 

 

 

 

~エレシュキガル視点~

 

デフォルメされた鰐のおもちゃの口が大きく開かれ、歯が飛び出している。それに向かってゆっくりと手を伸ばし歯を押し込む。

バクン!

「あーッ!?」

いたくはないが急にかまれれたことに驚き思わず声を上げてしまう。

 

「あはははッ!お姉さん運が無いねー」

 

「……これで3連続ですの」

 

【あははっ!面白いですねー】

 

横島の家のちびっ子達が私を見て楽しそうに笑うので少し気恥ずかしいが、笑顔に満ちている横島の家のリビングにいると私も思わず笑ってしまう。

 

「もう1回、もう1……「みむ」……え?チビもやるの?」

 

「みむみむ」

 

なんかチビ達がやりたいというので鰐の口を広げてゲームの準備をして、チビ達の前においてやる。

 

「メル」

 

「うきゅ」

 

「ぷぎ」

 

【ノーブーゥ】

 

楽しそうに鳴きながら歯を押し込んでいくモグラちゃん達を見ているとチビの番になり……。

 

「みむ」

 

バクン!

 

「みむー!?」

 

指ところではなく、頭まで齧られたチビが絶叫し、それに釣られたのかモグラちゃん達も大声で鳴き……。

 

「みむー」

 

「きゅー」

 

「うきゅー」

 

「ぷぎー」

 

【ノブー】

 

なんか大きな声で鳴いたのが楽しかったのか皆急に踊り出した。翼を羽ばたかせたり、尻尾を振ったり、お尻を振ったりと本当に楽しそうに踊っている。

 

「パモー!」

 

「きゅー」

 

「楽しそう!」

 

「わーい!」

 

紫ちゃん達も楽しくなってきたのかチビ達に加わって踊り出す。

 

「いつもこんな感じなの?」

 

「そうだよ、あっちでわいわい、こっちでわいわい、賑やかで楽しいなって」

 

にこにこと嬉しそうな横島を見ていると、この賑やかさが横島は好きなのだと分かる。

 

「次は何をするの?」

 

「次は黒髭危機一髪かな」

 

新しい玩具を横島が準備し終えると紫ちゃん達も踊るのをやめて再び机の周りに集まって来た。

 

「今度はなんですの?」

 

「今度は黒髭危機一髪だよ。この樽の中に人形を入れて、ナイフを刺す。黒髭を飛ばした人の負け」

 

なるほどなるほどと横島の説明を聞いていると紫ちゃんが私にナイフの玩具を差し出してきた。

 

「はいどうぞ」

 

「え、あ。ありがとう……いたっ!?」

 

樽の切れ込みの中にナイフを刺すと勢いよく人形が打ち出され、私の頭の上に落ちてきて思わず痛いと叫んでしまう。

 

「あははははッ!やっぱり運が無いです」

 

「むふー♪」

 

【あははは、楽しいですね!】

 

失敗して笑われるのは正直少し嫌だが、笑顔に満ちている横島の周りにいるだけで私も楽しく、そして嬉しくなってくる。

 

「次は大丈夫なのだわ!ここ、あいたぁッ!?」

 

今度こそとナイフを突き刺すが再び人形が打ち出され横島達の笑い声がリビングの中に響き、私も釣られて笑い出しとても楽しい時間を過ごしたのだが……。

 

「あれ?紫ちゃん。ちょっと顔が赤くない?」

 

「ん。お兄様、ちょっと頭痛いかも……」

 

「熱が出てるな……うーん、よし、ナイチンゲールさんの所に行こうか」

 

「うん……ちょっと調子悪い」

 

「あ、横島。私も行くのだわ」

 

「ありがとエレちゃん。心眼悪いけど、皆の様子見ててくれ、よし、行こう紫ちゃん」

 

「うん」

 

はしゃぎすぎたのか熱を出してしまってしまった紫ちゃんを横島が背負い、私も横島に付き添って病院へと向かった。そんな横島とエレシュキガルに視線を向けるローブ姿の怪人――レクス・ローだ。

 

「さてと。では私も向かうとしましょうかね」

 

そしてそんな横島達を見ているレクス・ローの手の中の本には

 

『紫は遊びすぎて熱を出し、横島とエレシュキガルは病院へ向かう』

 

霊力と神通力が込められた光り輝く文字でそう記されているのだった……。

 

 

 

~美神視点~

 

10時ごろに焔達を再度訪ねると1回目と違い、少しだけ協力的であり、少しだけ情報を提供してくれた。

 

「貴女達はレクス・ローにとても大事な物を奪われて、この時代にやってきたと……」

 

「そう、それを取り返す為に私達はこの時代に来た。今の時代から……多分10年後くらい」

 

今から10年後……たった10年で霊能力が完全に衰退するというのは正直信じがたいが、もしも、IFの未来として受け入れなければならないだろう。

 

「何を奪われたのです?」

 

「それは教えられない、だけど私達にとって、ううん。10年後の世界にとって何よりも大事な物」

 

「世界にとって?」

 

「そう、世界にとって大事な物、あれより価値のある物は存在しないと思う」

 

何を奪われたかは教えてくれなかったが、なにかとても大事な物を奪われたらしい……。

 

「貴女達はレクス・ローに負けたらしいけど、何があったの?あいつは何を隠していたの?」

 

「……フォーティスから更に上の変身、そして更にその上の変身……あいつは変身してから更に2段階の変身をまだ残している」

 

焔から告げられた言葉は正直信じたくなかった。レクス・ローは生身でも小竜姫様達よりも強く、それが変身し、更に2段階も変身を残している。その信じられない言葉に絶句する。

 

「とにかくあいつは危険、あいつのからくりを暴かない事には勝つ事は勿論戦う事も出来ない」

 

「私達と同じ様に」

 

レクス・ローの無敵性のからくりを暴かなければ戦う事は疎か、同じ舞台に立つことすら出来ない。

 

(分かっていたことだけど、改めて言われるとへこむわね)

 

何度か対峙しているが、レクス・ローの秘密は何も暴けていない。くえすが気付いたのは自分に制約を課し、その誓約を守る事で力を発揮する。そして時間を操作する能力、神魔の力を奪い自分の能力のエネルギーにするの3つであり、それを破る方法は分かっていない。そもそもガープとアスモデウスを1人で相手に出来る化物なのだ。何か、世界の法則に喧嘩を売る何かの能力を有しているのは確実だ。

 

「これ以上は今は話すつもりはない。無償で出せる情報はここまでだ」

 

「ありがとう、今度は貴女達が求める情報を持ってくるわ」

 

得れた情報は大きな進展のある物では無いが、少しずつレクス・ローの目的の一端を知る事が出来たかもしれない。

 

「あいつは世界を時代を巡り何かを集めている。最初は変身ツールだと思いましたが……」

 

「多分それはついでね。目的のついでに奪取しているに過ぎないと思うわ。出来れば焔達が何を奪われたのかが分かれば何か分かるかも知れないけど……多分今のままだと教えてくれないわね」

 

ベルトの修理か、新しいベルトをドクターカオスが作る事が出来れば、後1歩踏み込んだ話も出来るかもしれないけど……とりあえず今は東京のどこかにいるかもしれないレクス・ローに備えて、小竜姫様に……。

 

【軽い風邪ですね。温かくして、安静してあげてください】

 

「すいません、ナイチンゲールさん」

 

【いえいえ、構いませんよ。どうぞ、お大事に】

 

今1番聞こえたくない声が聞こえて来て、私達がゆっくりと振り返るとマスクをし、冷えピタを張っている紫ちゃんをおんぶしている横島君とエレシュキガルが診察室から出てきた所だった。

 

「うー、頭痛い」

 

紫ちゃんは普通の病院に連れて行くわけには行かないので、ここに来るのは当然だけど、余りにも間が悪すぎる。

 

「ちょっと冷たい飲み物とかアイスとか買ってあげたほうが良いんじゃないかしら?」

 

「うん、俺もそう思う……「それならあそこの売店で売ってるよ、横島」ああ、どうもありがッ!?」

 

横島君とエレシュキガルの会話に割り込んだ明るい男の声に横島君の声が裏返り、私達も病院の通路のど真ん中と分かっていても臨戦態勢に入っていた。

 

「おやおや、こんな所でドンパチするつもりですかな?私は構いませんが、さてさてどうしますかね?美神令子」

 

僅かに見えている口元を楽しげに揺らしながら、威嚇するように腰に巻かれているベルトに手を乗せる怪人レクス・ローに私は両手を上げ、降参の意を示す。

 

「別にそこまでしろと言ったつもりは無いですが、まぁそちらの誠意として受け取りましょうかね」

 

にこにこと笑っているレクス・ローを私達は睨む事しかできず、そしてレクス・ローはそんな私達の些細な抵抗を見て、ますます楽しそうに笑みを浮かべる。

 

「横島は紫が心配でしょうから家に帰ると良い、私は少々話がありましてね。ええ、ご安心ください戦うつもりはございませんし、蹂躙するつもりもありませんよ、ただ……彼女の能力は欲しいですね、このままこの場に留まるというのならば……貴方の手から大事な者が零れ堕ちる事を覚悟して貰いたいですね」

 

「……すいません、美神さん」

 

紫ちゃんの命を奪うと遠回しに言われた横島君は小さく謝罪の言葉を呟いて、エレシュキガルと共に早足で病院の出口へと向かう横島君とレクス・ローの間に割って入ると病室の扉が蹴り破られ、焔達が姿を見せる。

 

「……横島に害をなすならお前を殺す」

 

「その為に私達はここにいる」

 

「だから戦うつもりはないと言っているでしょう?少し話をしたいだけですよ、「今」はね。そうだ、丁度良い貴女達も一緒に来るといい、断れば分かっていますね?」

 

悔しいが完全にイニシアチブを取られている私達は話をしたいというレクス・ローの要求を拒むことは出来ず、病院内の喫茶店に向かって歩き出すレクス・ローの後をまるで処刑台に上る囚人のような気持ちで焔達と共についていくことになるのだった……。

 

 

リポート25 レクスゲーム その1へ続く

 

 




今回はここで区切りで次回からはレクスゲーム。レクス・ローの提案したゲームに美神達が参加する事になるという話にして行こうと思います。ここで僅かにレクス・ローの目的に触れつつ、少しだけ美神達の強化に繋がるフラグを準備しようと思っております。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。


ズムーンがチャ60連

ぎゃてえ
ヴィィ

ちゃうねん……
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