GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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別件リポート トトカルチョメンバーの愛情分析~人間編~

別件リポート トトカルチョメンバーの愛情分析~人間編~

 

最高指導者の執務室ではキーやんとサッちゃんの唸り声が響いていた。2人の机の上には書類山が幾つも出来上がっていたが、これは決して最高指導者としての仕事ではなく、トトカルチョの胴元としての責任の仕事だった。

 

「……おかしい、もっと早く決着がつく予定だったんですが」

 

「ヘタレすぎたからなあ」

 

想像を超える人数になり、いまだ決着が着くとは思えないトトカルチョの結末……それらが重なり合い1番最初に発券したトトカルチョの有効期限が切れてしまった事による一時払い戻し、娯楽に餓えている最上級神魔だからこそ降りる事は無いが再び賭けなおす為にもより詳しい倍率、そしてキーやんとサッちゃんの観点からの分析結果も付与せよと言う要望があり、それを纏めなおす作業に2人は頭を抱えていたのだ。

 

「……まず人間からで良いですかね?」

 

「神魔は大変やから人間からで良いやろ……でもそれだと人間・神魔・妖怪とかでジャンル分けなあかんけど……どうないしよか?」

 

「……頑張りましょう」

 

「そやなあ」

 

トトカルチョの胴元としてなさねばならない仕事。部下に投げるわけにも行かない、もしも投げてしまえば神魔混成軍が壊滅するかもしれない内容なだけにキーやんとサッちゃんの2人は額に鉢巻を巻いて、栄養剤の瓶をダース単位で執務室に運び込み、愛情などを司る天使や悪魔から借りて来た秤等を用いて限りなく正確な現在のトトカルチョの状況の纏め作業を始めるのだった。

 

 

 

~美神令子 倍率1.0→リタイア  愛情度0 狂愛度0 師弟愛70 友情度50~

 

「まさかねぇ。巻戻す前の世界の勝者がリタイアとは思いませんでしたね」

 

「まぁワイは予測してたけどな、えっと払い戻しが……ひーふーみーよっと」

 

美神令子さんが勝つと予想していた神魔には全額払い戻しとなり、サッちゃんが返す金額の計算を淡々と行なう。

 

「これは横島さんの成長具合ですかね?」

 

「んーそうやろなあ、そもそも前の世界の煩悩なら……とうに決着ついてるで」

 

「確かにですねぇ」

 

令子さんに匹敵する美女・美少女が多いのだ。とっくの昔に煩悩が振り切っていて下手をすれば誰かを妊娠させていてもおかしくないのだが、この世界線の横島さんは想定の斜め上を行く進化をしてしまった。

 

「子煩悩が高くなりすぎましたね」

 

「元々横っちは子煩悩やし、動物にも優しいからなあ」

 

グレムリンと呼んで良いレベルではない何かに進化したチビ達とのふれあいの間で煩悩0、子煩悩100。天職保父あるいはブリーダーに進化してしまった横島さんでは本当にトトカルチョに決着がつくのだろうか?という不安を抱きながら美神令子さんの情報を書き纏める。

 

「前の世界の後悔から完全にトトカルチョから手を引いた。えっと前世の縁はあるがそちらは友情と師弟愛へと変化し愛情度等は無くなり、完全に異性としてみることは無くなった……こんな感じですかね?」

 

「あとあれやな、蛍と横っちをくっつけようとしてなんかしてるみたいやな」

 

「では蛍さんのサポートになったという事でいいですね」

 

備考として蛍さんのサポートに着いたと書いてファイリングを行い、次の資料の山に手を伸ばした。

 

「今度は蛍さんですね。どれどれ……おっふ」

 

「なんや。変な声を……おっふ……」

 

サッちゃんがどうしたんだ?と尋ね机の上の秤を見て私と同じ様に変な声を出した。

 

~芦蛍 倍率1.3倍→3.3倍 愛情度80 狂愛度30 師弟愛20 友情度70 ヘタレ度180~

 

「倍率爆上がりしてるやんッ!?」

 

「なんでなんですかねえ……1番有利だった筈なのに……」

 

美神令子さんの次に倍率が低かったのに……3倍近い倍率になっている。

 

「これ間違ってないか?」

 

「いえ、この秤は間違いではないはずです」

 

愛情を量る天使の秤等を使っているのでこの分析結果は間違いではない筈だ。数値は決して悪くないのに……倍率が高くなっている理由。

 

「「ヘタレ度か……」」

 

愛情友情などの数値を全て台無しにするヘタレ度……今までの蛍さんの行動を考え直す。明らかに勝負を決めるチャンスはあった、だがそのチャンスに行動出来ず完全に出足が遅れていた。

 

「もしかしたらこのまま脱落してしまう?」

 

「……どう……おっふ」

 

「どうしたんですか……おっふ」

 

今度はサッちゃんが奇妙な声を出し、量りを見た私も変な声が出た。その理由は秤が最後に示した数値――執着度280。

 

「この執着度が原因な気がしますね」

 

「ワイもそう思う……って言うかここまで執着するならはよ動けや」

 

横島さんに思いを寄せる人が増える前に決着をつければよかったのにと思いながら最後の纏めを書き始める。

 

「倍率は高くなったが、愛情・友情は依然として高いのでまだ勝ち目はあると思うが、ヘタレ度が不安要素となるだろう……っと、こんなもんでどうや?」

 

「私もそれで良いと思いますよ。では次に行きましょう」

 

調べなおす人はまだまだ沢山いるので美神さんと蛍さんの事はそれなりにショックだったが、倍率は上がりもするし、下がりもする。今後の蛍さんの行動に期待と思いながら次の資料の山の一番上に手を伸ばし、その動きを止めてしまった。

 

「これ……どうします?後回し?」

 

「……怖い物見たさもあるやろ?ワイはこれを見ようと思うで」

 

美神さん、蛍さんと続き、次はおキヌさんだと思っていたのだが……次の名前は神宮寺くえす。一体どんな結果がでるのかとドキドキしながら神宮寺さんの愛情の重さを量る為の秤に手を伸ばすのだった……。

 

 

 

 

 

神宮寺くえす……かつてビュレトを召喚した魔法使いの末裔にして、その魔力を宿した娘。上級神魔に匹敵する魔法を行使出来る今の人間界では絶滅寸前の魔女の1人……その愛の重さはどんな物なのかと秤に重りを載せる。

 

「「おもっ!?」」

 

はじき出された数値に思わず声を上げてしまった。

 

~神宮寺くえす 2.7倍→0.8倍 愛情度120 狂愛度200 友情度100 執着度300 策謀度900 愛欲度∞~

 

「重い、重い……重過ぎる」

 

「無限ってなんやねん、これ油断したら横っち食われるで。いやからからに絞る取られるやろ」

 

100って言う数値がデフォルトの筈なのに……なんでそれを悠々と越えていくんや……。

 

「神宮寺くえすの愛情は化け物か」

 

「サキュバス越えてますよ。むしろサキュバスが可愛いレベルですよこれ」

 

やばいっていうか、ええって感じである。よくもまぁ横っちはこんな奴と普通に一緒に入れるなって言うレベルだと思う……。

 

「でもまぁ彼女は結構誠実ですよね?」

 

「ん、んまぁな」

 

内に秘めている物は特別危険だが、横っちに大しては誠実だし素直だ。それに横っちの危険には率先して動いてるし……。

 

「あれ?結構優良物件か?」

 

悪い噂は多いが横っちを守ると言う目的の為によるものであり、神宮寺くえすがいれば横っちへの守りも牽制にもなるわけで……。

 

「帰ってくる金全部突っ込むかなあ……」

 

「ずるいですよ!?」

 

「赤貧してるお前が悪いんやで」

 

見目麗しく、そして横っちへの思いは紛れも無く本物だ。それに実力行使でも守れるとなれば全然ありだとワイは思った。

 

「愛情は重いがその重さゆえに横島への思いは本物、倍率は低い故に勝利者になる可能性は高いっと」

 

「ただ愛が重すぎて暴走する危険性ありってしときや?さてと次々……おっ、次は冥子か」

 

六道冥子、横っちと良く散歩してるし、仲も良い。結構普通な感じだろと思って秤に重りを載せる。

 

~六道冥子 2.7倍 愛情80 友情80 信頼度80~

 

「普通?」

 

「ちょっと重めやな?」

 

狂愛などのステータスは無いが、それ以外の数値が軒並み高い……にこにこしている割に中に全部溜め込んでしまうタイプなのだろうか?

 

「でも冥子さんは良妻賢母と言えると思いますが……母親は」

 

「狸っていうか邪悪の権化やな」

 

冥子自体に問題は無いが母親である冥華には問題しかないわけだ……数値があんまり良くないのは完全に冥華のせいって所やな。

 

「良妻賢母、夫を立てる古きよき妻の像。仲も良く、使い魔同士も仲良しだが完全に母親が邪魔をするだろうっと」

 

「OKOK、ささ、どんどんいこか」

 

まだまだ調べる人間は沢山いるのだ。どんどん作業を進めるかと次の紙を引き寄せる。

 

「えっと次はおキヌさんですか」

 

「まぁこれも怖い物見たさかなあ」

 

おキヌは基本真っ黒なのできっと怖い数値が出るんだろうと思いながら秤に載せたのだが……。

 

~氷室絹 2.4倍→1.7倍 愛情80 友情80 友愛80 驚きの白さ シズエール∞~

 

「「驚きの白さシズエールってなんだ!?」」

 

訳のわからない表記に思わず声を上げる。と言うか狂愛とか執着が凄いイメージなのに、それらの数字が映し出されないってことにも驚いた。

 

「……どういうことなんでしょうね?」

 

「分からんわ……んん?」

 

執着の化身みたいな筈やったんだけど……なんでや?と首を傾げる。

 

「そういえばおキヌさんの黒さは闇に落ちていたシズモ姫の影響でしたね」

 

「ああ、そやったな。神様に戻ったからそれでおキヌの黒さも浄化されたってことか……」

 

だとしても驚きの白さシズエールってなんやねんっと突っ込みをいれたワイ達は絶対に悪くないと思う。

 

「横島とも仲も良くて、炊事洗濯も得意な良き妻候補。ただ偶に暗黒面に落ちる可能性ありっと」

 

「まぁ元が黒いからな」

 

今は白くても何れ黒くなるかもしれないってことで警戒は緩めては駄目と言う事で良いだろう。

 

「次は柩さんと琉璃さんどっちが良いですか?」

 

「琉璃にしよか、柩は黒そうっていうか闇深いし」

 

自分が恋人妻になるよりも首輪を付けられて飼われるのを望むのは業が深すぎるので先に琉璃のほうを見ようとなったのだが……

 

~神代琉璃 7.7倍→4.1倍 愛情度70 狂愛度10 友情度20 執着度70 策謀度380 愛欲度∞~

 

「「なんでやッ!?」」

 

なんでなんで巫女なのに愛欲度カンストしてるの!?一応清らかな巫女のはずやよな!?

 

「ちょっと柩さんを見て見ましょうか」

 

琉璃の数値が余りにもあれだったので柩の数値を見てみたのだが……。

 

~夜光院柩 3.2倍→2.8倍 愛情度■■ 狂愛度▲▲ 友情度●● 執着度∞ 愛欲度∞ 飼われたい欲∞~

 

「バグッてる!?」

 

「遅すぎんたんや業が深すぎる……」

 

ゴモリーが業が深いって言ってたけど深すぎるだろと思わずワイとキーやんは絶句し言葉を失った。

 

「……横島さんって実は肉食獣に囲まれていたんですね」

 

「もう終わりやな……プレデターしかおらんやんけ……」

 

愛欲って……少なくとも神代琉璃は巫女のはずやろが……。

 

「巫女だからこそ余計にそういうのに興味があるのかもしれないですね」

 

「やめいや、生々しいで……えっと纏めとしては……神代琉璃は愛情は強いが、執着度と……」

 

「ちょっとむっつりでいいでしょう。むっつり巫女」

 

「キーやん。言い方ってもんがあると思うで?」

 

でもまぁむっつり巫女って言うのはある意味的を得てると思うのでむっつり巫女と書き綴る。

 

「柩さんは自分が勝利者にならなくても良し、愛人とかでも良いと考えている節がある上にめちゃくちゃ重い感情を抱いているのでちょっと危険と……そしてむっつり」

 

「やめい言うとるやろッ!?」

 

なんでむっつりを付け加えるんやと言いつつも神代琉璃は巫女である間は性交渉は出来んし、でも当主という立場だからそういうもんも学ばせられるから耳年増だとうし、柩に至っては死ぬことが分かっていて横っちがヒャクメと交渉し作らせたチョーカーで延命しているから感情が重いのも、性交渉に興味があるのも仕方ないんやろうなと話しながら次の書類を手にした。

 

~妹紅&蓬莱山輝夜 2.2倍 愛情度80 狂愛度10 執着度40~

 

「普通やな」

 

「普通ですね……備考としては……月神族への不満と恨みばかりですね。後は横島さんと過ごせるだけで良いと高望みはしないと」

 

「……健気やなぁ……」

 

月神族がおるから横っちへの被害や自分達に迫る危険性を考えて永遠亭から見送ったと思うんやけど、ちょっと愛が重すぎる連中ばかりを見ていたのでその健気さには思わず目頭が熱くなった。 

 

「やっぱり月神族はなんとかしないといけないですね」

 

「そやなあ、でもあいつら結界で月を覆ってるからなぁ」

 

追い出された神の癖に自分達が至高の神魔であると言っている月神族は面の皮が厚いってレベルじゃないわな。

 

「1000年近く1人の男をおもっとる健気な2人組み。月神族を何とかしなければ難しいっと……やっぱりお姫様だから家庭系のスキルは駄目か?」

 

「いえそれが1000年の間に何時横島さんと再会してもいいように花嫁修業は欠かしてなかったと……」

 

「くっ……健気過ぎる……」

 

やっぱりなんとかして月神族への交渉パイプを作らないといけないのではないか?と思いながら次の書類を手にし、秤に重りを載せる。

 

~マリア&テレサ 3.2倍 愛情度80~

 

「人造人間だから人に恋して良いのかと悩んでいる姉マリアと少しずつ感情を学んでいるテレサ……」

 

「ワイこういうの駄目なんやけど……」

 

2組続けて涙腺を攻撃してくるのは卑怯だ。しかも秤も愛情しか示さない辺りかなりの純愛と言えるやないか……。

 

「神の最高指導者としてはどうや?」

 

「人を愛する心に罪なし。私はこの無垢な魂を祝福します」

 

「これで許さんとかいうとったら殴ってるわ」

 

「私をなんだと思っているんです?」

 

キリスト教の教えに反する存在ではあるが、その清らかな愛は人間にも決して劣らないだろう……その清らかさをワイは買いたい。

 

「さってと次は……ええ?嘘やろ」

 

「し、信じられない」

 

愛情を量る秤が爆発したその信じられない光景に思わずキーやんと共に我が目を疑った。愛情を量る秤を破壊した者……それは

 

~花戸小鳩 11.1倍 愛情度∞ 狂愛度∞ 執着度∞ 愛欲度∞ 策謀度∞ 狡猾度∞~

 

「……これ化け物やろ」

 

「人間かどうかも怪しいですね……しかし、ええ……?福の神付いててこれですか?」

 

「むしろ福の神が軽減してこれかもしれんな……」

 

福の神の善性があってこの軽減だとしたらもうこれは悪魔のような女や……愛情がブラックホールレベルになっとる……。

 

「横島さんとあんまり縁が無くてよかったですね」

 

「これ監禁とか投薬とか普通にするレベルや……おっそろしい女やで……しかし秤が壊れてまったでこれは休憩やなぁ……」

 

「そうですねえ……これさりげなく横島さんに注意したほうが良いかも知れないですよね……」

 

とんでもないクリーチャーが近くにいると横っちに伝えたほうがいい、これ最悪後からブスリもあると悟り、くわばらくわばらと呟くのだった……。

 

 

 

 

 

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