GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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リポート10 来訪者
その1


リポート10 来訪者 その1

 

 

~琉璃視点~

 

美神さん達が持ち帰ってきた屋敷の地下にあった名簿、そしてGSと神魔を魔界の薬物で廃人同様にし、人身売買をしていたと言うおぞましい事実の証拠の数々は六道家の名前で世間に公表された。霊能倫理委員会や、オカルトGメン等を挟めば国にとって不都合な事実を知った事で美神さん……いや、横島君や蛍ちゃんに大きな被害が行く可能性が高かったからだ。

 

(どの道――国とは対立する事になるけど……こういうのは世論を味方にしたほうが有利だわ)

 

『霊防省の役員12名と現役国会議員8名の霊能法違反及び婦女暴行、殺人未遂等の疑いで霊防省に家宅捜索が行われる事になりました』

 

『依頼と言う名目で見目麗しいGSを拉致監禁し、人身売買で金を稼ぐ、こんな事をするのが国会議員とは世も末ですね』

 

『国会議員だけじゃなく、国際GS協会等も関わっているのでしょう?元々閉鎖的な組織というのは知ってましたが、やはりこれを機に一般にも情報公開をするべきなのではないでしょうか?陰陽寮はGS協会の傘下に入り、一般組織として再編されていますし、何よりも霊防省の役員の多くは古くからの霊能者の名家と言われる方々ばかりですが、それ故に閉鎖的ですし、後ろ暗い部分がないとは言い切れないでしょう?』

 

どこのTVもニュースも霊防省に関する批判が圧倒的に多い、そもそも霊防省と名乗っていても特に実体がないって言うのが批判の的になるのは当然の事だ。莫大な経費が計上されている割に、日本国内の霊症の解決の案件は民間GSが主であり、政府のGSチームは決して錬度が高いというわけではないし、強いて言えばかつての名家って事だと思う。

 

「随分と好戦的だね。神代会長は」

 

「そうする必要があったって所よ、良く来てくれたわね。躑躅院、呼び出しておいてなんだけど来てくれるか不安だったわ」

 

TVのスイッチを切りながら躑躅院にそう声をかける。

 

「おいおい、私をなんだと思っているんだい?私はこれでも真面目を売りにしているんだ。上司に呼ばれたら来るに決まっているだろう?」

 

一応上司とは認めてくれているのかと思いながら躑躅院に視線を向けると、躑躅院を真面目な顔をして私の顔を見つめ返してくる。

 

「霊防省はどう出てくると思う?」

 

「断言出来る。何も出来ないよ」

 

「それはまたどうして?」

 

「霊防省にGSは殆どいないし、もっと言えば霊能者も殆どいない。組織としての体と経費を得るためだけの天下り先の組織だからな」

 

まぁ私が陰陽寮を解体してGS協会の傘下になったからだけどと笑う躑躅院だが、その目は全く笑っておらず、地位も名誉も失った霊防省役員を嘲笑っているような表情だ。

 

(……やっぱり危ういわね)

 

優秀なのは間違いない、自分に被害が出る前に陰陽寮を解体し、邪魔な長老衆を排除、そしてGS協会の傘下に入った躑躅院は頭が間違い無く切れる……だがそれ以上に躑躅院には狂気を感じるのだ。

 

「でもこれからは国の支援を受けるのは難しいと言わざるを得ないだろうね」

 

「いいわよ、元々殆ど受けてないようなものだし」

 

ガープの隕石落しの件で分かっているが日本の政治家は既に降参ムードで私達に全ての責任を押し付けているのに等しいのだから、今さら霊防省と揉めた所で何とも思わない。怖いのはオカルトGメンと国際GS協会の方がよっぽど恐ろしいと言える。

 

「この後唐巣神父達と話し合いがあるからそれに参加してもらうわ」

 

「おや?良いのかい?国の暗部を務めていた私がスパイって可能性もあるんじゃないかな?」

 

にやにやと試すように笑う躑躅院に指を向ける。

 

「貴方の事は信頼はしないけど、その能力は信用出来る。それに使い潰される可能性を考えて霊防省を切り捨てたんでしょ?なら今は裏切らない筈、貴方自身の目的の為に霊防省、ううん。国は邪魔で、GS協会と私と冥華さんに組するほうがメリットがある。違う?」

 

躑躅院にとって今はGS協会にいる方が都合がいいから霊防省を切り捨てた。そしてGS協会に乗り換えたのだから今は裏切られる事はない筈だ。

 

「ふふ、否定はしないさ。私にだって目的も願いもある、だからその為には協力するとも」

 

「……私と貴方の関係性はそれくらいの方がいいわ」

 

何時寝首を掻きに来るかもしれない相手だけど、その能力だけは信用出来る。懐に敵を抱え込んでいるのに等しいけれど、これからの事を考えれば躑躅院は絶対に手元においておきたい相手だ。

 

「そうだ、横島君に会いに行っても良いかい?」

 

「それは絶対に駄目よ」

 

「随分と独占欲が強いんだね、愛の重い女は嫌われるぞ」

 

こいつ殺してやろうかと思いながらぐっと拳を握り締めて、無理矢理笑みを作る。

 

「ガルーダの雛が何十匹も横島君の家にいるからインドの神が引き取りに来るのよ」

 

「は?」

 

「だからガルーダの雛、グルルになる前の本当の神鳥の雛が数十匹いるのよ。インドの神が欲しくないわけが無いでしょ、貴方インドの神がいる中で横島君訪ねにいける?」

 

破壊神に創造神。そもそも日本の神族の多くはインドがルーツだ。宗教などの問題で悪魔に落ちた者が多い中で破壊神シヴァの乗り物と称されるガルーダの雛がいるとなればインド神族は絶対に来るし、交渉のテーブルにも着きやすくなる。

 

「流石に無理かな……」

 

「なんか破壊神シヴァが奪われたトリシューラを取り返したとからしくてね、結構仲良いらしいのよ」

 

「彼は一体何をしているんだい?」

 

それは私達が何時も思っているし、胃痛の原因でもあったりするのだ。あの館で横島君が見つけたガルーダに幼生グレムリンの群れに人造神魔のミィと言う少女は今仮処置とし、横島君の家に預けているけど大丈夫かなと私は躑躅院と話をしながら、横島君の家が大変な事になってないかなと心配するのだった……。

 

「ピーピー」

 

「ピー」

 

「ピーピー」

 

「みーみー」

 

「みー」

 

「みむー」

 

「はいはーい、今ご飯用意するからなあ」

 

「……私ちょっとノイローゼになりそう」

 

「慣れるしかないでござるよ」

 

【是非も無いよね!?】

 

琉璃が胃痛に胃を軽く撫でている頃、横島の家ではご飯ご飯と鳴くガルーダと幼生グレムリンの群れに横島がスライスしたソーセージとりんごの摩り下ろしの準備をし、それを手伝っているタマモ達は朝も昼も夜も関係なく鳴き続ける幼生と雛に少しだけげんなりとした表情を浮かべていた。

 

「はい、どうぞ」

 

「ぴー♪」

 

【ゆっくり食べてくださいね】

 

「みーむー♪」

 

「……えっとこうですの?」

 

「それでいいんじゃないかの?」

 

只ちびっ子軍団は普段お世話してもらう側が世話をすると言う経験を楽しんでいた。

 

「……所で当然のように家に転がり込んだあの子供はなんだ?」

 

【一応紫の姉か妹になるらしい、横島が見つけて連れて帰ってきた】

 

当然のように横島の家で暮らしているミィにシズクはしょうがないと言わんばかりに肩を竦めその後に小さく呟いた。切実な横島家の現状を……。

 

「……真面目に引越しが必要かも知れん」

 

【確かにそうですよね……】

 

【俺ッチ達は別に眼魂の中でも良いんだけどなあ】

 

眼魂の中でも過ごせるノッブ達にも部屋をという考えの横島だが、予想外に増えた同居人にシズクは頭を抱えるのだった……。

 

 

 

 

~美神視点~

 

暗殺者を差し向けられる所までは覚悟していたが、流石の霊防省も国際GS協会もオカルトGメンも六道冥華の名前で全世界に発信された情報の火消しに忙しいのだろう。再び動き出す前に守りを固める必要があるが、少しの時間的猶予は出来たと思う。それに私達の名前は隠しての公表だが、名前の名簿にそういう趣味の者がいたのか写真やビデオで残しているので誤魔化し様が無いが……一番の問題はそこではない。

 

「やっぱりあっさり切り捨てましたわね、こいつら全員魔法で精神やられてますわよ」

 

権力を握った人間というのは往々にして権力に固執する事をやめない、冥華おば様の名前で公表されたとしても最後まで無様に足掻く筈だ。現に日本の政治家がそうだが、海外の連中は恐ろしいほどに無抵抗に罪を受け入れている。

 

「こいつら魂を地獄に縛られてるワケ、多分言う事を聞かないと永遠に地獄めぐりって脅されてる。こんな真似が出来るのは最上級神魔じゃなきゃ無理なワケ」

 

呪いの専門家のエミとくえすが言うのだから間違いないが……地獄送りの契約が出来るとなると並みの神魔では不可能であり、そして魔族ならば死んでから地獄に引きずり込むなんてまどろっこしい真似はしないので間違いなく神に準ずる者の仕業である事は明らかだ。蘆屋の話を全て信じているわけでは無いが、天使が最高指導者に反乱を起こそうとしていると言う話も真実味を帯びて来た。

 

「やはり4大天使の反乱が真実味を帯びて来たというわけか」

 

エミの言葉に唐巣先生が沈鬱そうな表情で呟いた。破門こそされているが、唐巣先生は今でも敬虔なクリスチャンだ。4大天使の反乱というのはやはり信じがたいのだろう。

 

「ありえない話ではない、元々天使は霊能者を魔女だ、魔法使いだといって宗教裁判に掛けていたからな」

 

「ブラドー伯爵、それマジですか?」

 

「事実だが?むしろ我も危なかった」

 

……天使って私達が想像してるよりも禄でもない存在なのかもしれないという考えが脳裏を過ぎる中、会議場に小竜姫様が転移で姿を現したが、その顔は非常に暗く、懐から取り出した神通力と魔力を放つ羊皮紙の巻物を開いた。

 

「ここに神魔混成軍及び、天界・魔界の最高指導者の決定をお伝えします。4大天使、ミカエル、ウリエル、ラファエル、ガブリエルの4人の正式な反逆者認定が下されました。ランクはSSS、アスモデウス達と同様の天界、魔界、人間界への脅威と断定しました」

 

手にしている羊皮紙の内容を淡々と読み上げる小竜姫様の言葉に驚きは無かった。あれだけのことを人間を使って行なっていたのだから敵として認識されるのも分かると思っていたが、次の言葉に絶句した。

 

「人造救世主の製造の為に数百人の信者の殺害、及び犯罪示唆、温厚な精霊・妖精の殺害「待って、待って!そこまでしてるの!?」……これで罪状の半分にも行っていませんよ、自分達の信者を使って相当数の犯罪を重ねています」

 

想像を絶する天使達の罪状の数々に言葉も無い、しかもそれで半分にも行っていないと言うのだから驚きしかない。

 

「人造救世主ねぇ?天使が好きそうな物だね、今度は理想郷を作るでも言い出し始めるかな?」

 

躑躅院がからかうように言うが正直言って冗談じゃないと思うのと同時に、話を聞いている限りではやりかねないと思ってしまう。

 

「待ってください、小竜姫様。その人造救世主と言うのは?」

 

「神の代弁者たる奇跡の権限者として4大天使が作り出そうとしている霊能者だそうです。途方も無い数の人達が素材に使われ、精神的な死を迎えているそうです。詳しいのは調査中ですが……恐らく4桁台の人が犠牲になっていると思われます」

 

4桁の人間が犠牲になったと聞いて驚きに目を見開くのと同時に、どうやってそれだけの人間を実験台として確保したのかと言う事に疑問を覚える。確かにキリスト教の1部はかなり過激派だけど……それでもそこまではしないと思うだけに本当にどうやってやったのかと思う。宗教は麻薬というし、狂信者もいるだろうが……それにしたってそれだけの人間を確保するのは並大抵の事ではない筈だ。

 

「神魔も不甲斐無い物ですね。一体何をしているのですか?」

 

「……それを言われると耳が痛いです、元々西洋の天界がなにかをしていたのは私達も把握していましたが……ここまでとは想像もしていませんでした」

 

神魔だからそこまでの非道はしないと言う先入観か、それとも派閥による問題かは定かでは無いが……くえすの言う通りお粗末としか言いようが無い。

 

「その人造救世主とやらはどうなっているのだ?」

 

「……恐らく既に完成し、どこかの国へいるでしょう。その完成が4大天使が行動に出た理由だと思われますから」

 

人造救世主とそれを利用しての4大天使の語る理想への傾倒……これは言うまでも無くかなり不味い展開と言えるだろう。

 

「天界側は4大天使の事をどこまで把握しているんですか?」

 

「……日本側には今も殆ど情報がありません。西洋側が自分達の不始末は自分達で片をつけると一切の情報共有に同意していないのが現状です」

 

「小竜姫様、それ本気で言ってる?」

 

それでは何も変わらないし、神魔の発言を信用する事も出来ない。正直に言えば繋がりのある小竜姫様達だからこそ信頼しているけど、それ以外の神魔の話は正直今は聞きたいとも思えない状況だ。

 

「……私からはすみませんとか言えません……神魔側としては天界に逗留している英霊の派遣、それと私も日本への常時駐在それに日本への結界の強化という対応を取る予定です」

 

中間管理職と言える小竜姫様に当たるのはお門違いと分かっているし、だけど今の私達には今までのように神魔だからと言って信頼する事が出来なくなっていた。

 

(良くないことだと判っているのに……これじゃ駄目ね)

 

小竜姫様達が頑張ってくれているのは分かっている。分かっているのに疑いが拭いきれない……あの屋敷での一件は私達の心に重く深い澱みを残している事を今改めて思い知ったのだった……。

 

美神達が真剣に話し合いをしている頃、蛍が訪ねてくる前の横島家では……。

 

「お、お兄様は……ミィ見たいな服装が好きなの?そ、それなら恥ずかしいけど私も来た方が良いのかな?」

 

「駄目だからね!?絶対駄目だからねッ!」

 

耳まで真っ赤にして紫が横島が好きならと言うのに横島は駄目だからと声を上げる。

 

「……どうしましたの?」

 

半裸というか殆ど裸同然でふよふよ浮いているミィが不思議そうに尋ねてくるのを見て、横島はもう1度紫に駄目だからと言って立ち上がる。

 

「ミィちゃん、普通の服を着るんだ」

 

「……嫌ですの」

 

「なんで!?寒くないの!?」

 

脇だし臍だしのノースリーブに黒の下着に半透明のスカートと幼い少女がする服装ではないミィちゃんに普通の服を着る様に言う横島だが、絶対に嫌だと激しく抵抗される。

 

「何で!?」

 

「……これは生き様ですの」

 

「そんな生き様捨ててしまえッ!というか流石にやばいからね!?」

 

年上の女性にメイド服の次は幼い少女に半裸の強要なんて噂が出れば世間的に死ぬと横島は服を着せようと必死になるのだが、ミィちゃんはするすると空を飛んでかわし楽しそうだ。

 

「あいつ性格悪いわね」

 

「そうでござるなあ……見た目も奇異でござるが性格もまた奇異でござるなあ」

 

【あの格好が許されるのなら私も下穿きだけも許されるのでは!?】

 

「絶対駄目だからな!情操教育に悪いから!」

 

本来の姿がミィより卑猥な牛若丸は横島に叱られしょぼーんとし、ミィは楽しそうに半透明のスカートを翻し、絶対に普通の服を着ないと抵抗を続けているのだった……。

 

 

~蛍視点~

 

冥華さん達との話し合いに向かう美神さんに横島の様子を見ているように頼まれて横島の家に来た私は何故かドライヤーを手にしていた。

 

「みむうッ!」

 

「みーッ!」

 

シャーっと言わんばかりに毛を逆立たせて威嚇してくる幼生グレムリンにドライヤーを向けて、濡れているその毛並みを乾かす。

 

「ごめんな、蛍。ちょっと俺達だけじゃ手が回らなくて」

 

幼生のグレムリンをペット用シャンプーで洗いながらごめんという横島に大丈夫と返事を返すが、正直ちょっと悲しいって言う気持ちが強い。

 

「あ、ううん、大丈夫よ?只ちょっとここまで威嚇されると少し悲しいわね……」

 

チビで分かっていたつもりだけど、グレムリンはかなり警戒心が強い。横島のチビでもそれなのに全く人に慣れていないグレムリンが攻撃性をむき出しにするのは当然の事なんだけど……。

 

(ちょっとえぐくない?)

 

想像を遥かに越える威嚇レベルに少し……いや、かなり悲しい気持ちになりながら、威嚇を続けているグレムリンの濡れた毛並みをドライヤーで乾かす。

 

「はい、こっち来る」

 

「せんせーが美味しいのをくれるでござるから大人しくこっちにくるでござるよー」

 

タマモとシロが声を掛けるが1回は無視されて、タマモの額に井形が浮かび、シロは苦笑する。

 

「何ともまあ気難しいでござるな」

 

「……調子乗ってんじゃないわよ、横島が甘いからって私まで甘いと思ったら締めるわよ」

 

「タマモ、何か言ったー?」

 

「なんでもないわよー?」

 

横島の前だから猫を被ってるけど、ちょっとタマモもかなりキている感じね……。

 

「ぴー……」

 

「ぴよー……」

 

「すぴー……」

 

ガルーダの雛達が大人しく集まって寝ているのに対して本当に幼生グレムリン軍団は小生意気というか斜に構えていると言うか……。

 

「ちょっと目に染みるかもしれないから目を閉じような」

 

「みみー」

 

「よーし、よし、良い子良い子」

 

……なんで横島にだけあんなに素直なのかしら?横島が人外に好かれやすいのは知ってるけどちょっと説明がつかないような気がしなくも無い。

 

「……お水ですの」

 

「ありがと、ミィ」

 

「……かまいませんの……」

 

人外と言えばミィは当然ごねにごねてこうして横島の家にいるけど……あの屋敷の地下で見たままの正直あの外見の少女がしてはいけないアダルトな格好のままだ。

 

「ねえ、横島。なんでミイはあの服装のままなの?」

 

「……着替えてくれないんだよ……紫ちゃんとか、リリィちゃんの服なら着れると思うんだけど……」

 

「……これは私の生き様ですの」

 

何が生き様か……あの格好のミイを外に連れて行ったら一瞬で横島逮捕されちゃうじゃない……。

 

「なんかね、横島。紫にあの服装が好きなの?って言われてめちゃくちゃ着替えさせようとしたのよ」

 

「でも駄目でござったな……我がかなり強いでござるよ」

 

……紫ちゃんは多分横島が喜ぶのならと思ったんだと思うんだけど……アウト過ぎてなんも言えないわ……。

 

「ん?横島、今日誰か訪ねてくるって言ってた?志波さんが来るって言うのは聞いてたけど」

 

ガルーダの雛という事で志波さん――いや破壊神シヴァが直々に引き取りに来るって聞いてたけど、お昼過ぎって聞いてたからまだ大分時間が早い、ほかに誰か尋ねてくる予定があった?と訊ねると横島はタオルで腕を拭きながら何かを思い出すそぶりを取り、手をぽんと叩いた。

 

「あー、なんかルキさんがルイさんが来るとか何とか……言ってたような?ちょっと出迎えに行ってくる、チビー、皆の面倒を見ててな、悪戯させないように頼むぜ?」

 

「みーむッ!」

 

横島の言葉に敬礼して返事を返すチビはおいておいて、なんでそんな天界と魔界がしっちゃかめっちゃかになる大事な話をしてくれないのかと思わず頭を抱える、

 

「なんでそんな大事な事を1番最初に言ってくれないの?」

 

「ただルイさんが遊びに来るだけだろ?なんか問題あるのか?」

 

横島は不思議そうにしてるけど、シロとかタマモとか茨木童子とか顔がめちゃくちゃ引き攣ってるじゃない。誰が好き好んで魔界と天界で最強の明けの明星と一緒の時間を過ごしたいと思うのか……私達がなんでそんなに怖がってるのか分からないと言う様子で玄関に向かう横島を見ていると私達の背後で窓が勢い良く開く音がした。

 

【じゃ、ワシメロンパン買って来るから!】

 

【ちょっと天狗殿の所に行ってきます!】

 

逃げやがった……ッ!窓を開けてダッシュで姿を消す牛若丸とノッブに正直殺意を覚える。

 

【あー俺ッチ、白竜寺の奴らと訓練する約束だけど残るか?】

 

なんかただ事ではないと思ったのだろう……金時が気まずそうに言うがそれはこれは別だ。

 

「それは仕事だから行ってくれないと困るわよ?」

 

「……ちゃんと行って来い」

 

【お、おう、んじゃあ行ってくるぜ】

 

良いのかなあという表情をした金時を見送り、良く分かっていない紫ちゃん達を見ながら横島と共にリビングに入ってくるであろうルイさんの登場に身構えていたのだが……横島が連れてきたのはルイさんではなかった。

 

「なんかルイさんに言われて来たんだって、えっと誰さんでしたっけ?」

 

「カーマです、さっきも名乗りましたよね?」

 

ダウナー系とでも言うのか視線と表情が暗い銀髪の美女がやって来たのだがその名前に絶句した。

 

(カーマ?インドの愛の神がなんで横島の家に)

 

インド神話の愛の神、しかしシヴァによって殺された悲運の神でもあるカーマが何故か女性の姿でやって来たことに私は驚きと困惑を覚えながら、冷酷な笑みを浮かべて私達を観察しているカーマを警戒しながら頭を小さく下げるのだった。

 

 

リポート10 来訪者 その2へ続く

 

 




1人目の来訪者はカーマ(FGO使用)です、手持ちにいない鯖ですが、ちょっとイベントで使いたいので登場してもらいました。

なお私は水着と通常カーマは石を合計1200個くらい使いましたが、まだお迎えできておりませんので福袋でお迎えすることを常に祈っております。それでは関係ない話はこれくらいにして、次回の更新もどうかよろしくお願いします。
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