GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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その3

 

リポート11 臨海学校・序 その3

 

~愛子視点~

 

久しぶりに学校に来た横島君だけど、制服ではなく私服ですぐにまた戻らないといけないと言うので残念に思っていると横島君が私にしおりを差し出してちょっと散歩に行かないっていう軽いノリで声を掛けてきた。

 

「というわけで、愛子もアルバイトしない?」

 

「……ごめん、どういうこと?」

 

しおりの中身も見てないし、アルバイトと言うと霊能関係だと思うけど余りにも説明不足なのでどういう事なのかと尋ねる。

 

「六道の除霊実習があるんだ。俺とかピートとかも助手で呼ばれてる」

 

「うんうん」

 

霊能者だからそういう事に呼ばれるのは私も判る。だけどだからこそ分からないのだ、何故私にまで声が掛かるのかと……。

 

「んでちょっと六道の教師の方でトラブルがあって、授業が滞ってるらしい。それで愛子に霊具を運んで貰いながら机の中の空間で簡単な

除霊の訓練をさせて欲しいって頼んで欲しいって言われてるんだけど、無理なら断ってくれても良いぞ?」

 

「う、うーん……別に無理じゃないと思うんだけど……アルテミス様、そこのところはどうですか?」

 

教室の上の方に浮きながらファッション雑誌を見ている女神であるアルテミス様に尋ねてみる。

 

「んー?愛子ちゃんの机の中は異界になってるから全然大丈夫よ?そうね~入れる前にしっかりとイメージをしておけば大丈夫よ!所でダーリン、この水着どうかなー?」

 

「いいん……「見ないで適当に言うのは止めてよね!」ふぎゃあッ!!で、出る!な、中身が出るッ!!!というか俺らいけないじゃん!?何で水着いるんだよ」

 

「なんでダーリンは女心がわかんないのッ!!」

 

「み、みぎゃああああ……」

 

オリオンがぎゅっと握り締められて中身が出ると叫んでいるのはいつもの事なので、誰も気に止めない。何時もとおりの痴話喧嘩くらいに皆が受け入れている。

 

「でも私はあんまり運動とか得意じゃないし、そういう場所って山奥とかでしょ?私足手纏いに……「海だってさ、小間波海岸って所の高級ホテルが合宿地で料金も全部六道持ち」行くわッ!!」

 

合宿地を聞けば雑誌やテレビで紹介されるほどのホテルと海、しかも六道の貸切となればナンパとかもないだろうし、なによりも海ならば少しは横島君を落せるチャンスを得れるかもしれない。

 

「お、おお。じゃあ美神さんにOKって伝えても良いんだな?」

 

「うん。大丈夫」

 

滅多に学校に来ない横島君との距離を詰めるには好機を逃してはいけない。霊能関係で、しかも六女の合宿の付き添いだとしてもこのチャンスは確実に掴む。次の用事があるからと教室を出て行く横島君を見送った後にグッとガッツポーズを取ったのだが……。

 

「「「お馬鹿ッ!!!」」」

 

「あいたぁッ!!!」

 

後から頭を引っぱたかれて素っ頓狂な声が出る。

 

「何するの!?」

 

「何するのじゃないわよ!良い、考えて見なさい。横島が行くって事は間違いなく他の人も沢山来るのよ?」

 

「前にチラっと見ただけだと、くえすとかいう怖い人とか、蛍さんとか」

 

「横島を好きな人は沢山いるのッ!海をチャンスって思ってるのは愛子だけじゃないわよ!」

 

そう言われてハッとなったけど気付くのがあまりにも遅すぎたッ!だけどOKしちゃったし、もう横島君は行っちゃってるし……。

 

「ど、どどどど、どうすれば!?」

 

「まずは作戦会議よ。明後日だから時間はあんまりないけどやれるだけの事をしましょう」

 

「応援してるから頑張って」

 

今の横島君は結構女子に人気がある。助兵衛で無くなり、温厚で面倒見がいい本来の面が表に出て来てるからだ。だけど霊能者である横島君に霊能のない人間では付いていけないし、邪魔になるという事で身を引いている人は多いが……こうして助けてくれることには感謝しかない。

 

「何をすれば」

 

「まずは化粧、それと服と水着!胸の戦闘力で負けてるから別の部分で攻めるわ」

 

「「「ぐふう……」」」

 

胸の戦闘力で負けているの言葉に私含めて複数の女性とが胸を抑えて蹲った。決して、決して小さいわけではない……だけど横島君の周りの人の戦闘力が異常なだけで……私は決して貧乳ではないと言いたい。

 

「じゃあどんな方向性で行くの」

 

「清楚で行きましょう、愛子のイメージは絶対にそっちだわ」

 

「確かに、古き良き大和撫子で勝負ね」

 

不安はあると言うか不安しかないけれど、私だけでは前と同じで行き遅れで終わりかねないので皆の力を借りたいと思う。

 

「問題は愛子がへたれてるところよ」

 

「そうね、蛍さんと同じでへたれてるわよね」

 

「ヘタレすぎるからなあ……」

 

ただへタレを連呼されてメンタルはとっくの昔に死んでいて、私は机の上に突っ伏して動く気力を完全に失っていたりする……。

 

 

 

その日の夜、横島の学校にルイ、ネロ、カーマの3人が侵入する。

 

「あの本気でやるんですか?」

 

「当たり前じゃないか、その為に準備したのだからね」

 

「面白くしてくれ、愛の女神」

 

ネロとルイのにやにやした顔にカーマはどうにでもなれと言わんばかりの捨て鉢的な表情を浮かべ、さとうきびの弓を番えそれを愛子の本体である机に向かって打ち出し、その矢は溶けるように机の中へと消えた。

 

 

 

 

 

~ドクターカオス視点~

 

六道からの除霊実習の助っ人に来てくれないかという連絡はワシの元にも来ていた。確かに宿泊料免除や、助っ人料は中々に高待遇だったが、ワシは参加することを見送る事にした。

 

「ドクターカオス。本当に1人で大丈夫ですか?」

 

「大丈夫じゃ、マリア。心配することはない」

 

だが完全に参加しないと言うのも六道にも、神代琉璃にも悪いと思いマリアとテレサの2人は参加させるといったのだが……マリアは酷く心配そうだ。

 

「六道の生徒が除霊をする所じゃからそこまで難しい仕事ではない。偶に息抜きのつもりで行って来い」

 

「ですが……」

 

ワシを残しておく事がよほど心配なのか渋るマリアに対して、テレサはルンルン気分で出掛ける準備をしている。姉妹だがやはり性格は大きく変わるなあと苦笑するとマリアは少しばかり顔をしかめた。

 

「ドクターカオス。心配しているのに笑うのは酷いです」

 

「悪い悪い、じゃが本当に大丈夫じゃ。それに合宿には小僧も来るんじゃ、ここで行かないでどうする」

 

ワシの言葉にマリアは耳をほんのりと紅くさせる。その仕草が愛らしくもあり、ワシのせいでこれ以上出遅らせるのは申し訳ないと思った。

 

「マリア姫の所にもいい加減顔を出さんといかん。暫くそっちに世話になるから心配はない」

 

何かと理由をつけてまだ日本に滞在しているマリア姫も何とかしなければならない。そこにマリアとテレサを連れてけば話が拗れるのは目に見ている、それを考えれば六女の助っ人依頼は好都合と言える。

 

「分かりました……ではその行って来ます」

 

「うむ、行って来い。テレサは行く気満々じゃが、いかんせん経験が少ない。ちゃんと見てやってくれ」

 

旅行に行く為に必要な物を買ってくると良いと紙幣を握らせ、マリアの背中を玄関へ押してやる。

 

「行った行った、ワシは心配ない、旅行に必要な物を買いにいっておいで」

 

玄関で姉さんまだーと声を掛けてくるテレサの声を聞いて、マリアもやっと歩き出し玄関の閉まる音を聞いた後にワシは目を細めた。

 

「……人造救世主……か。まだそんなことをやっておるんじゃな」

 

人造神魔の研究をしていた科学者達を雇っていた会社の多くが責任問題を追及され、それと繋がりを持ち神魔やGSを買っていた政治家達も一斉検挙されたのだが、どこから情報を掴んだのか冥華からの手紙にはかつて研究していた者としてどうだ?という一文があった。

 

「……最悪な流れじゃな」

 

人造救世主計画に携わったわけではない、確かにスカウトはされたが相手が人間では無い事を見抜き隙を見て逃げ出したという記録がこの世界のドクターカオスにはある。だがワシにはその記憶はない、過去が書き換えられたことで変わった歴史の1つだと思うが、これは禄でもない話だ。

 

「この世界のワシがマリアをアンドロイドに方針転換したのはここか」

 

人造人間――ホムンクルスを作れる錬金術師と知られると不味いと考えたのか、記憶を奪われたのか……気になる事は多数あるが、何よりもまず確認を取りたいのはそこではない。

 

「4大天使……か」

 

ラファエル、ウリエル、ガブリエル、そしてミカエル――数多いる天使の中で4大天使と言われ強大な存在であるが、アシュタロス事変の際に4大天使は降臨しなかったし、助太刀にも現れなかった。そしてこの世界では4大天使は離反し、別勢力を作り人造救世主計画を行なっていると聞く……。

 

「確かねばならんな」

 

マリア姫の事も気になるが前の世界の4大天使は何をしていたのか、そしてこの世界の4大天使の動向を神魔は掴んでいなかったのか……それとも知っていて見逃していたのか、それともガープ達の様に敗残兵だからと考えていたのか……疑惑は尽きないが早急に解決、いや問わねばならない事がある……それは神魔混成軍の中にスパイがいるのではないか?という疑惑だ。

 

「余りにも迅速すぎる」

 

前々から思っていたのだがガープの侵攻も、そしてあれだけの規模での霊能犯罪も余りにもスムーズすぎる。誰かが情報を流しているのではないか?もしくは神魔が指導している可能性がある。

 

「アシュタロスの奴にも確認を取っておくか……」

 

こちら側のスパイがガープ達の陣営に潜り込んでいると言う事がワシに余計にそう思わせる。前でさえギリギリの綱渡りだったというのに、それよりも悪化している現状を考えれば不確定要素は可能な限り排除しなければならない……。

 

「それがワシの最後の仕事じゃからな」

 

闇に踏み込み命を落とす事になったとしても……ワシはもう後悔も嘆くこともしないと心に決めているからこそ、ほんの少しの油断で命を失いかねない闇の中に足を踏み入れる覚悟を持ち行動に出る事が出来たのだった……。

 

「あのさ、あげはと蓮華も臨海学校で海に行かない?」

 

「横島も来るでちゅか!?」

 

「勿論」

 

「ならいくでちゅー!」

 

「あたしは止めとくかなあ」

 

「良いの?お金は気にしなくて良いのよ?」

 

あげはと蓮華も呼んでいいと美神に言われた蛍が海に誘ったのだが蓮華だけは行かないと返事を返し、気にしなくて良いのよ?という蛍の耳元に顔を寄せる。

 

(あたしまで居たら横島の目移りの先が増えるだろ?それより海に行くんだから少しは関係を進展させなよ?)

 

「……はひ」

 

いい加減に関係を発展させなと言われ、妹に気を使わせたことに気が付いた蛍は上擦った声で返事を返し、あげはは海が楽しみだとるんるん気分で鼻歌を歌っているのだった……。

 

 

 

~アリス視点~

 

クローゼットの中から沢山の鞄を取り出して床の上に広げる。アリスが使うには少し小さい鞄もあるけど、今回はこういう小さい鞄も必要なんだ。

 

「はい、これ」

 

「ふかッ!!」

 

紫がお兄ちゃんと海に旅行にいけるのでおいでよと言うので、黒おじさんと赤おじさんに頼んだらすぐOKが出た。アリスが行くと言う事は皆も付いてくる訳で、この玩具みたいな鞄も凄く役に立つと思う。

 

「よーぎ、よぎ」

 

「キッバー、キバキバー♪」

 

「くあああああ♪」

 

手が使える魔獣はアリスが渡した鞄の中に木の実や、お兄ちゃんにプレゼントするのだと集めた地中に埋まっていた宝石などを座って楽しそうに鞄の中に詰めている。

 

「はい、チルノ」

 

「ありがとう!!」

 

他の皆にも一応声を掛けたんだけど、やっぱり中々許可が降りない子が多くてチルノだけがアリスと一緒に人間界に行くことになったんだ。

 

「人間界の海はこっちの海と違うのかな?」

 

「なんか暑いって言ってたよ」

 

「む、むー暑いのか……でもあたいも横島の所に行きたいし……」

 

「大丈夫だよ。多分マグマ見たいに熱い所はないよ」

 

魔界みたいに金属が溶けるほどの場所はないと思うからチルノでも大丈夫だと思う。

 

「そうだよな、えっとタオルと、着替えと……水着と麦藁帽子」

 

「後ボールと水鉄砲もー」

 

「遊ぶもの沢山持って行かないとな!!」

 

黒おじさんと赤おじさんが沢山用意してくれている遊び道具をぎゅうぎゅうに鞄に詰め込んで鍵をかける。

 

「準備OKだね!」

 

「うん!後はブリュンヒルデお姉ちゃんが迎えに来るのを待つだけだね!」

 

紫は偶に魔界に顔を見せてくれるけど、お兄ちゃんを連れてくるのは難しいって言ってたから凄く残念に思っていたけど、アリス達からお兄ちゃんの所に行くなら何の問題もない筈だ。

 

「こんにちわ」

 

そんなことを考えていると空中に障子っていう奴が浮かんでそこから紫がひょこっと顔を出した。

 

「あ、紫だ。迎えに着たのか?」

 

「違いますわよ。準備が出来ているか様子を見に来たのです、どうですか?準備は出来てますか?」

 

「出来てるよー!」

 

アリスの言葉にお兄ちゃんに懐いて付いて来た魔獣達も元気良く鳴いて返事を返した。

 

「それなら良いですわね。アリスとチルノ、今回の旅行は天界から天竜姫と天狗の天魔も来ますから仲良くしてくださいね、喧嘩するとお

兄様が悲しみますから」

 

「大丈夫だよ!お兄ちゃんが大好きな子なら仲良く出来るもん」

 

「あたいも!」

 

態々魔界に注意しに来るなんて紫は心配性だなあと思っていると、紫が何時の間にか手にしていた扇子を音を立てて閉じた。

 

「あれ?そんなの持ってた?」

 

「今日買って貰いましたの、似合いますか?」

 

「えーずるーいッ!!!」

 

「ずるいぞーッ!!!」

 

似合っているけどお兄ちゃんからのプレゼントでずるいと声を上げると紫は口を扇子で隠して楽しそうに笑った。

 

「私ずるいですからお兄様のプレゼントを持って帰ってしまいそう」

 

「似合うよ!凄く似合うよッ!!!」

 

「紫って感じがする!!」

 

明らかにプレゼントのラッピングされた物を隠そうとする紫に慌てて言うと紫はころころと楽しそうに笑った。

 

「冗談ですわよ。はい、どうぞ。お兄様からのプレゼントの帽子ですわ」

 

「ふおおお……」

 

「おおお……」

 

アリスには白い帽子で赤いリボンが巻かれていて、チルノには青で白のリボンが巻かれていた。アリスが好きそうなデザインでお兄ちゃんがアリスの事を良く考えてくれているのが判って凄く嬉しくなった。

 

「そうそう、お兄様に魔獣のお世話が出来る空間を作るという計画ですが、天竜姫達も揃うのでここで1回しっかりと話し合おうと思うのですが良いですか?お兄様に内緒で」

 

「アリスは良いよー」

 

「なに?なにするんだ?」

 

「ふふー、私達が揃えば異界を作る事は出来る筈ですわ!」

 

「そこにねー、お家とか森とか川を作ってね、皆の遊び場を作るんだ!」

 

「それ面白そうだ!あたいもあたいも混ぜて!!」

 

チルノも加わってくれるなら面白い事が出来ると思う。お兄ちゃんも家が広ければ皆の面倒を見れると言ってたからきっと喜んでくれると思い、アリス達はひそひそとお兄ちゃんにプレゼントする異界の相談を始めるのだった……。

 

 

魔界でアリス達が悪巧み(?)をしている頃、横島はデジャブーランドに訪れていた。その理由は実験動物として捕獲されていたグレムリンの幼生の受け渡しだった。

 

「えっと1週間様子見で、もし駄目そうならこっちでお預かりします」

 

「横島GS、大丈夫だよ。デジャブーランドのスタッフは精鋭揃いさ!」

 

自信満々のオーナーの言う通り蛍達に一切懐かなかったグレムリンの幼生達は思い思いのスタッフの元へ向かっている。

 

「みー」

 

「可愛い!!」

 

「みむうー」

 

「おお……懐いてくれたのか」

 

横島は何匹か残ると思っていたのだが、連れて来たグレムリン18匹は皆自分の主人候補を見つけていた。

 

「驚いているようですね」

 

【ああ、私も横島も驚いている。一応ここに来る前に六女にも顔を出したんだが殆ど駄目だった】

 

「2匹だけだったからなんでって思ってはいます」

 

使い魔学科の生徒と顔合わせもさせたのだが、懐いたのはたったの2匹でグレムリンの育成の難しさを横島達は改めて実感していた中、スタッフ1人に対して2匹や3匹懐いているのを見れば驚きを隠せないのは当然の事だ。

 

「デジャブーランドのスタッフの多くは子供の時に妖怪と触れ合っていた者が多いのです。だから妖怪や悪魔に偏見がないですし、神社などの次男や三男などもいましてね、普通の人間よりも妖怪に懐かれやすいのですよ」

 

流石に横島GSほどではないですがと苦笑するオーナーだが、横島の懐かれやすさが異常なだけなのでデジャブーランドのスタッフも妖使い基準で考えれば十分に天才の部類である。

 

「ではグレムリンの育て方の講義をお願いします」

 

臨海学校には流石に連れて行けないので短時間だけ預かって貰うつもりだった横島だったが、グレムリンが懐いていることに安堵し自分がチビを世話している時の話や、餌として好む果物、それと好んで遊ぶ玩具などを時間が許す限り伝えデジャブーランドを後にする。

 

「明日から臨海学校かー、正直俺が行ってなんか役に立つかね?」

 

【そう卑下することもない、それに毎年六道が除霊実習をしてるんだ。そう難しく思う必要もないさ、息抜きの旅行程度に思えばいいと言っただろう?】

 

「まあそうなんだけどさ、なーんかなあ……引っかかるんだよなあ。うーん……」

 

【そう悩んでいると魔界から来たアリス達も不安に思うぞ?余り楽観視も良くないが悩みすぎるのも良くないぞ】

 

根拠はないのだが胸がざわめくのを感じる横島だったが、心眼の言葉にそうかと呟いて旅行の準備をする為に家へと足を向ける。

だが横島が感じたざわめきは決して間違いではない、美神や琉璃達の占いや事前調査で怪しくはあるが例年通りという結果が出たように、他の霊能者達も不安は感じていたが、概ね例年通りだろうと考えていた、では横島が感じたざわめきはなんなのか?それは横島だけが感じれる一種のシンパシーに等しいものであった。

 

【……憎い……にくいニクイ……】

 

鎧甲冑がガチャガチャと音を立て、水滴のような物がたれる音が闇夜の中に響き渡る。しかし鎧武者から滴る音は水などではなく、鎧武者の手が無造作に握っている生首から流れ落ちる血液の音であり、この鎧武者が毎年小間波海岸に現れる亡霊とは一線を隔した力を秘めた者である証なのであった……。

 

 

 

リポート11 臨海学校・序 その4へ続く

 

 




不穏なフラグを2つ用意してみました。やっぱりこういうのは大事ですね、臨海学校は序(ほのぼの系)破(ヒロインズのメンタル破壊を含むギャグ)急(デスエンカ)でお送りします。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
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