GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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リポート12 臨海学校・破
その1


リポート12 臨海学校・破 その1

 

~美神視点~

 

今までの精神的疲弊もあり蛍ちゃんだけではなく、くえすも随分と弾けている六女の臨海学校はある意味成功と言える。

 

(結構溜め込みがちだしね)

 

メンタルがなまじ強い分(横島君関連を除く)表面上は見えていないが、実際はやはり爆発寸前だったのだろう。普段の冷静な部分を投げ捨てて、あとついでに乙女の矜持も投げ捨てて遊んでいたが……まぁそれも良しとしよう。だが何時までも微笑ましい気持ちでは居られない、金時達から告げられた結界の情報と、ホテル周辺の地主に拘束されていた六道のGSからの報告に私は眉を顰めた。

 

「……マジか」

 

「申し訳ありません、なんとか報告しようとしたのですが……」

 

「いえ、貴方を責めてる訳じゃありません。その状態で良く報告してくれました、ありがとうございます」

 

琉璃の言う通りで六道所属のGSはやつれており、霊力も殆ど感じられない。体力の続く限り霊力を行使した反動だろう今にも意識を失いそうだ。

 

「ご苦労様~今は休んで頂戴~」

 

「……はい、理事……後はお願いいたします」

 

冥華おば様の言葉に頷きふらふらと立ち上がり、六女のスタッフに連れられて去っていくGSを見送り、私達は会議を再開する。

 

「それでこの傷痕は間違いなく源氏由来の物のワケ?」

 

【おう、こことここ……俺ッチの知ってるのと少し癖が違うが……源氏武者の対怪異の剣技の跡に似てる】

 

「確信はないのですか?坂田さん?」

 

【ん、んーいやな、どうも消えかけてる最中の攻撃だからな……あのGSだっけか?あれが報告してくれた場所を見に行けばまた何か違う

事も言えると思うが……今は俺ッチに言えるのは綱の兄貴じゃないってことだけな」

小竜姫様の問いかけに対してそう返事を返す金時だが、英霊は強いと言うのは分かる。日本というこれ以上ないホームグランドの補正もかかっている日本の英雄は間違いなく強いが……。

 

「綱の兄貴って渡辺綱よね?どれくらい強いの?」

 

【……多分怪異相手なら負けはねぇ。俺ッチと綱の兄貴だと……綱の兄貴の方が上だな。ちょっと細身の優男って感じだけどよ俺ッチ……腕相撲も模擬試合も勝てた記憶が殆どねえな】

 

もしもそのレベルの英霊が出てくるとなると今の新しい技を試している私たちじゃ手も足も出ないか……。しかし源氏武者はやばいと聞いているが、こうして実際に聞くとやばいなんてレベルじゃないわね。

 

「令子ちゃん~私が調査に行こうか~?ショウトラちゃん達いるし~金時と、ブリュンヒルデさんとかに手伝ってもらえば何とかなると思うけど~?」

 

「そうね、それが最善かしらね。冥華おば様は何かありますか?」

 

「ん~家の子の面倒も見て欲しいから~分断には反対しないわよ~?ただ~生徒にはばれないようにして欲しいわね~?」

 

そこの問題がある、あくまで今回は臨海学校であり六女の生徒もいる。ただでさえ数日後には結界を解除して周囲の悪霊を全部呼び寄せて除霊実習を行なうのだ。過度なプレッシャーは厳禁だが……私は冥華おば様に一言言いたかった。

 

「やめません?」

 

「やめないわよ~?」

 

普段なら精々船幽霊や蟹や貝の化物とまりだが、今回は本当にどうなるのか判らない。それなのに止めないと言う冥華おば様には何を言っても無駄だろう。

 

「とりあえず愛子の机の中で除霊経験を積んでもらう予定なワケだけど……実際どう?」

 

「そこまで強力な敵は用意出来ないそうですが、限りなく実戦に近いシュミレーションですね。私は少し試しましたがかなりの完成度でしたよ?ね、マルタ」

 

【うん、それに学校とか、森の中とかシュチエーションも選べるし……何人か監視と教導役がいれば十分実地は出来ると思うわよ】

 

「それなら捜索に出れるのは訓練中で、終わるまでに戻ってくるって所ですかね?」

 

「そうね、それが最善ね……ん?何か騒がしくない?」

 

とりあえず明日からの方針が決まった所でロビーがやけに騒がしいのに気付いた。臨海学校だからって羽目を外しすぎたのか?と注意する為に部屋を出たのだが……くえすや蛍ちゃんも輪の中に混じって困惑した表情を浮かべていた。一体何がと身を乗り出してロビーに視線を向けてみるんじゃなかったと後悔した。

 

「あ、美神さん。良かった……なんかでかくなっちゃって」

 

「どぉん!」

 

「でかくなってもお前は弱そうだなあ……」

 

「どぉぉおおん……ッ」

 

水着姿にパーカーを羽織っただけの横島君の後には茨木童子が抱き抱えていたピンク色の魔獣が二足歩行に進化し、尻尾にでかい貝殻を付けた怪獣がいた。

 

「「「「……」」」」

 

「あ、進化したんだー。この子ね、尻尾を貝に噛まれると進化するんだよお兄ちゃん!」

 

「……そうなんだ。人間界の貝でも良いんだな……ははッ」

 

横島君も困っているのかとても乾いた声で笑っている。私は少し考えた後に琉璃の肩を叩いた。

 

「後よろしく」

 

「なんで!?美神さんの担当ですよね!?」

 

「あれはほら、まだ横島君の使い魔じゃないし、そもそも魔界の動物なんて私に判らないし」

 

「そんなの私にだって判らないですよ!?監督責任って分かります?」

 

「嫌」

 

「嫌じゃなくて!?」

 

地響きを立ててロビーに座ってふわっと大きな欠伸をしている怪獣とその怪獣を立ち上がらせようとしている横島君と茨木童子を見て関わりあうべきではないと判断し、私は琉璃に全てを押し付けて逃げるようにその場を後にしたのだった……。

 

 

 

 

~横島視点~

 

目覚まし時計の音で俺は目を覚まし、ベッドの上ではなく布団の上で大きく伸びをした。

 

「流石に疲れたな」

 

ホテルに帰った後は寝ていたチビ達を起こして風呂で綺麗に洗って、夕食だったが……魔界で斧龍から預けられた赤ちゃんが雛鳥状態でそれが連鎖してアリスちゃん達まで入ってきて大騒動。その後はホテルのゲームセンターのUFOキャッチャーや卓球で遊んで……就眠時間になればアリスちゃん達は部屋に帰したが、魔獣組は付いてきちゃうし、寝るところないしでめちゃくちゃ大変だった。

 

「皆良く寝てるな」

 

六道のつながりで使い魔を連れているGSが多く滞在すると言う事で急遽用意された部屋に荷物を移して、使い魔用のベッドに魔獣達を寝かせてとかなりハードな1日を過ごしたと思いながら頭にバンダナを巻くと心眼が目を開いた。

 

【おはよう、横島】

 

「おはよう、心眼。朝の散歩ってどうなのかな?止めといた方が良いかな?」

 

今日のスケジュールは愛子の机空間で除霊実習の監督役の手伝いとアリスちゃん達の面倒を見るようにと言われていたけど、散歩には行かない方が良いだろうか?と心眼に尋ねる。

 

【散歩くらいなら構わないだろう。それに……もう来てる。上を見てみろ】

 

上を見てみろと言われて顔を上げると紫ちゃんが障子から顔を出していた。

 

「おはよう、紫ちゃん」

 

「おはようございますわ、お兄様」

 

優雅な素振りで扇子を開く紫ちゃんの背後からはアリスちゃんやリリィちゃんが顔を出す。

 

「お散歩行こう!」

 

【散歩です!!】

 

完全に行く気満々の様子を見れば駄目とは言えないし、俺達の話し声でチビ達も起きて欠伸をして目を擦っている。

 

「着替えたら散歩に行こう、ちょっと待っててね」

 

【「「「「はーい」」」」】

 

……声が多いな、姿が見えないだけで天ちゃんと天魔ちゃんもいたのかな?と思いながら俺は顔を洗いに洗面台に向かうのだった。

 

 

「で、朝から疲れてるのですか?」

 

「……まぁちょっとだけ……?」

 

シロも牛若丸も加わって想像以上の大所帯になればはしゃぎまくるし、うりぼーが海に突撃しようとするのでそれを止めるのに苦戦したりとちょっと疲れてる。あとくえすにジト目で見られると怖いので目を逸らそうにも、逸らしたら逸らしたで大変な事になると直感が告げているのでそれも出来ない。

 

「まぁ分かるけど、もうちょっと考えた方が良いわね、アリスちゃん達に言いにくいのは分かるけど」

 

「うい」

 

自由時間は用意されているが、今回の旅行の目的は臨海学校の付き添いであり、その多くの時間は訓練に当てられる。初日の自由時間が特別だったといえるだろう。

 

「でもさ、アリスちゃん達はどうするんだ?」

 

俺も訓練をする予定だけど、アリスちゃん達はその間どうするのか?と蛍に尋ねる。俺の疑問の答えは蛍ではなく、背後から告げられた。

 

「天竜姫様達も訓練をしますよ。ただそうですね、遊びの延長のような物です」

 

「かんらからから、見た目は幼子でも神だからな、己の力を操る術を学ぶのは当然だ」

 

小竜姫様と鬼一さんの言葉に少し驚いたが、確かにタタリモッケさんの学校でも軽い戦闘訓練みたいのはしてたなと思い出した。

 

「でもアリスちゃんってゾンビを沢山召喚したり、茨木ちゃんはロケットパンチとかしますけど大丈夫ですかね?」

 

手加減って言葉を絶対どこかに置き忘れてると思うんだけど大丈夫かなあと俺は不安を抱きながら、机の上のみかんを手に取る。

 

「はい、チビ。あーん」

 

「みーむう♪」

 

チビの口にみかんを入れてやり、今度はフォークでウィンナーを刺して持ち上げて鮫っぽいの口元に向ける。

 

「フカ♪」

 

ばくんっと音を立ててフォークごと食べてしまう鮫っぽい魔獣を見て、俺はうーんと唸ってくえすと蛍に視線を向けた。

 

「食事の躾ってどうすれば良いと思う?」

 

手加減って言葉を知らないのは魔界の魔獣組も同じで、食器ごと食べてしまっている姿を見てどうやって躾ければいい?と2人に尋ねたのだが……やっぱり俺と同じで答えはなかった。

 

 

「ふうふう……結構疲れた」

 

「安全な実戦って聞いてたけど結構疲れるわね」

 

愛子の机の中に入っての除霊実習の監督として俺も机の中に入っていたが、これはかなり厳しいのでは?と思った。

 

「柩ちゃん、これって前の事件のがベースなのか?」

 

「くひ、そうみたいだねえ……おっと、横島。リタイヤがそろそろ出るよ、迎えに行ってあげたまえよ」

 

「あ、うん。分かった、モグラちゃん。行こう」

 

「うきゅう♪」

 

柩ちゃんの予知で体力の限界を迎えた生徒を回収し、またスタート地点に戻る。これが監督としての俺の仕事だった、見知った顔もあれば知らない顔もいる。

 

「もう無理しない方が良いんじゃない?」

 

「よ、横島GS……はい、そうですわね。行きましょうか?」

 

「グルウ」

 

今回は使い魔学科の生徒の焔さんだったけど、本人も使い魔のカソも疲弊しきっており俺が厳しいと感じたのはやはり間違いでは無かったようだ。

 

(原始風水盤にシズの森の中、それにガープの隕石落とし……えげつねえ……)

 

監修は美神さん達らしいが、俺達が体験した戦いをベースにした戦闘訓練はやはりかなり厳しいと思う。

 

「ふう……中々歯応えがありましたわね」

 

「お疲れ様です。スポーツドリンクとタオルです」

 

「ありがとう、横島」

 

くえすは普通にクリアして帰ってきたけど、中には気絶、あるいは行動不能で魔法で帰って来てる生徒もいる。

 

「これ心折れないかな?」

 

【折れたならその程度、諦めた方が良いわよ。ここからは今まで見たいに優しい世界じゃないのよ、横島】

 

「マルタさん、でも」

 

【1回折れてまた立ち上がれればそれで良し、無理なら治療とかの除霊に変われば良いの、これは適性診断。とにかく自分達の限界、そして戦うであろう敵を知る事が大事なのよ】

 

俺では理解出来ない考えが美神さん達にあるのならば、俺は多分浅はかな事を言わない方が良いだろう。今も倒れている生徒の目は爛々と輝き、諦めないと言うのをその目で示している。休んで動けるようになればまた挑戦するのだろう……それを止める権利は俺にはない。

 

「楽しい!天竜、天魔もう1回行こう!」

 

「うん、行く」

 

「面白いですね、行きましょう行きましょう」

 

……だからあそこで六女の生徒の意志を纏めて圧し折っているアリスちゃん達は見ないようにして、あの3人は神魔だから人間じゃないからと説明するのに奮闘する事になった。

 

「え?蛍達もやるの?」

 

「そりゃやるわよ?私達も底上げしないといけないし、愛子さん。難易度最大で」

 

「六女の生徒はいないわね~?」

 

「はい、大丈夫です。ここにいるのは蛍さん達だけなので1番難しい設定でやりますね」

 

美神さんやエミさんを除き、蛍やくえす、それにシズクやおキヌちゃんという面子で、俺も参加しての戦闘訓練が始まったのだが……。

 

「あれ?なんで俺だけ?」

 

戦闘訓練が開始されすぐに俺だけが別の場所にいた。いや、俺だけって言うのは正しくないか……。

 

「みむー?」

 

「うきゅ?」

 

「フカー?」

 

チビ達も不思議そうに首を傾げて座っている。確かにチビ達は近くにいたけど、蛍達はどうしたんだろうか?と首を傾げる。

 

【……設定がどこかおかしかったのかも知れんな、そこのドアから出れないかどうか試してみてくれ】

 

広い部屋に出口らしき扉が1つ。そして何故か滑り台やボールといったチビ達が喜びそうな遊具が転がっている部屋に何の意味があるのだろうかと首を傾げながら扉を開けようとするがどうも外から鍵がかかっているようで、試しに栄光の手や勝利すべき拳を展開して殴ってみたがうんともすんとも言わなかった。

 

【しょうがない、中から開かないのなら蛍達が来るのを待つしかなかろう】

 

俺と心眼でどうしようもないのならば部屋の中で待つしかないとなり、俺は部屋の真ん中に腰を下ろして転がっているボールを持ち上げてチビ達の方に転がしてやる。幸い部屋の中にはチビ達が喜びそうな玩具が沢山転がっているし、蛍達には悪いが開けてくれるのをのんびりまつ事にするる、愛子も初めての事だし少し失敗する事くらいあるよなとそこまで深刻に考えず、俺がチビ達と遊んでいる間部屋の外がとんでもない地獄になっているなんて俺は夢にも思っていないのだった……。

 

 

 

~ルイ視点~

 

愛子という妖怪に仕込んだ魔法陣が起動した感覚がして飲んでいた紅茶のカップを机の上においた。

 

「お口に合いませんでしたか?」

 

控えていたベルゼブルがそう問いかけてくるので、大丈夫だよと笑い掛けながら席を立つ。

 

「どちらへ?」

 

「魔人姫の所に行く、ちょっと急用が出来たんだ。ベルゼブル、君もおいで」

 

「畏まりました、すぐに準備をします」

 

「うん、よろしく頼むよ」

 

臨海学校とやらで海へ行くと聞いていたが思ったよりも早かったが、これでいい。最高指導者達がトトカルチョと称して横島の周辺の女を使って賭け事をしているが変化がなければ面白くない、これほど面白い題材だと言うのに何の変化もないというのは余りに勿体無い。

 

「ルイ様、どうぞ」

 

「うん、ありがとう。さぁ行こうか」

 

ベルゼブルが用意してくれた日傘と帽子を手に転移で魔人姫――すなわちネロがが拠点としているホテルへと転移する。転移するのなら帽子はいらないと思うかもしれないが、淑女として嗜みは必要不可欠だ。

 

「お?どうしたどうした?明星よ」

 

「やぁネロ。元気そうだね、カーマに作らせた矢が起動したみたいなんだ」

 

「なんと!ははは、良いではないか、丁度退屈しておった所だ。酒と軽い摘みを用意せよ、2人……いや、3人分だ」

 

「「「「畏まりました」」」」

 

4騎士が頭を下げてネロの部屋を後にし、残されたのは私とネロとベルゼブル……そしてもう1人。

 

「もしかして私の分ですか?」

 

「勿論だ!お前が功労者なのだ。労ってやろうと言うのだ!」

 

「そうだとも、だって私とネロが動いたら……なぁ?」

 

「うむ」

 

やろうと思えば出来ない事はないんだが……愛の神という専門家がいるのに私達がやるべきではないと言うか……。

 

「多分やりすぎる」

 

「うん、AとBを飛び越えてCに成る」

 

ちょっと横島の煩悩とか劣情とかを刺激しすぎて賭けを一気にゴールにしかねない……それは面白くないのだ。

 

「何をするつもりだったんですか?」

 

呆れた様子のベルゼブルに私とネロは少しばかり下品とも言える表情を浮かべて返事を返した。

 

「「ナニになってしまうかなと」」

 

横島の煩悩が子煩悩にシフトしているが、その子煩悩を煩悩に戻したらどうなるかなんて火を見るより明らかだろう?と言うとベルゼブルは耳を紅くして、失礼しましたと口にし頭を下げる。

 

「……はぁ……これで神魔の最高位って言うんだから世も末ですね」

 

カーマが呆れているが、少し動きを付けたいなと思っていたのにいきなりゴールでは駄目だ。それに……もっと面白くなるという予感があるんだ。偏屈な女神とかが出てくるし、神魔に反逆した王とかが来ると分かっているのにそれを待たずに決着とは余りにも面白くない。

 

「本当はルキフグスもいると面白かったんだが、間が悪いか、まぁ良い。小竜姫とかいるし、十分に楽しめるだろう」

 

「色恋に振り回される女と言うのは何時見ても面白いからなあ」

 

まぁ私から見ればネロもその振り回される1人なのだが、まだ自覚していないようなのでこいつも何時起爆させてやろうかとほくそ笑みながらモニターに映る困惑した様子の蛍達に向かって私は声を掛けるのだった……。

 

 

 

~蛍視点~

 

愛子さんの机の空間の中で六女の生徒の次に戦闘訓練を行なう予定だったんだけど……目の前のゲートを見て心底私は困惑していた。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

ピンク色の門が毒々しい色でライトアップされている。と言うかぶっちゃけるとラブホにしか見えない、全員なんとも言えない表情を浮かべている中、柩とタマモが愛子さんに視線を向ける。

 

「やっぱりこの机妖怪殺そう、頭の中ピンクだからきっと性犯罪するよ」

 

「そうね、そうしましょうか」

 

「無罪!私無罪!!!」

 

無罪って言ってるけど、愛子さんの机の中は彼女が組みかえれるのだから潜在的な欲求とかじゃない?という疑惑がある。

 

【やぁ、元気そうだね。うんうん、良い事だ】

 

私達の前に魔力で出来たルイさんの姿が現れて思わず身構える。

 

【ちょっとね、私とカーマのプレゼントさ、面白いだろう?】

 

全然全く面白くないです、と言うか、この人が何をしようとしているのかが怖くてしょうがない。

 

【いやねえ、君達が余りにヘタレだからさ、ちょっと進展するように手伝ってあげようかなと】

 

余生なお世話と叫びたかったが、もし叫んだら死ぬかもしれないと思いその言葉をグッと飲み込んだ。それは私だけではなく、小竜姫様達も同じ様だ。

 

【横島君はこのゲートの向こう側の一番奥の部屋にいる、今頃は使い魔と一緒に遊んでるんじゃないかな?それとアリス達は普通に反対側の遊園地の入り口みたいな所から横島の所を目指してるよ】

 

姿が見えないアリスちゃん達は安全みたいで安堵したが、それは一瞬で崩れ去る。

 

【この門を潜るとね、自分達の1番の欲求と願望が形になるんだ。もしかすると横島が好きすぎて大人になってるかも知れないね】

 

笑ってるけど笑い話じゃないッ!!あのロリサキュバスがいるので非常にやばい……ッ!!だけど欲望と願望が形になるとか、1人ならまだしもこれだけの大人数でそれはない。

 

「とめないと……ッ」

 

「ですね……ちょっと笑えないですよ……」

 

ナニが起きるのか分からないので阻止しないといけないけど……。

 

「ここを通るのですか?」

 

「……怖いのですが」

 

「え?そう?あたしなんか面白そうだと思うけど?」

 

1人だけ天真爛漫がいるけど、楽しそうなんて欠片も思えない……だけど先に行かないわけには行かないわけで……。

 

【中はちょっと面白いゲームしかないよ?性癖暴露とか、脱衣とかコスプレしろそんなのさ、媚薬を飲めとかは無いさ】

 

「「「「何が面白いか!?」」」」

 

【ふふふ、カーマ監修だからきっと面白いよ、だってほら、シヴァの性欲を刺激しようとしたプランだし?】

 

【それで私死にましたけどねー?はは……本当にねぇ……なんでこんな事させられてんの私……】

 

カーマが超ダウナーだけど、気持ちは分かる。私も同じ気持ちだからだ……悪魔め、いや、悪魔だけどもう少し良心とか残しておいてくれないかな……?

 

【と言う訳で進むもここで躊躇うも好きにしてくれたまえ、でも子供達はもう進んでいるとだけ言っておこうかなあ?】

 

ここまで言われたら進むしかない訳で……強烈に嫌な予感を感じながら私達は毒々しい光を放つ門の中に足を踏み入れ……。

 

「「「「なによ、これええええええッ!?!?」」」」

 

自分の服装、そして周りの人の姿を見て誰もが絶叫する。今ここにかつて神に反逆した堕天使と愛の神プレゼントのデスゲームが幕を開けたのだった……。

 

 

リポート12 臨海学校・破 その2へ続く

 

 




ルイ様とカーマプレゼントのデスゲーム開始です。なお横島はマスコットと戯れてるので温度差マッハですね。次回は強制着替えさせられた蛍達の視点から入っていこうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
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