GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! FINAL   作:混沌の魔法使い

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リポート13 臨海学校・急
その1


リポート13 臨海学校・急 その1

 

~美神視点~

 

愛子ちゃんの机の中から横島君達が出てくるなり、血飛沫舞う地獄絵図に流石の私も悲鳴を上げた。机の中で何があったのか、想定していない何かのイレギュラーがあったのかと様々な可能性を考えていたのだが……。

 

「横島君が興奮しすぎてねぇ……良くあれだけ出血して平気だったわね」

 

戦場か何かかと思うレベルの出血が横島君の鼻血で、机の中でルイ・サイファーとカーマプレゼントとのどこのAVよと言いたくなる羞恥心地獄だったと教えてくれた琉璃に呆れれば良いのか、それとも横島君がちゃんと琉璃達を異性として認識してて良かったわねと言うべきか大分悩んだ。

 

「言っておきますけど凄い地獄でしたよ、私裸に透明な羽衣だけにされかけましたからね?」

 

「……マジで?」

 

「ええ、しかもなんか私達の身体と感覚が繋がってるピンボールとか、ロデオマシンとか、横島君の声つきの張り手とか、そっちを強く意識させられましたよ……」

 

疲れきった様子の琉璃だけど、羞恥心だけじゃなくて、性欲的なものもかなり刺激されてしまったのだろう。

 

「ちなみに琉璃と横島君だけだったら」

 

「本能に抗えないかもですね、人数が多くてよかったです。まぁ……自分の性癖みたいの知られて、自分でも知らなかった性癖まで認識しちゃって……ははは……死にたい」

 

カーマは愛の女神だからなんかされてもおかしくはないけど、そこは巫女として、そしてGS協会の長として踏み止まってくれて良かったと言わざるを得ない。でも今も瞳の光を完全に失っている琉璃に掛ける言葉がなくて咳払いをする。

 

「そろそろ本題いいかしら?」

 

「え、あ。すいません、ちょっと黒歴史が凄い事になってて、何でしたっけ?」

 

「とりあえずこれ、私達で調べた情報に目を通してくれる?」

 

軽く纏めてあるレポート用紙を琉璃に渡す。流石にGS協会の会長をしているだけあって切り替えはかなり早い、琉璃が読み終わるまでの間にお茶を用意してそれを啜る。

 

(朝の光景の理由も納得したわね)

 

うりぼーに囲まれて接触拒否していたのは横島君自身もかなり意識してしまっていて、蛍ちゃん達を見るとまた鼻血でも出しかねないからの措置だったのだろう。とは言え、何十匹のうりぼーに囲まれているのは朝から見るには凄い光景だったけどと思わず苦笑する。

 

「英霊ですか……正体は不明ですが、恐らく牛若丸に何かの英霊が上書きしていると?」

 

「多分ね、鬼一法眼が言ってるからまず間違いないわよ」

 

牛若丸の師なのだからその太刀筋を見間違える訳がないので、ベースになっているのは牛若丸で間違いない。

 

「問題は平家ですか」

 

「思い当たる節が多すぎるし、1体とも限らないのよね」

 

このホテル周辺を源平合戦に準えているとなると相当数の源平の幽霊がいるはず。

 

「レギオンタイプですかね?」

 

「可能性はあるわ、とりあえず今冥子達が色々と準備をしてくれるから、夜に誘い出してみようと思うけど……琉璃にお願いしたいことあるんだけど「分かってます。人払いは徹底します、横島君の切り札を使う事になるでしょうし」

 

文珠を使う必要性も出てくるかもしれない。源氏と平家にまつわる霊が多く出現する土地ではあったが、今回はここ20年ほどで最悪の規模と言えるだろう。そしてそれと同時に……今回の件は自然発生ではないと言うのほぼほぼ確定している。恐らくガープがなんらかの細工はしている筈だ。

 

「今回もかなり厳しそうですね」

 

「いつもの事だけどね」

 

今回の件も間違い無くとんでもない山になる。出来れば六女の生徒は巻き込みたくなかったけど、そうも言ってられない状況に私と琉璃は揃って深い溜め息を吐くのだった……。

 

 

 

 

~横島視点~

 

背中から砂浜に叩きつけられ、呻いているとそんな俺を鬼一法眼さんが覗き込んでくる。だけどその姿は女性の物ではなく、細身の男性の姿だった。姿を変える事なんて造作もないと言っていたけど、本当に凄い人なんだなと思い知らされた気持ちだ。

 

「筋は悪くないが……お前、混ざりすぎだな」

 

「……色々と教わりましたからねッ!」

 

腕の力で跳ね起きて、蹴りを放つが脇に挟み込まれて簡単に止められる。

 

「目線と身体に力を入れすぎだッ!!」

 

「どわったあッ!?」

 

そのままジャイアントスイングの要領で振り回され、俺は悲鳴と共に海中へと投げ込まれたのだった……。

 

「総評 中の中。まだまだ修行が足りないんぞ。かんらからから」

 

鍛錬が終わったという事で女性の姿に戻り、扇子を広げて笑う鬼一法眼さんを見ながら、中の中かあと思わず呟いた。

 

【徒手空拳ではやはり雪之丞達には劣るのは当然だ、あいつらは専門家だからな】

 

「まあそれもあるが、仙人に師事しているんだ。それは筋は良いって物さ」

 

綱手さんと三蔵ちゃんかあ……あの人たちも良い人だけど英霊と仙人だもんなぁ……。

 

「脇が甘い、霊力の練り込みをしっかりしろ」

 

「はいッ!!」

 

「甘い甘いッ!!」

 

雪之丞と陰念の打撃を片手でいなす光景を見ると、本当に半端ないなと素直に驚かされる。

 

【ですが師匠、主殿は筋はいいですよ?】

 

【なんでも覚えるしの】

 

「覚えさせすぎだ、戯け共」

 

ノッブちゃんと牛若丸の頭に鬼一法眼さんの空手チョップが落とされ、2人がむきゅっと呻き声を上げる。

 

「えっとお?駄目なんですか?色々と覚えるの」

 

「悪くはないぞ、臨機応変に色々と型を柔軟に変えるのは僕でも結構厄介だった」

 

あんがい悪い評価じゃないのかな?でも中の中って言われたし……何が駄目だったんだろうかと考えていると扇子が顔に突きつけられた。

 

「殺す術なんだよ。で、横島はそこまで教わってないんじゃないかな?」

 

「まぁ……俺GSですし、殺人術は教わってないですけど……」

 

あくまで俺はGSで殺人者ではない。殺人技を教わっていないから中の中と言われるのならばそれでも……。

 

「あいたッ!」

 

そう考えたところで扇子で頭を叩かれて思わず声を上げてしまうと、その様子を見て鬼一法眼さんは楽しそうに笑った。

 

「殺人技を覚えろと僕は言ってるわけじゃないぞ?ただ中途半端にやってるから駄目なんだ。捕縛なら捕縛でGS……だったか、霊能者らしいやり方の捕縛術を教えてやろう!」

 

立てと言われて立ち上がると鬼一法眼さんが掌を俺に向けてくる。

 

「目を逸らすな、女だからと言って油断すれば、戦えぬと言えば死ぬのはお前だ。まぁお前の場合は女を知らんというのもあると思うが、

相手が何であれ十全の動きは出来るようになれ」

 

「う、ういっす」

 

昨日の蛍達の艶姿が焼き付いていて、蛍達に会うのも気まずいのにと思いながらも返事を返した次の瞬間……鬼一法眼さんの顔が目と鼻の先にあって思わず赤面して硬直した。

 

「手加減はしてやる。耐えてみよ」

 

「へ?うわッ!!」

 

掌が押し当てられたと思った瞬間に俺の身体は大きく弾き飛ばされていた。身体が回転していて前後左右も分からない中で俺の視界に影が落ちた。

 

「それッ!!」

 

霊波砲ではない、霊力の玉をただ無造作に投げつけてきた鬼一法眼さんに俺は咄嗟に右手を突き出した。

 

「サイキックソーサーッ!!」

 

掌から展開された霊力の壁が霊力の玉を防ぐが、それが悪手だとすぐに気付いた。余りにも手応えが無かった……これはッ!

 

「虚を混ぜる事で相手の行動を制限し、操るのだよ」

 

「うっ、ぐうッ!?」

 

着物姿でオーバーヘッドキックなんかしてくるので、艶かしい太腿に完全に目を奪われ、次の瞬間には蹴り飛ばされていた。

 

「やれやれ、この程度で動揺してどうする」

 

「あッ」

 

再び掌を押し当てられたと思った瞬間には砂の鎖で俺は完全に縛り上げられていた。

 

「かんらからから、まぁその初心な反応は僕としても面白いけど、修行には集中しなよ」

 

「すいません……」

 

揺れる胸とか太腿に完全に視界を奪われていた。少し思い返すだけでも、どの行動もミスばかりで恥ずかしいばかりだ。

 

「まぁそうするように誘導したんだけどね、霊能者は集中を乱されると途端に弱くなる、特にお前のような純情なタイプは女には弱すぎる」

 

鬼一法眼さんはそう言うと猫のようににんまりと笑い、俺の耳に顔を寄せてきた。

 

「僕が女を教えてやろうか?」

 

その艶かしい声に反射的に昨日の蛍達を思い出して顔が一気に紅くなる。今朝もまともに顔を見れなくて、うりぼーに隠れたのに、こんな有様ではどうやって蛍達と接すれば良いのかも分からない。だけど焼きついた艶姿を忘れるのは忘れるで勿体無いような気がして……俺自身どうすれば良いのか分からない感情を持て余していた。

 

【師匠!主殿を誘惑するのは違うと思います!】

 

「かんらからから、冗談だよ、さてと、これが陰陽術も組み合わせた捕縛術だ。お前は媒介も無しで使えるんだったな、ならこれほどお前に向いてる術はない。1つずつ、教えてやる。しっかりと覚えるのだぞ」

 

……鬼一法眼さんは悪い人じゃないんだけど……この短いやり取りで俺は鬼一法眼さんに苦手意識を持つことになるのだった……。

 

 

 

~小竜姫視点~

 

横島さんと鬼一法眼の鍛錬を見て私が思ったのはシンプルに1つ「面白くない」だ。確かに鬼一法眼は天界でも有数の指導者であり、天狗の本山から外に出ないことで有名なのに……横島さんと天魔様の繋がりでこうして表に出てくるなんて考えても無かった。しかも横島さんは基本的に素直で指導を受ける際は誰だって敬意を持って接するので鬼一法眼もまんざらでもない様子なのが本当に面白くない。

 

「言霊で陰陽術をつかうのは天賦の才だ。誇って良い、だが相手に聞かせてしまうのでは意味がない。口にしている言葉と思っている言葉を変えるんだ」

 

「……意味が判りませんけど?」

 

「かんらからから、良いか。精霊と言うのはな人間の言葉を理解している訳ではないんだ。言葉の中に込められている霊力を感じ取って、こうして欲しいのかと感じ取って行動している訳だ。つまり、口で話す中で霊力で別の指示を出せばこんな事も出来る」

 

その言葉と共に横島さんが鎖で縛られ、ガチャガチャと音を立てて横島さんが困惑している姿に妙にどきりとした。

 

「む」

 

「はッ」

 

蛍さんとくえすさんが凄い勢いで回れ右をしてガン見してるのをみて、無い無いと首を左右に振るとメドーサと目があった。

 

「むっつり助兵衛」

 

「違いますよおッ!?」

 

この短時間で私の評価が凄く悪い事になっていると思わず叫び声を上げた私は絶対悪くないと思う。

 

「で、ムッツリ助兵衛」

 

「違います」

 

「それは無理だろ、ガン見してたじゃないか」

 

メドーサにうりうりと頬を突かれるが、否定する言葉が出せなくて呻くしかない……だけど私よりも酷い相手はいると思う。自分よりも上司と同僚なので陥れるのは正直ためらったが、売らざるを得なかった。

 

「……カシャカシャカシャ」

 

「ありですね」

 

縛られてる横島さんを一心不乱と言う様子で写真を撮っているルキフグス様とブリュンヒルデさんを指差すと、メドーサも何ともいえない顔をした。

 

「……あれよりましじゃないですか?」

 

「……まぁ、確かに」

 

正直魔界でもかなり高い地位にいるのに何をしてるんだと言いたくなる。これで魔界の部下とかが見たらどんな顔をするんだろう……と思わずにはいられないのですが……。

 

「ほほう、中々いい筋肉をしてる」

 

「うひゃあッ!?な、なななな、なにをおッ!?」

 

「いや、縛られてるってことは僕が勝ってるってことだろ?なら敗者には何をしてもいいってことにならないか?」

 

「なりま……「そう怒鳴るなよ」うひいッ!?」

 

な、何てことを……ッ!鎖で縛っている横島さんの服を捲って、指先でお腹を撫でるとかなんてうらやまけしからん事をッ!?

 

「そそりますね」

 

「……悪くない。むしろ良い、やっぱりそろそろ食べ頃だろうか」

 

「私も混ぜなさいよ?」

 

「……もう少し頃合を見極めるべきか、どう思う?」

 

「私は全然GOですけどね。もう十分待ちましたわよ?」

 

「……確かになぁ……」

 

清姫様達が普通に横島さんの腹筋の評価から、横島さんを性的に食べる話にシフトしているのを聞いて止めようとしたとき、メドーサのチョップが頭に落ちた。

 

「何をするんですか!?私悪くないですよ!?」

 

「鼻血出てるぞ」

 

え、何を馬鹿なと思って鼻に手を当てると手が真っ赤になっていた。滝のように出ている鼻血に頬の火照りとは逆に身体が冷えるのを感じた。

 

「……チガウンデスヨ?」

 

「はいはい、そーですね。ムッツリ龍神」

 

「違うんですってぇッ!!!」

 

昨日1日で私がとんでもない色物枠にされてしまったような気がして、思わず悲鳴を上げることになる。なお、鬼一法眼さんの指導の結果、元々スポンジが水を吸うように何もかも覚えてしまう横島さんだ。それと鬼一法眼との相性は言うまでもなく最高で……。

 

「で、出来た」

 

「うんうん、よくやった。それで今度は僕が敗者だが……悪戯……するかい?」

 

しませんっと紅い顔で叫ぶ横島さんと冗談だよと笑う鬼一法眼のやり取りと言うか、横島さんが陰陽術で作った鎖を見て思わず頬が赤くなるのを感じて、違う違うと頭を振ったのですが、昨日の机の中での幻と分かっていても横島さんの声が脳裏を過ぎり頭を抑えて違うんですと呟きながら砂浜に頭を埋めた。同じ様に頭を振ってる蛍さんや、海に飛び込むくえすさんとかを見て、これが間違いのない確実の対処法だと確信するのと同時に……。

 

(カーマ許すまじ)

 

ルイ様に言われたからって、やっていいことを悪い事がある。絶対にカーマを見つけたら必ず報復すると誓うが……どうしても桃色の妄想が脳裏をよぎるのが止められなかった。

 

(練習って名目で縛って……違う違う)

 

縛られてお尻を叩かれた時の感覚を妙にリアルに思い出してしまい、こんなのを考えたら駄目だと思えば思うほどに思い出してしまい、私は完全にドつぼに嵌ってしまうのだった。

 

「……なにこの地獄絵図」

 

「あは~大変ねぇ~」

 

「こんなんで大丈夫なワケ?」

 

砂浜に頭を埋めていたり、服を着たまま海に飛び込む者がいたりと地獄絵図の有様に美神達は呆れ返っていたのだが、もしもここで余計な事を言うと愉快犯のルイに同じ様な事をされるかもしれないとぐっと喉元まで込み上げて来た言葉を堪えたのだが……。

 

「私~横島君なら~痛くされても嬉しいかな~奉仕するのいいけど~」

 

頬を押さえていやんいやんと身を捩っている冥子の姿に美神とエミの2人は顔を上げた。

 

「これ夏の魔力かしらね」

 

「夏の魔力にしてはとんでもない事になってるけどね」

 

本当に夜這いとかで大惨事になるんじゃと、英霊との戦いが備えてるというのに何をしているのかと天を仰いだ……眩いまでの太陽の輝きが今の2人には少しだけ憎ましく見えるのだった……。だが遊んでいられるのも今日で最後、この海周辺の殺人事件は満月のこの夜から爆発的に被害者を倍増させていくのだった……。

 

 

リポート13 臨海学校・急 その2へ続く

 

 




今回でリポート14はラストギャグです、次回からはシリアスメインかつ文字数も増える予定なので次回の更新もどうかよろしくお願いします。あと女性陣の方が、横島よりはるかにむっつりだったのはトトカルチョで分かっていると思いますので、これはないだろと言う突っ込みは受け入れませんのであしからず。
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