弊ウイポ世界の競馬掲示板の妄想   作:佐月檀

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 すみません。更新が遅くなってしまいました。


三代目ビッグレッド編 幕間その二 三冠という夢

 ──イージーゴアが、敗れた。

 鞍上の柴義富は、信じられないという表情でイージーゴアから降りる。

 

「…………」

 

 ただ何も言わず、イージーゴアの頭をそっと撫でる。

 しかし撫でていないほうの左腕は、悔しさのあまり震えていた。

 イージーゴアはそんな義富を、目を細めて見つめる。それから小さくぶるる、と嘶く。

 それが義富には『レース内容は悪くなかったぞ。次こそあのいけ好かない黒毛に先着してやろう』と励ましてくれているようでならなかった。

 

「ありがとうな、イージーゴア」

 

 義富の口から自然とそんな言葉が零れる。イージーゴアも応えるように小さく頷く。

 すぅ、と息を吸って、落ち着いた眼差しで義富は言う。

 

「俺はお前という名馬に恥じないような、そんな騎手になるよ。だから、いつでも見守っていてくれ。

 いついかなるレース、馬であっても、必ず力を引き出して勝たせる。そんな騎手になりたい、いや、なるんだ。だからな、イージーゴア──。

 ──お前に乗った俺を超える、超えてみせる。それでお前の一歩先に行って、こう言ってやるよ。〝俺は待ってるぜ〟ってな」

 

 それはまさしくイージーゴアに対する、義富なりの誓い。

 イージーゴアは義富に接触するギリギリまで顔を近づけて、足を二度踏み鳴らす。

 

 ──『やれるものならやってみせろッ、ヨシトミッ!』

 

 馬の声などわからないはずなのに、義富にはそのように聞こえた。

 

「ハハッ、ありがとうな、イージーゴア。そのためにはまずお前を勝たせてからだ」

 

 ぶるる、とイージーゴアは応えた。

 

「──義富」

 

 落ち着いていて、けれど震えている声で──調教師の深川勇二がひとりと一頭の前に立つ。

 それを察したのか、義富は真剣な眼差しで深川の目に視線を定める。

 

「本当にすみません。次こそは勝ちます」

「ああ、わかってる。次は勝ってくれ。ちなみに、イージーゴアの次走はもちろん、ベルモントステークスだ」

「……なるほど、米二冠を獲りにいくのですね」

「そうや。鞍上は義富、お前しかおらん。だからな、次は本当に頼む」

「……わかりました」

 

 深川は心底悔しがっていた。この場では堪えているのだろうが、腕が震えていたのが義富には見てとれた。

 義富に背を向けて去る姿は、まさに夢が破れた男の、悲しきそれだった。

 

「……深川先生」

 

 ぽつりと悲しき男の名を呟く。

 

「あの人は二度も、夢が破れてしまったか」

 

 ──一度目はミホシンザンという馬を調教していたとき。その馬は皐月賞を圧勝し、三冠は間違いないと確実視されていたさなかに骨折。二冠目の日本ダービーへの出走を断念せざるを得なかった。

 ──二度目は今、このとき。米三冠を余裕で獲れるほどの実力を持ったイージーゴアが、米二冠目のプリークネスステークスで惜敗。

 

「……あの人は幾度も、三冠への夢が阻まれてしまっているな……」

 

 どこか悲しげな表情で義富は言う。

 と、そんなとき──。

 

「……どうした?」

 

 イージーゴアが目で義富に訴える。その瞳には、確かな闘志の炎が滾っていた。

 

「わかった、やってやろう。出るレース全部勝ってやろうぜ」

 

 義富はイージーゴアの頭をポンと撫でた。




 条件が満たされました。データをアンロックします。




 ──柴義富とイージーゴアの絆が高まりました。イージーゴアに騎乗時の柴義富の技術がさらに上昇します。
 ──柴義富の縁の馬に、イージーゴアの名が刻まれました。
 ──イージーゴアがサンデーサイレンスをライバルと認識しました。
 ──イージーゴアの没年が不確定になりました。

シーザスターズが目指すレースは?

  • 日本ダービー
  • 英ダービー
  • 仏ダービー
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