艦娘と、深海棲艦と、護衛艦と   作:ソロモンのみなも

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第11話 入港

 

---数十分前-呉鎮守府

時雨「提督、呼んだ?」

夕立「時雨―!お客さんっぽい!」

時雨「お客さん?」

呉提督「ああ。湾の入り口辺りまで迎えに行ってくれないかい?」

時雨「分かった。行ってくるね。」

呉提督「頼んだよ。」

時雨「どんな人なんだい?艦娘?」

呉提督「いや、1隻の船だ。中には乗組員と、本来ここに配属されるはずだった"能代"君が乗っているはずだ。船を見つけたら、そのままそこの岸壁まで案内してきてくれ。」

時雨「了解。駆逐艦時雨、出撃するね。」

 

 

 

 

呉提督「見えてきたね」

夕立「うーん...50m位っぽい?」

呉提督「そうだね...艦というよりは艇かな?」

夕立「なんかすごいカクカクした単装砲がついてる」

呉提督「艦番号は"826"か...」

 

おおたか「ブシャ~(ウォータージェット)」

 

呉提督「"おおたか"...これがこの船の名のようだね。」

夕立「なんか水が噴き出してるっぽい!」

時雨「見たことない構造の船だね...」

呉提督「時雨、お疲れさま。休んでいていいよ」

時雨「ありがとう。」

 

ガチャリ

こんごう艦長「初めまして、現在我々艦隊の指揮をしている護衛艦"こんごう"艦長です。」

呉提督「初めまして、海軍呉鎮守府の提督です。」

能代「お久しぶりです、提督」

呉提督「久しぶり、1か月ぶりだね、能代君」

能代「はい」

呉提督「挨拶はこのくらいにして、早速本題に入りましょう"こんごう"艦長さん。」

 

 

 

 

呉提督「なるほど...信じがたいですが、見たことのないつくりの船で来られたり、このご時世に艦娘じゃない船が無事にここまでたどり着いていることを考えると、信じるしかないようですね。」

こんごう艦長「ありがとうございます。」

呉提督「さて、船5隻の入港と補給、それと艦娘たちの保護でしたね。」

こんごう艦長「はい、駆逐艦(護衛艦)3隻はまだしも、ミサイル艇は燃料が限界でして...何とかお願いできないでしょうか?」

呉提督「沈みかけの艦娘を救助していただいただけでも十分勲章物ですが、助けたのがブラック鎮守府被害者、数少ない証人ですからね。できる限り最大限の手助けをしましょう!」

こんごう艦長「あ、ありがとうございます!」

呉提督「この岸壁にずらずらっと止めていただいていいですから。補給の方も手配しておきます。」

こんごう艦長「本当に感謝いたします。では早速連絡してきます。」

ドアガチャン

 

呉提督「...夕立、ちょっと席を外してくれるかい?」

夕立「!...分かったっぽい。」

 

呉提督「さて能代君、まず君には謝罪をしないといけない。電話でも言ったけど、連絡手段のことなどを全く想定していなかった。本当に済まない。」

能代「い、いえ、提督は何も悪くないです!」

呉提督「そう言ってもらえてありがたいよ...それで、他に救助された艦娘たちは?」

能代「先ほどの方が艦長を務めている"こんごう"という船に乗っています。」

呉提督「君以外に9人だったかな?」

能代「はい、そうですね。」

呉提督「とりあえずは全員この鎮守府で保護するよ。到着したらすぐに入渠するように伝えておくれ。」

能代「了解しました。」

 

夕立「終わったっぽい?」

呉提督「ああ。終わったよ。」

夕立「さっきの話だと、更に船が来るの?」

呉提督「ああ、あと4隻来るよ。それから艦娘も9人来る。」

夕立「新しい仲間っぽい?」

呉提督「...ああ、たぶんそうなると思うよ。」

夕立「船も艦娘も楽しみ~」

 

 

 

 

---数時間後

"こんごう""まや""あきづき""しらたか"到着

呉提督「お、おお...すごいな」

時雨「駆逐艦と言っていたけど、3隻は小さめの軽巡ぐらいの大きさだね。」

呉提督「もう1隻は交渉に来た船と同じようだね。」

夕立「艦橋がすごく太くて大きいっぽい。」

時雨「幅もすごく広いね。」

呉提督「しかしどの船も軽武装だね...砲は単装砲1門だけのようだし」

夕立「見たことない機械がいっぱいついてる...」

呉提督「どうやら本当に異世界から来たようだね」

 

 

 

---こんごう艦内

副長「艦長がうまく交渉してくださったようだな」

田崎「航行困難になる前に港に入れてよかったですね。」

副長「ほんとだな...」

ガタン

航海長「着岸したぞ。」

 

---医務室

田崎「呉に到着しました!この後の動きはここの提督さんと能代さんが指示してくれるそうなので、荷物を持ってついてきてください」

金剛「やっと着いたデース!」

摩耶「よし、みんな荷物まとめろ~」

 

艦娘達「ガヤガヤ」スタスタ

田崎「よいしょっと」ドアガチャリ

艦娘達「おおー」

スタッ

夕張「なんか陸を歩くのずいぶん久しぶりな気がする...」

艦娘達「ガヤガヤ」

呉提督「皆さん初めまして、ここ、呉鎮守府の提督です。」

艦娘達「!」

金剛「...よろしくデース、金剛デース!」

摩耶「...アタシ、摩耶ってんだ、よろしくな。」

艦娘達「よろしくお願いします」

呉提督「皆さんの事情は把握しています。まずはゆっくり入渠して身も心も癒してください」

明石「ありがとうございます!」

艦娘達「ガヤガヤ」ゾロゾロ

 

 

呉提督「みんな思ったより明るいな...」

呉提督(...いや)

呉提督(見た感じ、改二はおろか改になってる子さえいなかった)

呉提督(おそらくアイツは直接暴力や非人道的な行為を行うのではなく、艦娘たちを低コストで運用する消耗品として使っているのだろう...)

呉提督(だから彼女たちのほとんどが初めての出撃なのだろう、装備もデフォルトのままの子ばかりだったし)

呉提督(あの海域はきちんと練度を高めて準備をして挑めば、大破進撃繰り返さないと相手戦力を削れないようなことにはならない)

呉提督(なぜそんなことも分からないやつが一提督の座についているのだろう)

呉提督(何にせよ、早く手を打たなければ)

 

---続く

 

 

 




読んでいただきありがとうございます!
もうちょっと話を挟んでから呉に入らせるべきだったでしょうか...

もしよければ次も読んでいただけると幸いです!
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