明石(この佐世保鎮守府は、俗にいうブラック鎮守府だった)
明石(ふつうはこんな大きな鎮守府がブラックになるはずがない)
明石(でもここの提督は、佐世保の特性に気づいた。)
明石(本州には大本営含め、大きな海軍施設が地続きで点在する。)
明石(でも、佐世保は九州唯一の大型海軍施設、厳しい監視も海を挟んだ先にしかいない。)
明石(縛られるものがない提督の鎮守府ブラック化は、すごい勢いで進んでいった。)
明石(最初のうちは艦娘の扱いがひどいだけだった。)
明石(しかし彼の横暴は徐々にエスカレートしていき、大破進撃や捨て艦戦法を容赦なくするようになっていった。)
明石(さすがにこれには多くの艦娘たちが反発しだした)
明石(しかしそれが更に結果を悪くしていってしまった)
明石(提督は大きな犯罪組織と手を組んでいた)
明石(軍からの監視が甘いとはいえ、地元の警察などから逃れるためには、大きな組織と手を組まないと流石にやっていけない。)
明石(提督はその組織から、薬物を購入した。)
明石(そしてその薬物を、力の強い一部の艦娘に投与した。)
明石(長門さん、陸奥さん、大和さん、加賀さん、赤城さん)
明石(我々では絶対かなわない5人を)
明石(提督は強制的に薬で従えた)
明石(その薬は命令に必ず従わさせるものだった)
明石(ただ値が高いらしく、その5人以外は薬を盛られなかったが、)
明石(反発できなくなることには変わらなかった)
明石(提督の支配は絶対的なものになり、艦娘たちは次々と捨て駒にされていった)
明石(そんな中、工作艦である私は出撃することがほとんどない)
明石(でも周りのみんなは次々と戦いに送られ、沈んでいった)
明石(みんなが無理やり戦わされている中、私は何もできなかった)
明石(自分の無力さに自分を呪った)
明石(そんな中、昔から仲が良かった大淀は、私を励ましてくれた)
大淀「明石は何も悪く無いです。気に病む必要はないですよ。それにあなたにしかできない任務だって、たくさんあるじゃないですか!)
明石(その言葉が、私を絶望の淵から助けてくれていた)
明石(彼女のやさしさが、私は大好きだった)
明石(こんなめちゃくちゃなことをする提督の元であっても、人々のため、そして大好きな友達のために、深海棲艦と戦おうと思った)
明石(でも、決意はいとも簡単にへし折れた。)
佐世保提督「チッ、相手は連合艦隊か...」
佐世保提督「適当に編成して、さっさと海域開放しろ!」
佐世保提督「お前が旗艦をやれ。適当に編成してさっさと行け」
大淀「はい。お任せください」
明石「大丈夫なの?」
大淀「やるしかないですからね。」
明石「...私は何もできないけど、祈ってるから!」
大淀「明石...ありがとう」
明石(それが大淀との最後の会話だった)
明石(彼女が出撃した後、戦況が気になった私は工廠の無線機で通信を聞いていた)
明石(最初の戦闘から敵は手ごわく、次々と艦娘たちが大破していった。)
明石(しかし提督が撤退の許可を出すはずもなく、みんなどんどん沈んでいった)
明石(そんな中、大淀は最後まで奮闘していた)
明石(そしてとうとうボスがいる海域に到達した。)
明石(でも海域に到達したとき、艦隊には大破した大淀しか残っていなかった)
明石(それでも大淀は、帝国海軍連合艦隊最後の旗艦としての片鱗を見せ、)
明石(あと少しというとこまで戦い抜いた。)
明石(でも...)
明石(「もしかしては」と言う希望を抱いた私に突き付けられたのは、)
明石(厳しい現実だった)
大淀(無線)「排水急いで!え…ダメ…?ダメなの!?提督…ここまでのようです…また、いつかどこかで…きっと…」
ドゴー―――――――ン
無線「ブツッ...ザザ―――――――」
明石「そ...んな...」ガク
明石(私はまた絶望した。)
明石(何もできなかった自分に)
明石(...結局私は誰も守れなかった)
雷「...お願いします...一緒にみんなを...助けに行ってくれませんか...!」
明石(助け?誰が?)
明石(...私が...助け?)
明石(でも...役に立たない私じゃ意味が...)
照月「...っ!」ポロポロ
明石(!)
---あなたにしかできない任務だって、たくさんあるじゃないですか!
明石(そうだ...)
明石(私にしかできないこと...)
明石(私がやらないと駄目なこと...)
明石(私が助けられること!)
明石「わかったわ!助けに行きましょう!」
雷「ありがとうございます!」
照月「で、でも出撃していいの?」
雷「司令官は許可してくれない。でもそんなこと気にしている場合じゃないわ!」
明石「無断出撃... 後戻りはできませんよ?」
雷「分かってるわ!」
照月「でも3人だけじゃ...」
コツコツコツ...
???「話は聞きました」
3人「!」
霧島「私もついていきましょう!」
明石「い、いいんですか?」
霧島「金剛お姉さまも出撃されているんです。他人事ではありませんし...」
霧島「いい加減提督に従うのはうんざりです。」
照月「霧島さん...!」
雷「ありがとうございます!!」
明石「そうと決まれば時間がありません!高速修復材は提督じゃないと保管庫が開けられませんし、もてるだけの資材と妖精さんを連れてすぐに行きましょう!」
明石「よし、行きましょう!」
3人「はい!」コクッ
大和...?「どこへ行かれるんですか?」
4人「!」
霧島「大和さん...」
大和「...」46cm3連装砲ジャキ
雷「うっ...」
霧島「行きますよ!」ダッ!
3人「!」ダッ!
大和...?「...追いつけないですね」
雷「ここら辺の海域のはずだけど...」
照月「秋月姉さん...」
霧島「!」
明石「あ、あれは!?」
乗員A(艦橋)「4人とも見た感じは救助した方たちと同じようです!」
乗員B(艦橋)「茶髪の少女2人、黒髪の女性1人、ピンク髪の女性1人です!」
田崎「敵意はないのか...?」
艦長(艦橋)「救助した女性を1人連れてこれるか?」
副長(艦橋)「了解です」
---医務室
副長「すみません」
金剛「どうしたんデース?」
副長「確認したいことがあるので、代表者の方1名、来ていただけませんか?」
摩耶「あたしが行く」
副長「すみません、お願いします」
―――続く
読んでいただきありがとうございます
1話あたりの文字数が安定しません...すみません
また気が向いたら、読んでみてください