艦娘と、深海棲艦と、護衛艦と   作:ソロモンのみなも

4 / 24
第4話 明石

 

明石(この佐世保鎮守府は、俗にいうブラック鎮守府だった)

明石(ふつうはこんな大きな鎮守府がブラックになるはずがない)

明石(でもここの提督は、佐世保の特性に気づいた。)

明石(本州には大本営含め、大きな海軍施設が地続きで点在する。)

明石(でも、佐世保は九州唯一の大型海軍施設、厳しい監視も海を挟んだ先にしかいない。)

明石(縛られるものがない提督の鎮守府ブラック化は、すごい勢いで進んでいった。)

明石(最初のうちは艦娘の扱いがひどいだけだった。)

明石(しかし彼の横暴は徐々にエスカレートしていき、大破進撃や捨て艦戦法を容赦なくするようになっていった。)

明石(さすがにこれには多くの艦娘たちが反発しだした)

明石(しかしそれが更に結果を悪くしていってしまった)

明石(提督は大きな犯罪組織と手を組んでいた)

明石(軍からの監視が甘いとはいえ、地元の警察などから逃れるためには、大きな組織と手を組まないと流石にやっていけない。)

明石(提督はその組織から、薬物を購入した。)

明石(そしてその薬物を、力の強い一部の艦娘に投与した。)

明石(長門さん、陸奥さん、大和さん、加賀さん、赤城さん)

明石(我々では絶対かなわない5人を)

明石(提督は強制的に薬で従えた)

明石(その薬は命令に必ず従わさせるものだった)

明石(ただ値が高いらしく、その5人以外は薬を盛られなかったが、)

明石(反発できなくなることには変わらなかった)

明石(提督の支配は絶対的なものになり、艦娘たちは次々と捨て駒にされていった)

明石(そんな中、工作艦である私は出撃することがほとんどない)

明石(でも周りのみんなは次々と戦いに送られ、沈んでいった)

明石(みんなが無理やり戦わされている中、私は何もできなかった)

明石(自分の無力さに自分を呪った)

明石(そんな中、昔から仲が良かった大淀は、私を励ましてくれた)

大淀「明石は何も悪く無いです。気に病む必要はないですよ。それにあなたにしかできない任務だって、たくさんあるじゃないですか!)

明石(その言葉が、私を絶望の淵から助けてくれていた)

明石(彼女のやさしさが、私は大好きだった)

明石(こんなめちゃくちゃなことをする提督の元であっても、人々のため、そして大好きな友達のために、深海棲艦と戦おうと思った)

明石(でも、決意はいとも簡単にへし折れた。)

佐世保提督「チッ、相手は連合艦隊か...」

佐世保提督「適当に編成して、さっさと海域開放しろ!」

佐世保提督「お前が旗艦をやれ。適当に編成してさっさと行け」

大淀「はい。お任せください」

 

明石「大丈夫なの?」

大淀「やるしかないですからね。」

明石「...私は何もできないけど、祈ってるから!」

大淀「明石...ありがとう」

 

明石(それが大淀との最後の会話だった)

明石(彼女が出撃した後、戦況が気になった私は工廠の無線機で通信を聞いていた)

明石(最初の戦闘から敵は手ごわく、次々と艦娘たちが大破していった。)

明石(しかし提督が撤退の許可を出すはずもなく、みんなどんどん沈んでいった)

明石(そんな中、大淀は最後まで奮闘していた)

明石(そしてとうとうボスがいる海域に到達した。)

明石(でも海域に到達したとき、艦隊には大破した大淀しか残っていなかった)

明石(それでも大淀は、帝国海軍連合艦隊最後の旗艦としての片鱗を見せ、)

明石(あと少しというとこまで戦い抜いた。)

明石(でも...)

明石(「もしかしては」と言う希望を抱いた私に突き付けられたのは、)

明石(厳しい現実だった)

大淀(無線)「排水急いで!え…ダメ…?ダメなの!?提督…ここまでのようです…また、いつかどこかで…きっと…」

ドゴー―――――――ン

無線「ブツッ...ザザ―――――――」

明石「そ...んな...」ガク

明石(私はまた絶望した。)

明石(何もできなかった自分に)

明石(...結局私は誰も守れなかった)

 

 

 

 

雷「...お願いします...一緒にみんなを...助けに行ってくれませんか...!」

明石(助け?誰が?)

明石(...私が...助け?)

明石(でも...役に立たない私じゃ意味が...)

照月「...っ!」ポロポロ

明石(!)

---あなたにしかできない任務だって、たくさんあるじゃないですか!

明石(そうだ...)

明石(私にしかできないこと...)

明石(私がやらないと駄目なこと...)

明石(私が助けられること!)

 

明石「わかったわ!助けに行きましょう!」

雷「ありがとうございます!」

照月「で、でも出撃していいの?」

雷「司令官は許可してくれない。でもそんなこと気にしている場合じゃないわ!」

明石「無断出撃... 後戻りはできませんよ?」

雷「分かってるわ!」

照月「でも3人だけじゃ...」

コツコツコツ...

???「話は聞きました」

3人「!」

霧島「私もついていきましょう!」

明石「い、いいんですか?」

霧島「金剛お姉さまも出撃されているんです。他人事ではありませんし...」

霧島「いい加減提督に従うのはうんざりです。」

照月「霧島さん...!」

雷「ありがとうございます!!」

明石「そうと決まれば時間がありません!高速修復材は提督じゃないと保管庫が開けられませんし、もてるだけの資材と妖精さんを連れてすぐに行きましょう!」

 

 

 

明石「よし、行きましょう!」

3人「はい!」コクッ

大和...?「どこへ行かれるんですか?」

4人「!」

霧島「大和さん...」

大和「...」46cm3連装砲ジャキ

雷「うっ...」

霧島「行きますよ!」ダッ!

3人「!」ダッ!

大和...?「...追いつけないですね」

 

 

 

雷「ここら辺の海域のはずだけど...」

照月「秋月姉さん...」

霧島「!」

明石「あ、あれは!?」

 

 

 

 

乗員A(艦橋)「4人とも見た感じは救助した方たちと同じようです!」

乗員B(艦橋)「茶髪の少女2人、黒髪の女性1人、ピンク髪の女性1人です!」

田崎「敵意はないのか...?」

艦長(艦橋)「救助した女性を1人連れてこれるか?」

副長(艦橋)「了解です」

 

---医務室

副長「すみません」

金剛「どうしたんデース?」

副長「確認したいことがあるので、代表者の方1名、来ていただけませんか?」

摩耶「あたしが行く」

副長「すみません、お願いします」

 

―――続く




読んでいただきありがとうございます
1話あたりの文字数が安定しません...すみません

また気が向いたら、読んでみてください
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。