自由を求めた彼女の冒険譚   作:ほがみ(Hogami)⛩

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すこし過ぎてしまいましたが、原神一周年おめでとう!


モンド周辺の変化

さてと…私と翠果はモンド城の外へと出たわけだけど…どこに行こうかな

情報では、清泉町の近くにヒルチャールの群れ。誓いの岬の奇妙なヒルチャール。囁きの森の妖火。千風の神殿の遺跡守衛…とラインナップがすごいことになっている

よくよく考えたら…清泉町付近のヒルチャールの群れは偵察騎士アンバーがなんとかするといっていたし、千風の神殿の遺跡守衛はあそこから動こうとはしないから、下手なことさえしなければただそこを徘徊しているだけ

誓いの岬の奇妙なヒルチャールは…気になるけど、とりわけ危険そうなのは…

 

ヒナ「囁きの森の妖火…かなぁ…」

 

はっきり言って怪しい感じがする…ただの噂話なのかもしれないが、本当に危険な存在なのかもしれない。噂が広がって広がってー元の形とはかけ離れたものが出来上がった可能性だってある

 

ヒナ「翠果、本当に危険だったらすぐに隠れて」

翠果「わかってるよ〜。でも私にも手伝わせて♪」

 

…やっぱり心配だ

そう思いつつ、私は翠果と共に囁きの森に向かう

 

 

 

 

 

 

 

―――――

?side

 

…今日という日を待っていた。今モンドには西風騎士団代理団長が居ない。ということはモンドの守備が手薄になる!さらに言えば、私が偽情報を冒険者協会なるものと西風騎士団に流したため、偵察騎士と優秀な冒険者はそっちに向かうだろう…しかし私が流していない情報もあったような……

まぁいい。私の使命は手薄になったモンドに忍び込み情報を得ることだ。時が来ればヒルチャールの軍団をモンド正面口に向かわせる。騎士団がそこに集結する隙に私が裏門から侵入するという完璧な作戦

 

――王子様のために!

 

 

 

 

 

 

―――――

ヒナside

囁きの森

 

木々が生い茂り、薄暗くそびえ立っているこの森は、草花の生い茂る音や生物の声が何者かが囁いているように聞こえることから、囁きの森と命名されたという話がある

実際に来てみると分かるが、まぁ不気味だ

イグサと呼ばれるモンドの特産品が群棲しているのだが、その草は暗所で光輝く性質を持つ。それも相まって不気味だったのが、さらに不気味になったという訳だ

 

翠果「不気味だね…」

ヒナ「まぁ…ね」

 

すると、奥の方から肌がピリピリするような雷元素を感じ取る。翠果もそれを感じ取ったようで、私の腰を掴み少し怯えた様子で辺りを見渡している

警戒心を強めながらも私たちは囁きの森を奥へと進み始めた

 

 

…特に何事もなく森の中心部まで来これた。何か起こるのではないかと警戒していたのだが、スライム一体も出てこなかった。なんか逆に怖い…と考えていると、黒い鳥をたずさえた金髪の少女が私たちの目の前を通りすぎた

―確かあれは…冒険者協会の情報部"フィッシュル"だったっけ?

 

ヒナ「ね、ねえ!フィッシュルだよね!」

フィッシュル「――あら、このような麗らかな日にうす暗い森で断罪の皇女に会えるなんて奇遇ね、ヒナ」

?「こんにちは。ヒナさん」

 

フィッシュルの周りを飛行しているオズという名の鳥?は私に礼儀よく挨拶する

翠果はなんだか訳の分からないような顔をしていると、フィッシュルは私に翠果のことを聞いてきた

 

フィッシュル「その子は貴女の隠し子か何かかしら?私は断罪の皇女フィッシュルよ。逢えたことを光栄に思いなさい」

翠果「へ…へぇ???」

オズ「お嬢様は会えて嬉しいーと言っております。ちなみに私は、オズ。お嬢様を御守りするモノです。以後、お見知り置き」

翠果「そ、そうなんですね…私は翠果!璃月から来たヒナさんの妹的な存在です!」

 

3人が自己紹介をしている中、私は1人不穏な気配を察知していた

先程とは何かが違う。だがヒルチャールやスライムの気配では無い。トリックフラワーか?とも思ったが、監視されているような気がするからそれも違う

なら宝盗団やアビスの魔術師だろうかー

 

ヒナ「―!危ない!」

 

私は3人の目の前に立ち、元素スキルにて何者かの攻撃を防いだ。だがしかし、私のシールドは元素反応によって粉々に破壊され、辺りには涼しい空気が漂った

 

フィッシュル「…一体どうしたの―」

ヒナ「全員、武器を構えて!」

翠果「ヒナさん?どうしたんです―」

ヒナ「いいから!!早く!」

 

2人は訳の分からないまま武器を構える

―私は内心焦っていた。私の防御はかなり硬く並の攻撃じゃ破壊出来ない。それを1発で破壊したってことは…かなり強いのだろう

…状況を整理してみよう。今この場所をどうするか…考えられるのは2つしかない。逃げるか戦うか……

 

考える暇なく、次々に攻撃が飛んでくる

私は、元素力を惜しまずにその攻撃を元素スキルで防ぐもすぐに粉砕されてしまう。ようやく攻撃が止まったと思ったときには、私の体はボロボロだった

 

?「フッ…我の炎を防ぐとはな…その力は認めよう!」

翠果「―何…あの魔物」

ヒナ「アビスの…魔術師!」

 

アビスの魔術師(炎)は、自慢げに胸を張る

 

アビスm「我は他の魔術師とは少し違う、エリートだ!もうすぐ、"アビスの詠唱者"になれるほど!だからこそ貴様らを消し、昇格するのだ!」

ヒナ「何を言って…」

アビスm「訳がワカラナイのだろう?ダガそれでよい!お前たちはここで死ぬ!」

 

アビスの魔術師(炎)はその身に纏う炎元素のバリアを代償に巨大な火球を作成し始める。私はそのとき、死を覚悟した。防御の術がない今の状況と言い、圧倒的に強いアビスの魔術師(炎)……その時、一筋の風がその火球をかき消した

アビスの魔術師は当然のことながらその事実に驚きを隠せない。それは私もそうだった。風と言ったら翠果なのだが、彼女がここまでの力を発揮できるのか知らない。ちらっと彼女の方を見たのだが、彼女自身も驚いていた

 

翠果「え…!?」

アビスm「ば、馬鹿な…この我の…最大級の火球がーぐっ!」

フィッシュル「ーあら?私を忘れては、ならないわ。行くわよオズ!!」

オズ「仰せのままに!」

 

いつの間にかアビスの魔術師(炎)の後ろに立っていたフィッシュルはアビスの魔術師の背中に矢を放ったあと、悠々と口を開いた

その直後、フィッシュルの付近には多量な雷元素が溢れ出ていた

 

2人「「夜の権限!!!」」

 

オズと同化したフィッシュルが、アビスの魔術師に突進していくと、アビスの魔術師は後方へとぶっ飛んでいった

私が負った傷は翠果の治癒能力で回復したため、地面に伏せるアビスの魔術師に近づくと、アビスの魔術師は何かを呻きながら感嘆していた

 

アビスm「ー王子様…我は…貴方のように…」

ヒナ「王…子様?」

アビスm「………」

 

致命傷を負ったアビスの魔術師は、元素の粒子となり、囁きの森の空へと散っていくー私たちは一応依頼を達成したということで、冒険者協会へと赴き、報酬を山分けすることなった

フィッシュルとはそこで別れ、鹿狩りで昼食を済ませてから西風騎士団の図書館へと行くことにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

???side

 

ここは風龍廃墟。旧モンド時代に暴君デカラビアンが治めていた廃棄された城跡。今は風魔龍〈トワリン〉が住居としている場所だ

俺はそこで1人、この世界をどうするか考えている

 

?「…王子様」

 

俺が仕切る組織〈アビス教団〉の部下が俺に話しかけてきた

 

?「なんだ」

部下「12族5番の炎魔術師が死にました」

?「…理由を聞かせて貰えるか?」

部下「はっ…奴は独断でモンドの情報を得ようと1人で囁きの森へと出向き、そこで2人の冒険者と1人の璃月人の手によってのようです」

?「……」

 

俺は少し考えた

確か彼はかなりのエリートであり、郡を抜いてトップクラスの元素力を持っていたはずだ。彼を倒せるのがいるとは…

 

?「予想通り…とは行かないな」

部下「ではどうしましょうか」

?「だが…予定通りの日程に奇襲をかける。ヒルチャール・武器の用意をしろ!」

部下「はっ!!!」

 

部下は瞬時に姿を消し、ここは再び静寂が訪れる

執行者がモンドの機密情報を盗んで来れば、あとは簡単だろう…

 

?「―蛍…いつか…また会えるだろうか」

 

俺が放った声は風龍廃墟を流れる風によってかき消された




日常って何だろう…と思っている方も多いと思います。わかります。作者もそう思ってますから

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