・浮遊都市ミストガンへ。
昊陵学園との交流授業から5日が経った。俺たちは今後のことも考えながら戦力の強化を進めていた。ドミニオンがバトル・ドロイドやガーディアンを実装するなかで俺たちの戦略はさらに複雑化することになった。
正直なことを言うと4つの組織を相手に戦うのはキツすぎる。噂によればギデオンの一件でエンパイアオーダーは帝国主義勢力との協定を破棄したとのことだ。
グレフトクの動向は未だにも沈黙を貫いている。ドミニオンとかいうバカな組織が現れたんだ。無理もないだろう。
月夜「さぁて…どうしたものか。」
一応、エンパイアオーダーとグレフトクに3組織合同会議に招待しようとしたが、他のみんなは納得するだろうか?
狼亜には既に話しているが、俺はこの3組織との同盟を組みたいと思っている。
クローン連合軍が孤立して帝国主義勢力やドミニオンに返り討ちにされたら大苦戦だからな…戦力は多い方がいいだろう。
そんなことを考えているとアナキンが俺の自室へと入ってきた。
アナキン「月夜、千冬が呼んでいるぞ?」
月夜「また面倒事じゃないだろうな?」
アナキン「当たりだ。」
月夜「はぁ…」
頭が痛い。助けてくれ…
またまた織斑千冬大先生に呼ばれた俺は学園内にある管制室へと入り、彼女の話を聞くのであった。
そしてその内容は…
月夜「浮遊都市?」
千冬「あぁ、お前が会議をすると聞いてな?だからその場所として浮遊都市ミストガンを推薦したいと思ってな?」
月夜「なるほど…」
ミストガン…元々は4世紀ほど前に突如として現れた人類の天敵である魔甲蟲に
より、数年後に人口数が減らされるという予知夢を見た聖女たちの教えで一部の人類が様々な力を振り絞って複数も作った天空都市の1つだ。
しかし、魔甲蟲どころかその存在は何者かによって絶滅された。恐らく、この世界がインフィニット・ストラトスをベースにした世界だからその影響だろう。
そのミストガンは高度3000mを飛行する空戦魔導士の養成に特化した学園浮遊都市だ。その浮遊都市にいる人たちは魔力と呼ばれる力をその身に宿す《ウィザード》と呼ばれるらしい。
中でも魔甲蟲と戦える唯一の存在を《空戦魔導士》という。
だが、上記の理由により空戦魔道士の仕事が激減しているとのことだ。
月夜「(だけど、そんな空の上にある場所で会議とかして大丈夫なのか?)」
そんなところで会議をしたら帝国主義勢力だったらTIEファイター、ドミニオンだったらヴァルチャー級スターファイター(正式名称は可変翼自動推進式バトル・ドロイド・マークI)とドロイド・トライ=ファイターとかが襲いかかってくるかもしれないぞ?(フラグ)
月夜「つまり千冬さんが言いたいことはそのミストガンの空戦魔導士科に1週間の限定通学をしろと?」
千冬「あそこは自治のほとんどが学生によって行われている。その場所で会議をするという提案だ。」
月夜「なるほど…そしたら空戦魔道士の力を視察し、俺たちの戦力に使えることもできそうだな…」
千冬「どうだ?悪くない話だろう?」
月夜「分かりました。ではさっそく準備を進めます。」
数日後、俺たちは分隊を率いて浮遊都市ミストガンへと向かった。え?どうして俺たちかって?
それは…
クルルシファー「〜♪」
セリス「〜♪」
なぜかクルルシファーとセリスが着いてきたのだ。ちなみに伊万里は以前の件でかなりの成績を収めたため、IS学園から昊陵学園へ転校した。
仲間が離れたことで少し寂しい思いもしているが、今の俺は寧ろ寂しいという感情よりも早くミストガンに着陸してほしい気持ちがいっぱいだった。
アソーカ「月夜にゾッコンね?あれは…」
レックス「だな…」
一応、アソーカとレックスがストッパーできているが、どうにもならない気がする。
静観してるだけだが、大丈夫かコイツら…
ちなみにアナキンはIS学園での実務があるため今は動向はできないが、会議には参加してくれるとのことだ。
ニュー級攻撃輸送シャトル内に漂うハーレムオーラ…一緒に乗っているクローンたちが羨ましそうな目で見つめていた。
アソーカ、レックス、お前たちもそんな眼差しで俺を見ないでくれ。
そしてシャトルはミストガンの停泊場に着陸した。そしてそこで迎え入れてくれたのは薄紫のショートヘアーの女の子だった。
クリス「ようこそおいで下さいました。クローン連合軍の総指揮官さま。私はこのミストガンで学園統括長をしております。クリスティーナ・バルクホルンといいます。」
月夜「闇川月夜です。噂には聞いていましたが、本当に学園の生徒だけがある街なんですね?」
クリス「私もアナタがこれほどの軍を引き連れているということは聞きましたが、これほどの規模とは思いませんでした。」
月夜「一応、総指揮官ですから。アソーカ、レックス、部隊に休むように伝えてくれ。」
アソーカ「分かったわ。」
レックス「了解。」
アソーカとレックス、そして他のクローン・トルーパーたちを休ませるように伝えた俺は歩きながらクリスと話し始めた。
クリス「私のことはクリスとお呼びください。普段の話し方で構いません。」
月夜「なら遠慮なく…」
クリス「アメリカでのお話は聞きました。まさかそのような輩がいるとは…我々も警戒を続けなければなりませんね…」
月夜「帝国主義勢力だけではない。新しい組織ドミニオンまでもがこの世界で暗躍している。」
クリス「ドミニオンですか…」
月夜「独立星系連合という軍が別世界にいたんだけど、そこの兵力をドミニオンが保有しているんだ。」
クリス「昊陵学園の件ですね?」
月夜「その情報も既に入手済か。」
クリス「その2つの事件はあまり無視ができない状況です。私たちはお互いにいい協力関係になりますよ?総指揮官様。」
月夜「クリス、俺がここに来たのは…」
クリス「エンパイアオーダーとグレフトクとの合同会議ですよね?分かっておりますよ。」
月夜「理解してくれて助かるよ。」
クリス「ではこちらへ。今日から1週間の授業をする場所へ案内します。」
俺が今回お世話になるのは空戦魔導士科予科の2年とのことだ。そして教室へ入ると…
ミソラ「あれ?クリスさんじゃないですか?」
レクティ「お客様も一緒だ。」
リコ「……」
カナタ「お前が教室にくるなんて珍しいな?どうしたんだ?」
クリス「あぁ、そういえば伝えてませんでしたね…この方は闇川月夜さん。今日から1週間お世話になるクローン連合軍の総指揮官でIS学園の生徒です。」
月夜「よろしく。」
カナタ「カナタ・エイジだ。よろしくな?」
まーたMTOKボイスだ。この前も聞いたばかりだぞこれ…
そんなことはさておき…このクラスについて少し説明しなくてはならない。
E601小隊。小隊間模擬戦で14連敗を喫し、周囲からは「Fランク小隊」と揶揄されているそうだ。
元々寄せ集めのメンバーらしくチームワークのかけらもないような小隊だったものの、教官としてカナタさんが赴任したおかげで変異種の討伐、格上の小隊相手との模擬戦や交流学級での勝利などで結果を出しつつあるそうだ。
しかし、カナタさんが赴任してからも模擬戦では色々な要因が重なって実力を発揮できずに敗北し続けているそうだ。
そんな場所で新たな生徒として過ごすのか…できれば連合軍の業務を進めたいな…
カナタ「紅い髪の小柄な少女はミソラ・ホイットテールだ。その隣の金髪碧眼の子はレクティ・アイゼナッハ、その隣にいるのは…」
リコ「リコ・フラメル、女神だ。」
月夜「はぁ?」
カナタ「月夜すまん。コイツは自称女神のナルシストなんだ。」
月夜「そうなのか?」
リコ「だから私はナルシストではなく!」
カナタ「はいはい分かったよ。」
これからこんな連中と1週間を過ごすのか…頭が痛くなってきた…最悪だ。
次回
・交差する組織たち。