ISと神装機竜と運命の戦士達 (PROJECT RE TAKE第1弾) 作:XIYON
スフィア・トーナメントでの出来事から数日後、俺は連合軍の基地で資料整理をしていた。レヴィシクル・エクスプレスとスフィア・トーナメントでの影響で山積みになるほどの資料には様々な物が書かれていた。
そして今、その資料整理がやっと終わったところだった。
月夜「はぁ……疲れたぁ…」
レックス「お疲れさん。飲むか?」
月夜「あぁ、助かるよ。」
レックスから冷たいココアを貰った俺はそれを手に取って楽しんだあとに、PCを起動してある物を見つめる。
レックス「何を見てるんだ?」
月夜「レックス、覚えてるか?俺たちの世界に初めて一葉たちがやってきたこと。」
レックス「もちろんさ。でも、それがどうしたんだ?」
月夜「色々と気になる点があるんだよ。トレヴァー・マロニーを裏で操っていたヤツをな…」
レックス「あの戦いには続きがあったのか?」
月夜「正確にはトレヴァー・マロニーを囮にさせて別の計画を進めさせてしまったことだな…俺としたことがまさかあんなことで油断するなんて…」
レックス「んで?その裏で密かに行動してたヤツは分かってるのか?」
月夜「一応、G4を見た時点で何となくは予想しているんだけどな?証拠がない分、探り入れようがないのさ。」
すると…
ファイヴス「総指揮官、織斑先生がすぐにIS学園へ向かってほしいとのことです。どうやら重要な話があるようで…」
月夜「やれやれ…ルナナハト連合軍の総指揮官は人気者だねぇ…」
ファイヴスにそう言われ、俺はIS学園の指定された場所へと向かった。もうお分かりですよね?そう、理事長室である。
十蔵「すまんの月夜。仕事中に呼び出してしまって。」
月夜「爺さん。呼ぶなら俺が仕事じゃない時に呼んでくれ。」
十蔵「まぁそう言うな。今回はお前さんに頼みたいことがあってな?」
千冬「闇川、常磐姉妹が初めてやってきた時のことを覚えているか?」
月夜「トレヴァー・マロニーのことですか?」
千冬「あぁ、実はその件で話したいことがあるのだが…ふむ、そろそろ入ってくるだろうか?」
月夜「え?」
トントントン!
???「十蔵理事長、ただいま来ました。」
月夜「この声…」
とても聞き覚えのある声が聞こえたと思った俺は理事長室の入口を見つめる。嫌な予感も感じながら俺はライトセーバーに手を添える。しかしそれを千冬さんが止めた。
十蔵「うむ。入るといい。」
???「失礼します。」
そこに入ってきたのはなんと、以前のトレヴァー・マロニーの件で世話になった元ストライクウィッチーズの戦闘隊長、坂本美緒だった。
月夜「美緒!?」
美緒「久しぶりだな闇川?その様子だと、随分と元気そうじゃないか?」
月夜「元気そうに見えるか?こっちは休暇を何日も貰ったのに旅先で起きた事件に巻き込まれる羽目になってる身だぞ?」
美緒「はっはっはっは!旅というのは予想できないものだ。ま、貴様の場合は運が悪かったとしか言いようがないがな?」
月夜「言っとけ……十蔵の爺さん。美緒が来たってことはやはりウィッチ関連の事件がまた起きたのか?」
十蔵「関係がないわけではないが、美緒に来て貰ったのはある理由があってだな?」
月夜「理由?」
美緒「闇川、お前にしばらくの間ストライクウィッチーズの戦闘アドバイザーをやって貰いたいんだ。」
月夜「ストライクウィッチーズというと、ミーナが隊長をしているところだよな?」
美緒「あぁ、あそこにはまだ若々しい隊員が何人かいてな?お前にはソイツらの育成を頼みたいんだ。」
月夜「なるほどな…」
十蔵「それともう1つ…お前さんには各地から選ばれた貴族の令嬢や姫巫女たちが、一人前の精霊使いになるために訓練を積む養成校であるアレイシア精霊学院とIS学園の交換留学でお前を代表として送りたい。」
月夜「はぁ?」
別の学校で学校生活を送りながら、ストライクウィッチーズの戦闘アドバイザーをしろと?どういうことだ?
月夜「話が見えないぞ爺さん。どういうことか説明してくれ。」
十蔵「そうだな。これだけでは説明がつかないのは流石のお前さんでも無理があるな?────…このストライクウィッチーズの基地とアレイシアがある場所はラヴィ・ブレディアと呼ばれる場所でな?」
月夜「ラヴィ・ブレディア?なんだよそこ。」
美緒「ミーナの故郷である帝政カールスラント、そしてスオムス、ブリタニア連邦、ガリア共和国の4つの国がとある理由で統合した土地の名称だ。」
月夜「それはどうして統合したんだ?」
十蔵「元々、その土地では魔力が豊富でな?もちろん、当時のウィッチたちはそれを知ってはいなかったが…」
美緒「統合されなかった当時、ウィッチとネウロイとの戦いでウィッチはネウロイに圧されてしまうなかだったらしい。すると、その戦いの激しさでその戦場に溜まっていた魔力が一気に放出され、そこに様々な世界へと繋がるゲートが複数も開いて閉まったんだ。」
十蔵「そしてその魔力はそのままその世界たちを次々と呑み込んでしまい、その4つの地域に壊滅的な被害を与えてしまったのだ。」
ラヴィ・ブレディアか…随分と物騒な土地だな…
美緒「しかしウィッチたちは自分たちがネウロイを執拗に追いかけたせいで起きたこの出来事に責任を感じてしまい、彼らをこの場に受け入れ、新たな住む場所を作り、発展していったんだ。」
月夜「反対はしなかったのか?」
十蔵「最初はそう言っておったヤツもいたが、次第に発展を遂げて一部の地域では都市のようなところにもなっておる。だが、問題はその土地が我々の世界の情勢を知らないところじゃな?」
月夜「どういうことですか?」
千冬「マヴァ・ブレディアは外の世界の情報を一切と耳にしないらしい。だからそこでは独自のネットワークが機能しているんだ。電気、水道、ガスも全て魔法に頼りの物になっている。」
月夜「電気は雷魔法、水道はまぁ水魔法で流したりできる…ガスは炎属性か。」
美緒「おかげでここの地域よりも美味しいメシを食えるぞ?」
月夜「その顔、腹が立つからやめてくれ。」
千冬「まぁとにかく、お前にはこのマヴァ・ブレディアへ行ってストライクウィッチーズの戦闘アドバイザーをしながら、アレイシア精霊学院との交換留学を楽しんでもらいたいのだ。せっかくの休暇を台無しになってしまっただろう?」
月夜「千冬さん。その顔、何か裏があるように見えますけど?」
十蔵「はっははは、流石は連合軍の総指揮官…気づくのが早いのう。千冬、あの情報を。」
千冬「はっ!」
そう言われた千冬さんはモニターにある人物を映し出す。性別は女でどこかで見覚えのある人物でもあった。
月夜「コイツは…」
千冬「トレヴァー・マロニーが起こした事件を解決したお前なら見覚えがあるだろ?」
月夜「……あっ!」
そういえば、トレヴァー・マロニーとあの女がこっそりと何か話しているのを目撃したな…すぐに逃げられたから捕まえることは出来なかったけど…
美緒「深海理沙、陸上自衛隊八王子駐屯地所属の一等陸尉で、かつてISに変わる兵器を作ろうとしていた者だ。G4ユニットと呼ばれる代物らしい。」
千冬「そのユニットを危険と判断した自衛隊が既に彼女を解雇したらしい。だが、彼女が去ると同時にそのユニットの設計図も無くなっていたのだ。」
思い出した。コイツは確か、劇場版仮面ライダーアギト PROJECT G4に出てきたヤツだ。
G3ユニットに研修として加入し、尾室隆弘を泥酔させてGトレーラーのコンピューターのパスワードを聞き出してG4の設計図を盗み出した後に「研修には意味が無い」と言う理由でG3ユニットを去って2ヶ月後に自衛隊の元でG4を新造して指揮を取っていた…
国防のためならなんでも利用して非人道的な行為も『必要悪』として開き直って命すらも軽視し、それによって如何なる犠牲が出ることも躊躇わない「歪んだ正義」という言葉をそのまま体現したマキャベリストだ。
自らが手がけたG4システムを盲目的に心酔する一方で、人間の力を軽視したのが仇となったのか、パワーダウンしたG4とクイーンの死によって暴走を始めたアントロードの大群に侵入を許してしまった。
それでも部下を盾に自分一人逃れようとするけど、最終的にはアントロードの大群に逃げ道を塞がれて、最期は断末魔を上げながら喰い殺されてしまったのがアイツの運命だった。
そんなヤツがどうしてこの世界に?目的はなんだ?
月夜「アイツとマヴァ・ブレディアの関係は?」
美緒「実は数日前、自衛隊が保有している何台かの貨物機が盗まれる事件が起きてな?その犯人がコイツだったのさ。」
十蔵「自衛隊と警察が合同で捜査を進めているが、その人物の目的は未だにお不明だ。そこで頼みたいのが…」
月夜「戦闘アドバイザーと交換留学をしながら、ソイツの目的を探る…ってことですね?」
十蔵「その通りじゃ。頼めるか?」
月夜「お安い御用です。」
千冬「但し、今回の任務はお前1人での行動になる。ミーナに会いに行くために美緒も一緒に着いては行くそうだが、それでも構わんか?」
月夜「レックスたちがいないのはちょっと心寂しいですが、善処します。」
十蔵「なら決定だな?出発は明後日の朝だ。明日中には身支度を済ませるようにな?」
月夜「はい。」
しかしこの時の俺は知らなかった。マヴァ・ブレディアで予想だにしない出来事と出会いが待っていたのであった。
次回
・第一幕:フォースと魔法と世界を。2 いざ、マヴァ・ブレディアへ。