仮面ライダーセイバー 外伝 黄昏の国と楽園の妖精   作:翠風

6 / 6
今回は短めです。
後、5章を一部加筆・修正しました。今後もちょくちょく加筆・修正していく予定です。
よろしくお願いします。


第5.5章 剣士たち、黄昏の地へ。

 南極。 オーストラリアより大きい 大陸を分厚い氷が覆っている地球上最後のフロンティア。 多くの動物が生息し、沿岸部には一部の国々の研究機関しか建造物が無い雪と氷の大地。

 人がかの地に踏み入ったのは今から約200年前とされている。だが、それより以前、南極には既に人の手が入っていた。その物たちの名はソードオブロゴス。全知全能の書を守り、世界の均衡を守るために設立された組織である。彼らによって南極に建てられた建造物、サウザンベースは現在、物々しい雰囲気に包まれていた。

 

 異変があったのは 30 分前、アガスティアベースから未だに帰ってこない飛羽真達にしびれをきらした芽依が 本の守護者であるソフィアに飛羽真達が今どうしているのか確認してほしいと頼み込んだ。それを受けて、ソフィアはアガスティアベースに接続することができる特殊なブックゲートを使いベース内に入った。

 するとそこには4 人の姿はなく、謎の本が空中に開いた状態でエネルギーを発しながら発光していた未知の事態にソフィアはすぐさま、サウザンベースに緊急事態を知らせ、剣士達を玉座の間に集まるよう召集をかけた。

 

ーーー

 

「ソフィア様、アガスティアベースに保管されていた禁書は全てこちらの禁書庫の最下層に移し替えました。」

「ご苦労さまです、デュランダル 。」

 

 ソフィアは禁書を移し替えるという任を担った時国剣界時の使い手、神代淩牙に感謝の言葉をかけた。

 

「それにしても、一体どうなっているんだ。」

「ソフィア、あの禁書は一体?」

 

 この場で一番の最年長である尾上亮の言葉に聖剣の鍛治士である大秦寺哲雄がソフィアに問いかける。

 

「私にも分かりません。あれは突如現れた未知の禁書と言えるでしょう」

 

 禁書やワンダーライドブックはセイバーの世界の根源である全知全能の書の一部である。それらは総じて巨大な力を持っており、ソードオブロゴスは結成されてから、初代マスターロゴスが残した手記を元にメギドとの戦いと平行して本を収集していった。

 現在、イザクが引き起こした儀式による影響により、一部の本は行方不明となっているものの、全知全能の書由来の本は全て回収・保管している。

 だが突如として現れた本は、組織が確認したことがなく、全知全能の書の一部である世界を繋げる巫女のクローン体であるソフィアが理解出来ないものであったため、その本はこの世界由来の本ではないものと、予想されている。 

 

「飛羽真達、どうなったんだろ……」

「芽依ちゃん大丈夫だよ。賢人くん達はそう簡単に倒れないよ」 

 

4人を心配する芽依に今集まっている剣士達の中で最年少である緋道蓮が大丈夫だと声をかける。その言葉に芽依もそうだよね!と笑顔を浮かべたが、空元気だということはここに集まっている全員が察していた。

 

「現在、例の禁書は今も発見した時と変わらない状態でいます。ですが時間が経つにつれ、僅かにですがエネルギーの放出が強まっています。今は大丈夫ですが、このまま放置しておくと現実世界をも侵食しかねない可能性があります」

 

 ソフィアの言葉に全員に緊張が走る。1年前、世界の滅亡という未曾有の危機が起きたが、幸いにも飛羽真のお陰で回避することができた。

 だが、それは奇跡のようなものだとこの中全員が実感していた。そのため世界の滅亡がまた起こりかねない事象に対処するため、今も研鑽を続けている。もう二度とあのようなことを起こさせないために。

 そんな剣士達を見渡して、ソフィアは話しを再開する。

 

「これは私の予想ですが、あれは未完の物語の可能性が高いです。」

「未完の物語?」

 

 神代淩牙の妹である神代玲花が疑問の声にソフィアは「ええ」と頷く。飛羽真が所有しているプリミティブドラゴンワンダーライドブックは未完の物語だったため、数ある禁書の中でトップクラスのエネルギーを保有していた。そのため、サウザンベースの禁書庫の最下層に保管されていた。だが、飛羽真が物語を完結させたためか、エネルギーの放出が安定していることが後日判明した。

 そして、禁書を移送している最中に調査班が例の禁書を測定したところによると、暴走時のプリミティブドラゴンと同じかそれ以上のエネルギーを放出していることが判明した。このことからソフィアはあれが未完の物語ではないか?と予想した。

 

「つまり、あの現象を抑えるためには物語を完結させることが必要だと?」

「あくまでも私の予想です。ですが、そうだという可能性はあります。」

「ということは、俺たちはあの禁書内に入って賢人くん達を救けて、物語を完結させるってこと?」

「ええ。そうなります」

 

 今後行うべき行動を言う蓮にソフィアは頷く。

 

「ですが、それは唯の予想です。何の確証もないもないまま動くのは……」

「だが我々がここで手をこまねいていればまたあのようなことが起こりかねない。善は急げというだろ。」

 

 玲花の懸念に大秦寺がバッサリと切る。

 

「じゃぁ、ここの防衛はどうするんだ? まだここの設備も完全には直ってないだろう」 

「何のためにここに我々がいると思っているんだ? 土の剣士」

 

 サウザンベースの防衛はどうするか聞く尾上の後ろで、扉が開く音と渋い声が聞こえた。振り返ると、そこには白髪交じりの壮年の男がいた。

 

「師匠!」

「久しぶりだな。蓮」

 

 壮年の男の現れたことに喜ぶ蓮。見たことがない男に尾上は首をかしげていた。       

 

「俺は新山雄介。蓮の剣技の師匠で先々代の風の剣士だ。今はサウザンベースの警備隊長をやっている」

「あんたが蓮の師匠か!」

 

 驚く尾上を横に新山は前に出る。

 

「イザクにはしてやられたが、我々一般の剣士とて多くの鍛錬を積んでいる。ここの守りは任せてもらおう」

「お願いします、雄介」

 

 ソフィアは新山に「お願いします」と頭を下げる。そして引き締まった顔で剣士達に告げる。

 

「明日、禁書に突入します。今日はゆっくりと休んで下さい」  

「飛羽真達のこと、お願いします!」

 

頭を下げる芽依に我々に任せておけと大秦寺は言う。そして、剣士達は明日の準備のために解散した。

 

 

ーーー

 

 

 そして翌日。剣士達は昨日と同じ玉座の間に集結していた。

 

「出撃する前にこれを」

 

 そういうと、ソフィアは全員にワンダーライドブックを渡した。

 

「禁書の向こうの世界は何があるか分かりません。どうかご武運を」

 

ソフィアの心付けに感謝する剣士達。そして、出撃の時が来た。

 

「それではゲートを開きます」

 

 そう言うとソフィアは白いブックゲートを開く。するとアガスティアベースへのゲートが現れた。ゲートが開いたのを確認すると、剣士達は一斉に入っていった。アガスティアベースに剣士達が入るとそこには一冊の開いた本が空中で光っていた。

 

「これが件の禁書か……」

「昨日より光が強まっている気がするな」

「確かに、このまま放置しておくのは不味いですね。お兄様」

 

 件の禁書を初めて見る大秦寺と蓮にこれは危険なものだと感じ取る神代兄弟。 

 

 「迷っている隙はねぇな! 行くぞぉぉ!!」

 

 啖呵を切った尾上は走り出し、一気に禁書に入っていく。他の剣士達も禁書の中へ投入していった。

   




・オリキャラ
  新山雄介 : 先先代風の剣士。蓮と先代風の剣士は彼の弟子である。メギドとの戦いの中負傷したため、後進を育成するために引退した。名前の元ネタは演者の富永健司さんがスーツアクターを務めた仮面ライダークウガの主人公、五代雄介から。

評価・感想お持ちしています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。