①
トゥインクル・シリーズを勝ち抜いたネイチャとそのトレーナー。
その後数々のレースを勝ち抜いていく二人だが、その二人の間に大きな問題が発生しようとしていた...
____
「......おかしい。」
赤髪の少女ナイスネイチャは呟いた。近頃、周りの知り合いのウマ娘の結婚率が異常であると。ただ結婚するだけなら別に構わないのだが、問題なのはその相手である。
「どうして全員担当トレーナーと結婚してんの...?」
その疑問は当然であった。そもそもウマ娘というのは単為生殖ができないため、生物としてはかなり欠陥のある存在である。そのため、ヒトの男と交わるのがウマ娘という存在を後世に残していくためには必要であるのはわかっている。しかし、それが一応大人と学生という立場であるにも関わらず、担当トレーナーと関係をもってしまうのはやはり風聞としても良くないのである。つまり、わざわざ担当トレーナーを選ぶ意味は薄いのである。
「って言っても、現にトレーナーさんが好きな私が言うのはお門違いかぁ...」
ナイスネイチャはベッドに寝転んだ。そもそも、今現トレーナーであるネイチャのトレーナー(以後ネイチャT)と、同棲したいと言ったのは他でもないナイスネイチャであった。
____
トレーナー室にて。
「ト、トレーナーさん?ちょっといいかな?もしかして忙しい?」
「?いえ。今丁度業務が終わったところです。ネイチャさんはどうしてここに?もう練習は終わったはずですが」
「あー...えっと...(覚悟を決めろアタシ....今ここではっきり言うんだよ....トレーナーさんが好きですって...)」///
「ネイチャさん?顔が赤くなっていますが、大丈夫ですか?」
「えっ...い、いや...別に赤くなってないデスよ?あー夕日がキレイダナー...もしかして夕日に顔が当たっちゃってるからそう見えてるのかもしれませんね!あはは...」
「はぁ...それで用事とは一体?」
「....(言え。言え。言え。....ここで言わなかったらいつ言うんだアタシ....ここで言わなかったら一生後悔する。たとえ断られてもいい。ここで言うんだ。....でも断られるのはイヤだな...あはは...本当に意気地なしだなアタシ...でも.........言え!!)」
「と、トレーナーさん!!!!!!」
「!?は、はい!」
「私の作ったお味噌汁、毎朝食べてくれませんか!!!!!!!!!!!!」
「(あぁ...言っちゃった言っちゃった言っちゃった言っちゃったぁ~~~~!!!!あぁぁあああもう顔が焼けそうなぐらい熱いぃぃいいい!!!!!)」/////
「......................................」
「(トレーナーさんずっと黙ってる....やっぱりダメなのかな...そうだよね、私なんてただの無個性女だし...トレーナーさんなんてこんな微妙なアタシを活躍させてくれたぐらいだもん。そりゃ私なんていらないよね...)」
「.............ネイチャさん」
「!は、はい...やっぱ...ダメですか...?」
「是非、お願いします」
「えっ....」
「(...う、ウソ。ウソウソウソウソウソウソウソウソ!!!そんな...本当に!?)」
「ほ、本当にアタシなんかでいいの...?」
「当然です。いや、むしろなぜこのような発想に今まで至らなかったのでしょうか。ネイチャさん。あなたは天才です」
「....ん?発想?天才?」
「味噌汁というのは、一緒に暮らしてほしい、とのことですよね?確かに一緒に暮らせばレースでの情報交換をインターネットを介さずに直に交換できます。しかも飲食メニューや、体調の管理もかなりやりやすくなる。今までの寮生活ではできなかった献身的なサポートが実現できます。さすがネイチャさんです。そこまでの柔軟な発想力は私にはありませんでした。今すぐにでも二人で暮らす家を探します。少し待っていてください」
「...え」
「(うそでしょ...)」
____
「はぁ....」
ナイスネイチャは当時のことを思い出して頭を抱えた。同じ家で暮らすといういわば『同棲』という自分の思い描いた理想の状態を作り出したのにも関わらず、その実態はあくまでトレーニングの円滑などという予想の斜め上をいったのである。自らが言った回りくどい言い方が悪いのかもしれないが、いくらなんでもこれはあんまりである。
「いくらなんでも鈍感にもほどがあるでしょ...なんかアニメとかの主人公みたいな鈍感ぷりでネイチャさん驚きの嵐ですよ...」
「でも...はぁ。好きなんだよねぇ...あの鈍感であんぽんたんで天然なあの人のことが。こんな私なんかをいろんなレースで勝たせてくれた。私が泣いた時もいつもいつもそばにいてくれて...最初なんてすんごい追っ払ったのになぁ...」
ナイスネイチャは自らがまだトゥインクル・シリーズに出ていないときのことを思い出した。
____
「...ねぇ、なんでここにいるんデス?アタシじゃなくて、テイオーのところに行った方がいいですよー新人トレーナーさん。私なんて良くて3位が関の山ですから」
「いえ、テイオーさんも素晴らしい走りだとお見受けしましたが、私はナイスネイチャさん。貴方の走りが素晴らしいと感じました。是非スカウトを受けていただけませんか?」
「...そのセリフもう5回以上言ってるじゃないですか。こんなに断ってるのになんで...」
「同じことを言わせてもらいます。ナイスネイチャさん、貴方の走りが素晴らしいと感じました。是非スカウトを受けていただけませんか?」
「6回目だし....はぁ....わかりましたわかりました!受けますよスカウト!ただあまり期待しないでね?私そんな強くないから...」
「いえ。貴方は強いです。もしあなたが自らを強くないと思っているのであれば、私があなたを支えます。新人の若輩者ではありますが、どうぞお願いします」
____
「...なんかあの目がなぁ...惹かれちゃったんだよねぇ....」
ナイスネイチャは思わずつぶやいた。このような限りなく微妙である自分を6度にわたり説得し、なおかつ自分のためにいろいろなトレーニングを模索し、レースで結果を出させてくれた。彼のことを想ってしまうのにそこまで時間は掛からなかった。
「でも別に私じゃなくても、トレーナーさんならだれでも強くできたんだろうなぁ...」
ナイスネイチャは最近このセリフをよく言うようになった。言うまでもないが素晴らしいポテンシャルを持っていた彼女だからこそ、ネイチャTは結果を残している部分が大きいのであるが、最初にあまり期待されていなかった分、ナイスネイチャはトレーナーの育成技術が凄いからだと最近特に感じることが多くなっていた。ただ、彼を想う気持ちを止めることはできなかった。どんなに立場が釣り合わなくても彼が好きなことは変わらないとナイスネイチャは感じた。
「だから告白した....んだけどなぁ....はぁ...」
ナイスネイチャは何度目かもわからないため息をついた。結局、周りの結婚例の多発さは偶然だろうと思い、ナイスネイチャは布団をかぶった。
____
事態が変わったのは、ある電話が始まりであった。
prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
「んぅ...もうマヤノはかわいいねぇ...うへへ~....」
prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
「.....あぁもう!休日の朝から何!?つか誰!?もしもし!!!??朝からなんですか!!!??」
「おはよーネイチャ!本当にいい朝だねぇ!太陽がまぶしいぞよ~」
「....その声、もしかしてテイオー?一体どうしたの朝から...」
「レースでしのぎを削り合ったライバルだから、ネイチャには教えておこうと思ってさ。ボク、結婚することにしたんだー。それだけ♪」
「あーそうそう結婚ねわかったわかった....ってはぁ!?結婚?結婚ってあのケッコン?付き合う?感じの?」
「むしろそれ以外になにがあるのさ。ついにトレーナーさんが落ちた...というか、ボクが堕とされちゃった...あぁ昨日の夜を思い出しそうになっちゃう~♡ごめんね朝から!ネイチャTにもトレーナーとくっつけてくれてありがとーって伝えといて!それじゃあね~」プツッ
「..........(唖然)」
~~~~
「あぁ良かった電話に録音機能があって...情報量が多くてキャパオーバーしちゃったけど、すんごい事言ってたもんねあの帝王様は」
(ごめんね朝から!ネイチャTにもトレーナーとくっつけてくれてありがとーって伝えといて!)
「.......これはどういうこと...?」
ナイスネイチャは訝しんだ。このテイオーの言った文面から察するに、ネイチャTはテイオーとテイオーTの仲立ちをしたかに思える。いや、むしろそうとしか思えないだろう。しかし、しかしだ。あの超鈍感で天然の権化であるネイチャTがそのような事ができるだろうか、いやできない。
「そういえば、たしかスズカさんの時も似たようなことがあったような...?」
『サイレンススズカ失踪事件』のあらましを彼女はネイチャT本人から聞いたことがある。その時は結局詳しいことはネイチャTは言わなかったため、情報はそこまで多くないが、分かっているのは
『「にんにく」「縄」「指輪」のどれかを他トレーナーに勧めたこと』で『他トレーナーが結婚した』
ことである。
「...自分でこの考えを言葉にしておいてなんだけど、意味がわからないんだけど」
ナイスネイチャは困惑した。しかし情報としては正しいはずなのでとりあえず頭の片隅に置くことにした。
「とりあえず、テイオーの言ったことからうちのトレーナーさんが何らかの形で結婚に介入したことは分かってる。同時にスズカさんの結婚にも絡んでいることも分かってる。ただあの人は超鈍感なので結婚を勧めた、というのはおかしいよね。そもそもあの人は規律はきっちり守る人だ。『ウマ娘とトレーナーとの過度な接触は禁ずる』というルールは私たちも知ってる。その規律を破ることはないと思う。あるとすれば...無自覚」
「つまり」
『「にんにく」「縄」「指輪」のどれかを他トレーナーに勧めたこと』で『他トレーナーが結婚した』ではなく、
「にんにく」「縄」「指輪」のどれかを他トレーナーに勧めたこと』で『結果的に』『他トレーナーが結婚した』.........
「ってことかな?多分。正直意味わからなすぎるけど」
ナイスネイチャは困惑した。
~~~~
「...ちょっと待って?もし仮にトレーナーさんがわざとでなかったとしてもウマ娘とその担当トレーナー様方の結婚を促していることがトレセン学園にバレたら...」
「....解雇される...」
※読者の皆様はもしかしたら感覚が麻痺しているかもしれないが、一応この作品のトレセン学園では、そのような関係を担当ウマ娘とトレーナーで持つことは原則禁じられている。今までの作品の中で結婚しているペアのトレーナーはトレセン学園を辞めているという設定である。テイオーTはまだ残っているが、それは単純に結婚したことを隠しているから。
「....私がなんとかしないと...多分トレーナーさんはこのことに気付いてない。だとすれば教えないとダメだ。でもあの人はちゃんと筋道立てて説明しないと、変に誤解しちゃうから...証拠。証拠が必要だ」
「証拠...でも多分そんな簡単に手に入らないよね。一番わかりやすいのは、実際に勧めた道具3つを探すのが無難だけど、ニンニクは食べ物だからもう残ってないだろうし、縄はもう捨てちゃったみたいだし...となるともう指輪しかない。でもそうそう指輪なんて見つかるかな...?うーむ...」
「...ん-ん。難しくてもやるしかない!トレーナーさんの今後がかかってるんだもん。あのトレーナーさんを納得させるのはかなり大変だから、情報がたくさん必要だし。とりあえず聞き込みかな。いろいろなトレーナーさんのところを周りまくる。これしかない!」
ナイスネイチャは決意した。
②
「えーっと...確かここだったはずなんだけど...あっ、この家かな?」
「うん、間違いないね。『武』....うん、ここだ」ピンポーン
<はーい
ガチャ
「どちら様で...あぁネイちゃん。わざわざ遠いところまで来てくれてありがとう。どうぞ入って」
「あっお邪魔しますね、スズカさん」
____
ネイチャ「いやぁ...すごい立派なお家ですねぇ...」
スズカ「そんな、ネイちゃんのお家もかなり大きいじゃない」
ネイチャ「いやいや、いくらなんでもこんな天井高くないし...すんごいお金かかってますねコレ...」
スズカ「まぁあの人が意地でも出すからっていうから...私はもっと狭いお家で良かったんだけどね」
ネイチャ「まぁまぁ...なんでも男には意地を張るべき場面とやらがあるみたいですよ。スズカさんは愛されていてうらやましいなぁ...」
スズカ「ありがとうネイちゃん。....それでここに来た理由は挨拶だけじゃないんでしょ?」
ネイチャ「あっわかります?...あの本当に言いづらいことかもしれないんですけど...あの...」
スズカ「構わないわ。ネイちゃんのトレーナーさんの今後に関わるかもしれない問題だものね。私も協力させて?」
ネイチャ「せ、聖人すぎる...ありがとうございます!」
~~~~
スズカ「これが私のトレーナーさんが知っていること全部よ。ネイチャTさんから指輪を渡されることで私との距離をとろうとしたみたい。」
ネイチャ「なるほど、指輪がこの事件の主軸になっているわけですか...ちなみにその指輪はどこに?」
スズカ「もうネイチャTさんに返しちゃったみたい。...ごめんね?その指輪があればネイチャTさんを説得できたかもしれないのに」
ネイチャ「ああいえいえ!お気になさらないでください。指輪が重要ってことがわかっただけでかなりの進歩ですから!...すいません。なんかつらいこと掘り返しちゃって...スズカさんが走れなくなったのってこの事件が原因なんですよね?アタシ、すごいデリカシーないですよね...」
スズカ「ふふ、気にしなくていいのよネイちゃん。そもそもこの事件が起きなくても、もう私の脚は限界に近かったそうだから。それにね...」
ネイチャ「?」
スズカ「私、景色の向こう側を...もう見れたから。あの人の隣で。」
____
「....なんか、すごい『愛』って感じだったなぁ...」
ナイスネイチャはスズカの話を聞いて、自らの目的を忘れ聞き惚れてしまった。ネイチャの知るスズカというウマ娘のイメージは、走ることに命をかけていて、颯爽に一位を大逃げという規格外の方法で取るウマ娘、といったものだ。おそらく彼女が結婚するという記事を見る前ならば、スズカの存在を知る全ての人間がそう答えただろう。しかし実際は違った。スズカは担当のトレーナーと結婚することになり、新たな家をもって彼女は引退した。周りの人間も合わせて当時はメディアがざわついたものだ。結局その後も続々とウマ娘の結婚報道がされたのだが。
「スズカさんから聞けたことはそう多くないけど、やっぱり指輪がキーになってるみたい。うちのトレーナーさんはなんとまぁ状況が悪化しそうなことをするんですかねぇ...」
ナイスネイチャは困惑した。
____
「んーと次は...セイウンスカイさんのお宅...ってはぁ!?この住所って...」
~~~~
ネイチャ「ぜぇ...ぜぇ...まさか山の周りをぐるぐると周ることになるとは...セイウンスカイさん...どこに住んでるの...」
ナイスネイチャは現在山奥にいた。この山はトレセン学園が所有している合宿所に近い山であり、よく合宿中に登ることも多い山である。ネイチャはかろうじて来たことがある山であるからなんとか今の場所を把握しているが、もし知らない山であればかなり危険な状態だったであろう。
ネイチャ「はぁ...とりあえずこの川で休もう...まさかこんなとこで足止めを喰らうとは思わなかったなぁ...」
ウンス「そうだねぇ。こんな山奥で女の子一人は危ないしねー」
ネイチャ「そうですよー..........って....?」
ウンス「それにしてもなんでこんなとこで足止めくらってるんだい?赤髪のねーちゃん?」
~~~~
ネイチャ「いやまさか本当に山小屋に住んでるとは...」
ウンス「まぁねー。山の管理を任されてるもんだからねー、ここに住んだほうが楽じゃない?」
ネイチャ「山の管理って...なんというか、すごいですね...」
ウンス「そうなのかな?そういうの全部トレーナーさんに任せてるからセイちゃんはわかんないやー」
ネイチャ「(なんか捉え所のないひとだなぁ...)」
ウンス「それでー、なんでここに来たの?わざわざ上ってきたみたいだし、なんかあるんだよねー?」
ネイチャT「あーそのですね...セイウンスカイさんとトレーナーさんがどうやってお付き合いし始めたかを少し...」
~~~~
ウンス「まぁこんな感じかなー。うちのトレーナーさんはテイオーのトレーナーさんに煽られたみたいだねぇ。ま、おかげでトレーナーさんと一緒に過ごせるから別にいいんだけどさー」
ネイチャ「....まさかテイオーTさんも関わってるとは思わなかった...」
ウンス「テイオーTさんも結構知っていると思うから、聞いてみればいいんじゃない?」
ネイチャ「今テイオーTさんいないんですよ。レースの都合で地方へ行っているので」
ウンス「あっそうなんだ?まぁ私の知ってる限りの話にはなるけど、
”私のトレーナーさんには” ネイチャTさんは無関係かなー」
ネイチャ「...どういうことですか?」
ウンス「ほかに結婚したウマ娘がいるでしょー。しかも私よりも前にね」
ネイチャ「....グラスワンダーさん」
ウンス「よく調べてるねぇ。こりゃセイちゃんのところに来るまでもなかったんじゃない?」
ネイチャ「そんなことないですよ。ここに来て分かったこともありますから」
ウンス「...あっそう?.....もしグラスちゃんのとこに行くんだったら気を付けなよー。怒らせたらヤバイから」
ネイチャ「わかりました。ご忠告ありがとうございます」
ウンス「....ありゃすごいね。かなりのトレーナーさんLOVE勢とみた。セイちゃんもなかなか拗らせてるとは思うけど、あそこまでじゃないなぁ」
____
「グラスワンダーさん...セイウンスカイさんと同期で”黄金世代”でも上位に位置する怪物と呼ばれたウマ娘...一筋縄ではいかなそうだなぁ...」
~~~~
ネイチャ「えーと...多分ここだよね?なんというか、スズカさんとかスカイさんに比べるとすんごい普通...」
グラスワンダーの住んでいる所とおぼしき家は、何の変哲もない一軒家であった。少なくともあれだけレースで結果を残したかの有名なグラスワンダーの家だとすぐには分からないぐらいの普通の家であった。
ネイチャ「ごめんくださーい。あの、グラスワンダーさんのお宅ですかねー?こちらナイスネイチャと言う者なんですけどー」
インターホンすらついていない扉を何回かノックする。すると家の中から物音が近づいてきた。
グラス「はいはい、こちら的場ですけど。どちら様ですか?....あら」
~~~~
グラス「驚きました。この家の場所を教えている人はそこまで多くありませんから。...もしかしてセイちゃんが喋りましたか?」
ネイチャ「いえ。....スカイさんには申し訳ないですけど、スカイさんのお宅から少し資料を拝借させていただきました。そこからここを割り出しました」
グラス「...........再度驚いてしまいました。セイちゃんをまさか躱すとは。貴方とはレースで雌雄を決したことはありませんが、もし同じレースに出ていれば必ず私の障害となったでしょうね」
ネイチャ「そんな、大げさな話です。......それで聞きたいことがあるんですが」
グラス「貴方のトレーナーさんのこと....違いますか?」
ネイチャ「...その通りです。何か知っていること....ありませんか?」
グラス「...........もし知らないといったら?」
ネイチャ「いえ、グラスさんはご存知のはずです。何故なら、近ごろ多く発生している電撃結婚の最初の事例ですから」
グラス「ただの偶然ということも普通にありえるとは思いませんか?たまたま私の後にたまたま結婚が重なっただけのことではないか...」
ネイチャ「いえ、それもないと思います。アタシのトレーナーとグラスさんのトレーナーさんはグラスさん方の結婚前に会っているみたいですから」
グラス「.........よくそこまで調べましたね。そこまで調べるのは容易ではなかったでしょう」
ネイチャ「うちのトレーナーさんの携帯、PCの履歴を見てようやくわかった事実ですから。グラスさんはアタシなんかよりはるかに頭が良いと聞きましたので、アタシなりにあがいてみました」
グラス「なるほど....さすがですね。少なくとも私が貴方に最初に会った時の印象とはくらべものになりませんね。見事です。認めましょう、私は貴方のトレーナーであるネイチャTのことについて知っています。それも貴方でさえ考えつかないような真実すらも」
ネイチャ「真実?何を言っているんですか?私のトレーナーさんが無自覚に指輪を用いて結婚を勧めてしまっているというのが真実なはずですよね?」
グラス「それは間違いではありません。しかし正確でもありません。貴方のトレーナーさんは利用されているんです。ある人にね」
ネイチャ「....利用?それは一体...?」
グラス「...これ以上は言えません。契約ですからね。今言った事も本来言ってはいけないことでしたけど、ネイちゃんの頑張りに免じて答えただけですから。これ以上は自分で調べてみてください」
ネイチャ「....わかりました。ありがとうございました」
____
「契約...ね....」
ナイスネイチャは思考していた。てっきり自らのトレーナーが無自覚に結婚を勧めているとばかり考えていたのに、なんとそれには何者かの介入があるというのである。なぜ結婚を勧めているネイチャTを利用しているのだろうか?
「まぁ単純に考えれば、結婚を勧めているトレーナーさんを止めないで容認してるってことは、グラスさんのいう『ある人』は担当ウマ娘とトレーナーを結婚させたい、って思ってるってことだよね」
.......................................................
「ちょっと待って。.....『担当ウマ娘とトレーナーを結婚させたい』。これをなんで『ある人』は隠す必要があるの?」
担当ウマ娘とトレーナーを結婚させたい『ある人』の立場に考えてみよう。仮にその『ある人』がメディア関係者のような、ゴシップ等を狙っている記者だとして、それを追っていることを隠す必要があるか?そもそもその事実を公開して金儲けがしたいのだから、グラスさんを契約とやらで縛りつけたところで別に意味はないだろう。つまり記者ではない。では次に考えられるのは自分以外の有力なウマ娘を抱えたトレーナーを消そうとしているトレーナーだろうか?筋は通る。自分のウマ娘を勝たせるため、他のトレーナーを結婚という鎖で縛るのはかなり有効な策だ。しかし問題なのは
「グラスさんがそれに応じるわけないか...」
グラスさんは怪物と呼ばれるほどのウマ娘だ。同時にかなりの負けず嫌いとも聞く。そのような卑劣な手段での勝利を、いくらトレーナーと結婚したいとはいえ即座に頷くだろうか。いや、少なくともあの人はそのようなことはしない、とネイチャは考えた。
「だとしたら一体誰が...?」
ネイチャは頭を抱えた。既に自らの目的を逸脱したところにまで根を貼ろうとしているのは分かってはいたが、この問題の原因を判明しないことには何かこの先自分とトレーナーの障害になるような気がしたのである。ネイチャは考えた。考え抜いた。『担当ウマ娘とトレーナーを結婚させたい』ことの何がメリットなのか...?..........
「もしかして....担当とかはもしかしてどうでもよくて...問題はそこじゃなくて。ウマ娘とトレーナーの清い関係のまま結婚させることが重要...?」
つまるところ恋愛結婚が目的であるのか。ウマ娘は、かなり前にも書いたが、単為生殖ができないという生物として欠陥がある存在である。つまるところヒトの男と結ばれなければ自らの子をなすことができない。そうなると、ウマ娘という立場はそこまで大きくないのである。何故ならヒトの男は、ヒトの女とウマ娘との選択ができるのだから。ウマ娘はかなりの確率で顔が整っているので、ウマ娘を嫁にもらう男は多い。しかしウマ娘はヒトの腕など軽く折れるほどの力を持つ。一部ではウマ娘の強大な力を恐れて、ヒトとしか付き合うなと教えている家も少なくない。そうなってくるとウマ娘の立場は弱くなっていく。ウマ娘側である自分の視点から考えれば、恋愛結婚できる確率はそこまで大きくはないのかもしれない。
「...いろいろと破綻している考えかもしれない。でももし恋愛結婚をさせてあげたいと『ある人』が思っていると仮定するなら、ウマ娘の幸せを第一に考えているあの人....つまり
トレセン学園理事長、秋川やよい...ッ!」
③
「トレセン学園理事長、秋川やよい...ッ!」
色々と粗はあるし、そもそも証拠がないが、あの人には立派な動機を持っているしメディア等をある程度制御できるほどの権力者でもある。ウマ娘を一番案じているあの人なら...
「早くうちのトレーナーさんに伝えて理事長に直談判しにいかないと、他のトレーナーさんに被害がでちゃう...」
「......って、あの人どこに行ったの?」
今の時刻は夜8時。普段であれば業務があるにしても彼は家で作業することが多いのであるが、一向に帰ってくる気配がしない。...そういえば、最近は帰るのが遅くなることが多いと思っていた。となると現在のこの時間あの人は...?
「そうか...この時間帯に他のトレーナーと会ってた...って感じかな?...だからこんな遅かったってことですか。といっても、一体どこにいるのやら...」
prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
「ん?こんな時間に電話なんて、一体だれから..?............!?」
____
???「......はぁ...マジで焦った...あんなバクシンオーを見ることになるとはな...」
???「もし返事の仕方を間違えていたら...なんて考えたくねえ...」
???「最近周りでこういう事態がよく増えているような気がしてならねえ...」
???「一体何が起こって...」
トントン
???「?誰だ…?」
ネイチャ「...バクシンオーさんのトレーナーさんですよね?少しだけ聞きたいことがあるんですケド、いいですか?」
バクシンオートレーナー(以後バクシンT)「....お前は確か...ナイスネイチャか?なんでここに...?」
ネイチャ「そんなことはどうでもいいと思います。それよりもバクシンTさん。私のトレーナーさんとあったんじゃないんですか?」
バクシンT「...本当にどこまで知ってる?場合によっちゃぁ...」
ネイチャ「さっさと話してください。手荒なマネはしたくないんで」ハイライトオフ
バクシンT「..........(なんだこいつ...急に雰囲気が...今日のバクシンオーと同等...いやそれ以上の何かを感じる...!?)」
バクシンT「.....はぁ。女っつーのはこええなぁ...あぁ会ったよ、いつもの居酒屋でな」
ネイチャ「いつもの居酒屋?もしかしてアタシのトレーナーさんも今そこに?」
バクシンT「それは知らん。今日も同じ場所にいるとは限らないが...まぁ、いる可能性はあるだろうな」
ネイチャ「ありがとうございます、急に来て失礼しました」
バクシンT「ああ.........」
~~~~
バクシンT「はぁ...今日はさんざんだな...あのネイチャもそうだが、何よりもあのバクシンオーの雰囲気...」
バクシンT「正直、これから先生きていけんのか俺...」
バクシンオー「トレーナーさんッ!このような時間に、女性と二人きりとは、委員長として見逃せませんね!」
バクシンT「は?.....いやなんでお前ここにッ!?」
バクシンオー「トレーナーさんのことはいつも見ていますから!...それでトレーナーさん?さっきは何していたんですか?こんな夜中に男性と女性二人きりで...一体何をしていたんですか?」
バクシンT「アッ....ちょまっ」
アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!
____
居酒屋にて。
ネイチャ「バクシンTさんはここだって言ってたよね.........というか、アタシいろんなところたらい回しにされすぎじゃない?今日だけですんごい回ったんですけど...山にすらいったし...」
ネイチャ「えーと、中にいるかなー...って」
ネイチャT「ですから、ニンニクを用いた嫌われ法を使えば解決できるt」
某ウマ娘T「いやいやさすがにそれはいやなんですけど...」
ネイチャT「....そうですか...ならこの縄を用い特殊な性癖をさらけ出すことで嫌われるのはどうd」
某ウマ娘T「いや嫌ですけどぉ!?」
ネイチャ「なにやってるのあの人...」
~~~~
ネイチャT「なぜネイチャさんがここにいるんです...い、痛いです痛いです耳を引っ張るのはやめてくださいませんか」
ネイチャ「まさか本当に何も知らずに指輪勧めてるだけとは思わなかったよトレーナーさん...」
ネイチャT「いえ、指輪以外にもニンニクと縄も勧めていましたが」
ネイチャ「...まぁこの際何を勧めてたかはもうどうでもいいや。トレーナーさん。アタシの話、聞いてくれる?」
ネイチャT「...?はい、なんでしょうか」
~~~~
ネイチャT「なっ....私が理事長である秋川さんに利用されている...?そんなバカな...」
ネイチャ「...証拠はないよ。アタシが勝手に予想しただけ。でも...なんとなくそんな気がするんだ」
ネイチャT「..............」
ネイチャ「それでも....信じてほしい。こんな中途半端なアタシだけど...結構...頑張ったんだよ?トレーナーさんのためにさ...」
ネイチャT「..........。」
ネイチャ「やっぱ...ダメかな?信用できないかな...そりゃそうだよね。なんの証拠もないのに学園のトップの人を疑ってるし...バカみたいかな...」
ネイチャT「いえ....信じます。ネイチャさんは3年間共に戦った相棒ですから」
ネイチャ「(相棒...か)」
ネイチャT「ネイチャさん?どうしたのですか?」
ネイチャ「ううん、なんでもない。じゃあいこっか、理事長室」
____
理事長室前にて。
ネイチャ「それじゃ、ノックするよ」
トントン
.......................................................
???「許可ッ!入っても構わないぞ!」
ネイチャ、ネイチャT「失礼します」
理事長「歓迎!よく来たな二人とも!しかしてどうした?何か用でもあったか?」
ネイチャ「...すいません、あんま余裕ないんで単刀直入に言います。今起きている電撃結婚騒動、理事長は関与していますか?」
ネイチャT「っ!そんな初っ端から言うのですか!?」
理事長「..........肯定!ネイチャ君の言う通りだ。私はそれに関与している!」
ネイチャT「なっ....」
ネイチャ「否定しないんですね、理事長」
理事長「事実だからなっ!私は嘘はつかない!......すまないと思っている。ネイチャTを利用したことは」
ネイチャT「理事長...」
理事長「だが!これはウマ娘の未来のためには必要なことであった!人と結ばれることが難しいウマ娘たちが、走り切った後も幸せに暮らせるためには必要なことであった!トレーナーとウマ娘、それぞれ固い絆で結ばれていなければ、URAファイナルズを勝ち抜くことはできない!その固い絆をもって結婚までたどり着くことができれば、必ずそのウマ娘は走り切った後も幸せに暮らすことのできるはずだと考えたッ!」
理事長「事実ッ!結婚したウマ娘たちは幸せそうに暮らしている!...ネイチャ君、君のトレーナー君に何も言わなくて本当にすまないと思っているっ!しかし許してほしいっ!これは君たちウマ娘のためなのだ!」
ネイチャT「......そうですね。ネイチャさん、理事長の言う通りです。ウマ娘の立場はそこまで高いものとは言えません。理事長の言っていることは正しいです。私は特に気にしていませんから、ネイチャさんもそこまで気に...ッ!?」
ネイチャ「......は?」
ネイチャT「ネイチャさん...?」
ネイチャ「お言葉ですが、いえ、この際はっきり言わせてもらいます。
ふざ.........
けんなぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
二人「「!?」」
ネイチャ「いい加減に堪忍袋の緒が切れました。理事長、あなたの思想は素晴らしいよ?アタシたちウマ娘のためにわざわざ結婚の準備までしてくれるんだから。ただ....」
ネイチャ「アタシたちはそこまで面倒見てもらうほど、弱くないんだよ!!!!!!!」
ネイチャT「ネ、ネイチャさん!?理事長相手に何を...」
ネイチャ「トレーナーさんは黙ってて!!!!」
ネイチャT「は、はいぃ!」
ネイチャ「理事長。あなたのミスは3つある。一つ目は、さっきも言ったけど理事長に面倒みてもらうほど、アタシたちウマ娘は弱くないこと。2つ目は理事長がそんなおせっかい焼かなくてもウマ娘たちは好きに生きていけること。3つ目は....」
ネイチャ「アタシのトレーナーさんを、バカにしたことだッ!!!!!!!!!!!!!」
パシーン
理事長「....!?..............あっ...(泣)」
ネイチャT「ビ、ビンタぁ!?」
ネイチャ「今ここで誓ってください。あなたの崇高な意思なんてアタシは知りません。ただもう金輪際、うちのトレーナーさんを利用しない。これを誓わなければアタシは永遠とビンタし続けますから!」
理事長「いたいっ!いたい!ネイチャ君やめ...痛いっ!ごめんなさいっ!もうしませんから許してくださいっ!いたいぃい!」パシーンパシーン
ネイチャT「ね、ネイチャさん!?やり過ぎではないでしょうか!?」
ネイチャ「.....黙っててって言ったよね?と、いうかトレーナーさんにも言いたいことあったんだよね...」ハイライトオフ
ネイチャT「え...」
ネイチャ「ニンニクだとか縄とか....もう少しマシなアドバイスしてりゃこんなことにはならなかったでしょうがああ!!!!!!」
ネイチャT「アッ...」
その日、理事長室には鋭く鈍い音が朝まで響き渡った。同時に何か叫び声まで響き渡ったという...
____
ネイチャ「理事長?もうしませんか?」
理事長「反省...もうしませんネイチャママ...」
ネイチャT「ハイモウシマセン」
ネイチャ「いやなんでトレーナーさんもそんなヘコんでるの...」
ネイチャT「(覚えていないのですか...?だとしてももうあの姿のネイチャさんは見たくありません...)」
ネイチャ「理事長、貴方の思想は素晴らしいと思います。ですけど、そこまで面倒みなくても大丈夫ですから。好きな人に自分で告白するぐらい、できますからアタシたちは」
理事長「肯定...そうだな。少し過保護になりすぎていたのかもしれない。本当に申し訳なかった...私は理事長失格だな...」
ネイチャ「...いいえ。そんなことはないですよ。理事長はウマ娘のために頑張ってきたじゃないですか。初回のURAファイナルズだって、あんなに芝を育ててくれたじゃないですか。そんなこと理事長しかできませんよ。理事長がいなくなったら皆悲しむと思います。ですから、この騒動の真実は公開しないでください。その代わり、今までと同じようにウマ娘のために行き過ぎない程度にサポートしてもらえると助かります。」
理事長「ネイチャ君...許してくれるのか?こんな私を...」
ネイチャ「許すもなにも、理事長がアタシたちウマ娘のためにやってくれたことですしね。理事長が悪意をもってやってないことは分かってます。まぁトレーナーさんを利用したことはちょっと...いやかなり許せ...いや許しますけどね」
理事長「(本当に許してもらっているのだろうか...)」
ネイチャ「何はともあれ、理事長には理事長をやめてほしくないってことです」
理事長「....感謝...ッ...」
____
ネイチャ「はぁ...まさか理事長をビンタするなんて...あんなに何度も...ああもう何やってんだアタシいいい!!!こんなん問題行動どころじゃないよお!退学だよ退学!ああなんてことをしてしまったんでしょうかアタシはあああ!!」
ネイチャT「ネイチャさん...」
ネイチャ「...これでもうわかったでしょトレーナーさん。貴方は利用されてた、貴方の知らないところで。なんでそれを許したの?理事長がやったことはトレーナーさんの意思を無視した行動だったんだよ?」
ネイチャT「.....ウマ娘のため...です。私も、ウマ娘の未来を案じる大人でありたかったのです」
ネイチャ「トレーナーさん...」
ネイチャT「ですが笑い話にもなりませんね。私はウマ娘のためにと、トレーナーの皆さんを結婚させないようにしようと奔走していたのに、むしろそれを推進させていて、それどころか私のこの行動は理事長に利用されていたのですから。本当に...私は今まで何をしていたのでしょうか」
ネイチャ「........」
ネイチャT「私は...驕っていたのでしょうね。ネイチャさんを育て上げたという、一種の自信を持っていた。ですがそれは、ネイチャさんが努力に努力を重ねたことが要因であって、私が貴方にしたことはとてもとても小さいことでしかなかった」
ネイチャT「別に私でなくても、ネイチャさんなら強くなれたでしょうに...」
ネイチャ「!」
ネイチャは自らのトレーナーの告白に驚いた。ネイチャはこのトレーナーのすること成すことを完璧だとこの前まで思っていた。トレーナーの存在のおかげで、自分は強くなれたのだと。自分の力はトレーナーなしではありえなかったのだと。そんなトレーナーがまるで自分と同じようなことを言っているではないか。ネイチャはその事実に笑ってしまった。
ネイチャ「ふふふ...あはは。あーおかしい...」
ネイチャT「ネイチャさん...?」
ネイチャ「....アタシたち、似た者同士だね。ついこの前までアタシはトレーナーさんにおんぶでだっこな状態だと思ってたのに、むしろトレーナーさんもそう感じてたなんてさ。あーほんとおかしい...」
ネイチャT「え?」
ネイチャ「ねえトレーナーさん。アタシたちはさ、お互い中途半端でミスする人だけどさ。だからこそアタシたちは一緒に会ったのかもしれないね」
ネイチャT「どういうことですか?」
ネイチャ「完璧な人なんていない。どんな人だってできないことくらいあるんだってようやくわかったの。アタシができないことをトレーナーさんが埋めてくれて、トレーナーさんができないことをアタシが埋める...これが、真の相棒っていえるって思いません?」
ネイチャT「ネイチャさん...今でも貴方は私のことを相棒だと言ってくれるのですか?」
ネイチャ「当たり前デスよトレーナーさん。むしろトレーナーさんがいなかったら始まんないし。それにトレーナーさんをちゃんと見とかないと、なんかしでかすかもしれないじゃん?ならアタシが一緒に見たげるからさ。トレーナーさんもちゃんとアタシを見てて?」
ネイチャT「!........ありがとうございます」
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ネイチャ「あーそういえばさ...今指輪ってもってます?」
ネイチャT「?一応持っていますが?」
ネイチャ「あー...じゃあさ。今回の一件のおわびとしてさ、その指輪を...えっと...あ、アタシに試しにつけてもらえませんか?....なんちゃって...」
ネイチャT「!...........それはどうしてですか?」
ネイチャ「え”っ”...えっとまぁ...ほら!試しに...ね?別にいいじゃん、あくまでダミーなんだしさ、それぐらいやってよトレーナーさん!」
ネイチャT「.........................いえ、それはできません」
ネイチャ「.....トレーナーさん、それすらやってくれないの?それはダミーなんだし、あくまでつけるくらいいいじゃん...」
ネイチャT「.....ふさわしくありませんから」
ネイチャ「そうですか...ダミー指輪すらアタシには合いませんか....」
ネイチャT「そうではありません。ネイチャさんにはもっと、素晴らしい指輪をお送りいたします。...ネイチャさん。こんな私ですが、共に指輪を選んでいただけませんか?」
ネイチャ「....えっそれって...」
ネイチャT「ネイチャさん。私はとても完璧とは程遠く、貴方に迷惑をかけてしまうことでしょうが...私は、貴方のことが...好き...なのだと思います...はい...」
ネイチャ「ふっ...ふふふ。なにそれ、かっこ悪いよトレーナーさん」
ネイチャT「す、すいません...慣れていなくて...」
ネイチャ「...いいよ。トレーナーさんとならアタシは、どこまでもキラキラできるし、それに...」
ネイチャ「トレーナーさんの一着は、だれにも譲るつもりないから!」
色々あったこの一日であったが、ナイスネイチャは今まで生きてきた中で、一番素晴らしい笑顔を見せた。
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テイオー「ねえトレーナー?ここ全然釣れないんだけど、本当にここ名スポットなのぉ?」
テイオーT「おっかしいなァ...ウンスTからめっちゃ釣れる良穴場って聞いたんだけどな...」
テイオー「ちょっとぉ...地方のレースに行きますっていうわざわざ言い訳まで用意してまで来たのにこれとか、つまんないよー」
テイオーT「って言ってもなァ...誰かに幸奪われたかァ?たくどこのどいつだよ本当に...」
(テイオーTの携帯)<キミトユメヲカケルヨナンカイダッテマキオコセスパート
テイオー「およ?トレーナー!電話かかってるよ?」
テイオーT「ん?たくなんだよ今楽しんでるときにィ........はぁ!?マジで!?」
テイオー「どうしたの?」
テイオーT「ふっ...俺が今まで一番驚いた日かもしんねーな。テイオー!帰るぞ!ネイチャTを煽りに行く!」
テイオー「え?どういうことおお?ちょっと待ってよトレーナー!」
ダミー結婚指輪がバレたトレーナー 完.....?
ダミー結婚指輪がバレたトレーナーを見てくださりありがとうございました。
一旦このシリーズはここで畳ませていただきます。気が向いたら続きを書きます。
渋( https://www.pixiv.net/users/36097760 )では一応続きを書いていますので、気が向いたらみてやってください。全私が喜びます。
では改めて読んでくださりありがとうございました。